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妖精王パート19

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 私たちは、生贄になった女性を全て救い出して、八岐大蛇を封印した瓶を持って、村長の家に向かった。

 村長の家では、生贄になる予定の孫娘と最後の時間を、家族と共に過ごしていたのであった。


 「村長さん、もう、大丈夫です。ヒュドラは退治して、八岐大蛇は、封印しました。それに生贄になった女性達も、無事に保護しました」

 「ありがとうございます」


 村長さんは、涙を流して、喜んでくれた。


 「村長、ミコトです。虹蛇が動き出すと思います。伝説通りだと、大人しく、家で待機したほうが、良いと思います」


 ミコトさんの話しによると、虹蛇は、餌を求めて、数10年に一度、移動するという。しかし、虹蛇の山に、八岐大蛇が住みだしたので、移動することを、辞めてしまったという。それは、移動しなくても、八岐大蛇から、餌をもらえるからである。

 しかし、八岐大蛇がいなくなったので、自分で餌を取るために、移動を開始するということである。虹蛇は、特に人を襲う事はないので、移動するのを家で大人しく、じっと待つことを勧めてくれた。

 村長は、村人に祭を中止させて、家で待機するように指示を出した。もちろん、ヒュドラは討伐され、八岐大蛇は封印したと報告をした。

 村人や、祭りに参加した周辺の村人は、歓喜の声をあげたが、伝説の虹蛇が、移動すると分かったので、すぐに、家に帰ったのであった。

 私とロキさんは、村長から、約束通りヤミークラブを貰い受け、そのヤミークラブを使って、村長の家で、ヤミークラブ鍋をご馳走されることになった。


 「あなたのおかげで、ヒュドラの脅威がなくなり、八岐大蛇も封印されました。それに、長年滞在していた、虹蛇が移動するので、この村も平穏になります。本当にありがとうございます」


 村長が、お礼の言葉を述べた後、村長の親族とミコトさんで、鍋を囲んで、ヤミークラブ鍋パーティーが開催された。

 八岐大蛇の家に残っていた、ヤミークラブは、生贄の女性が、もったいないと思って、切り分けて、小さくして、袋の中に入れて、持ち帰っていたのであった。

 なので、この大人数でも、足りるくらいのヤミークラブは、あるのであった。

 私と、ロキさんは、茹でたヤミークラブを、お腹一杯になるまで、堪能することができたのであった。ヤミークラブの身は、プリプリして、食感も良く、程よい甘さが、鍋にピッタリと合うのであった。



 「どこを探しても、ヤミークラブなんて、ないぞ」

 「本当ですわ。どこに保存してあるのでしょう」

 「早く探してよ」

 「サラ!お前も、一緒に探せ。1人で鍋を食べたいる場合じゃないぞ」

 「1人では、ありませんわ。イフリートも一緒よ」


 サラちゃんとイフリートは、生贄の歓迎パーティーに、用意されていた鍋を勝手に、食べていたのである。そして、トールさんとポロンさんは、必死にヤミークラブを探すが、どこにも見当たらないのである。

 見つからないのは当然である。ヤミークラブは、もうここにはないのだから・・・
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