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48.遅れてきたイヤイヤ期?
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「やだ! やだやだやだ!」
「だぁだぁ」
少し出かけてくるからお留守番していて欲しいとお願いした結果です。グレッグの『やだ』は想定していましたが、グレッグの真似をするチェイスとのダブル攻撃にあっています。
か、可愛い⋯⋯。
「いつものお出かけと同じだから必ず帰ってくるわ。ハンナとメイサが一緒にいてくれるから大丈夫でしょ?」
「やだ!」
初めて遭遇するグレッグのイヤイヤ期です。感情を言葉に出せるようになったのですから叶えてあげたいと思いもしますが、離婚の手続きに血の繋がらない子供達を引き連れて⋯⋯うーん、困りました。
「じゃあ、ターニャにもいてもらいましょう。ね?」
「やーだ!」
「だぁー」
「グレッグ、お利口にできるなら私が連れて行ってあげようか?」
グレッグ達を説得するのに夢中だったわたくしはフォレスト公爵様が近くに来られた事に気付いておりませんでしたので、声が聞こえて驚いてしまいました。
大人を警戒したグレッグはわたくしの後ろに隠れチェイスの手を引っ張っています。
あれ? さっきわたくしの誘拐でグレッグはフォレスト公爵様と協力しあっていましたよね。
短い時間でしたしわたくしに抱きついていましたから忘れているようですね。
「リリスティア様はどうしても行かなくちゃいけないところがあるから、一緒に行ってご用が終わるまで私と待つのはどうかな?」
「リィ、まちゅ?」
「そう。騒いだりしないなら一緒に行ける」
「いっちょ、できゆっ!」
グレッグは言葉が増えて来て短い文章を話すようになった分噛んでしまうようになりました。カミカミの言葉が可愛くて堪りません。
この様子なら思った以上に早く年齢相応に話せるようになりそうです。
「じゃあ、リリスティア様の準備が出来次第出発しよう」
「うん!」
「そこは『はい』と言おうな」
「はい!」
「あぃ!」
教会へご一緒していただくなんて構わないのでしょうか。それならターニャ達に頼めば⋯⋯。
「私も子供達と話してみたいからちょうど良いんだ」
「⋯⋯それではご好意に甘えさせていただきます。すぐに準備して参りますので少しお待ちくださいませ」
着替えをするために5年ぶりの自室に向かいます。部屋はきっと以前のままなんだろうと思うとワクワクして走り出してしまいそうですが我慢我慢。貴族の女性はいついかなる時も走ってはいけません。
最高速度の小走りで向かいましょう。
着替えをしながら思い出したのですが、フォレスト公爵様は子供達を引き取りたい秘密の理由があると仰っておられましたから、これをきっかけに距離を縮めたいと言う事なのでしょう。
これも人の意見に従うことができたことになるのでしょうか? うーん、わたくしにはよくわかりません。
それにしても引き取りたい理由と言うのはなんなのでしょう。わたくしのように知らない人を拾う癖があるはずはなく、フォレスト公爵様にとって赤の他人のはずですし⋯⋯赤の他人?
ビビアン様はフォレスト公爵様にいつも見つめられていたと仰っておいででしたよね。ハニーブロンドと碧眼のフォレスト公爵様のお色を少し濃くすればグレッグと同じ?
容姿端麗なフォレスト公爵様とグレッグは似ていたでしょうか? ステファン様のお顔は⋯⋯うーん、よく思い出せません。
わたくしが口を挟むことではありませんから、人のプライベートを詮索するのはやめましょう。ただ、本当にグレッグ達を引き取られると言うのであればグレッグやチェイス専用のメイドとして雇っていただける未来もあるのではないでしょうか。
7年も前にほんの少し顔を見ただけの関係ですし、ここ数回お会いしている時には無茶振りばかりしております。こんな状況なのに結婚だなんてあり得ませんけれど、メイドなら可能性がなくもないような気がします。
何はともあれ、先ずは教会に参りましょう。必要な書類は全て揃っておりますし、いざ出陣ですわ。
張り切って馬車に乗り込みましたが、どうしてこうなったのでしょう。馬車にはフォレスト公爵様とわたくししか乗っておりません。勿論ターニャはおりますが子供達が別の馬車なのです。これでは子供達との交流できませんけど?
「非常に聞きにくいのですが離婚の手続きに教会へ向かうと言う事は⋯⋯その、マーベル中尉とのご関係は⋯⋯そういうことだったと言うことでしょうか?」
フォレスト公爵様のお耳が真っ赤です。
この流れですから気付かれてしまうのは当然です。手続きが終われば社交界の方々にもバレてしまうのですから開きあるしかありません。
わたくしの顔も赤くなっていそうです。
「だぁだぁ」
少し出かけてくるからお留守番していて欲しいとお願いした結果です。グレッグの『やだ』は想定していましたが、グレッグの真似をするチェイスとのダブル攻撃にあっています。
か、可愛い⋯⋯。
「いつものお出かけと同じだから必ず帰ってくるわ。ハンナとメイサが一緒にいてくれるから大丈夫でしょ?」
「やだ!」
初めて遭遇するグレッグのイヤイヤ期です。感情を言葉に出せるようになったのですから叶えてあげたいと思いもしますが、離婚の手続きに血の繋がらない子供達を引き連れて⋯⋯うーん、困りました。
「じゃあ、ターニャにもいてもらいましょう。ね?」
「やーだ!」
「だぁー」
「グレッグ、お利口にできるなら私が連れて行ってあげようか?」
グレッグ達を説得するのに夢中だったわたくしはフォレスト公爵様が近くに来られた事に気付いておりませんでしたので、声が聞こえて驚いてしまいました。
大人を警戒したグレッグはわたくしの後ろに隠れチェイスの手を引っ張っています。
あれ? さっきわたくしの誘拐でグレッグはフォレスト公爵様と協力しあっていましたよね。
短い時間でしたしわたくしに抱きついていましたから忘れているようですね。
「リリスティア様はどうしても行かなくちゃいけないところがあるから、一緒に行ってご用が終わるまで私と待つのはどうかな?」
「リィ、まちゅ?」
「そう。騒いだりしないなら一緒に行ける」
「いっちょ、できゆっ!」
グレッグは言葉が増えて来て短い文章を話すようになった分噛んでしまうようになりました。カミカミの言葉が可愛くて堪りません。
この様子なら思った以上に早く年齢相応に話せるようになりそうです。
「じゃあ、リリスティア様の準備が出来次第出発しよう」
「うん!」
「そこは『はい』と言おうな」
「はい!」
「あぃ!」
教会へご一緒していただくなんて構わないのでしょうか。それならターニャ達に頼めば⋯⋯。
「私も子供達と話してみたいからちょうど良いんだ」
「⋯⋯それではご好意に甘えさせていただきます。すぐに準備して参りますので少しお待ちくださいませ」
着替えをするために5年ぶりの自室に向かいます。部屋はきっと以前のままなんだろうと思うとワクワクして走り出してしまいそうですが我慢我慢。貴族の女性はいついかなる時も走ってはいけません。
最高速度の小走りで向かいましょう。
着替えをしながら思い出したのですが、フォレスト公爵様は子供達を引き取りたい秘密の理由があると仰っておられましたから、これをきっかけに距離を縮めたいと言う事なのでしょう。
これも人の意見に従うことができたことになるのでしょうか? うーん、わたくしにはよくわかりません。
それにしても引き取りたい理由と言うのはなんなのでしょう。わたくしのように知らない人を拾う癖があるはずはなく、フォレスト公爵様にとって赤の他人のはずですし⋯⋯赤の他人?
ビビアン様はフォレスト公爵様にいつも見つめられていたと仰っておいででしたよね。ハニーブロンドと碧眼のフォレスト公爵様のお色を少し濃くすればグレッグと同じ?
容姿端麗なフォレスト公爵様とグレッグは似ていたでしょうか? ステファン様のお顔は⋯⋯うーん、よく思い出せません。
わたくしが口を挟むことではありませんから、人のプライベートを詮索するのはやめましょう。ただ、本当にグレッグ達を引き取られると言うのであればグレッグやチェイス専用のメイドとして雇っていただける未来もあるのではないでしょうか。
7年も前にほんの少し顔を見ただけの関係ですし、ここ数回お会いしている時には無茶振りばかりしております。こんな状況なのに結婚だなんてあり得ませんけれど、メイドなら可能性がなくもないような気がします。
何はともあれ、先ずは教会に参りましょう。必要な書類は全て揃っておりますし、いざ出陣ですわ。
張り切って馬車に乗り込みましたが、どうしてこうなったのでしょう。馬車にはフォレスト公爵様とわたくししか乗っておりません。勿論ターニャはおりますが子供達が別の馬車なのです。これでは子供達との交流できませんけど?
「非常に聞きにくいのですが離婚の手続きに教会へ向かうと言う事は⋯⋯その、マーベル中尉とのご関係は⋯⋯そういうことだったと言うことでしょうか?」
フォレスト公爵様のお耳が真っ赤です。
この流れですから気付かれてしまうのは当然です。手続きが終われば社交界の方々にもバレてしまうのですから開きあるしかありません。
わたくしの顔も赤くなっていそうです。
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