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倭の国パート11

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  剣術大会に参加するのは、倭の国最強の侍と言われる8剣豪である。

 8剣豪が参加するので、他の侍達はビビって誰も参加しなかったらしい。

 その中に、私とロキさんが参加するとなって、侍達は、神聖な剣術大会が汚されると、私たちに対して、怒りをあらわにしていたのであった。

 剣術大会は、最強の剣豪を決める大会と銘打っている。なので、他の国からの参加は、もちろん認められている。しかし、鎖国状態の倭の国の大会に、他の国の剣士が参加することは全くない。

 剣術大会はトーナメント方式になっていて、抽選であらかじめ組み合わせは決まっている。しかし、私も、ロキさんも抽選に呼ばれていない。それだけ、私たちは、歓迎されていないのであった。


 「ロキさん、調子はどうですか?」


 近藤男が声をかけてきた。


 「万全です。近藤さんはどうですか?」

 「私も万全です。ロキさん達を抽選会に呼べなくて、申し訳ありません。招待もされていない、他の国の者が参加することに、異論を唱える者のいましたので、できるだけ穏便に済ませるために、私も大会組織の者に、抽選方法に異論は唱えませんでした」

 「気にしていませんわ。誰と戦っても勝てばいいのですから」

 「その通りです。しかしこの大会では、魔法での攻撃は反則になります」

 「身体強化や、剣に魔力を込めるのも禁止ですか?」

 「それは問題ありません。私たちも忍術で肉体強化や、剣の強化はおこないます。明らかな魔法による攻撃を禁止しているだけです」


 男は魔法を使えないので、禁止されているのであろう。それに、忍術とは、神技と同じ原理であろう。もしかしたら、神の子のような、特殊なスキルも持っている侍がいる可能性もある。


 「わかりました」


 「本当に、そこの可愛い女の子も参加するのですか」

 「はい。この子は私より強いです。しかも彼女は、神剣に匹敵する短剣を持っています」

 「ほほう。それはかなり気になります。神剣とは、神の力が宿った刀と聞いています。そのお嬢さんの短剣も何か不思議な力が宿っているのですか」


 いえ違います。ただの料理用ナイフです・・・とは言えない雰囲気である。


 「秘密です」

 「そうですね。手のうちを見せるわけには、いかないですよね」


 そう言って近藤男は、追求してこなかったので、私は安心した。


 「もう、対戦表は見ましたか」

 「いえ、まだです」


 対戦相手は、とても気になるところである。いきなりロキさんと戦うのだけは、避けたい。


 「これが対戦表です」


 第一試合

 宮木武蔵(エードの町)対ルシス(冒険者)

 第二試合

 佐々木大二郎(エードの町)対岡田内蔵(長力の町)

 第三試合

 野獣十兵衛(エードの町)対沖田早郎(フレッシュ組)

 第四試合

 西郷大盛(イモの町)対巴午後(京の都)

 第五試合

 近藤男(フレッシュ組)対ロキ(冒険者)



 「私の一回戦の相手は、ロキさんなんです」

 「そうなんですか・・・」


 これは、明らかに、仕組まれている感じがする。私の一回戦の相手は武蔵だ。子供だから弱いと思って、この組み合わせにしたのだろう。明らかに、よそ者の私たちを、潰しにきているのである。

 ロキさんに近藤男をぶつけたのも、邪魔者同士を戦わせようとしたのであろう。



 近藤男は、私たちに、参加する8剣豪のことを紹介してくれた。

 宮木武蔵、倭の国最強の侍であり、剣術大会5連覇中の絶対王者である。二刀流のパワー系の剣術使いである。

 佐々木大二郎、倭の国ナンバー2の剣豪であリ、剣術大会5年連続2位の実績を持つ。細く長い刀をもちいて、スズメ返しという技を使う。

 岡田内蔵、8剣豪の1人である。平民出身の剣豪であり、独学の剣術で予測不能な剣技を使う。

 野獣十兵衛、眼帯をした8剣豪の1人である。眼帯を外した時、本当の力を発揮すると言われているが、その力を発揮した事はない。

 沖田早郎、フレッシュ組最強の剣士であり8剣豪の1人である。今回初出場であり、神業を持つと言われていて、宮木武蔵を倒せるのは、沖田だけと言われている。

 西郷大盛、8剣豪の1人である。大きな太い剣を使い、倭の国一の力持ちである。

 巴午後、8剣豪の1人であり唯一の女性である。細く長い薙刀を使う。魔法が禁止されていなければ、武蔵よりも強い戦場最強の戦士である。

 近藤男、フレッシュ組の組長である。倭の国ナンバー3の剣豪であり、5年連続3位である。沖田がフレッシュ組に入ったことで、俺の時代は終わったと言っていた。

 この8剣豪と私とロキさんで剣術大会が行われる。

 私は、一回戦に出場するので、すぐに係の人が呼びにきたのであった。


 「ルシスちゃん、頑張ってね」

 「無理をしないでください。身の危険を感じたら、すぐに逃げてください。私もすぐに駆けつけます」


 近藤男はとてもいい人である。この人が、このエードの町の将軍になれば、エードの町も平和になるだろうと私は思った。

 
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