94 / 102
93.諦めないジェロームはご武運をお祈りされた
しおりを挟む
唯一完全な形で伝わるローマ時代のラテン語小説『黄金の驢馬』は帝政ローマの弁論作家アプレイウスの作品で、原題の意味は『変身物語』と言い全11巻の超大作。挿話「クピドとプシュケの物語」はとりわけ名高く神話の研究上貴重なものとなっている。
テッサリアの魔術師の家に客として滞在した時に、薬を塗って魔術師の妻が梟に変身するのを見た主人公ルキウス。
侍女にねだってその薬を貰うことはできたが、違う薬の入った壺を貰ってしまったために驢馬に変身してしまった。薔薇の花を食べれば元の姿に戻れると聞き安心したが、その夜自分の馬と一緒に休んでいる時に盗賊の手に落ちてしまい、その後は荷物運びとして使われたり様々な人の手に渡り酷使されたりしながら種々な事件に遭遇する物語。
「読んでみたいと思いながらそのままになってたの」
手のひらに乗るくらいの大きさの像の横には昔見たのと同じ皮の装丁の本が積み上げられていた。幼いころラルフに貰ったその本は読む前にテレーザに取り上げられてしまい、見事な皮の装丁だったせいか取り返す前に公爵に売り飛ばされてしまった。
(高値で売れたって笑う公爵の顔を思い出してしまって、学園の図書室で見かけても読む気になれなかったんだった。そんなことまでお祖父様に知られていたなんて、やっぱり魔法使いかしら)
「ルキウスはイシス神の計らいで人間の姿に戻るのよね。背中に鳶の翼があるしカドュセウスを持ってるから、この女神像は豊穣の神イシスね⋯⋯だからカーテンの模様がアイリスだったんだわ」
イシスの聖花はアイリスで、司る神性は豊穣だが後の神話では玉座の守護神や魔術の女神の性格を持つようになっていく。
ギリシア・ローマ時代には守護女神や航海の守護女神としての性格を持つようになり、「天上の聖母」「星の母」「海の母」などの二つ名を得た。
「確かイシスは永遠の処女で処女のまま神ホルスを身ごもったんだ。それはちょっと困るなぁ」
(まさかと思うが『今のままだとそうなるぞ』とか『そうなってしまえ』とか⋯⋯そういうメッセージだったり?)
「え? 何か言った?」
ジェロームの小さなつぶやきにシャーロットが反応したが作り笑いで胡麻化した。
「いや、何でもない! 全く、何も言ってないから気にしないでくれ。それよりもエジプト神話のなかでイシスは『夫を思う献身的な妻』とか『息子を守る強き母』として描かれてるんだよね」
「強大な魔力をもつ『魔術の女神』っていうのもあるわよ?」
「あー、えっと。シャーロットとしてはどっちがいい?」
「⋯⋯突然どうしたの? 意味が分からないんだけど」
「息子⋯⋯子供が欲しいと思ったことはない? 俺はシャーロットに似た子供が見てみたいといつも思ってる」
婚姻届けを出してからジェロームがいつか言い出すのではないかと思っていた。
(でも、こんな自分が真面な母親になれるのかしら)
シャーロットの中にある母親のイメージはエカテリーナや銀の仔馬亭のミリア。母としてだけでなく全ての意味で完璧なエカテリーナのようになれるとは思えないし、包み込むような温かさのミリアのようになる自信もない。
(公爵夫人のようにはならないと思うけど、そのくらい低レベルな予測しかできないもの)
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯ 魔女よりはね。それに子供ができるかどうかなんてわからないでしょう?」
不安そうな顔になったシャーロットが背中を向けた。
「結婚して五年以上経つけどマリアンヌが妊娠したという噂も聞かないから、神様は気まぐれな方のようだわ。だから、考えても仕方ないんじゃないかしら」
(神様⋯⋯やっぱり、そう言うよなぁ。そこのところの知識をどうやってシャーロットに身に着けてもらえるかが最大の問題なんだよな。
この本みたいにそれ用の教本をプレゼントするか、ロージーとかに頼むか。いっそのこと実地で⋯⋯だめだ、致命的な攻撃が来る未来しか思い浮かばん)
がっくりと肩を落としたジェロームの悩みは深い、さりとて諦めるつもりはさらさらないが。
「さっきは薪ストーブを試すタイミングを失敗したから、夕食をここでとってもう一度火を入れてみるのはどうかな?」
「そうね、今から厨房に連絡すれば間に合うかも」
「ちょっと行って聞いてくるから、ここで待っててくれるかな」
シャーロットの返事も聞かずバスケットをわしづかみにしたジェロームが飛び出していった。
足の遅い自分が一緒に行くよりジェローム一人のほうが早いだろうと、走り去る後姿を玄関から見送ったシャーロットは竈に火をおこした。お茶の準備をする傍ら簡単にテーブルを掃除して『黄金の驢馬』の一巻を手に取った。
全速力で屋敷に戻ったジェロームが汗だくのまま厨房に駆け込むとアンドリューと料理長のボリスが話していた。
「ボリス、急で申し訳ないんだが夕食を昼のようにバスケットに詰めてもらえることはできないかな?」
「ちょうどその件をアンドリュー殿と相談しておりました。普段よりシンプルなものになってしまいますがそれでよろしければご準備いたします」
「ああ、そんなに手間のかかるものでなくて構わないから、メニューは任せる」
「もしよろしければワインなどのお飲み物とカトラリーなどを先にお持ちいただく事は可能でしょうか? 料理だけであればバスケット2つ位に纏められるかと」
「準備してくれたら持っていこう。料理は18時くらいに取りに来るのでいいかな」
準備ができるまでにと言ってアンドリューが手渡してきた手紙を改めているとあっという間にバスケットが運ばれてきた。
「随分早かったな、もしかして準備済みだったとか?」
「はい、午前中にお戻りになられた際薪ストーブの事を話しておられたのを小耳にはさみまして。それであれば夜を離れでお過ごしになるのではないかと愚考いたしました」
「ありがとう。シャーロットが離れで一人だから早くて助かったよ。この手紙は明日の朝一番で処理するから執務室の机に置いておいてくれ」
「はい、ご武運をお祈りいたしております。午後のお茶のお支度も中に入っておりますので、宜しければお召し上がりください。今日はシャーロット様お手製のチェリーパイと温かいスコーンをご準備いたしました。イチゴのジャムもシャーロット様の手作りでございます」
「そうか、それはいいね」
(アンドリューは日に日にジェファーソンに似てくるよな。確かジェファーソンの義妹の兄で血は繋がってなかったはずだが)
バスケットを抱えたジェロームが離れに戻るとシャーロットはドアを開けた音にも気づかず本を読みふけっていた。わざと大きな音を立てて歩くと驚いたように顔を上げたシャーロットが大きなバスケットを見て申し訳なさそうに顔をしかめた。
「お手伝いもせずに一人で寛いでいてごめんなさい。戻って来たのにも気付かなかったし」
「面白い?」
テーブルの上にパイやスコーンを並べながらジェロームが顎で本を指した。
「ええ、すごく。止まらなくなりそう」
「休憩してお茶にしないか? スコーンが冷めたらシャーロットが作ったジャムが泣くよ」
テッサリアの魔術師の家に客として滞在した時に、薬を塗って魔術師の妻が梟に変身するのを見た主人公ルキウス。
侍女にねだってその薬を貰うことはできたが、違う薬の入った壺を貰ってしまったために驢馬に変身してしまった。薔薇の花を食べれば元の姿に戻れると聞き安心したが、その夜自分の馬と一緒に休んでいる時に盗賊の手に落ちてしまい、その後は荷物運びとして使われたり様々な人の手に渡り酷使されたりしながら種々な事件に遭遇する物語。
「読んでみたいと思いながらそのままになってたの」
手のひらに乗るくらいの大きさの像の横には昔見たのと同じ皮の装丁の本が積み上げられていた。幼いころラルフに貰ったその本は読む前にテレーザに取り上げられてしまい、見事な皮の装丁だったせいか取り返す前に公爵に売り飛ばされてしまった。
(高値で売れたって笑う公爵の顔を思い出してしまって、学園の図書室で見かけても読む気になれなかったんだった。そんなことまでお祖父様に知られていたなんて、やっぱり魔法使いかしら)
「ルキウスはイシス神の計らいで人間の姿に戻るのよね。背中に鳶の翼があるしカドュセウスを持ってるから、この女神像は豊穣の神イシスね⋯⋯だからカーテンの模様がアイリスだったんだわ」
イシスの聖花はアイリスで、司る神性は豊穣だが後の神話では玉座の守護神や魔術の女神の性格を持つようになっていく。
ギリシア・ローマ時代には守護女神や航海の守護女神としての性格を持つようになり、「天上の聖母」「星の母」「海の母」などの二つ名を得た。
「確かイシスは永遠の処女で処女のまま神ホルスを身ごもったんだ。それはちょっと困るなぁ」
(まさかと思うが『今のままだとそうなるぞ』とか『そうなってしまえ』とか⋯⋯そういうメッセージだったり?)
「え? 何か言った?」
ジェロームの小さなつぶやきにシャーロットが反応したが作り笑いで胡麻化した。
「いや、何でもない! 全く、何も言ってないから気にしないでくれ。それよりもエジプト神話のなかでイシスは『夫を思う献身的な妻』とか『息子を守る強き母』として描かれてるんだよね」
「強大な魔力をもつ『魔術の女神』っていうのもあるわよ?」
「あー、えっと。シャーロットとしてはどっちがいい?」
「⋯⋯突然どうしたの? 意味が分からないんだけど」
「息子⋯⋯子供が欲しいと思ったことはない? 俺はシャーロットに似た子供が見てみたいといつも思ってる」
婚姻届けを出してからジェロームがいつか言い出すのではないかと思っていた。
(でも、こんな自分が真面な母親になれるのかしら)
シャーロットの中にある母親のイメージはエカテリーナや銀の仔馬亭のミリア。母としてだけでなく全ての意味で完璧なエカテリーナのようになれるとは思えないし、包み込むような温かさのミリアのようになる自信もない。
(公爵夫人のようにはならないと思うけど、そのくらい低レベルな予測しかできないもの)
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯ 魔女よりはね。それに子供ができるかどうかなんてわからないでしょう?」
不安そうな顔になったシャーロットが背中を向けた。
「結婚して五年以上経つけどマリアンヌが妊娠したという噂も聞かないから、神様は気まぐれな方のようだわ。だから、考えても仕方ないんじゃないかしら」
(神様⋯⋯やっぱり、そう言うよなぁ。そこのところの知識をどうやってシャーロットに身に着けてもらえるかが最大の問題なんだよな。
この本みたいにそれ用の教本をプレゼントするか、ロージーとかに頼むか。いっそのこと実地で⋯⋯だめだ、致命的な攻撃が来る未来しか思い浮かばん)
がっくりと肩を落としたジェロームの悩みは深い、さりとて諦めるつもりはさらさらないが。
「さっきは薪ストーブを試すタイミングを失敗したから、夕食をここでとってもう一度火を入れてみるのはどうかな?」
「そうね、今から厨房に連絡すれば間に合うかも」
「ちょっと行って聞いてくるから、ここで待っててくれるかな」
シャーロットの返事も聞かずバスケットをわしづかみにしたジェロームが飛び出していった。
足の遅い自分が一緒に行くよりジェローム一人のほうが早いだろうと、走り去る後姿を玄関から見送ったシャーロットは竈に火をおこした。お茶の準備をする傍ら簡単にテーブルを掃除して『黄金の驢馬』の一巻を手に取った。
全速力で屋敷に戻ったジェロームが汗だくのまま厨房に駆け込むとアンドリューと料理長のボリスが話していた。
「ボリス、急で申し訳ないんだが夕食を昼のようにバスケットに詰めてもらえることはできないかな?」
