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ループ
175.内務大臣頑張る
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「公爵家での浄化はシスター・タニアと私が行いました。なので、あの時の闇の魔石の事が少しばかり分かります。シスター・タニアが浄化した時の詳細が手に入ったとでも言っていただければ集まってもらいやすいかも」
「は? しかし、公には⋯⋯」
「シスター・タニア一人の力では浄化しきれん程強力な魔石じゃったが、あの時はまだローザリア様の事を公表するわけには参らんかった。
ローザリア様は功績にはちいとも興味がないようじゃし⋯⋯世間も誰が浄化したかを本気で気にしておるわけではないしのぉ」
「午後の招集が叶うかどうかは分かりませんがやってみます。正直申しまして解決の糸口が見つからず⋯⋯」
ギャンター内務大臣が鼻息荒く立ち上がった。
内務大臣の必死の努力が実り夕方4時に大会議室に集まることになった。参加するメンバーはローザリア達が希望した者達とオーガスト枢機卿。
ローザリアとエリサはローブで顔を隠し、ナザエル神父達と一緒に隣室で待機することになった。
「ローザリア様、ご無理はなさいませんように」
「ありがとう、エリサ。絶対に離れちゃダメだからね」
会議がはじまったようで内務大臣の挨拶が聞こえてきた。
「この度は急なお願いにも関わらずお時間をいただ⋯⋯」
「前置きは要らぬ、さっさと始めよ」
「力不足で浄化後に命を落とした者の情報が役に立つとは思えないけれど、ギャンター内務大臣のたっての願いであれば聞かぬわけにはまいりませんものねえ」
ローザリアは前世で王弟妃に会った時の事を思い出した。
(この声、あの時聞いたのとそっくりだ。苛立たしげで傲慢で)
「オーガスト枢機卿がお話ししてくださるのですか?」
「宰相は随分と気が短いようじゃな。なんぞ気になる事でもあるのかのう。
ワシよりも適任者がおりましての、今回はその者達に説明をさせようと思おております」
会議室がざわざわと騒がしくなった。
「きっと現場にいた聖騎士達ですな」
「精霊師もいたのでしょう? ようやく話が進みそうだ」
「しかし彼等に分かるのか?」
ドアが開き内務大臣の補佐官がローザリア達を案内してくれた。ナザエル神父を筆頭にゾロゾロと総勢6名が入って行くと益々声が高まった。
「子供が2人も?」
「ローブを被ったままとは不敬な」
パンパンとオーガスト枢機卿が手を叩き全員の注目を集めた。
「先ず初めに話しておくのは、あの日公爵邸で浄化を行った者は2人。1人はシスター・タニア、もう一人がここにいる見習いシスターだ」
バンっとテーブルを叩いてウォレスが立ち上がった。
「見習いが我が公爵邸を浄化しただと? 光の加護持ちの中でも浄化できる者は限られているというのに、巫山戯るのは大概にしてもらおう!!」
「お久しぶりです。大声を出されなくてもすぐに証明して差し上げます。トーマック公爵」
声に聞き覚えがあったのだろうか、ウォレスが首を傾げた。
「貴様は誰だ。子供の分際で何の権利があってここに来た?」
ローザリアがローブを脱いでペコリと挨拶をした。
「貴族ではなくなりましたので、このような挨拶で失礼致します。あの時教会の方々と公爵邸の調査に参りました見習いシスターのローザリアと申します」
「ローザリア!! お前は⋯⋯こんな所で何を!? 出て行きなさい! ここはお前などの来るところではないわ!」
カサンドラがなりふり構わず怒鳴り声を上げた。
「ここが何処かわかっておるのか!! さっさと出て行け! 此奴は我が家の恥⋯⋯加護も持たぬ役立たずで、家出して行方知れずになっておった愚か者です。わしの言葉が聞こえんかったのか、さっさと出て行け!!」
周りに説明をしながらローザリアを睨みつけたウォレスが立ち上がりローザリアに向かって歩いてこようとした。
「お下がりくださいトーマック卿! シスター・ローザリアは公爵家から離籍されました。現在はオーガスト枢機卿が後見をしておられます」
内務大臣の言葉にウォレスが立ち止まった。
「は? 離籍⋯⋯後見だと?」
「シスター・ローザリアは長年公爵家で虐待されておりました。侍女頭ターニャと執事ケビンを証人として捕らえております。国法により離籍が完了し現在は教会所属となっておられます」
「馬鹿な事を! わたくし達が虐待などするはずがありません。使用人の戯言ですわ!!」
「そうよ! お姉様は役立たずで我儘ばかりだったのよ。加護もないくせに好き勝手に振る舞ってたんだから」
「僕もリリアーナから聞いてる! こいつはリリアーナに何度も暴力を振るってきたんだ。父上、コイツをさっさと捕まえて罰してください! リリアーナが加護があるのが妬ましくてずっと苛めていたんだ!」
顔を真っ赤にして怒鳴る者達と困惑し顔を見合わせる大臣達。
「あの日私はナザエル神父とナスタリア助祭の3人で行動しておりました」
ローザリアの凜とした声が会議室に響き渡った。
「は? しかし、公には⋯⋯」
「シスター・タニア一人の力では浄化しきれん程強力な魔石じゃったが、あの時はまだローザリア様の事を公表するわけには参らんかった。
ローザリア様は功績にはちいとも興味がないようじゃし⋯⋯世間も誰が浄化したかを本気で気にしておるわけではないしのぉ」
「午後の招集が叶うかどうかは分かりませんがやってみます。正直申しまして解決の糸口が見つからず⋯⋯」
ギャンター内務大臣が鼻息荒く立ち上がった。
内務大臣の必死の努力が実り夕方4時に大会議室に集まることになった。参加するメンバーはローザリア達が希望した者達とオーガスト枢機卿。
ローザリアとエリサはローブで顔を隠し、ナザエル神父達と一緒に隣室で待機することになった。
「ローザリア様、ご無理はなさいませんように」
「ありがとう、エリサ。絶対に離れちゃダメだからね」
会議がはじまったようで内務大臣の挨拶が聞こえてきた。
「この度は急なお願いにも関わらずお時間をいただ⋯⋯」
「前置きは要らぬ、さっさと始めよ」
「力不足で浄化後に命を落とした者の情報が役に立つとは思えないけれど、ギャンター内務大臣のたっての願いであれば聞かぬわけにはまいりませんものねえ」
ローザリアは前世で王弟妃に会った時の事を思い出した。
(この声、あの時聞いたのとそっくりだ。苛立たしげで傲慢で)
「オーガスト枢機卿がお話ししてくださるのですか?」
「宰相は随分と気が短いようじゃな。なんぞ気になる事でもあるのかのう。
ワシよりも適任者がおりましての、今回はその者達に説明をさせようと思おております」
会議室がざわざわと騒がしくなった。
「きっと現場にいた聖騎士達ですな」
「精霊師もいたのでしょう? ようやく話が進みそうだ」
「しかし彼等に分かるのか?」
ドアが開き内務大臣の補佐官がローザリア達を案内してくれた。ナザエル神父を筆頭にゾロゾロと総勢6名が入って行くと益々声が高まった。
「子供が2人も?」
「ローブを被ったままとは不敬な」
パンパンとオーガスト枢機卿が手を叩き全員の注目を集めた。
「先ず初めに話しておくのは、あの日公爵邸で浄化を行った者は2人。1人はシスター・タニア、もう一人がここにいる見習いシスターだ」
バンっとテーブルを叩いてウォレスが立ち上がった。
「見習いが我が公爵邸を浄化しただと? 光の加護持ちの中でも浄化できる者は限られているというのに、巫山戯るのは大概にしてもらおう!!」
「お久しぶりです。大声を出されなくてもすぐに証明して差し上げます。トーマック公爵」
声に聞き覚えがあったのだろうか、ウォレスが首を傾げた。
「貴様は誰だ。子供の分際で何の権利があってここに来た?」
ローザリアがローブを脱いでペコリと挨拶をした。
「貴族ではなくなりましたので、このような挨拶で失礼致します。あの時教会の方々と公爵邸の調査に参りました見習いシスターのローザリアと申します」
「ローザリア!! お前は⋯⋯こんな所で何を!? 出て行きなさい! ここはお前などの来るところではないわ!」
カサンドラがなりふり構わず怒鳴り声を上げた。
「ここが何処かわかっておるのか!! さっさと出て行け! 此奴は我が家の恥⋯⋯加護も持たぬ役立たずで、家出して行方知れずになっておった愚か者です。わしの言葉が聞こえんかったのか、さっさと出て行け!!」
周りに説明をしながらローザリアを睨みつけたウォレスが立ち上がりローザリアに向かって歩いてこようとした。
「お下がりくださいトーマック卿! シスター・ローザリアは公爵家から離籍されました。現在はオーガスト枢機卿が後見をしておられます」
内務大臣の言葉にウォレスが立ち止まった。
「は? 離籍⋯⋯後見だと?」
「シスター・ローザリアは長年公爵家で虐待されておりました。侍女頭ターニャと執事ケビンを証人として捕らえております。国法により離籍が完了し現在は教会所属となっておられます」
「馬鹿な事を! わたくし達が虐待などするはずがありません。使用人の戯言ですわ!!」
「そうよ! お姉様は役立たずで我儘ばかりだったのよ。加護もないくせに好き勝手に振る舞ってたんだから」
「僕もリリアーナから聞いてる! こいつはリリアーナに何度も暴力を振るってきたんだ。父上、コイツをさっさと捕まえて罰してください! リリアーナが加護があるのが妬ましくてずっと苛めていたんだ!」
顔を真っ赤にして怒鳴る者達と困惑し顔を見合わせる大臣達。
「あの日私はナザエル神父とナスタリア助祭の3人で行動しておりました」
ローザリアの凜とした声が会議室に響き渡った。
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