237 / 453
ホロスコープ星国 パート13
しおりを挟む「ウルフの森も俺の支配下にしてやるぞ」
ケルベロスが睨みつけながら言った。
『ホワイトブレス』
フレキは白い突風を放った。
「そんな、しょぼい風で何ができるのだ」
ケルベロスは、『ホワイトブレス』を避けようとしない。自身の強靭な体に自信があるのだろう。
突風がケルベロスを襲う。
ケルベロスは涼しい顔をして、突風を全身で受け止めた。
「心地よい風だぜ」
ケルベロスは、余裕の笑みを浮かべて言った。
「次は俺の番だな」
ケルベロスは、フレキに向かって歩き出した。
しかし、いくらケルベロスが、前に歩き出そとしても前に進まない。
「なぜ、前に進めないのだ!」
ケルベロスがイライラする。
「その風は、無限に吹き続ける風です。なので、あなたはその場から動くことはできないのです」
フレキの放った『ホワイトブレス』は、ケルベロスの前に風流の元が形成されて、無限に突風を放っていたのであった。
ケルベロスは、動く方向に風流の元が移動するので、ケルベロスは身動きが取れないのであった。
「俺の動きを封じたくらいでは、俺を倒すことはできないぞ」
ケルベロスは吠える。
「私は、あなたの命をいつでも奪えます。最後にチャンスをあげましょう。もう争いをやめて森でひっそりと暮らしてください」
フレキは静かに言った。
「こんな風は大した事ないのだが、今回はお前の熱意に免じて、お前の話を聞いてやろう」
ケルベロスは、ホッとしたように言った。
「次はありませんよ」
フレキは静かに言った。
「俺は、魔獣王の血を引き継ぐ高貴なる魔獣だ。嘘など言わない」
ケルベロスは、淡々と言った。
フレキは、風流の元を解除した。
「約束は守ろう。俺は争いはしない」
ケルベロスは言った。
「しかし、俺は争いを起こすぜ」
ケルベロスのもう一つの頭が言った。
ケルベロスは、風流の元がなくなるとすぐに、フレキの首元を噛みちぎろと突進した。
『ガブリ』
ケルベロスがフレキの首に噛み付くより先に、フレキがケルベロスの首を噛み付いた。
ケルベロスの首が引きちぎられる。
『ガブリ』
「俺も争いを起こすぜ」
ケルベロスのもう一つの頭がケレスの首に噛み付いた。
フレキの首元から血が滴り落ちる。
「くだらないです」
フレキはそういうと、体を大きく揺すって、ケルベロスを弾き飛ばした。
ケルベロスは、地面に叩きつけられ倒れ込む。
「なんて力なんだ」
ケルベロスは、悔しそうに言った。
ケルベロスは、フラフラになりながらも立ち上がった。
「オルトロス、加勢しろ」
「・・・」
「オルトロス、早く加勢しろ」
「・・・」
ケルベロスが大声で叫ぶが、返事はない。
「あなたは、周りが見えていないのですね」
フレキは静かに言った。
ケルベロスは、周りを見渡した。
「誰もいない・・・」
ケルベロスがフレキと戦っていた間に、野外ステージ付近にいた魔獣は、フレキの恐ろしさを感じて、すぐに逃げ出したのであった。
「オルトロスというのは、二つの頭を持つ犬の魔獣ですね。オルトロスは、先陣を切って逃げて行きました」
フレキは静かに言った。
「俺の負けを認める。だから命だけは助けてくれ」
ケルベロスは、勝てないと悟って命乞いをした。
「もう、あなたを信じることはできません」
フレキは静かに言った。
「俺は魔獣王の血を引き継ぐ高貴な魔獣だ。俺と一緒に組まないか?150年前に、魔獣王が成し遂げれなかったこの世界の王に、俺と一緒に目指そうではないか!」
ケルベロスは、必死に言った。
ケレスは、大きく口を開いて『ホワイトブレス』を放った。
閃光のような光り輝く突風が、一瞬でケルベロスの体を粉々にした。
「終わりました」
フレキは、私に言った。
「フレキさん、お疲れ様です」
私は笑顔でフレキに言った。しかし、フレキの表情はとても悲しそうだった。
「今日は、ゆっくりと休みましょう」
私は、フレキに優しく言った。
「そうですね」
フレキの首元の傷は、『ホワイトブレスヒーリング」で治療して、2人で宿屋に戻った。
★オルトロス視点になります。
「逃げるぞ」
オルトロスが言った。オルトロスは二つの頭を持つ犬の魔獣である。
「しかし、ケルベロス様が、ウルフキングと戦っています」
ドッグワンが答える。ドッグワンは大きな犬の魔獣である。
「ケルベロスは、わかっていないのだ。ウルフキングはC1ランク以上の力の持ち主だ」
オルトロスが怯えながら言った。
「C1ランクを超えるとなると、魔獣王様クラスになると思いますが、本当なのでしょうか」
ドッグワンは、オルトロスの言葉が信用できないのであった。
「本当だ。今逃げないと、俺たちも殺されるぞ」
オルトロスは、フレキに恐れて、颯爽と逃げ出した。そして、オルトロスに続いて、野外ステージに集まった魔獣たちも一緒に逃げ出したのであった。
「これからどうするのですか?」
ドッグワンが聞いた。
「ラードーン様に報告いくぞ」
「ケルの森を捨てるのですか」
ドッグワンが、問いかける。
「俺たちでは、ウルフキングには敵わない。だから、ケルの森に戻るのは危険だ。ラードーン様がいる。王の森に向かうぞ」
オルトロスは、怯えながら言った。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー
ジミー凌我
ファンタジー
日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。
仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。
そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。
そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。
忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。
生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。
ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。
この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。
冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。
なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。
【get a second chance】~イケメンに生まれ変わったら見える景色が鮮やかになった~
ninjin
ファンタジー
50歳、独身、引きこもりの俺は、自宅の階段から転げ落ちて死んでしまった。しかし、俺は偶然にも【get a second chance】の権利を得る事が出来た。【get a second chance】とは、人生をやり直す事が出来る権利であり、しかも、ゲームのように自分自身のレベルを上げる事で、イケメンにもなれるのである。一回目の人生は、不細工は不細工のまま、勉強しても頭が悪いのは悪いまま、運動神経がなければスポーツは上手くならない。音痴なら歌は上手くならない。才能がない者はどんなに頑張っても無意味だった。しかし、二度目の人生は違う。頑張れば頑張るほど成長できるやりがいのある人生だった。俺は頑張ってレベルを上げて二度目の人生を謳歌する。
転生したらチートでした
ユナネコ
ファンタジー
通り魔に刺されそうになっていた親友を助けたら死んじゃってまさかの転生!?物語だけの話だと思ってたけど、まさかほんとにあるなんて!よし、第二の人生楽しむぞー!!
チート級のジョブ「夜闇」についた俺は欲望のままに生きる
亜・ナキ
ファンタジー
転生を果たしてしまった俺は、チート能力としか思えないジョブ「夜闇」になってしまう。金持ち王子に仕返ししたり、美少女を助けたり、気まぐれに、好き放題、欲望のままに俺は生きる。
すみません。しばらく連載中止します
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる