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パーシモンの町パート4
しおりを挟む「ロキさん、久しぶりです」
ロキさんは、冒険者ギルドで、ソールさんと、久しぶりの再会をしていた。
「ソールさんこそ、久しぶりです。ディーバ伯爵様から、ソールさんが、この町にいることは、聞いていました。冒険者ギルド行けば、会えると思っていました」
「そうだったんですね。ここでは、話しにくいこともあるので、飲み屋でも行きましょう」
ロキさんたちは、冒険者ギルドを出て、飲み屋街へ向かった。
「ドワーフの国では、収穫はあったのですか」
とソールさんは、尋ねてきた。
ロキさんは、ソールさんに、これまでの冒険のことを話し、今は、竜光石を加工できる職人を、探していることを説明した。
「それで、この町に来たのですか。バルカン・・・私の情報では、この町にいることは、わかっているのですが、居所まではわかりません」
「そうなのですか・・・残念です。ですが、ルシスちゃんも、探ってくれているので、そちらに期待します。ところで、ソールさんは、この町で何をしているのですか」
「私は、アポロ公爵を、監視しています。今は、ケレス団長が重症のため、その治療を優先しているみたいです。それと、アポロ公爵は、神守教会を裏切ったので、今は、立ち位置を模索中みたいなの。ネテア王妃派に、寝返ろうとしているみたいですが、何か誠意を見せないと、簡単には、受け入れてもらえないみたいだわ」
「なぜなのですか」
「それは、簡単には、派閥を抜けることはできないのよ。簡単に派閥を変える者は、信用できないし、スパイだと疑われてしまうからよ」
「そういうことですか。アポロ公爵は、どうするのですか」
「私の予想では、バルカンに神剣作らせて、ネテア王妃にプレゼントすると思うわ。初めは、ケレスの為に神剣を作る予定だったけど、それを変更するはずよ」
「神剣ですか・・そういえば、アレスが持っていた、神剣グラムはどうなったのですか」
「あれは、デレク王が、ブラカリの領主プルート侯爵様に、返還要求をしているわ」
「それで、返還したのですか」
「いや、断っているのよ。ネテア王妃から、返還しないように言われているの。神剣グラムは、アレスに盗まれたのではなく、デレク王が、アレスに渡した物だから、また誰かに渡すと、大変だからね」
「それでは、ブラカリ襲撃の本当の黒幕は、デレク王なのですか」
「そういうことよ。デレク王は、神守教会を利用して、ブラカリの町を、崩壊させてようとしたが、失敗したのよ」
「なぜデレク王は、ブラカリの町を襲撃したのですか」
「この国は、デレク王派とネテア王妃派に分かれているのよ。デレク王は、ブラカリの魔石技術の秘密を知りたがっているのよ。それで手っ取り早く魔石技術を、手に入れるために、ブラカリを襲撃したみたいなの。獣人討伐を名目にして・・・」
「そうでしたか。しかしそれは、失敗に終わりました。今後は、デレク王はどうするのですか」
「デレク王は、次は神守教会の分家である神光教団を、利用しよとしているわ」
「神光教団とは何者ですか」
「神光教団は、ネプチューン侯爵領の宗教団体だよ。表向きは、神守教会の教えを広めることなの。でもその実態は、ネプチューン侯爵の抱える戦闘集団なのよ。神光教団の教祖ハデスは、神の子であり、死者を操る能力を持ってる厄介な相手よ」
「死者を操る能力とは、不気味だわ」
「そうですね。しかも、マーニが切り落としたアレスの頭がなくなっているのよ。もしかしたら、神光教団の手に、渡っているかもしれませんわ」
「アレスがm屍人となって、復活する可能性があるというわけですね」
「そうですわ。なので、私たちは、アポロ公爵の監視を、一旦中止にして、ネプチューン侯爵領へ、向かう予定ですわ」
「そうでしたか。何かあれば協力します」
「わかったわ。何かあれば、ディーバ伯爵様に連絡しときますね」
ロキさんは、ソールさんと別れ、トールさんのいる飲み屋に向かった。
私は、飲み屋に向かう途中に、ロキさんと偶然出会い、一緒に向かうことになった。
トールさんとポロンさんは、もう、かなり飲んでいるみたいだ。よく見ると、イフリートも姿を現して、一緒に飲んでいるみたいである。サラちゃんが、いないのが救いであった。
2人の泥酔状態から考えて、話しを聞ける状態ではないと判断して、私は、ロキさんにだけ、バルカンの件を説明した。
「そしたら、その二つのアイテムを手に入れたら、加工してもらえるのだね」
「そうです。明日にでも、ポロンさんに、サラちゃんを召喚してもらって、取りに行きましょう」
「そうだね。あの2人には、朝にでも事情を説明することにしよう」
「そうですね」
「せっかくだし、私たちも、飲みましょう」
その日は、みんなで、たくさん飲んで、食べて騒いだのであった。もちろん私は、お酒は飲めないので、ジュースを飲んでいた。
次の日、2人に事情を説明し、パーシモンの町の北にある、カチンカチン山とコチンコチン山に向かった。二つの山は、双子山とも言われ、仲良く向かい合って、そびえ立っているのである。しかし性質は真逆であり、火の山と、氷の山である。
ポロンさんに、召喚されたサラちゃんは、今日は機嫌がいいのか、何も言わずに、運んでくれることを了承してくれた。
「私に任せておいてね。カチンカチン山に行けばいいのねーー」
なぜかノリノリのサラちゃんである・・・これは不安しか、湧いてこないのであった。
いつもよりスピードを上げて飛ぶサラちゃん。カチンカチン山には、30分程度で着いてしまった。
「飛ばしすぎだろ、サラ」
あまりの速さで、籠は、かなり揺れて、3人は、気分を悪くしていた。
「そうですわ。とても気分が、悪くなってしまったわ。ウェーーー」
ポロンさは、昨日の二日酔いと、籠の揺れで、かなり気分が悪そうだ。
「そんなに急いで、何か理由があるのか」
「何にもありませんわ。それでは、カチンカチン山を登りましょうーーー」
「お前も付いてくるのか」
「もちろんですわ。ポロンさんを守るのが、召喚獣の役目ですわ」
なんだかとても怪しい・・・絶対に、何かあるに違いない。
「イフリートさん。なぜサラちゃんは、こんなにも、のり気なのですか」
イフリートに、確認することにした。
「それは・・・・」
「イフリート余計なことは、言わないでよ」
「・・・・・」
「イフリートさん、何も言わないのなら、ポロンさんに言って、お酒は禁止しますね」
「それはやめてくれ・・・」
「それなら話して下さい」
「イフリート・・私を裏切るの」
「精霊神様、申し訳ありません。今の私のご主人は、ポロンさんです。ポロンさんの言う事は絶対です」
お酒の力に負けたイフリート、やっぱりサラちゃんの元一部であった妖精である。
「カチンカチン山にある、マグマ石は、サラマンダー様のおやつでございます。マグマ石は、非常に甘い成分を、含んでいるのであります」
「やっぱりそういう事だったのか」
「別にいいじゃありませんか。協力してあげるのだから感謝してほしわ」
そういうことで、サラちゃんも一緒に行くことになったのであった。
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