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お花畑Part3

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( )内、妹の心の声です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

「お姉様はもう少し、貴族の事をお勉強なさった方が良いようですね」

「でもね、リオンは心から私の事が大切だと。愛しているって言ってくださったのよ。これは真実の愛だから、誰にも邪魔させたくないって」

(最初から、邪魔が入るの確定で話してるとか、私の情報に誤りは無さそうですわ)


「お姉様は、ヒロインになりたい症候群にでも、侵されてしまわれましたか? 悪役令嬢と後ろ指を刺されるよりは、ましかもしれませんが」
「「「ひろいん?」」」
「リディ、そのひろいんとか悪役令嬢ってなあに?」
「お母様はご存知ありませんか? 真実の愛と同じく、最近流行り始めている言葉ですの」
 お父様やお母様だけではなく、お姉様もご存知ないようです。

「婚約者のいる方から平然と、婚約者を奪い取る令嬢の事を、ヒロインと言いますの。そして、真実の愛を邪魔する女性を、悪役令嬢と言います。真実の愛が持て囃されるようになってから、流行り始めましたの。元々の意味はよく分かっていないのですが、今ではどちらも最低の女性だ、と言う意味で使われていますね」

「でも、私はリオンが婚約しているなんて知らなかったの。知っていたら勿論お断りしていましたわ」
「それ以前に、親しくお付き合いされていた時から、お相手の方の情報には、注意しておかれるべきでしたけど」

「リディア、ミリアムは知らなかったのだから、被害者なのよ。もう少し優しく話してあげてね」

「貴族社会で、知らなかったが通用するとは思えませんわ。もしこのまま婚約発表でもすれば、夜会やお茶会などで、散々噂されるのは間違いありませんもの。少なくとも、サーベント子爵家の方々は、色々な所で吹聴なさるでしょうから」

「そうだね。サーベント子爵令嬢は、傷物扱いされてしまうから、ミリアムをヒロインとやらにして、噂を広めるだろうね。そうすれば周りの目を、自分の娘からそらす事が出来るからね」

(逆の立場であれば、私もそうしますもの)


「リオン・ウォルターは小者臭が・・いえ、それ程大胆なことをする方には思えません。可能性としては、考えなしに結婚を申し込んだか、サーベント子爵に踊らされているのか、どちらかではないでしょうか?」
「どちらにしろ、早急に手を打たないとね。リオン君に二心がなかったとしても、このままではミリアムがつらい思いをすることになる」

(大急ぎでリオン・ウォルターの、帰宅後の行動を調べましょう。念の為、サーベント子爵にも監視をつけたほうが良いでしょうね)



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