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神守教会との戦いパート1
しおりを挟む私たちは、王都を出発して、ラディッシュの町へ向かった。途中で、ブラカリの町で泊まり、次の日には、ラディッシュの町へ着いた。そして、冒険者ギルドへ寄って、ギルマスのディーバ伯爵夫人に会いに行った。
「お久しぶりです。ディーバ様のおかげで、Cランク冒険者になることができました。ありがとうございます」
「そんなにかしこまらなくて、いいのよ。それに、あなた方は、Cランク冒険者に相応しいわ」
「いえいえ、私たちは、まだまだ、未熟です。ただ、Cランク冒険者に相応しい力を得るために、日々の努力は怠りません」
「その気持ちは、大事ですわ。ところで、今後はどうするのですか」
「とりあえず、しばらくは、この街を拠点にして、特訓をしようと思ってます」
「それは、助かるわ。少しあなた方に相談があるの。少しだけ、私に時間をくれないかしら」
「はい。かまいません」
「そしたら、あちらの部屋に行きましょう」
私たちは、ディーバ様に連れられて、ギルドの奥にある部屋に向かった。
「実は、神守教会のことなのですが、近いうちに、ブラカリの町を襲撃するみたいなの」
「本当なのですか」
「間違いないわ」
「それは、大変なことになりそうですね」
「そこで、あなた方に、ブラカリの町の、護衛に参加してほしいの」
「私たちで、大丈夫ですか」
「問題ないわ。護衛の指揮は、あなた方も知っている、金玉のリーダーの、ソールさんに依頼しているので、明日この部屋にきてくれるかな。詳しいことは、ソールさんに聞いてね」
「はい、わかりました」
「それと、リアムにはくれぐれも、気をつけてね」
「なぜなのですか」
「恥ずかしながら、リアムは神守教会と繋がっているのよ。それに、パースリの町、トメイトの村は、神守教会に支配されていたの」
「そうだったのですか」
「だから、私は、リアムの監視をするので、ブラカリの町は、あなた方に任せるわ」
「わかりました。では、明日またギルドに立ち寄ります」
「お願いするわ」
「偉いことに、巻き込まれたな」
「そうね。でも断ることはできないわ」
「そうですよ。ブラカリの町は、絶対に守らないと」
私はかなり怒っている。お父様を信仰している町を襲うなんて、許せない。今すぐにでも、王都に飛んでいって、神守教会の本殿を破壊してやりたい。
「ルシスの言うとおりだ。あの町は守らないといけない。この国の偏った思想を崩すためにも」
「そうですね」
「しかし、これで、俺たちも早急に強くならないとな」
「そうね。その為にも、今から、特訓に行きましょう」
私たちは、町を出て、ディービルの森の近くまできた。
「ここなら、特訓ができそうですね」
「ああ、とりあえず、何をしたらいい」
「まずは、自分の魔力を、右手に集めてください」
3人は、魔力の流れを意識して、右手に魔力を集める。
「魔力を集めるときに、イメージを持ってくだい。魔力は、血液と同じ様に、魔力も体全体に流れています。体内にある魔石を中心にして、頭の先から、足の裏まで。だから、魔力を集めると言いましたが、実は魔力は集めるのではなくて、体全体から、解放することをイメージしてください」
「集めるじゃなく、解放なのか」
「はい、そうです」
「初めて、聞いたぞ。普通は、魔力は意識を集中して、魔石から流れる魔力を集めると教えられている」
「初めは、それでかまいません。魔力の流れを意識するためには。しかし、それは初歩的なことです。魔力の流れを意識できるようになったのなら、次は、その流れている魔力を解放します。みなさんは、武器に魔力流して、武器を強化もしくは、筋力を強化していますが、少し発想を変えてください」
「トールお姉ちゃんとロキお姉ちゃんは、武器に流し込む魔力は、手のひらだけにしてください。腕や足に流れる魔力は、筋力アップと防御力アップに使ってください。体全体の魔力を効率よく使ってください」
私は、3人の魔力の使い方に、違和感を感じていた。攻撃をするときは、武器だけに魔力を込めていて、筋力増強には魔力を使っていなった。それには、訳がある。それは、魔力を集めて、力を注ぎたい場所にだけ、魔力を注ぎ込む為である。
それでは、一箇所にしか、魔力を使うことしかできない。魔力は全身に流れているので、全身から魔力を解放したら、全てのことに魔力を注ぐことができるのである。一箇所に集めた方が、簡単なので、それが主流になっているのだろう。しかし、それは、魔力の使い方の初歩なのである。
「これは、めちゃ難しいぞ」
「確かに、これは大変だ」
「次はポロンお姉ちゃんです。基本は同じですが、ポロンお姉ちゃんは、微精霊の力を借りるので、自身の魔力は、身体強化に専念してください。矢を作り出す魔力は、最小限に抑えて、矢の威力は微精霊に任せてください。微精霊の魔力を最大限に活かすには、微精霊のみの魔力で、攻撃することなのです。他の者の魔力が融合すると、魔力が反発しあって、威力が下がります」
「そんなこと、初めて聞いたわ。エルフは微精霊の力を借りるが、それは、自分の魔力と融合することで、力を増すことになるはずよ」
「確かにそうかもしれません。しかし相性があるのです。微精霊にも、いろんな属性があります。その属性と、自身の属性が合致していたら、融合により、力を増すことができます。しかし、微精霊の属性を知ることは、かなり難しいのです。それなら、微精霊の力を純粋に引き出した方が良いのです」
「知らなかたわ」
私は、天使様の特訓で、あらゆる知識も手に入れている。いかに効率よく魔力を使い、最大限に魔力を引き出せるかを。
3人の特訓は始まった。最初は戸惑っていたが、少しずつ要領を掴んできたみたいだ。私は、これまでの戦いの時は、じっくり後ろで、3人の動きを観察していた。そして、3人は魔力の使い方のセンスを感じていた。いつかじっくりと、特訓してあげれば、かなり強くなると確信していた。そして、その機会が来たのであった。
それに、ロキさんとトールさんは間違いなく、覚醒者であると感じていた。覚醒者とは、ごく一部の者が持つ得意体質である。
基本は魔石の色により、その人の属性は決まる。
赤は、炎属性。 青は、水氷属性。 黄は、雷風属性。 緑は、大地属性(回復、身体強化)
白は、無属性。 金は、神属性(神に近い種族) 紫は、闇属性(魔族) 黒は、全属性。
に分かれている。
どの属性でも、全ての魔法は使えるが、威力が全然違うのである。また相性もあり、属性に寄って、与えるダメージも大きくなる。
覚醒者とは、二つ以上の属性を持つことができる、特異体質のことを言うのである。
3人の特訓は、夜遅くまで続いたのでった。
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