上 下
81 / 453

パーシモンの町パート1

しおりを挟む


  アビスは、ターニプの町で、ホワと共に暮らすことに決まったみたいである。エルフの国へ戻って、150年前の真相を打ち明けに、行きたかったみたいだが、ダークエルフになってしまったので、エルフの国へは、入ることができないのであった。

 代わりにポロンさんが、竜光石の件が、無事に片付いたら、エルフの国へ、説明することになったのであった。


 私たちは、ドワーフの国を離れ、サラちゃんに、ラデッシュの町まで運んでもらった。そして、お決まりのプリンを渡して、帰ってもらった。サラちゃんがいると、またとんでもないことを、してしまったら、大変だからである。


 「この町も久しぶりだな」

 「ああ、リアム元伯爵が、裏切り者だったのは、驚いたな」

 「そうだな」


 ブラカリの町の襲撃事件は、王国騎士団の副団長アレスの単独での叛逆として、処理され、首謀者の神守教会の教皇のドウェインは、罪を問われることはなかった。

 また、アレスに加担したとして、罪に問われた、リアムは、ディーバ伯爵の温情により、極刑は免れたが、身分を剥奪され、平民として、パースリの町で、油の栽培をしているらしい。

 多くの信者を失った、神守教会は、影響力がなくなり、今はおとなしくしているのであった。



 私たちは、冒険者ギルドに行って、ディーバ伯爵様に会いに行った。


 「お久しぶりです。ディーバ伯爵様」

 「ラスパの皆さん、お久しぶりです。今日は、どんな御用で、このラディッシュの町に来たのかしら」

 「実は、バルカンという鍛治職人を、探しています。ディーバ伯爵様ご存知ですか」

 「なぜ、あなた達は、バルカンの存在を知っているの」

 「ドワーフの国で、聞きました」

 「そうでしたか、最近、腕試しにドワーフの国へ訪れていたと聞いていたいましたが、本当だったのね。実は、バルカンの存在は、この国では、機密事項なの」

 「どうしてですか」

 「あなた達なら、話しても問題ないと思うわ。バルカンの一族は、鍛治の能力を持つ神の子であり、その能力を代々引き継いでいるのよ。その鍛治の腕は、ドワーフですら、足元に及ばないくらいの高技術なの。彼ら一族が作り上げる剣は、神剣と言われるのよ。そして、グラムもその一つよ。神剣を作るには、何十年もかかるみたいだけど、魔法の効力を消し去る神の武器になるわ。神剣は、あまりにも、強大な武器になるので、バルカンの一族の存在を、公にすることは、禁止されているのよ」

 「そうだったんですか・・・私たちは、竜光石を手に入れました。それを加工してもらいたくて、バルカンを探しているのです。加工してもらえるのでしょうか」

 「それは、わからないわ。バルカンは、アポロ公爵家の元で、代々お世話になっているはずだわ。一度行ってみると、いいかもしれないわ」

 「私たちが、アポロ公爵のもとへ行っても大丈夫でしょうか。ブラカリの件もあると思います」

 「問題ないと思うわ。アポロ公爵は、王都へいく途中に、ブラカリの町が送り込んだ、巨大な魔獣に遭遇して、撤退した言っているわ。だから、ルシスちゃんのことは、知られていないわ」

 「ルシス、魔獣にも変身できるのか」

 「できません」

 「だったら、なんで、そんなことになっているんだ。ルシスが撃退したんだろ」

 「はい。でも太陽騎士団長を、ボコボコにし過ぎたので、それで誇張されて、そうなったのだと思います」


 ボコボコじゃなく、丸焦げにしてやったんだけど、そこは内緒にしておこう。


 「よほど酷い目に遭わされたんだろうな」

 
 はい。その通りです。とは言えなかった。


 「でも、それなら、気にすることなく行けるので、よかったです」

 「そうだな」

 「ソール達も、アポロ公爵の行動を探るために、パーシモンの町へ行ってるわ。彼女達にも、聞いてみたらいいかもしれないわね」

 「ありがとうございます。明日にでもパーシモンの町へ行きます」

 「そうね、今日はこの町でゆっくりとするといいわ」


 私たちは、その日は、ラディッシュの町でゆっくりと過ごし、次の日にサラちゃんを呼んで、パーシモンの町へいくことにした。



 パーシモンの町は、王都ジンジャーを、ひたすら北に向かったとこにある。



 「疲れたよーーー」

 「サラ、もう少しだぞ」

 「もうダメーー。お腹ペコペコだよー」


 サラちゃんが、お腹をすかしたので、パーシモンに着く前に、少し休憩を取ることにした。


 「チーズインハンバーグをよこすのよ」

 「わかりました」

 
 私は、サラちゃん要望のチーズインハンバーグを、出してあげた。


 「これが欲しかったのよ」


 サラちゃんが、チーズインハンバーグ美味しそうに食べまくる。これは・・・悪い予感しかしない。


 「もっと、もっと出してー」


 もちろんこうなると、サラちゃんの食欲は止まらない。想像通り、たくさん食べて、気持ち良くなって、そのままお昼寝タイムに、入ってしまったのであった。


 「こうなると、もうサラマンダー様は、起き上がることはないでしょう」

 
 イフリートが言わなくても、誰もがもうわかっている。


 「馬車でいくか」

 「そうですね。食事を出したら、こうなるのは、もう、わかっていましたわ」


 私は、収納ボックスから、馬車を出して、パーシモンへ向かうことにした。もちろん、サラちゃんは、イフリートの手によって、イディ山へ戻っていった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

異世界定食屋 八百万の日替わり定食日記 ー素人料理はじめましたー 幻想食材シリーズ

夜刀神一輝
ファンタジー
異世界定食屋 八百万 -素人料理はじめましたー   八意斗真、田舎から便利な都会に出る人が多い中、都会の生活に疲れ、田舎の定食屋をほぼただ同然で借りて生活する。     田舎の中でも端っこにある、この店、来るのは定期的に食材を注文する配達員が来ること以外人はほとんど来ない、そのはずだった。     でかい厨房で自分のご飯を作っていると、店の外に人影が?こんな田舎に人影?まさか物の怪か?と思い開けてみると、そこには人が、しかもけもみみ、コスプレじゃなく本物っぽい!?     どういう原理か知らないが、異世界の何処かの国?の端っこに俺の店は繋がっているみたいだ。     だからどうしたと、俺は引きこもり、生活をしているのだが、料理を作ると、その匂いに釣られて人が一人二人とちらほら、しょうがないから、そいつらの分も作ってやっていると、いつの間にか、料理の店と勘違いされる事に、料理人でもないので大した料理は作れないのだが・・・。     そんな主人公が時には、異世界の食材を使い、めんどくさい時はインスタント食品までが飛び交う、そんな素人料理屋、八百万、異世界人に急かされ、渋々開店!?

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断

Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。 23歳の公爵家当主ジークヴァルト。 年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。 ただの女友達だと彼は言う。 だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。 彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。 また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。 エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。 覆す事は出来ない。 溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。 そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。 二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。 これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。 エルネスティーネは限界だった。 一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。 初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。 だから愛する男の前で死を選ぶ。 永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。 矛盾した想いを抱え彼女は今――――。 長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。 センシティブな所へ触れるかもしれません。 これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

処理中です...