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ホロスコープ星国 ルシス編 パート25
しおりを挟むテフヌトとイシスはお互いに睨み合っている。
「俺は以前からお前の態度が気に入らなかった」
テフヌトが睨みつけて言う。
「俺もリーダ気取りのお前に以前からムカついていたのだ」
イシスは、テフヌトを睨み返す。
「俺に勝てると思っているのか」
テフヌトはイシスの胸ぐらを掴む。イシスは、テフヌトの腕を払う。
「上等だ!今この場でお前より俺のが強いこと証明してやる」
イシスは、強く拳を握りしめた。イシスの拳は金色に輝き出して、イシスの腕が三日月のような剣になった。イシスは腕を剣に変える能力『クレセント(三日月)』を使った。
イシスは両手を剣に変えて、戦闘態勢に入った。
「俺の剣の舞を避けることができるかな」
イシスは笑みを浮かべながら、クネクネと体を動かしながら、テフヌトに攻撃を仕掛ける。
一方、テフヌトは、『ライオンネイル』の能力を使って、両手の爪を剣のように伸ばして、戦闘態勢に入る。
「うるさいです!」
ゲリとフレキの感動の対面を果たしている時、私の横でごちゃごちゃと騒いでいる2人の男がいた。温厚な私は、無断でこの島に入ってきたので、ある程度の雑音は許してあげることにした。しかし、あまりにもうるさいので、注意することにしたのである。
「関係のない奴は黙っていろ!」
テフヌトとイシスがハモるように言った。
『ボコ、バコ』
私は相手にするのが面倒なので、扉をノックする感じで、軽くみぞおちを叩いた。
『ズデン』『バタン』
テフヌトとイシスは白目を向いて倒れた。
「これで静かになります」
私はニコって笑って呟いた。
「ルシスさん、あの2人が私を連れ去った竜騎士ですか?」
「そうだと思います。うるさいので、少しおとなしくしてもらいました」
「そうですね。さっきから、ゲリさんにちょっかいをかけていましたね」
「私に何かしてたの?」
ゲリには攻撃無効の神獣スキル『鉄壁』あるので、全く攻撃は効かないのである。
「ゲリちゃんには、特殊なスキルがあるので、攻撃は無効化されるから、本人は何があったのか気づいていないのです」
「そうみたいね。あなた達が、あの2人の攻撃を無視していたから、問題ないのだとすぐに気づきました・・・そういえば、私はラードーンに攻撃された時、痛みを全く感じませんでした。もしかしたら、ゲリさんのスキルが関係あるのですか?」
フレキは一方的にラードーンから攻撃を受けたが、全く効いていなかった。それは、ラードーンの攻撃力が低いからではないのである。
「私が、『同化』を使ったのだぁ」
ゲリが人界に降りたことにより、ゲリのもう一つの幻獣スキル『同化』を発動したのである。ゲリには、大事な人を守るために、『鉄壁』のスキルを一時的に与えることができるのである。
ゲリは、フレキに何かあったら困るので、『同化』を発動していたのである。
「もしかして、ゲリさんその『同化』を授けられた私は、『鉄壁』を使うと魔力が減少するのですか?」
「???わからないのだぁ」
ゲリは首を傾げる。
「その可能性は高いと思います。『鉄壁』はゲリちゃんのスキルなので、ゲリちゃんは魔力は消耗しません。しかし、フレキさんは、一時的にゲリちゃんの『鉄壁』を借りている状態なので、『鉄壁』が発動されると、魔力を消耗する可能性があります」
私は、わかりやすく解説をした。
「それで、魔力がなくなったのですね」
フレキは納得した。
「私・・・お姉ちゃんに迷惑をかけたのだぁ」
ゲリは涙目になる。
「違います。ゲリさんのおかげで、私はラードーンに殺されなかったのです。ゲリさん、私を助けてくれてありがとうございます」
フレキは笑顔でお礼を言った。
「お姉ちゃーーーん」
ゲリはフレキにお礼を言われて嬉しくて、フレキに抱きついた。
「ゲリさん」
フレキもゲリを抱きしめる。
フレキには『鉄壁』のスキルが発動しているので、ゲリのベアハッグは効かないのである。なので、お互いに抱きしめあって、久しぶりの再会を喜ぶのであった。
「あいつらは何者だ・・・」
上空から、私たちを見ている人物がいた。それは・・・ディービルの森の魔獣を『オリュンポス国』へ誘導しに行った竜騎士のシューであった。
シューは『ヘリオポリス島』の周辺でただなぬ魔力を感じて、急いで戻ってきたのである。『オリュンポス国』への魔獣の誘導は、召喚したドラゴンに託したのである。
「見つからないように、みんなに知らせないと・・・」
シューは私に見つからないようにこっそりと、逃げ出したのである。
『トントン』
シューの背中を誰かが叩く。
「誰だ、俺は今忙しいのだ。後にしてくれ」
シューはイライラしながら言った。
「どこへ行くのですか?」
「アトラース様に報告に行くのだ」
「アトラース様って誰ですか?」
「アトラース様はこの『ヘリオポリス島』を作って、結界を張った人物だ」
「どこにいるのですか?」
「この島にはいない。でも連絡する方法があるのだ」
「何を報告するのですか?」
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「私も付いて行きます」
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