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第一章
87.サンドバッグにされてる
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「俺、かなりやられてるぞ? 今の裏拳といい正拳突き・回し蹴り・エルボー⋯⋯あ、踵落としされたこともあるな」
「ふふん、父さんが教えてくれたんだよね。漫画で覚えたコークスクリューパンチとかのボクシングの技もあるし。
父さんは神主の仕事以外に剣道場をやってるんだけど、剣道と一緒に体術も覚えろって言ってアレコレ教えてくれたんだ」
身体の大きな父親にコロコロと転がされる度に泣きべそをかいていたが、小学生になる頃には練習が楽しくなっていたのを今でも覚えている。
(父さんを独占できてるみたいで嬉しかったんだよね~。教えてもらった技が上手くできた時も父さんが知らない技を披露した時も、満面の笑みで頭を思いっきり撫でてくれるのが嬉しくて、毎日『練習しよう』ってねだってたなあ)
「今もそうだけど前世でも背が低くて、幼稚園の頃とかよく泣かされてたんだって。それで父さんがね、ちっこくても負けるな泣くなって教えてくれたの。
それなのにあの時は何もできなかったんだから笑っちゃうよね。ギラギラ光る刀身を見た途端頭が真っ白になってただ『怖い、怖い』って思っただけだった」
「仕方ねえだろ? 花梨のいた世界じゃ刃のついた刀で戦ったりしねえんだ。それが突然目の前に現れりゃ身動き取れなくなるって」
自虐的にへにゃりと笑ったグロリアの手に『能天気そうな見た目がグロリアっぽい』と言いつつジェニが乗せてくれた箱は⋯⋯。
「こ、これはコア◯のマーチ~! ヘル? ヘルだよね。あーもー、愛してるって伝えてくれるかな。ほんと好き、ヘル最高!!
この絵柄ってすっごい種類あるんだけど、都市伝説とかもあるんだよ。まゆ毛の子や盲腸の子に会えたら幸せになるとかって言われたことがあって探しまくったんだよ。でもでも本当の激レアキャラは『子どもコア◯』なんだって。
ヘルにお礼言っといてくれる? ハグしてほっぺちゅうとかもお願い」
「お前、やっぱちょろいな⋯⋯ハグもちゅうもせんけど礼だけは伝えとく」
グロリアが落ち込むと何気に前世の食べ物や飲み物を出してくるジェニとヘル。
(いいもん、これがあるから生きてける! 繋がりが切れてないって気がするじゃん)
「なら、剣術もできそうだな」
「この世界の剣術って見たことないからどんなのか分かんないけど、それなりの硬さの棒があれば身を守るくらいはできるはず」
「ふむ、だったら⋯⋯グロリア、ちょっと立ってみろ」
裏拳がヒットした顎を態とらしくさすりながらジェニがラグを指差した。
モゾモゾとベッドから這い出したグロリアが立つと一頻り見つめてニヤリと笑った。
「ほれ、持ってみろ」
ジェニが取り出した2本の剣は素人のグロリアが見ても特別だとわかる輝きを放っていた。
「こいつはスケヴニングで、使う前にちと手順がいるが骨まで断ち切る王の剣。
こいつはグラムで、なんと竜殺しの英雄シグルドの持ってた剣で抜群の切れ味で石でも鉄でも切り裂く。刀身にルーン文字が刻まれてるから相性は良いかもな」
手渡されたスケヴニングを握って構えてみた。王権の象徴とも言われた剣は鋭さと硬さと切れ味の全てを兼ね備えている。
「長さはあるけどやや細身の剣身だし安定感があるね。コレは慣れれば使えそうな気がする」
「こっちはどうだ?」
幅広の両刃でかなり重量のあるグラムは持ち上げるのが精一杯。長さもスケヴニングよりかなり長い。
「これは無理かな。刃が広すぎるのと重さに負けちゃってバランスの取り方がわからないな。長さも今の私には無理かも」
その後で『やっぱこれか?』と言いながらジェニが押し付けてきたのは少し長すぎるが刃が反り返り特徴のある柄の⋯⋯。
「日本刀! なんでジェニが?」
「カッコいいなあって思ってむかーし手に入れたんだけどよ超使い辛えんだ。切れ味は最高だしグロリアならいけんじゃね」
この世界では真っ直ぐで両刃の剣身が一般的、その為片刃の刀は苦手らしい。
「う、うん。多分だけどさっきの剣よりは大丈夫かも」
(父さんの部屋にあったのと似てるけど、あれよりもっと迫力があるような⋯⋯うわ、初めて触ったぁ!)
「コイツは自己再生能力のある伝説の刀だから、便利だと思うぜ。青白く光ってる時は修理中って覚えとけよ」
(げっ! それってお尻が光るホ◯ルが飛んで来て修復してくれるって言う伝説の『◇丸』だよね!)
「ソレとこいつは切れ味は最高のくせに主君は守るって言われてた短刀だな。今の身長じゃこっちの方がいいのかもしれんな」
「あのー、鉄製の薬研に突き刺さった逸話を残して行方がわからなくなったあの刀とかじゃないよね」
部屋に飾られた刀の手入れをしながら蘊蓄を垂れるのが至福の時だと、嬉しそうな顔で言っていた父親。
その横で何度も繰り返し語られる話を飽きもせず聴きながら、キラキラ光る刃を見つめていた花梨も刀剣の魅力に取り憑かれていたのかもしれない。
『もっと大きくなったら花梨にもこいつを振らせてやるからな。頑張って練習しろよ』
『うん!』
古武道マニアだった父親が最も得意だったのは居合術。
『居合はいいぞぉ、お前達にはまだ無理だがいつか教えてやるからな』
鞘に収めて帯刀し対峙する時の研ぎ澄まされた空気、刀を抜き放つ一瞬から醸し出される気迫。納刀した後の静寂。形と技術を中心に構成されたあの国独自の武術。
(遠くから観に来る人もいたっけ。教えてもらい損ねちゃったなぁ)
高校生になって誕生日に貰った練習用の居合刀は花梨の宝物のひとつ。今のお前ならいいだろうと笑った父さんが『花梨は女の子なのに!』と母さんやお姉ちゃんに叱られたのをグロリアは思い出した。
巫女舞は姉の方が断然上手で、剣道は花梨の方が得意だった。
(母さんに教えて貰いながら舞うお姉ちゃん、綺麗だったなあ)
ニヤッと笑ったジェニがとてつもないことを言い出し、思い出に浸っていたグロリアを仰天させた。
「槍が使えりゃグングニルをやるんだがな」
(それって以前話してたオーディンのってやつじゃん! そんな簡単に人にあげたらダメなやつ、この剣や刀もきっと⋯⋯)
ヘルが言っていたジェニの秘蔵のお宝が恐ろしくなった。
「つかぬことを伺うんですが、ジェニさんはなんでそんなに伝説やら幻のお宝をお持ちなんですかね?」
「持ち主がいなくなってそのまま行方不明になる前に拾ったとかが多いぞ⋯⋯剣やら防具やらの声がするんだな、多分。
言っとくけどな、盗みとか略奪は一切してねえからな!」
「うん、ジェニは口は悪いけど犯罪はしないと思う。口は悪いけどね」
「⋯⋯大事なことだから二度言いました、みたいなノリだな」
「ええ! まっさかあ(ギクッ)」
無理やり押し付けられたスケヴニングと日本刀と短刀をポーチに収めた。
「ジェイソンみたいな奴の前では日本刀は使えねえしスケヴニングは練習用だな。グロリアは構え方も違うから好き嫌いなく両方練習しろよ」
王の剣を練習用だと言い切るジェニの無謀⋯⋯豪胆さに遠い目をしたグロリアだった。
「時間が作れたらね」
(ジェニ、最近はすごく忙しそうだし)
「ルーン魔術の勉強もしたいから、なんとかして家庭教師減らせないかなあ。マナーとかって不要だと思うんだよね。優雅な首の角度だとか扇子の動かし方で意味が変わるとか、どうでも良くない?」
「ヘルに習ってみるか?」
「ふふん、父さんが教えてくれたんだよね。漫画で覚えたコークスクリューパンチとかのボクシングの技もあるし。
父さんは神主の仕事以外に剣道場をやってるんだけど、剣道と一緒に体術も覚えろって言ってアレコレ教えてくれたんだ」
身体の大きな父親にコロコロと転がされる度に泣きべそをかいていたが、小学生になる頃には練習が楽しくなっていたのを今でも覚えている。
(父さんを独占できてるみたいで嬉しかったんだよね~。教えてもらった技が上手くできた時も父さんが知らない技を披露した時も、満面の笑みで頭を思いっきり撫でてくれるのが嬉しくて、毎日『練習しよう』ってねだってたなあ)
「今もそうだけど前世でも背が低くて、幼稚園の頃とかよく泣かされてたんだって。それで父さんがね、ちっこくても負けるな泣くなって教えてくれたの。
それなのにあの時は何もできなかったんだから笑っちゃうよね。ギラギラ光る刀身を見た途端頭が真っ白になってただ『怖い、怖い』って思っただけだった」
「仕方ねえだろ? 花梨のいた世界じゃ刃のついた刀で戦ったりしねえんだ。それが突然目の前に現れりゃ身動き取れなくなるって」
自虐的にへにゃりと笑ったグロリアの手に『能天気そうな見た目がグロリアっぽい』と言いつつジェニが乗せてくれた箱は⋯⋯。
「こ、これはコア◯のマーチ~! ヘル? ヘルだよね。あーもー、愛してるって伝えてくれるかな。ほんと好き、ヘル最高!!
この絵柄ってすっごい種類あるんだけど、都市伝説とかもあるんだよ。まゆ毛の子や盲腸の子に会えたら幸せになるとかって言われたことがあって探しまくったんだよ。でもでも本当の激レアキャラは『子どもコア◯』なんだって。
ヘルにお礼言っといてくれる? ハグしてほっぺちゅうとかもお願い」
「お前、やっぱちょろいな⋯⋯ハグもちゅうもせんけど礼だけは伝えとく」
グロリアが落ち込むと何気に前世の食べ物や飲み物を出してくるジェニとヘル。
(いいもん、これがあるから生きてける! 繋がりが切れてないって気がするじゃん)
「なら、剣術もできそうだな」
「この世界の剣術って見たことないからどんなのか分かんないけど、それなりの硬さの棒があれば身を守るくらいはできるはず」
「ふむ、だったら⋯⋯グロリア、ちょっと立ってみろ」
裏拳がヒットした顎を態とらしくさすりながらジェニがラグを指差した。
モゾモゾとベッドから這い出したグロリアが立つと一頻り見つめてニヤリと笑った。
「ほれ、持ってみろ」
ジェニが取り出した2本の剣は素人のグロリアが見ても特別だとわかる輝きを放っていた。
「こいつはスケヴニングで、使う前にちと手順がいるが骨まで断ち切る王の剣。
こいつはグラムで、なんと竜殺しの英雄シグルドの持ってた剣で抜群の切れ味で石でも鉄でも切り裂く。刀身にルーン文字が刻まれてるから相性は良いかもな」
手渡されたスケヴニングを握って構えてみた。王権の象徴とも言われた剣は鋭さと硬さと切れ味の全てを兼ね備えている。
「長さはあるけどやや細身の剣身だし安定感があるね。コレは慣れれば使えそうな気がする」
「こっちはどうだ?」
幅広の両刃でかなり重量のあるグラムは持ち上げるのが精一杯。長さもスケヴニングよりかなり長い。
「これは無理かな。刃が広すぎるのと重さに負けちゃってバランスの取り方がわからないな。長さも今の私には無理かも」
その後で『やっぱこれか?』と言いながらジェニが押し付けてきたのは少し長すぎるが刃が反り返り特徴のある柄の⋯⋯。
「日本刀! なんでジェニが?」
「カッコいいなあって思ってむかーし手に入れたんだけどよ超使い辛えんだ。切れ味は最高だしグロリアならいけんじゃね」
この世界では真っ直ぐで両刃の剣身が一般的、その為片刃の刀は苦手らしい。
「う、うん。多分だけどさっきの剣よりは大丈夫かも」
(父さんの部屋にあったのと似てるけど、あれよりもっと迫力があるような⋯⋯うわ、初めて触ったぁ!)
「コイツは自己再生能力のある伝説の刀だから、便利だと思うぜ。青白く光ってる時は修理中って覚えとけよ」
(げっ! それってお尻が光るホ◯ルが飛んで来て修復してくれるって言う伝説の『◇丸』だよね!)
「ソレとこいつは切れ味は最高のくせに主君は守るって言われてた短刀だな。今の身長じゃこっちの方がいいのかもしれんな」
「あのー、鉄製の薬研に突き刺さった逸話を残して行方がわからなくなったあの刀とかじゃないよね」
部屋に飾られた刀の手入れをしながら蘊蓄を垂れるのが至福の時だと、嬉しそうな顔で言っていた父親。
その横で何度も繰り返し語られる話を飽きもせず聴きながら、キラキラ光る刃を見つめていた花梨も刀剣の魅力に取り憑かれていたのかもしれない。
『もっと大きくなったら花梨にもこいつを振らせてやるからな。頑張って練習しろよ』
『うん!』
古武道マニアだった父親が最も得意だったのは居合術。
『居合はいいぞぉ、お前達にはまだ無理だがいつか教えてやるからな』
鞘に収めて帯刀し対峙する時の研ぎ澄まされた空気、刀を抜き放つ一瞬から醸し出される気迫。納刀した後の静寂。形と技術を中心に構成されたあの国独自の武術。
(遠くから観に来る人もいたっけ。教えてもらい損ねちゃったなぁ)
高校生になって誕生日に貰った練習用の居合刀は花梨の宝物のひとつ。今のお前ならいいだろうと笑った父さんが『花梨は女の子なのに!』と母さんやお姉ちゃんに叱られたのをグロリアは思い出した。
巫女舞は姉の方が断然上手で、剣道は花梨の方が得意だった。
(母さんに教えて貰いながら舞うお姉ちゃん、綺麗だったなあ)
ニヤッと笑ったジェニがとてつもないことを言い出し、思い出に浸っていたグロリアを仰天させた。
「槍が使えりゃグングニルをやるんだがな」
(それって以前話してたオーディンのってやつじゃん! そんな簡単に人にあげたらダメなやつ、この剣や刀もきっと⋯⋯)
ヘルが言っていたジェニの秘蔵のお宝が恐ろしくなった。
「つかぬことを伺うんですが、ジェニさんはなんでそんなに伝説やら幻のお宝をお持ちなんですかね?」
「持ち主がいなくなってそのまま行方不明になる前に拾ったとかが多いぞ⋯⋯剣やら防具やらの声がするんだな、多分。
言っとくけどな、盗みとか略奪は一切してねえからな!」
「うん、ジェニは口は悪いけど犯罪はしないと思う。口は悪いけどね」
「⋯⋯大事なことだから二度言いました、みたいなノリだな」
「ええ! まっさかあ(ギクッ)」
無理やり押し付けられたスケヴニングと日本刀と短刀をポーチに収めた。
「ジェイソンみたいな奴の前では日本刀は使えねえしスケヴニングは練習用だな。グロリアは構え方も違うから好き嫌いなく両方練習しろよ」
王の剣を練習用だと言い切るジェニの無謀⋯⋯豪胆さに遠い目をしたグロリアだった。
「時間が作れたらね」
(ジェニ、最近はすごく忙しそうだし)
「ルーン魔術の勉強もしたいから、なんとかして家庭教師減らせないかなあ。マナーとかって不要だと思うんだよね。優雅な首の角度だとか扇子の動かし方で意味が変わるとか、どうでも良くない?」
「ヘルに習ってみるか?」
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