151 / 453
妖精王パート21
しおりを挟む「気持ち悪いな」
「本当ですわ。下に降りたくないですわ」
虹蛇の体の中は、大きな空洞になっているが、大小の様々な大きさの蛇が、徘徊しているのであった。
「ここは、蛇の楽園だな」
「そう見たいですわ。下に降りたら、すぐにでも、蛇に丸呑みされてしまいそうですわ」
虹蛇の胴体の直径は100mくらいはある。胴体の長さに関して、観測するのが難しいほど長さである。
そん巨大な体の中には、無数の蛇が住む楽園があったのである。
「サラ、ここには、蛇以外何もなさそうだぜ。引き返そうぜ」
「そうですわ。こんなところ、すぐに出ましょうよ」
「私には、わかるのよ。奥に行けば何かあるはずよ」
トールさんは、虹蛇の中に入って、ようやく理解した。ヤミークラブはもう、蛇に食べ尽くされたとを。
ポロンさんは、トールさんの顔を見て、ようやく理解した。ここへきたのは、大・大・大失敗であったことを。
サラちゃんは、確信を持った。こんなにたくさんの蛇がいてるなら、ヒュドラのような甘くて美味しいコアを持った蛇が、必ずいてるに違いないと。
「先へ進むわよ」
サラちゃんが進むので、トールさん達は、渋々付いていった。
「どこまでいくつもりだ」
「そうですわ。サラちゃんは、何を探しているの?」
「気が散りますわ。私は、集中しているのよ」
サラちゃんは、人型に戻って、注意深く、美味しそうなコアを持っている蛇を吟味していた。
「あの蛇だわ」
サラちゃんは、ポツリとつぶやいた。
「サラ、何か言ったか?」
「間違いないわ。あの蛇を討伐しますわ」
サラちゃんは、急加速して、先へ進んだ。
「サラ、早すぎるぞ」
トールさん達も、フワリンのスピードをあげて、追いかけていった。
「トール、あれを見て!!」
「でかいな・・・・それに、なんて色をしているんだ」
トールさん達が、目にしたのは、レインボーに輝く美しい蛇がトグロを巻いて、座ったいたのであった。そして、その蛇の周りには、豪華な食事が並んでいたのであった。
「あの蛇の周りに置かれているのは、もしかしたら・・・・」
「そうですわ。料理されたヤミークラブですわ」
「あいつが、虹蛇の世界のボスなんだろうぜ」
「間違いないですわ。そして、あそこに並んでいる食事は、私のものですわ」
「いや、俺のだ」
2人は、また、醜い争いをするのである。
「ついに見つけ出したわ」
サラちゃんの目が、爛々と輝いている。
レインボースネークは、胴体が10mあり、全長も100m以上ある大きな大蛇である。全身の鱗がレインボーに、光ってとても綺麗な姿をしている。
「トールさん、私をあの蛇の口へ、投げてくれないかしら」
サラちゃんは、体を丸くして、トールさんの側に座った。サラちゃんは、私が、ヒュドラの口へ放り込んだやり方を、思い出したのである。
「えっ・・どういうことだ」
トールさんは、飲み込めていない。
「私が、あの蛇の体内に入って、退治してきますわ。なので、私をあの蛇の口の中へ、放り投げてちょうだいよ」
「よしわかったぜ。あの蛇の口に、入れたら良いのだな」
「そうよ」
サラちゃんのウキウキ気分は、頂点に達した。あの蛇の中には、絶対に、大きくて、美味しいコアがあるに違いないと、ワクワクしている。
サラちゃんを持ち上げて、トールさんは風魔法を使って、サラちゃんを投げ飛ばす。しかし、トールさんは、レインボースネークの周りに、用意されているヤミークラブが、気になって仕方がないのである。
「さぁ、早く投げてよ」
サラちゃんは催促する。
「わかったぜ」
トールさんの心は、ヤミークラブにぞっこんである。トールさんの視線は、ヤミークラブからそらす事ができず、サラちゃんを、適当に放り投げる。
サラちゃんは、すごい勢いで、飛んでいくが、レインボースネークの口じゃなく、胴体に突進する。
「トールさん、違うわよーーー。どこに投げてるのよ」
レインボースネークは、何かが胴体に当たって、異変を感じて、大きな二つの目がギョロリを見開いた。
「俺の体内に、侵入者が来たみたいだな。お前達が、ヒュドラを倒し、オロチを封印したのか」
レインボースネークは、鼓膜が破れるくらいの音量で、話しかけてきた。
「うるさいぞ。もっと静かに話せ」
トールさんはブチ切れる。今は、レインボースネークの話しより、どうやって、ヤミークラブを盗むことかに集中している。
「そうよ、うるさいわよ。オロチを封印したのに、何か問題でもあるのかしら?」
ポロンさんも、イライラしていた。こっそりとヤミークラブを盗む予定が、トールさんが、サラちゃんをレインボースネークにぶつけたせいで、盗むのが困難になったからである。
「少し、小さめに話そう・・・」
レインボースネークは、うるさいと言われて、少し萎縮した。
「俺の体内に潜入したのは、お前達が初めてだ。その度胸は褒めてやろう。そして、お前達が体内に入ってきた、目的はこれであろう。これは、オロチから預かった大事な物だ。簡単には、渡すわけにはいかないぞ」
「大蛇よ、気づいていたのか。俺たちの目的を」
「もちろんだ。お前達の目的は・・・・」
「ヤミークラブだ」
「ヤミークラブよ」
「えっ、オロチの秘宝の草薙の剣じゃないのか???」
八岐大蛇は、草薙の剣を、虹蛇の体内に、隠していたのであった。
トールさん達は、妖精の試練の内容を、今思い出したのであった。私たちの目的は、八岐大蛇を討伐して、草薙の剣を手に入れることである。八岐大蛇は、封印して討伐完了だ。もう一つの目的の、草薙の剣は、まだ手に入れていなかったのであった。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
伯爵家の三男は冒険者を目指す!
おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました!
佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。
彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった...
(...伶奈、ごめん...)
異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。
初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。
誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。
1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
異世界転生は、0歳からがいいよね
八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。
神様からのギフト(チート能力)で無双します。
初めてなので誤字があったらすいません。
自由気ままに投稿していきます。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる