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8時30分、朝のHRが始まるチャイムが鳴った。教室を見渡すと木原の姿はなかった。教室の扉が開き雪月花先生が入って来る。
「みなさん、おはようございます。今日は大事な話がありますので静かに聞いてください」
クラスの大半の者は、昨日何かが起こった事を理解している。だから、誰も一言も発することなく雪月花先生の一挙手一投足を見逃さない。
「昨日、クラスメート間でトラブルがありました。新学期ではよくあることなのですが、今回は度が超えています。詳しい事はまだ説明できませんが、行き過ぎた行為を行った木原君には1週間の停学処分が決定しました」
静かだった教室内がざわつきてきた。そして、自然と俺の方を見る。
「こっちを見なさい!」
生徒たちが俺をジロジロと見だしたので雪月花先生は注意する。
「隠していても仕方ないので説明しますが、御手洗君、木原君、上園君、六道君、この4名がトラブルを起こしました。そして、そのトラブルを先生達に報告させないように都築君が率先して教室から誰も外に出さないように促しました」
御手洗は眉1つ動かすことなく堂々とした顔つきで座っているが、都築は膝をガクガクと震わせて怯えている。
「双方の言い分をきちんと考慮して適正な処分をするつもりですが、全く反省の意思もなく、職員室でも罵声を飛ばし続けた木原君のみ先に処罰しました。学校にはいろんな人がいろんな思いで勉強を励む場所です。みんなと仲良くしろとは言いません。人それぞれ考え方も違いますし、性格が合う合わないがあります。しかし、暴力での解決は絶対に許しません。来週はバーベキュー大会です。仲間同士で協力しお互いを理解して尊重し合える関係を築いてください」
みんなは頷いて返事をした。しかし、御手洗は窓の外を見て雪月花先生の話を全く聞いていなかった。
御手洗の席は俺の二つ前の席である。俺は御手洗が何を見ているのか気になってので窓の外を見た。すると、黒塗りの高級車が学校の門の前で止まり二人の人物が車から降りてきた。校門まではかなりの距離があるので顔は見えないが、俺は二人のシルエットを見て驚きを隠せなかった。
HRが終わるとすぐに授業が始まる。一部の生徒たちは先ほどの話しが気になって御手洗に話を聞きに行きたいが、次の休憩時間がくるまで我慢する。入学式初日に御手洗と木原、ついでに都築の3人でクラスを牛耳ったと言っても過言でない。御手洗と木原は中学時代から悪い意味での有名人であり、別の中学出身の生徒達も御手洗達とは敵対しないように身構えている。だから、簡単に1年5組は御手洗の手によって陥落していた。御手洗と完全に敵対した俺と上園はクラスでは宙に浮いた存在なので、俺達に事情を聞こうとする者はいない。イケメンよりも暴力のが人を支配できるのは当然の事であった。
1限目の授業が終わると御手洗の周りに人だかりが出来る。みんな、何があったのか聞きに行く。一方俺は気になる事ができたのである人物に会いに行く。
「御手洗君、何があったの?」
「悪い。先生から口止めされているんだ。話せるようになったら教えてやるよ」
「お前ら、六道と上園とは絶対に口を聞くな!あの二人が全ての元凶だ。時期に天罰が下るぞ」
都築は御手洗が側にいると威勢が一段と良くなる。まるで張子の虎である。
「都築の言う通りだ。残念だが六道は俺じゃなく上園についた。どちらがクラスの支配者になるかは一目瞭然だ。お前達、選択肢を間違うと高校生活を台無しにするぞ」
「あぁ」
クラスの男子のほとんどは御手洗グループだと言っても過言ではない。塩野、川原、相川達のような陰キャは、そもそも御手洗達の眼中にはない。女子たちは観客のように男子達の争いを楽しんでいるようだ。
「六道君イケメンなのにもったいない」
「そうそう。御手洗君と一緒に居ればよかったのにね」
「どうする?これで六道君に声を掛けにくくなったわ」
「ほんと、私ひそかに狙ってたのに」
女子たちも御手洗に敵対する行為は危険だと知っているので積極的に関与はしないが消極的に協力はする。
「でも、誰がチクったのかしら?」
「男子は誰も教室から出ていないし、あの時教室から出て行ったのは茜雲と丸川だけよ」
「あの二人がチクったのかしら?」
「かもしれないわね。でも、どうしてチクるのかしら?」
「簡単よ、六道君に気に入られたいからよ」
「え!それめちゃムカつく。自分たちだけ六道君と仲良くなりたいなんてありえない」
「あの二人・・・六道君と同じ班だったよね」
「チクって点数稼いで、バーベキューでいちゃつくつもりね。許せない!」
「後で御手洗君に言い付けちゃおうよ」
「そうね。あの二人もはぶらないとね」
都築は男子ばかりに気を取られていて2人が教室を抜け出したことに気付いていなかった
2限目の授業のベルがなり授業が始まる。俺は教科書に目を通すが全く記憶が無い。2度目の高校生活だが勉強で無双できる可能性は0である。
授業が20分程過ぎた頃、教室の扉が勢いよく開いた。
「六道君、ちょっと来てください」
俺を呼び出したのは藤井教頭であった。
「みなさん、おはようございます。今日は大事な話がありますので静かに聞いてください」
クラスの大半の者は、昨日何かが起こった事を理解している。だから、誰も一言も発することなく雪月花先生の一挙手一投足を見逃さない。
「昨日、クラスメート間でトラブルがありました。新学期ではよくあることなのですが、今回は度が超えています。詳しい事はまだ説明できませんが、行き過ぎた行為を行った木原君には1週間の停学処分が決定しました」
静かだった教室内がざわつきてきた。そして、自然と俺の方を見る。
「こっちを見なさい!」
生徒たちが俺をジロジロと見だしたので雪月花先生は注意する。
「隠していても仕方ないので説明しますが、御手洗君、木原君、上園君、六道君、この4名がトラブルを起こしました。そして、そのトラブルを先生達に報告させないように都築君が率先して教室から誰も外に出さないように促しました」
御手洗は眉1つ動かすことなく堂々とした顔つきで座っているが、都築は膝をガクガクと震わせて怯えている。
「双方の言い分をきちんと考慮して適正な処分をするつもりですが、全く反省の意思もなく、職員室でも罵声を飛ばし続けた木原君のみ先に処罰しました。学校にはいろんな人がいろんな思いで勉強を励む場所です。みんなと仲良くしろとは言いません。人それぞれ考え方も違いますし、性格が合う合わないがあります。しかし、暴力での解決は絶対に許しません。来週はバーベキュー大会です。仲間同士で協力しお互いを理解して尊重し合える関係を築いてください」
みんなは頷いて返事をした。しかし、御手洗は窓の外を見て雪月花先生の話を全く聞いていなかった。
御手洗の席は俺の二つ前の席である。俺は御手洗が何を見ているのか気になってので窓の外を見た。すると、黒塗りの高級車が学校の門の前で止まり二人の人物が車から降りてきた。校門まではかなりの距離があるので顔は見えないが、俺は二人のシルエットを見て驚きを隠せなかった。
HRが終わるとすぐに授業が始まる。一部の生徒たちは先ほどの話しが気になって御手洗に話を聞きに行きたいが、次の休憩時間がくるまで我慢する。入学式初日に御手洗と木原、ついでに都築の3人でクラスを牛耳ったと言っても過言でない。御手洗と木原は中学時代から悪い意味での有名人であり、別の中学出身の生徒達も御手洗達とは敵対しないように身構えている。だから、簡単に1年5組は御手洗の手によって陥落していた。御手洗と完全に敵対した俺と上園はクラスでは宙に浮いた存在なので、俺達に事情を聞こうとする者はいない。イケメンよりも暴力のが人を支配できるのは当然の事であった。
1限目の授業が終わると御手洗の周りに人だかりが出来る。みんな、何があったのか聞きに行く。一方俺は気になる事ができたのである人物に会いに行く。
「御手洗君、何があったの?」
「悪い。先生から口止めされているんだ。話せるようになったら教えてやるよ」
「お前ら、六道と上園とは絶対に口を聞くな!あの二人が全ての元凶だ。時期に天罰が下るぞ」
都築は御手洗が側にいると威勢が一段と良くなる。まるで張子の虎である。
「都築の言う通りだ。残念だが六道は俺じゃなく上園についた。どちらがクラスの支配者になるかは一目瞭然だ。お前達、選択肢を間違うと高校生活を台無しにするぞ」
「あぁ」
クラスの男子のほとんどは御手洗グループだと言っても過言ではない。塩野、川原、相川達のような陰キャは、そもそも御手洗達の眼中にはない。女子たちは観客のように男子達の争いを楽しんでいるようだ。
「六道君イケメンなのにもったいない」
「そうそう。御手洗君と一緒に居ればよかったのにね」
「どうする?これで六道君に声を掛けにくくなったわ」
「ほんと、私ひそかに狙ってたのに」
女子たちも御手洗に敵対する行為は危険だと知っているので積極的に関与はしないが消極的に協力はする。
「でも、誰がチクったのかしら?」
「男子は誰も教室から出ていないし、あの時教室から出て行ったのは茜雲と丸川だけよ」
「あの二人がチクったのかしら?」
「かもしれないわね。でも、どうしてチクるのかしら?」
「簡単よ、六道君に気に入られたいからよ」
「え!それめちゃムカつく。自分たちだけ六道君と仲良くなりたいなんてありえない」
「あの二人・・・六道君と同じ班だったよね」
「チクって点数稼いで、バーベキューでいちゃつくつもりね。許せない!」
「後で御手洗君に言い付けちゃおうよ」
「そうね。あの二人もはぶらないとね」
都築は男子ばかりに気を取られていて2人が教室を抜け出したことに気付いていなかった
2限目の授業のベルがなり授業が始まる。俺は教科書に目を通すが全く記憶が無い。2度目の高校生活だが勉強で無双できる可能性は0である。
授業が20分程過ぎた頃、教室の扉が勢いよく開いた。
「六道君、ちょっと来てください」
俺を呼び出したのは藤井教頭であった。
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