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Sideデイビッド

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登場人物みんな胸糞です。ご注意下さい。

ーーーーーー

ー 四年前(結婚二年前) ー

「全く、お嬢様の相手は疲れるよ」

 デイビッドは馴染みのクラブで、カードゲームを楽しみながら、仲間達に愚痴をこぼしていた。

「そのおかげで将来は伯爵様だろう? しかもエジャートン伯爵家は、かなりの資産家だ。
由緒正しい伯爵家、豊かな領地。
しかも現伯爵は年寄りときた。最高の結婚相手じゃないか」

「取り敢えず乾杯しようぜ。
おいブランデーを持ってこい、最高級のやつだ。
未来の伯爵様の奢りだぜ! しかし上手くやったよな。
貴族の3男なんて、爵位も財産も何もなしで追い出される運命だったんだぞ。
それが今じゃ、金のなる木を手にしたんだ。
文句を言ったらバチが当たるよな」

「しかもエジャートン伯爵令嬢は、かなりの美人なんだろ。
領地経営の勉強とやらが忙しくて、お茶会や夜会には出て来ないが、なんでも流れるようなブロンドと紫の瞳で、妖精姫って言われてるとか」

「金貨を敷き詰めたベッドで、妖精姫を組み敷くとか最高じゃん。
なんなら俺が代わってやろうか?」

「あいつは俺に惚れてるからな、お前なんか目じゃないさ」

「なら結婚しても今まで通り遊びまくり?」

「当たり前だろう。惚れた男と結婚出来るんだ。しっかり貢いでもらうさ」

「結婚しちまえばこっちのもんってか、最低だな。ちくしょう、代わりてぇ」

「最初にしっかり躾けてやれば、これからも俺の言うままさ。
あいつは、伯爵が歳をとって出来た子供だから甘ちゃんだし、ちょっと優しくしてやったら、すっかり俺の言いなりだしな。
結婚してやるんだから、しっかり働いてもらうさ」

「ひゅ~、すげ~自信だな」

 初めての顔合わせから、お嬢様の喜びそうなネタを見つけては、ご機嫌を取ってきた。
 お陰で今じゃあいつは俺に惚れ込んで、何でも俺の言いなりだ。

 年寄りの伯爵達も、俺達の結婚を諸手をあげて歓迎してるしな。

 あいつが領地に引っ込んだら、こんな面倒くさい事しなくて済むようになるんだ。さっさと領地に行ってくれないかな。
 まぁもう暫くの辛抱ってやつか。


ー 三年前 ー

 漸く領地に引っ込んだと思ったのに、手紙が届くようになった。
 無視してやろうかと思ったが、結婚するまで今の状態をキープする必要もあるし、さてどうするか?

 そう言えば、執事のジェイスンは字が綺麗だって、誰かが言ってた気がする。
 あいつにやらせるか。高い給料払ってやってるんだから、偶には役に立って貰わないとな。


ー 結婚式当日 ー

 結婚式の後、予定通り伯爵達は親戚の家に出かけて行った。
 その後は領地の南にある別宅に住むんだが、そこは領主館から馬車で半日近くかかる。
 新婚夫婦に遠慮して、そんな所に住むのかも知れないが、こっちとしては大助かりだ。
 しょっちゅうやって来て、監視されたら面倒くさいしな。

 エジャートン伯爵領は、南北に長くて飛び地が幾つもある。
 俺がいない時に伯爵達がやって来たら、領地の視察に出掛けていると言うよう、あいつに根回ししとかないとな。


ー 結婚式翌日 ー

「新婚生活が落ち着くまではこのままにしよう。これから時間はいくらでもあるんだ、焦らずいこうじゃないか」

 あんな女抱くなんて、冗談じゃない。ああ言う女はベッドでも、ただ寝てるだけで面白くも何ともないんだ。
 特に初めての時なんて面倒なだけで、ちっとも気持ちよくないしな。

 随分期待してたみたいで笑える。伯爵になったら、もっといい女を愛人にして連れてきてやる。
 さて、とっととあいつのとこに行くとするか。


「新婚さんがこんなとこいていいのぉ?」

「だったら帰るか?」
「やだぁ、そんなこと言ってないってば。会いにきてくれて、すっごく嬉しいのにぃ。貴族の奥様じゃつまんなかったんでしょ。ふふ」
「ふふん、あいつは一晩中待ちぼうけだ。今朝はおろおろしてて、笑いを堪えるのが大変だったぜ」

「じゃ今日はあたしが、いっぱい楽しませてあげるね」

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