59 / 99
59.必殺技を持っているのは子供だけじゃなかった
しおりを挟む
『普通は夫が連れて帰ってきた愛人の子供達など目に入れたくないと嫌悪するものだ。世話をしてやりたいだとか将来を心配するとかはあり得ん。
それにな、貴族の夫人や令嬢は離縁する時に目の前に好条件の物件が転がってれば何をしてでも手に入れようとする。
それが当たり前の考えだと思っている者達から見ればお前がしようとしている事は、公爵家に嫁ぐ為に利用された子供達と女に誑かされた公爵にしか見えんのだよ。
お前は変わってるから想像もできんだろうがな』
狭い世界で呑気に生きていたわたくしは気付いておりませんでした。確かに少しでも愛情がある夫の庶子なら嫌悪感を抱くでしょうし、愛人や庶子のせいで多少なりとも辛い思いをしていればそのように思うはず。
わたくしの場合、そのどちらもない珍しいパターンだっただけですが世間からはわかりませんから。
マーベル伯爵家の義両親達に嫌がらせされた? 確かに色々ありましたけれど、彼等の目を掻い潜ってお友達と会ったり使用人達とお茶をしたり⋯⋯楽しい事も多かったのです。
それに、彼等は『毎日ざまぁ』の日々を送って貰っていますからスッキリです。長~く反省していただきたいので、ノア様に極刑はなしでとお願いしましたの。
普通なら辛かった記憶は長く心に残るそうですが、わたくしとしては彼等のせいで暗い気持ちになるのが嫌なのです。
トーマス司教様から『アイツらはリリスの心に傷をつける事もできない小者。まぁ、どうでもいい奴だっただけじゃな』と言われてしまいました。
5年も家族だったはずなのに『確かにその通りかも』と思ったわたくしは、マーベル伯爵家の方達や5年間の結婚生活はわたくしにとってなんだったんだろうと少し考え込んでしまいました。 一晩悩んだ結果⋯⋯
【人使いの荒い貴族に就職した!】
ちょっと冷たいかもしれませんが、これが一番しっくりしましたの。マルチに使えるメイドを探していた伯爵家から望まれて働きに行った感じです。
婚姻届にサインした後のガーデンパーティーもマーベル伯爵家と彼等の親戚が盛り上がっていただけで、わたくしの友人を呼ぶのも禁止でしたし。
翌日からメイドと一緒に掃除をしておりましたし、伯爵家でパーティーを行う際は前準備から当日の差配がメインでしたから『見習いメイド』兼『家政婦長以下メイド長以上』の役職だった気がします。
お茶の一杯さえご一緒したことがなくても気にならなかったのは『そういうこと』だったのだと妙に納得いたしました。
ターニャに話してみたら『その通り』だと大笑いされてしまいました。
子供達を可愛いと思い、子供達も懐いている。それなら彼等が自分の足で立てるようになるまでそばにいてあげたいと思う気持ちだけで突っ走れば周りに迷惑をかけるだけ。
子供達とは距離を置くべきだと心に決めたのです。幸いな事にマーベル伯爵家からハンナとメイサがついてきてくれましたから、ノア様が子供達を引き取る時2人を連れて行って下されば大丈夫だと思います。
あの笑顔が見れなくなるのは寂しいですけれど子供達はきっと大丈夫。ノア様ならこれからも子供達の近況を知らせてくれるでしょうから、わたくしはそれで十分だと思うべきなのです。
「それは私に任せていただけませんか? リリスティア様に嫌な思いをさせないとお約束します。それなりの手は考えて準備も済ませてきました」
真剣な表情のノア様がお父様に頭を下げられました。ノア様の仰る『それなりの手』は予想以上に大胆な方法で、お父様もわたくしも唖然としてしまいました。
「そ、それなら⋯⋯まあ、本人が望めば私からは何も申しません。ただ、リリスは頑固なので首を縦に振らせるのは大変だと思いますが大丈夫なのですか?」
「しつこさでは負けませんから、そこは大丈夫です。
ここのところ何故か仕事でトラブルが続いていたのですが、突然落ち着いてきまして⋯⋯。ティア、早速なんだけど来月の夜会に誘っても良いかな?」
何故かトラブルが⋯⋯突然落ち着いて⋯⋯。トーマス司教様がやらかしてたのは間違い無いですね。今度ターニャと2人でお仕置きさせていただきましょう。
「⋯⋯ス、リリス?」
「は! 申し訳ありません。えーっと、はい?」
トーマス司教様のやらかしについて考えていて話を聞いておりませんでした。
「今度の夜会にお誘いしてもいいでしょうか?」
今度の夜会と言えばもしかして王太子殿下主催の⋯⋯。
「あ、え⋯⋯夜会はほぼ未経験ですからご迷惑をおかけする事になりかねませんので、もう少しこじんまりした集まりの方が宜しいかと」
「ずっとそばにおります。私とでは不安でしょうか?」
「⋯⋯いえ、そういうわけでは⋯⋯よろしくお願いします」
子供の抱きつきモジモジからの上目遣いは反則技だと知っておりましたが、大人の男性にも反則技があるなんて初めて知りました。
決死の覚悟を決めているような真剣な目つきの中に、断られる不安を覗かせるのは断れなくなってしまうので危険です。
「良かった~、夜会は早いと言われてしまうかと⋯⋯よっし!」
ガッツポーズされてます。
不安もありますがこんなにストレートに喜んでいただけると嬉しいです。マナーとダンスの練習を致しましょう。
ダンスなんてすっかり忘れてますし、コルセットと踵の高い靴はわたくしの鬼門ですのに大丈夫なんでしょうか。
お茶を入れ替えて気持ちも入れ替えると、ノア様の表情もお父様の雰囲気も一変しました。
「では、子供達の今後と今まで秘密にしていた子供達との関係について話してもよろしいでしょうか?」
「お願いします」
それにな、貴族の夫人や令嬢は離縁する時に目の前に好条件の物件が転がってれば何をしてでも手に入れようとする。
それが当たり前の考えだと思っている者達から見ればお前がしようとしている事は、公爵家に嫁ぐ為に利用された子供達と女に誑かされた公爵にしか見えんのだよ。
お前は変わってるから想像もできんだろうがな』
狭い世界で呑気に生きていたわたくしは気付いておりませんでした。確かに少しでも愛情がある夫の庶子なら嫌悪感を抱くでしょうし、愛人や庶子のせいで多少なりとも辛い思いをしていればそのように思うはず。
わたくしの場合、そのどちらもない珍しいパターンだっただけですが世間からはわかりませんから。
マーベル伯爵家の義両親達に嫌がらせされた? 確かに色々ありましたけれど、彼等の目を掻い潜ってお友達と会ったり使用人達とお茶をしたり⋯⋯楽しい事も多かったのです。
それに、彼等は『毎日ざまぁ』の日々を送って貰っていますからスッキリです。長~く反省していただきたいので、ノア様に極刑はなしでとお願いしましたの。
普通なら辛かった記憶は長く心に残るそうですが、わたくしとしては彼等のせいで暗い気持ちになるのが嫌なのです。
トーマス司教様から『アイツらはリリスの心に傷をつける事もできない小者。まぁ、どうでもいい奴だっただけじゃな』と言われてしまいました。
5年も家族だったはずなのに『確かにその通りかも』と思ったわたくしは、マーベル伯爵家の方達や5年間の結婚生活はわたくしにとってなんだったんだろうと少し考え込んでしまいました。 一晩悩んだ結果⋯⋯
【人使いの荒い貴族に就職した!】
ちょっと冷たいかもしれませんが、これが一番しっくりしましたの。マルチに使えるメイドを探していた伯爵家から望まれて働きに行った感じです。
婚姻届にサインした後のガーデンパーティーもマーベル伯爵家と彼等の親戚が盛り上がっていただけで、わたくしの友人を呼ぶのも禁止でしたし。
翌日からメイドと一緒に掃除をしておりましたし、伯爵家でパーティーを行う際は前準備から当日の差配がメインでしたから『見習いメイド』兼『家政婦長以下メイド長以上』の役職だった気がします。
お茶の一杯さえご一緒したことがなくても気にならなかったのは『そういうこと』だったのだと妙に納得いたしました。
ターニャに話してみたら『その通り』だと大笑いされてしまいました。
子供達を可愛いと思い、子供達も懐いている。それなら彼等が自分の足で立てるようになるまでそばにいてあげたいと思う気持ちだけで突っ走れば周りに迷惑をかけるだけ。
子供達とは距離を置くべきだと心に決めたのです。幸いな事にマーベル伯爵家からハンナとメイサがついてきてくれましたから、ノア様が子供達を引き取る時2人を連れて行って下されば大丈夫だと思います。
あの笑顔が見れなくなるのは寂しいですけれど子供達はきっと大丈夫。ノア様ならこれからも子供達の近況を知らせてくれるでしょうから、わたくしはそれで十分だと思うべきなのです。
「それは私に任せていただけませんか? リリスティア様に嫌な思いをさせないとお約束します。それなりの手は考えて準備も済ませてきました」
真剣な表情のノア様がお父様に頭を下げられました。ノア様の仰る『それなりの手』は予想以上に大胆な方法で、お父様もわたくしも唖然としてしまいました。
「そ、それなら⋯⋯まあ、本人が望めば私からは何も申しません。ただ、リリスは頑固なので首を縦に振らせるのは大変だと思いますが大丈夫なのですか?」
「しつこさでは負けませんから、そこは大丈夫です。
ここのところ何故か仕事でトラブルが続いていたのですが、突然落ち着いてきまして⋯⋯。ティア、早速なんだけど来月の夜会に誘っても良いかな?」
何故かトラブルが⋯⋯突然落ち着いて⋯⋯。トーマス司教様がやらかしてたのは間違い無いですね。今度ターニャと2人でお仕置きさせていただきましょう。
「⋯⋯ス、リリス?」
「は! 申し訳ありません。えーっと、はい?」
トーマス司教様のやらかしについて考えていて話を聞いておりませんでした。
「今度の夜会にお誘いしてもいいでしょうか?」
今度の夜会と言えばもしかして王太子殿下主催の⋯⋯。
「あ、え⋯⋯夜会はほぼ未経験ですからご迷惑をおかけする事になりかねませんので、もう少しこじんまりした集まりの方が宜しいかと」
「ずっとそばにおります。私とでは不安でしょうか?」
「⋯⋯いえ、そういうわけでは⋯⋯よろしくお願いします」
子供の抱きつきモジモジからの上目遣いは反則技だと知っておりましたが、大人の男性にも反則技があるなんて初めて知りました。
決死の覚悟を決めているような真剣な目つきの中に、断られる不安を覗かせるのは断れなくなってしまうので危険です。
「良かった~、夜会は早いと言われてしまうかと⋯⋯よっし!」
ガッツポーズされてます。
不安もありますがこんなにストレートに喜んでいただけると嬉しいです。マナーとダンスの練習を致しましょう。
ダンスなんてすっかり忘れてますし、コルセットと踵の高い靴はわたくしの鬼門ですのに大丈夫なんでしょうか。
お茶を入れ替えて気持ちも入れ替えると、ノア様の表情もお父様の雰囲気も一変しました。
「では、子供達の今後と今まで秘密にしていた子供達との関係について話してもよろしいでしょうか?」
「お願いします」
18
お気に入りに追加
2,738
あなたにおすすめの小説
処刑直前ですが得意の転移魔法で離脱します~私に罪を被せた公爵令嬢は絶対許しませんので~
インバーターエアコン
恋愛
王宮で働く少女ナナ。王様の誕生日パーティーに普段通りに給仕をしていた彼女だったが、突然第一王子の暗殺未遂事件が起きる。
ナナは最初、それを他人事のように見ていたが……。
「この女よ! 王子を殺そうと毒を盛ったのは!」
「はい?」
叫んだのは第二王子の婚約者であるビリアだった。
王位を巡る争いに巻き込まれ、王子暗殺未遂の罪を着せられるナナだったが、相手が貴族でも、彼女はやられたままで終わる女ではなかった。
(私をドロドロした内争に巻き込んだ罪は贖ってもらいますので……)
得意の転移魔法でその場を離脱し反撃を始める。
相手が悪かったことに、ビリアは間もなく気付くこととなる。
小石だと思っていた妻が、実は宝石だった。〜ある伯爵夫の自滅
みこと。
恋愛
アーノルド・ロッキムは裕福な伯爵家の当主だ。我が世の春を楽しみ、憂いなく遊び暮らしていたところ、引退中の親から子爵家の娘を嫁にと勧められる。
美人だと伝え聞く子爵の娘を娶ってみれば、田舎臭い冴えない女。
アーノルドは妻を離れに押し込み、顧みることなく、大切な約束も無視してしまった。
この縁談に秘められた、真の意味にも気づかずに──。
※全7話で完結。「小説家になろう」様でも掲載しています。
田舎者とバカにされたけど、都会に染まった婚約者様は破滅しました
さこの
恋愛
田舎の子爵家の令嬢セイラと男爵家のレオは幼馴染。両家とも仲が良く、領地が隣り合わせで小さい頃から結婚の約束をしていた。
時が経ちセイラより一つ上のレオが王立学園に入学することになった。
手紙のやり取りが少なくなってきて不安になるセイラ。
ようやく学園に入学することになるのだが、そこには変わり果てたレオの姿が……
「田舎の色気のない女より、都会の洗練された女はいい」と友人に吹聴していた
ホットランキング入りありがとうございます
2021/06/17
奥様はエリート文官
神田柊子
恋愛
【2024/6/19:完結しました】
王太子の筆頭補佐官を務めていたアニエスは、待望の第一子を妊娠中の王太子妃の不安解消のために退官させられ、辺境伯との婚姻の王命を受ける。
辺境伯領では自由に領地経営ができるのではと考えたアニエスは、辺境伯に嫁ぐことにした。
初対面で迎えた結婚式、そして初夜。先に寝ている辺境伯フィリップを見て、アニエスは「これは『君を愛することはない』なのかしら?」と人気の恋愛小説を思い出す。
さらに、辺境伯領には問題も多く・・・。
見た目は可憐なバリキャリ奥様と、片思いをこじらせてきた騎士の旦那様。王命で結婚した夫婦の話。
-----
西洋風異世界。転移・転生なし。
三人称。視点は予告なく変わります。
-----
※R15は念のためです。
※小説家になろう様にも掲載中。
【2024/6/10:HOTランキング女性向け1位にランクインしました!ありがとうございます】
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
平凡地味子ですが『魔性の女』と呼ばれています。
ねがえり太郎
恋愛
江島七海はごく平凡な普通のOL。取り立てて目立つ美貌でも無く、さりとて不細工でも無い。仕事もバリバリ出来るという言う訳でも無いがさりとて愚鈍と言う訳でも無い。しかし陰で彼女は『魔性の女』と噂されるようになって―――
生まれてこのかた四半世紀モテた事が無い、男性と付き合ったのも高一の二週間だけ―――という彼女にモテ期が来た、とか来ないとかそんなお話
※2018.1.27~別作として掲載していたこのお話の前日譚『太っちょのポンちゃん』も合わせて収録しました。
※本編は全年齢対象ですが『平凡~』後日談以降はR15指定内容が含まれております。
※なろうにも掲載中ですが、なろう版と少し表現を変更しています(変更のある話は★表示とします)
身に覚えのない浮気が原因で婚約破棄されました
小倉みち
恋愛
公爵令嬢ローゼリア。
彼女は完璧だった。
容姿端麗、文武両道、性格も良く、人望も厚い。
生まれたころから完璧な人生のスタートを切り、今の今まで目立った挫折もせずに生きてきたのだが。
そんな彼女にも、目の上のたんこぶが3つほど存在していた。
1人目は、婚約者である第三王子フレデリック。
自分の実力を見誤って反省せずに失敗を繰り返した挙句、その尻拭いをローゼリアに押しつけてくる。
2人目は、実の妹のリリオーネ。
その愛らしい容姿を駆使して信者たちを集め、彼らとともに、そのすべてを彼女を失脚させることに費やしている。
3人目は、公爵子息のユージーン。
何かとローゼリアに勝負を持ちかけ、一進一退の攻防を見せる、嫌味ったらしい男。
彼らを適度に相手しつつ、史上初の女宰相となるための出世街道を歩んでいたローゼリアであったが。
ある日、第三王子と妹にに呼び出されて言われることには。
「お前、ユージーンと浮気してるだろ」
「は? 身に覚えはございませんが」
「リリオーネから聞いた。なんたる最低極まりない行為だ! お前とは婚約破棄する!」
嘘泣きするリリオーネを、優しく抱き寄せるフレデリック。
その様子を見て、察しの良い私は勘づく。
……あー。
なるほどね。
あんたたち、そういう関係か。
訳あり冷徹社長はただの優男でした
あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた
いや、待て
育児放棄にも程があるでしょう
音信不通の姉
泣き出す子供
父親は誰だよ
怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳)
これはもう、人生詰んだと思った
**********
この作品は他のサイトにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる