74 / 135
第四章
36.格の違いが一目瞭然
しおりを挟む
馬車の中からエリオットとレイチェルが降りると、正門前にいた衛兵達が硬直した。
「いつまでもここに立っておるわけにはいかん。我が国の弁護士が法務大臣の元に来ておるはず。案内せよ」
「は、はい⋯⋯こっ、こちらでございます」
緊張しつつ宮殿を案内する衛兵とは別に、慌てて走って行ったのはエリオット達の来訪を知らせる為だろう。
前後を衛兵に守られながらエリオットとレイチェルが並び、その後ろを歩くのはエレーナと手を繋いだルーナ。
堂々と歩く一行を見かけた貴族や官僚達は、一瞬目を見開いた後壁際に下がり頭を下げていく。どの顔にも仕草にも余裕が感じられるのは、アメリアの事故について公になっていないからなのだろうが⋯⋯。
壁際で頭を下げている者達が誰なのか全く分からないが、これが異常事態だと誰も気付いていないのはかなり深刻な問題だと不安が募っていく。
(誰も疑問を持っていないみたい。同盟国の国王がお越しになられただけだと思っているのかしら。この状況でそれはあり得ないと分かる人が一人もいないなんて⋯⋯)
他国の王族が宮殿を訪れる場合、宮殿前には正装を身につけた衛兵が並び、宰相や大臣などが出迎えに並んでいるのが当たり前の事。宮殿内は立ち入りが制限され、呑気に歩く人がいるなど考えられない。
王族側には国から連れて来た専属の騎士達や側近がついているのが普通で、王妃がいるなら数人の侍女もいなくてはならない。
(エリオット陛下がいつもこのように身軽でお越しになられているのだとしても、前後に一人ずつの衛兵だなんて。しかも他の衛兵達は先払いもせずに玄関で惚けているし。
親しい同盟国の国王夫妻だったとしても、絶対にこれは間違っているわ。これだけで宮殿の警備体制が分かりすぎるほど分かってしまう)
急な来訪で出迎えの準備ができていないとしても、通路を歩いていた者達を控えさせる為に、衛兵達は前を走らなければならないはず。
もしこの中にオーレリア国王に悪意を向ける者がいたら、公国の責任問題になるとは思っていないのだろうか。セルビアスの間諜が公国に紛れ込んでいる可能性がある今、エレーナの背中にはじっとりと冷たい汗が浮かんでいた。
長い廊下を抜けて階段を登り衛兵が守る大きな扉の前に着いた時には、安心のあまり大きな溜め息を吐いてしまった。
(良かった。わたくしの為にわざわざ公国に来て下さった陛下と妃殿下に何かあったら、わたくしのクビなんかじゃ責任を取れなかったもの)
扉をノックした衛兵の訪いで、部屋の中から血相を変えて一人の男が飛び出して来た。
「エリオット陛下! し、失礼致しました、どうぞ中へ」
誰かの執務室らしく広い部屋には巨大な執務机が鎮座し、キャビネットには小ぶりな肖像画やトロフィーらしき物などが光り輝いていた。
座り心地の良さそうなソファの横に立っているのはジョーンズと痩身の男で、かなり苛立っているように見えた。
その向かいに立っている血色の良い男性がオーレリアから派遣された弁護士らしく、エリオット達に満面の笑みを浮かべている。
エリオット達が席につくと、お茶が準備される前にジョーンズが噛みついた。
「陛下、同盟国であろうと先触れもなく我が国にお越しになられるなど問題ではありませんか?」
「うちの弁護士に伝えさせたはずだが、聞いておらんのか?」
「え、いや。必要があれば陛下もおいでになられるつもりだとしか聞いておりません」
「そうか、必要があった。なら、これで合ってるな?」
人を食ったような態度のエリオットは、ジョーンズを苛立たせるのが楽しくて堪らないといった様子で、ニヤつきそうになる顔に力を入れている。
普段から仲が悪いのかと邪推したくなる程険悪な2人の様子に、ジョーンズの隣の男がオロオロとしている様子が少し情け無い。
「はぁ、ルーナ様からお聞き及びだと思いますが、我が国は今非常に大きな問題を抱えております。
それに加えて、このような厄介なお話を持ち込まれるなど甚だ心外だと申し上げます」
ジョーンズはテーブルの上に広げられている書類を指差してから、エレーナをチラッと睨みつけた。
「アメリアの容態はどうだ? 一言言っておくが、ルーナからは何も聞いておらん。我が国に限らず、どの国も他国の中枢の情報を手に入れる為に、人を送り込んでいるからな。公国の情報は特に得やすいとあちこちで評判になっている」
「同盟国の内情を探っておられるのですか!」
その程度の情報戦など当たり前だというのに、激怒したジョーンズは机に手をついて身を乗り出した。
(老兵はただ去り行くのみ? でも、まだそんなお年には見えないのだけど)
前回の一件で少し辛辣になっているのは自覚しているが、前当主存命の頃の噂ではジョーンズは優秀な執事として、侯爵家にその名を轟かせていたはずなのに。
エレーナの目の前にいるジョーンズは侯爵家元執事としても、現宰相としても足りないところばかりが目についてしまう。
「当然だろう? 自国の中でさえ裏切る者が当たり前のように出てくるというのに、同盟を結んでいるからと言って、他国を全面的に信用するなどあり得んからな。
国の益にならんと思えば同盟など簡単に破棄するのも当然の事。勿論、オーレリアも同盟を破棄される可能性があると考えながら政を行っている。
守るべきものを見間違っては国や家族を守れなくなるとは思わんか?」
エリオットは一般論のように言いながら、既にエレーナの親権についての意思を明確にしている。
「⋯⋯アメリア様は未だお目覚めになっておられません。この事は宮殿内でも大臣のみにしか知らせておりませんので、くれぐれも他言なさいませんように願います」
「その件に関して誰かと話すつもりはない。どこかに情報が流れていたとしても、それは俺達ではないと確約しておく」
「⋯⋯それは、もしかして他国などでそのような噂が出ていると言う意味でしょうか?」
「さて、この国に間諜を送っているのがどの国なのかまでは知らんから、なんとも言えんな。間諜など入り込んでいないと言うなら秘密は漏洩しておらんし、間諜を見逃していれば情報は漏れている」
供も連れずに訪れたと言っても、エリオットは他国の王。意味深なことばかり言うエリオットを睨む事も出来ず、ジョーンズは苦虫を噛み潰したような顔で目を逸らした。
「レイモンドとセレナの死を、この国が教訓にしていないはずはないよな?」
アルムヘイルの王宮に忍び込んでいたクレベルンの兵を見逃していたせいで、無惨な死を迎えたレイモンドとセレナ。その死は一人娘のアメリアや使用人達だけでなく、侯爵領やその周辺の領も巻き込んでいった。
「勿論ですとも! その為にアメリア様の周りは信用できるもののみで固めて参ったのですから」
「この国がどんな方法で政を行うと決めようが、口を出すつもりはない。だが、建国王の一人娘を監禁し虐待するのが方法の一つだと言うなら、親戚の一人として無視しておく事はできんな」
エリオットの威圧でジョーンズとその隣の男がガタガタと震え、大きく息を吸い込んだ。
「モートン、話し合いはどうなっている?」
モートンと呼ばれたのはオーレリアの弁護士のようで、エリオットの威圧をものともせずにテーブルの上の書類を整えていた。
「進んでいるとは言えませんね。親権をお持ちのアメリア様か、ニール様の許可がなければ離籍は認められないの一点張りです。他国の事に口を出すなとも仰っておられます」
「只今ニール様にお越しいただくよう人をやっております。恐らくですがニール様は虐待があったなど、お認めになられないと思います」
ジョーンズは『ニールとエレーナは仲良くやっている』と言う情報を信じている。宮殿ができてから今までの間、円満に暮らしていたとニールが言えば、父と子を引き離すことなどできない。
(問題があった使用人を入れ替えると言えばそれで済む。ニール様さえ来てくだされば⋯⋯一体いつになったら来られるんだ!?)
呼び出したのは弁護士が来てすぐなのに、いまだに到着したと言う連絡が来ない。
(出かけているのかもしれないが、侯爵家の婿の行き先を誰も把握していないなどあり得んし)
ジョーンズの知る『父と子は仲が良い』と言う情報が、例のミセス・ブラッツからきた報告書に書かれていたものだと思い出せば、別の対応があったかもしれない。
アメリアの容態で頭がいっぱいなのか、政務が増え過ぎて混乱しているのか⋯⋯アメリアによって虐げられ続けているニールに望みをかけている。
(少し哀れになってきたかも。ニール様は尻尾を巻いて戦いから逃げ出している間に、愛人と庶子を作っていた方なのに。他に頼れる方がいないのかしら)
「ミセス・メイベルが宮殿に来たはずですが、会いましたか?」
「え? ミセス・メイベルは⋯⋯ブラッツの元へ行くと言っておりましたね。その後、何やら話があると言っていましたが、まだ来ておりません」
突然エレーナから声をかけられて驚いたジョーンズは、用心深そうな顔で返事を返した。『今その話をしたのは何故だ?』とでも言いたそうな顔をしていたが、エレーナは気付いていなかった。
(話し合いが終わる前に、ミセス・メイベルがここにくる可能性はあるかしら? 言葉の端々には『離籍やむなし』って感じがあったけれど、元々は離籍反対組なのだし。ニール様が何を仰るのか、全く想像がつかないし、ミセス・メイベルも敵なのか味方なのか⋯⋯)
「いつまでもここに立っておるわけにはいかん。我が国の弁護士が法務大臣の元に来ておるはず。案内せよ」
「は、はい⋯⋯こっ、こちらでございます」
緊張しつつ宮殿を案内する衛兵とは別に、慌てて走って行ったのはエリオット達の来訪を知らせる為だろう。
前後を衛兵に守られながらエリオットとレイチェルが並び、その後ろを歩くのはエレーナと手を繋いだルーナ。
堂々と歩く一行を見かけた貴族や官僚達は、一瞬目を見開いた後壁際に下がり頭を下げていく。どの顔にも仕草にも余裕が感じられるのは、アメリアの事故について公になっていないからなのだろうが⋯⋯。
壁際で頭を下げている者達が誰なのか全く分からないが、これが異常事態だと誰も気付いていないのはかなり深刻な問題だと不安が募っていく。
(誰も疑問を持っていないみたい。同盟国の国王がお越しになられただけだと思っているのかしら。この状況でそれはあり得ないと分かる人が一人もいないなんて⋯⋯)
他国の王族が宮殿を訪れる場合、宮殿前には正装を身につけた衛兵が並び、宰相や大臣などが出迎えに並んでいるのが当たり前の事。宮殿内は立ち入りが制限され、呑気に歩く人がいるなど考えられない。
王族側には国から連れて来た専属の騎士達や側近がついているのが普通で、王妃がいるなら数人の侍女もいなくてはならない。
(エリオット陛下がいつもこのように身軽でお越しになられているのだとしても、前後に一人ずつの衛兵だなんて。しかも他の衛兵達は先払いもせずに玄関で惚けているし。
親しい同盟国の国王夫妻だったとしても、絶対にこれは間違っているわ。これだけで宮殿の警備体制が分かりすぎるほど分かってしまう)
急な来訪で出迎えの準備ができていないとしても、通路を歩いていた者達を控えさせる為に、衛兵達は前を走らなければならないはず。
もしこの中にオーレリア国王に悪意を向ける者がいたら、公国の責任問題になるとは思っていないのだろうか。セルビアスの間諜が公国に紛れ込んでいる可能性がある今、エレーナの背中にはじっとりと冷たい汗が浮かんでいた。
長い廊下を抜けて階段を登り衛兵が守る大きな扉の前に着いた時には、安心のあまり大きな溜め息を吐いてしまった。
(良かった。わたくしの為にわざわざ公国に来て下さった陛下と妃殿下に何かあったら、わたくしのクビなんかじゃ責任を取れなかったもの)
扉をノックした衛兵の訪いで、部屋の中から血相を変えて一人の男が飛び出して来た。
「エリオット陛下! し、失礼致しました、どうぞ中へ」
誰かの執務室らしく広い部屋には巨大な執務机が鎮座し、キャビネットには小ぶりな肖像画やトロフィーらしき物などが光り輝いていた。
座り心地の良さそうなソファの横に立っているのはジョーンズと痩身の男で、かなり苛立っているように見えた。
その向かいに立っている血色の良い男性がオーレリアから派遣された弁護士らしく、エリオット達に満面の笑みを浮かべている。
エリオット達が席につくと、お茶が準備される前にジョーンズが噛みついた。
「陛下、同盟国であろうと先触れもなく我が国にお越しになられるなど問題ではありませんか?」
「うちの弁護士に伝えさせたはずだが、聞いておらんのか?」
「え、いや。必要があれば陛下もおいでになられるつもりだとしか聞いておりません」
「そうか、必要があった。なら、これで合ってるな?」
人を食ったような態度のエリオットは、ジョーンズを苛立たせるのが楽しくて堪らないといった様子で、ニヤつきそうになる顔に力を入れている。
普段から仲が悪いのかと邪推したくなる程険悪な2人の様子に、ジョーンズの隣の男がオロオロとしている様子が少し情け無い。
「はぁ、ルーナ様からお聞き及びだと思いますが、我が国は今非常に大きな問題を抱えております。
それに加えて、このような厄介なお話を持ち込まれるなど甚だ心外だと申し上げます」
ジョーンズはテーブルの上に広げられている書類を指差してから、エレーナをチラッと睨みつけた。
「アメリアの容態はどうだ? 一言言っておくが、ルーナからは何も聞いておらん。我が国に限らず、どの国も他国の中枢の情報を手に入れる為に、人を送り込んでいるからな。公国の情報は特に得やすいとあちこちで評判になっている」
「同盟国の内情を探っておられるのですか!」
その程度の情報戦など当たり前だというのに、激怒したジョーンズは机に手をついて身を乗り出した。
(老兵はただ去り行くのみ? でも、まだそんなお年には見えないのだけど)
前回の一件で少し辛辣になっているのは自覚しているが、前当主存命の頃の噂ではジョーンズは優秀な執事として、侯爵家にその名を轟かせていたはずなのに。
エレーナの目の前にいるジョーンズは侯爵家元執事としても、現宰相としても足りないところばかりが目についてしまう。
「当然だろう? 自国の中でさえ裏切る者が当たり前のように出てくるというのに、同盟を結んでいるからと言って、他国を全面的に信用するなどあり得んからな。
国の益にならんと思えば同盟など簡単に破棄するのも当然の事。勿論、オーレリアも同盟を破棄される可能性があると考えながら政を行っている。
守るべきものを見間違っては国や家族を守れなくなるとは思わんか?」
エリオットは一般論のように言いながら、既にエレーナの親権についての意思を明確にしている。
「⋯⋯アメリア様は未だお目覚めになっておられません。この事は宮殿内でも大臣のみにしか知らせておりませんので、くれぐれも他言なさいませんように願います」
「その件に関して誰かと話すつもりはない。どこかに情報が流れていたとしても、それは俺達ではないと確約しておく」
「⋯⋯それは、もしかして他国などでそのような噂が出ていると言う意味でしょうか?」
「さて、この国に間諜を送っているのがどの国なのかまでは知らんから、なんとも言えんな。間諜など入り込んでいないと言うなら秘密は漏洩しておらんし、間諜を見逃していれば情報は漏れている」
供も連れずに訪れたと言っても、エリオットは他国の王。意味深なことばかり言うエリオットを睨む事も出来ず、ジョーンズは苦虫を噛み潰したような顔で目を逸らした。
「レイモンドとセレナの死を、この国が教訓にしていないはずはないよな?」
アルムヘイルの王宮に忍び込んでいたクレベルンの兵を見逃していたせいで、無惨な死を迎えたレイモンドとセレナ。その死は一人娘のアメリアや使用人達だけでなく、侯爵領やその周辺の領も巻き込んでいった。
「勿論ですとも! その為にアメリア様の周りは信用できるもののみで固めて参ったのですから」
「この国がどんな方法で政を行うと決めようが、口を出すつもりはない。だが、建国王の一人娘を監禁し虐待するのが方法の一つだと言うなら、親戚の一人として無視しておく事はできんな」
エリオットの威圧でジョーンズとその隣の男がガタガタと震え、大きく息を吸い込んだ。
「モートン、話し合いはどうなっている?」
モートンと呼ばれたのはオーレリアの弁護士のようで、エリオットの威圧をものともせずにテーブルの上の書類を整えていた。
「進んでいるとは言えませんね。親権をお持ちのアメリア様か、ニール様の許可がなければ離籍は認められないの一点張りです。他国の事に口を出すなとも仰っておられます」
「只今ニール様にお越しいただくよう人をやっております。恐らくですがニール様は虐待があったなど、お認めになられないと思います」
ジョーンズは『ニールとエレーナは仲良くやっている』と言う情報を信じている。宮殿ができてから今までの間、円満に暮らしていたとニールが言えば、父と子を引き離すことなどできない。
(問題があった使用人を入れ替えると言えばそれで済む。ニール様さえ来てくだされば⋯⋯一体いつになったら来られるんだ!?)
呼び出したのは弁護士が来てすぐなのに、いまだに到着したと言う連絡が来ない。
(出かけているのかもしれないが、侯爵家の婿の行き先を誰も把握していないなどあり得んし)
ジョーンズの知る『父と子は仲が良い』と言う情報が、例のミセス・ブラッツからきた報告書に書かれていたものだと思い出せば、別の対応があったかもしれない。
アメリアの容態で頭がいっぱいなのか、政務が増え過ぎて混乱しているのか⋯⋯アメリアによって虐げられ続けているニールに望みをかけている。
(少し哀れになってきたかも。ニール様は尻尾を巻いて戦いから逃げ出している間に、愛人と庶子を作っていた方なのに。他に頼れる方がいないのかしら)
「ミセス・メイベルが宮殿に来たはずですが、会いましたか?」
「え? ミセス・メイベルは⋯⋯ブラッツの元へ行くと言っておりましたね。その後、何やら話があると言っていましたが、まだ来ておりません」
突然エレーナから声をかけられて驚いたジョーンズは、用心深そうな顔で返事を返した。『今その話をしたのは何故だ?』とでも言いたそうな顔をしていたが、エレーナは気付いていなかった。
(話し合いが終わる前に、ミセス・メイベルがここにくる可能性はあるかしら? 言葉の端々には『離籍やむなし』って感じがあったけれど、元々は離籍反対組なのだし。ニール様が何を仰るのか、全く想像がつかないし、ミセス・メイベルも敵なのか味方なのか⋯⋯)
13
お気に入りに追加
1,078
あなたにおすすめの小説
話が違います! 女性慣れしていないと聞いていたのですが
四季
恋愛
領地持ちの家に長女として生まれた私。
幼い頃から趣味や好みが周囲の女性たちと違っていて、女性らしくないからか父親にもあまり大事にしてもらえなかった。
そんな私は、十八の誕生日、父親の知り合いの息子と婚約することになったのだが……。
天才と呼ばれた彼女は無理矢理入れられた後宮で、怠惰な生活を極めようとする
カエデネコ
恋愛
※カクヨムの方にも載せてあります。サブストーリーなども書いていますので、よかったら、お越しくださいm(_ _)m
リアンは有名私塾に通い、天才と名高い少女であった。しかしある日突然、陛下の花嫁探しに白羽の矢が立ち、有無を言わさず後宮へ入れられてしまう。
王妃候補なんてなりたくない。やる気ゼロの彼女は後宮の部屋へ引きこもり、怠惰に暮らすためにその能力を使うことにした。
運命の歯車が壊れるとき
和泉鷹央
恋愛
戦争に行くから、君とは結婚できない。
恋人にそう告げられた時、子爵令嬢ジゼルは運命の歯車が傾いで壊れていく音を、耳にした。
他の投稿サイトでも掲載しております。
【完結】断罪されなかった悪役令嬢ですが、その後が大変です
紅月
恋愛
お祖母様が最強だったから我が家の感覚、ちょっとおかしいですが、私はごく普通の悪役令嬢です。
でも、婚約破棄を叫ぼうとしている元婚約者や攻略対象者がおかしい?と思っていたら……。
一体どうしたんでしょう?
18禁乙女ゲームのモブに転生したらの世界観で始めてみます。
夫が正室の子である妹と浮気していただけで、なんで私が悪者みたいに言われないといけないんですか?
ヘロディア
恋愛
側室の子である主人公は、正室の子である妹に比べ、あまり愛情を受けられなかったまま、高い身分の貴族の男性に嫁がされた。
妹はプライドが高く、自分を見下してばかりだった。
そこで夫を愛することに決めた矢先、夫の浮気現場に立ち会ってしまう。そしてその相手は他ならぬ妹であった…
良薬口苦シ 婚約破棄されたので、病弱王子が寿命を減らしても薬師の私はもう知りませんよ?
西東友一
恋愛
国のために数多くの薬草の研究をしてきたフローラ。
彼女の作る薬はたいそう効くと評判で、病弱だった王子ディアスが城へ招き、看護をするフローラの姿にディアス王子が心を奪われプロポーズした。母性本能がくすぐられたフローラもOKの返事を出す。
婚約者となってもいつも通り、ディアス王子に処方する良苦草(りょくそう)を取って帰ってきたら、王子が目をギラつかせて妹弟子イザベラを傍に置いていた。
フローラが訪ねると、どうやらイザベラが美味しい薬を処方してくれたのでフローラはもう用済みとのこと。
けれど、王子の顔色などを判断すると、その薬は危険だと感じたので、そのことだけでもフローラは伝えようとしたが、王子は聞く気もない様子。さらには国外追放まで言い渡してきた。
彼女を切り捨てたディアス王子たちは破滅へと向かっていくとは知らずに・・・。
フローラはショックだったけれど、まだ見ぬ薬草を求めて旅に出ることを決めた。
しかし、世界が彼女の才能と知識を放っておくはずもなく―――
タイトルは「味が苦い」ですが、「薬師」「ざまぁ」「悪役令嬢」「婚約破棄」などがお好きな人のお口には、冒頭は少し苦いかもしれませんが、後半は苦みがなく、「痛快」「美味しい」「まるで定食のような安心感」と言っていただけるようなご希望に添えるよう作っていきたいと思っています。どうぞ、御賞味あれ。
ふしだらな悪役令嬢として公開処刑される直前に聖女覚醒、婚約破棄の破棄?ご冗談でしょ(笑)
青の雀
恋愛
病弱な公爵令嬢ビクトリアは、卒業式の日にロバート王太子殿下から婚約破棄されてしまう。病弱なためあまり学園に行っていなかったことを男と浮気していたせいだ。おまけに王太子の浮気相手の令嬢を虐めていたとさえも、と勝手に冤罪を吹っかけられ、断罪されてしまいます。
父のストロベリー公爵は、王家に冤罪だと掛け合うものの、公開処刑の日時が決まる。
断頭台に引きずり出されたビクトリアは、最後に神に祈りを捧げます。
ビクトリアの身体から突然、黄金色の光が放たれ、苛立っていた観衆は穏やかな気持ちに変わっていく。
慌てた王家は、処刑を取りやめにするが……という話にする予定です。
お気づきになられている方もいらっしゃるかと存じますが
この小説は、同じ世界観で
1.みなしごだからと婚約破棄された聖女は実は女神の化身だった件について
2.婚約破棄された悪役令嬢は女神様!? 開国の祖を追放した国は滅びの道まっしぐら
3.転生者のヒロインを虐めた悪役令嬢は聖女様!? 国外追放の罪を許してやるからと言っても後の祭りです。
全部、話として続いています。ひとつずつ読んでいただいても、わかるようにはしています。
続編というのか?スピンオフというのかは、わかりません。
本来は、章として区切るべきだったとは、思います。
コンテンツを分けずに章として連載することにしました。
訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?
naturalsoft
恋愛
私の前世は公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者だった。しかし、光魔法の使える男爵令嬢に汚名を着せられて、婚約破棄された挙げ句、処刑された。
私は最後の瞬間に一族の秘術を使い過去に戻る事に成功した。
しかし、イレギュラーが起きた。
何故か宿敵である男爵令嬢として過去に戻ってしまっていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる