80 / 453
ターニプの町その後パート3
しおりを挟む「日本酒はまだかー」
「ポテトフライを食わせろー」
「わしはチーズインハンバーグが食べたいぞ」
「なんだそれは、おれにも食わせろー」
「わしも食わせろーー」
「なんでもいいから、早く出せーー」
「お酒が、足りんぞー」
7巨星王は、もうかなり酔っているみたいだ。名誉王族の王女が、眠りから覚めたので、大宴会を開いているみたいである。
ホワさんが、私たちのところへ、来たのは、7巨星王達は、早くお酒が飲みたいから、代わりにホワさんを、よこしたのであった。なんて、いい加減な人たちなのであろう。
私は、とりあえず、要望通りに、日本酒、チーズインハンバーグ、ポテトフライを出してあげた。
「待ってました。ルシスちゃん」
「日本酒最高ー」
「きたーーーーチーズインハンバーーーーグ」
「日本酒には、ポテトフライがお似合いだーー」
「これが、チーズインハンバーグなのか。うまそうーー」
「わしもいただくぞ」
「追加のお酒、早くしろーーー」
7巨星王は、私の出した日本酒を、ガンガン飲んで、ガンガン食べまくる。私たちの大事な話しのことなんて、忘れてしまっているのだろう。
「おれも飲むぞ」
「私も飲みますわ」
ポロンさんは、精霊神の加護を手に入れたので、お酒を解禁した。
「私も参加するわ」
また呼ばれていないのに、サラちゃんがあらわれた。
「お、なんだその可愛い女の子は・・・・」
「あれは・・・」
「その姿は・・・」
「みんなどうした」
「やばくないか・・・」
「グゲーーーー」
「ぎゃーーー」
7巨星王は、目の前に、精霊神のサラマンダーがあらわれて、一気に酔いが覚めた。
「ポロン様、何かご不満でもあるのでしょうか」
ドッレが、ビビりながら、ポロンさんのもとへ来て尋ねた。7巨星王達は、サラちゃんをみて、びびってしまっている。
「なんもないわなぁー」
ポロンさんは、久しぶりのお酒で、もう酔っ払ってしまっている。
「この町を火の海に沈めないでください」
「任せるのよーー」
「お願いします。怒りを鎮めて下さい」
「よし、きたぁーー」
ポロンさんは、酔っていて会話にならない・・・
「大丈夫ですよ。サラちゃんは、遊びに来ただけなので、暴れたりしませんよ」
私は、7巨星王の青ざめた顔を見て、放ってはおけず、きちんと説明してあげた。
「ほんとに大丈夫ですか」
「問題ないです。お酒を飲んで、暴れるくらいです」
「・・・・・・」
「大丈夫です。屋敷を壊すことはないと思います。たぶん・・・」
「・・・・・・」
私も、自信を持って大丈夫ですとは、言えなかった。
トールさん、ポロンさん、ロキさん、サラちゃんは、楽しそうに日本酒を、ガンガンに飲んでいる。そこにホワさん、アビスもまざり、楽しそうだ。
それに引き替え、7巨星王は、お通夜みたに、静まりかえっている。
「どうする」
「大丈夫じゃないか」
「でも火の精霊神だぜ」
「いつでも、逃げる準備をした方が」
「おれの人生もこれまでか」
「おれも飲みたいけど、怖い」
「避難しようぜ」
その日は、みんなで、夜遅くまで、飲んで騒いだ。しかし事件は起こった。途中で、サラちゃんは、酔っ払って、空に向かって、マグマを吐き出した。空一面は赤く染まり、無数の大きな溶岩が、流れ星のように、至る所に降りそそいだ。
私は、すぐにシールドを張り、町の安全は確保したが、ターニプの町の周りには、至る所に大きな穴ボコが空いてしまった。私のシールドのおかげで、町には、被害が出ずに、済んだのだが、一歩間違えれば、大惨事になっていたのである。
サラちゃんには、途中退場してもらい、その後、7巨星王の悲痛な叫びを、聞きながらの宴会になってしまったのであった。
「昨日は大変だったな」
「ほんとそうですわ。サラちゃんにも、困ったものですわ」
「その精印は、封印することは、できないのか」
「無理ですわ。それに、せっかく召喚契約をしたのに、もったいないですわ」
「イフリートだけで十分だろ。サラはあまり役に立たないし」
「確かにそうですわ。でも・・・・ 」
「ひどいですわ。私は役に立ちますわ」
またまたサラちゃんがあらわれた。
「お前、昨日何をしたのか覚えてないのか」
「酔っていたので、わかりませんわ」
「やっぱ解約しようぜ」
「どうしましょう・・・」
「ポロンさん・・・私を捨てないでぇーーー」
「もう、酔ってマグマを吐き出すのは、禁止ですからね」
「記憶にはありませんが、善処します」
「また酔って大噴火を起こしそうだな・・・」
とりあえず、サラちゃんは、ポロンさんに許してもらったみたいである。移動手段として、サラちゃんは必要だからである。しかし今から、7巨星王に、竜光石の加工できる職人の話しを、聞きにいくので、サラちゃんには、ついて来ないように、お願いした。
「私だけ、のけ者にするなんて、ひどいですわ」
「サラが来ると、7巨星王がビビって、話しにならないし、お前は、町の外を、穴ボコだらけにしたから、そこで反省しとけ」
「記憶にございませんわ」
私たちは、サラちゃんを置いて、7巨星王に会いに行った。
「これは、ポロン様、わざわざお越し頂いて、ありがとうございます。サラマンダー様もご一緒ですか」
7巨星王達は、ポロンさんに失礼のないように、丁寧に挨拶をする。
「サラちゃんは、外で待機していますわ。それよりも、竜光石の加工職人を教えて下さい」
「はい。竜光石を加工できるものは、ドワーフの国に、腕試しに来た、神守聖王国オリュンポスのバルカンという男です。バルカンは、神から授かった能力の使い手で、鍛治の腕前は、私の知る限りでは、世界一だと思います。バルカンは、ディゴが、守護聖竜様から頂いた、竜鉱石を加工してました」
「バルカンという男なのね。その男は、今はどこにいるのですか」
「半年前に、アポロ公爵の使いの者が、バルカンを連れ戻しにやってきました」
「アポロ公爵だと・・」
「はい、そう言っていました」
「アポロ公爵といえば、ブラカリの町の襲撃事件の時に、ルシスが撃退した北の領主だな」
アポロ公爵の太陽騎士団を、撤退させたのは、私に間違いない。その撤退させた領主の元に、バルカンはいるみたいである。
「はいそうです。どうしますか?アポロ公爵が治める町へ、行ってみますか」
「いきなり行って、トラブルにならないのか」
「トールの言う通りかもしれないな。いきなり行くのは、危険かもしれない。一度、ラディッシュの町に戻って、ディーバ伯爵に相談してみよう」
私たちは、竜光石の加工職人を探すために、一旦、ラディッシュの町に戻ることにした。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜
トンコツマンビックボディ
ファンタジー
馬場香澄49歳 専業主婦
ある日、香澄は買い物をしようと町まで出向いたんだが
突然現れた暴走トラック(高齢者ドライバー)から子供を助けようとして
子供の身代わりに車にはねられてしまう
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる