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ループ
158.石碑の場所に
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ニコシア侯爵領の石碑はすんなりと見つかった。
「昔語ですが、精霊のおわす神聖な場所があったと言われております。その場所に領主館が建てられたと言い伝えられておりますが
石碑のようなものがあるとは聞いた事がございませんなあ」
(そこに石碑があるの?)
【教会の裏だよー】
【埋め立てられちゃってるの】
「領主館の裏に行きましょう!」
マッケンジー神父とローザリア達一行は教会の裏に回った。そこは手入れのされていない雑木林で壊れた家具や錆びた武具などが大量に捨てられていた。
「最低⋯⋯ゴミ捨て場になってる」
「ローザリア、本当にここか?」
【ここ、ここ】
【埋もれちゃってるの】
「⋯⋯燃やしていい?」
聖なる石碑をゴミに埋もれさせている事に腹を立てたローザリアが提案した。
「もっ、燃やす!?」
マッケンジー神父が真っ青になってローザリアを凝視した。
「はい、ゴミなら燃やしちゃいましょう。ナスタリア助祭は火の加護ですよね。全部高火力で燃やしちゃって下さい。あの青白いやつ⋯⋯出せますか?
結界を張りますからその中を全部燃やしちゃってください」
「おじさん、どうする?」
「うーん⋯⋯⋯⋯マッケンジー神父、これだけ大量にゴミを放置していると自然発火する。ですよね!」
「へっ? あー、そう、そうですね。ここのところ雨が降っていませんしな」
引き攣った笑いを見せたマッケンジー神父は最初の想像よりは若いのかもしれない。
ローザリアとナスタリア助祭が杖を取り出した。
「はじめます。精霊王、結界をお願い」
《 オービス 》
ローザリアの杖から光が広がり白金に輝く結界が張られた。続いてナスタリア助祭が詠唱をはじめた。
「炎よ、天から降り注ぎし風雨の如く全てを滅せよ、フレアブレス」
ゴオッと音を立ててガラクタが燃え尽きていく。木も鉄も全てが灰塵となり焼けた土がぶすぶすと黒煙をあげている。
ローザリアが土に回復をかけ結界の中にずんずんと歩いていく。
【ここだね】
【うん、ここー】
ローザリアは結界の中ほどに立ち杖を地に向けて、立て続けに呪文を唱えた。
「石碑を『発現』⋯⋯」
《 エクスプレイシオ 》
「そして修復!」
《 レフェクティオー 》
燻っていた土の中から現れた瓦礫が石碑に変わっていく様に唖然とするマッケンジー神父。
「なっ、なんですか⋯⋯これは。それも聞いたことのない呪文ばかりで」
「マッケンジー神父、全て内密にお願いします」
「は、はあ。誰に言っても信用しないでしょうが、誰にも言いませんとも。精霊王と精霊の名にかけてお約束致します」
ナザエル神父とマッケンジー神父の会話は耳に入ってこないまま、ローザリアは石碑に手を伸ばした。
「我、千年の盟約を精霊王と交わす。泉を守り猛き者の心を静め天より生命をもたらす」
【これで4つ、ローザリアと仲間達のお陰だね。それぞれの石碑は精霊達の源と繋がっていて、正しき心を持つ者の前にしか現れない。マッケンジー神父の敬虔な祈りがこの地を守ってきた】
「ありがとうございました。あと一つ⋯⋯その後ウスベルに行きます」
2度目のナザエル神父達は膝をつき精霊王の言葉を聞いているが、マッケンジー神父は腰を抜かして尻餅をついた。
「な、な、なんと⋯⋯せっ、精霊王であらせらっれるか!?」
【全員、心を決めたようだね。では俺からのプレゼントだ。あまり時間が残っていないから、ローザリアに与えた加護の力で石碑から石碑へ転移できるようにしておいた。
奴は煙のように姿を消しどこにでも現れる。見た目に騙されるな、心の目で見なければ2度とやり直しはきかない。
覚えておくんだよ⋯⋯正しき行いをする者が常に正しい行いをするとは限らない】
意味深な言葉を残して精霊王が消えた。
次の目的地に一番近いのは教会の森だが、最後の石碑にたどり着く為の方法がまだ見つからない。そこだけは今までとは違い敵地の中にある事を考えると生半可な方法では上手くいかないだろう。
失敗して敵に目的を知られても、ジンに追いつかれても終わってしまう。
(転移できるならパルフェスとベリントンに行っておくべきかも)
「昔語ですが、精霊のおわす神聖な場所があったと言われております。その場所に領主館が建てられたと言い伝えられておりますが
石碑のようなものがあるとは聞いた事がございませんなあ」
(そこに石碑があるの?)
【教会の裏だよー】
【埋め立てられちゃってるの】
「領主館の裏に行きましょう!」
マッケンジー神父とローザリア達一行は教会の裏に回った。そこは手入れのされていない雑木林で壊れた家具や錆びた武具などが大量に捨てられていた。
「最低⋯⋯ゴミ捨て場になってる」
「ローザリア、本当にここか?」
【ここ、ここ】
【埋もれちゃってるの】
「⋯⋯燃やしていい?」
聖なる石碑をゴミに埋もれさせている事に腹を立てたローザリアが提案した。
「もっ、燃やす!?」
マッケンジー神父が真っ青になってローザリアを凝視した。
「はい、ゴミなら燃やしちゃいましょう。ナスタリア助祭は火の加護ですよね。全部高火力で燃やしちゃって下さい。あの青白いやつ⋯⋯出せますか?
結界を張りますからその中を全部燃やしちゃってください」
「おじさん、どうする?」
「うーん⋯⋯⋯⋯マッケンジー神父、これだけ大量にゴミを放置していると自然発火する。ですよね!」
「へっ? あー、そう、そうですね。ここのところ雨が降っていませんしな」
引き攣った笑いを見せたマッケンジー神父は最初の想像よりは若いのかもしれない。
ローザリアとナスタリア助祭が杖を取り出した。
「はじめます。精霊王、結界をお願い」
《 オービス 》
ローザリアの杖から光が広がり白金に輝く結界が張られた。続いてナスタリア助祭が詠唱をはじめた。
「炎よ、天から降り注ぎし風雨の如く全てを滅せよ、フレアブレス」
ゴオッと音を立ててガラクタが燃え尽きていく。木も鉄も全てが灰塵となり焼けた土がぶすぶすと黒煙をあげている。
ローザリアが土に回復をかけ結界の中にずんずんと歩いていく。
【ここだね】
【うん、ここー】
ローザリアは結界の中ほどに立ち杖を地に向けて、立て続けに呪文を唱えた。
「石碑を『発現』⋯⋯」
《 エクスプレイシオ 》
「そして修復!」
《 レフェクティオー 》
燻っていた土の中から現れた瓦礫が石碑に変わっていく様に唖然とするマッケンジー神父。
「なっ、なんですか⋯⋯これは。それも聞いたことのない呪文ばかりで」
「マッケンジー神父、全て内密にお願いします」
「は、はあ。誰に言っても信用しないでしょうが、誰にも言いませんとも。精霊王と精霊の名にかけてお約束致します」
ナザエル神父とマッケンジー神父の会話は耳に入ってこないまま、ローザリアは石碑に手を伸ばした。
「我、千年の盟約を精霊王と交わす。泉を守り猛き者の心を静め天より生命をもたらす」
【これで4つ、ローザリアと仲間達のお陰だね。それぞれの石碑は精霊達の源と繋がっていて、正しき心を持つ者の前にしか現れない。マッケンジー神父の敬虔な祈りがこの地を守ってきた】
「ありがとうございました。あと一つ⋯⋯その後ウスベルに行きます」
2度目のナザエル神父達は膝をつき精霊王の言葉を聞いているが、マッケンジー神父は腰を抜かして尻餅をついた。
「な、な、なんと⋯⋯せっ、精霊王であらせらっれるか!?」
【全員、心を決めたようだね。では俺からのプレゼントだ。あまり時間が残っていないから、ローザリアに与えた加護の力で石碑から石碑へ転移できるようにしておいた。
奴は煙のように姿を消しどこにでも現れる。見た目に騙されるな、心の目で見なければ2度とやり直しはきかない。
覚えておくんだよ⋯⋯正しき行いをする者が常に正しい行いをするとは限らない】
意味深な言葉を残して精霊王が消えた。
次の目的地に一番近いのは教会の森だが、最後の石碑にたどり着く為の方法がまだ見つからない。そこだけは今までとは違い敵地の中にある事を考えると生半可な方法では上手くいかないだろう。
失敗して敵に目的を知られても、ジンに追いつかれても終わってしまう。
(転移できるならパルフェスとベリントンに行っておくべきかも)
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