「ちょうどその件をアンドリュー殿と相談しておりました。普段よりシンプルなものになってしまいますがそれでよろしければご準備いたします」
「ああ、そんなに手間のかかるものでなくて構わないから、メニューは任せる」
「もしよろしければワインなどのお飲み物とカトラリーなどを先にお持ちいただく事は可能でしょうか? 料理だけであればバスケット2つ位に纏められるかと」
「準備してくれたら持っていこう。料理は18時くらいに取りに来るのでいいかな」
準備ができるまでにと言ってアンドリューが手渡してきた手紙を改めているとあっという間にバスケットが運ばれてきた。
「随分早かったな、もしかして準備済みだったとか?」
「はい、午前中にお戻りになられた際薪ストーブの事を話しておられたのを小耳にはさみまして。それであれば夜を離れでお過ごしになるのではないかと愚考いたしました」
「ありがとう。シャーロットが離れで一人だから早くて助かったよ。この手紙は明日の朝一番で処理するから執務室の机に置いておいてくれ」
「はい、ご武運をお祈りいたしております。午後のお茶のお支度も中に入っておりますので、宜しければお召し上がりください。今日はシャーロット様お手製のチェリーパイと温かいスコーンをご準備いたしました。イチゴのジャムもシャーロット様の手作りでございます」
「そうか、それはいいね」
(アンドリューは日に日にジェファーソンに似てくるよな。確かジェファーソンの義妹の兄で血は繋がってなかったはずだが)
バスケットを抱えたジェロームが離れに戻るとシャーロットはドアを開けた音にも気づかず本を読みふけっていた。わざと大きな音を立てて歩くと驚いたように顔を上げたシャーロットが大きなバスケットを見て申し訳なさそうに顔をしかめた。
「お手伝いもせずに一人で寛いでいてごめんなさい。戻って来たのにも気付かなかったし」
「面白い?」
テーブルの上にパイやスコーンを並べながらジェロームが顎で本を指した。
「ええ、すごく。止まらなくなりそう」
「休憩してお茶にしないか? スコーンが冷めたらシャーロットが作ったジャムが泣くよ」
0
お気に入りに追加
1,768
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者取り替えっこしてあげる。子爵令息より王太子の方がいいでしょ?
との
恋愛
「取り替えっこしようね」
またいつもの妹の我儘がはじまりました。
自分勝手な妹にも家族の横暴にも、もう我慢の限界!
逃げ出した先で素敵な出会いを経験しました。
幸せ掴みます。
筋肉ムキムキのオネエ様から一言・・。
「可愛いは正義なの!」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済み
R15は念の為・・
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
伯爵令嬢は身の危険を感じるので家を出ます 〜伯爵家は乗っ取られそうですが、本当に私がいなくて大丈夫ですか?〜
超高校級の小説家
恋愛
マトリカリア伯爵家は代々アドニス王国軍の衛生兵団長を務める治癒魔法の名門です。
神々に祝福されているマトリカリア家では長女として胸元に十字の聖痕を持った娘が必ず生まれます。
その娘が使う強力な治癒魔法の力で衛生兵をまとめ上げ王国に重用されてきました。
そのため、家督はその長女が代々受け継ぎ、魔力容量の多い男性を婿として迎えています。
しかし、今代のマトリカリア伯爵令嬢フリージアは聖痕を持って生まれたにも関わらず治癒魔法を使えません。
それでも両親に愛されて幸せに暮らしていました。
衛生兵団長を務めていた母カトレアが急に亡くなるまでは。
フリージアの父マトリカリア伯爵は、治癒魔法に関してマトリカリア伯爵家に次ぐ名門のハイドランジア侯爵家の未亡人アザレアを後妻として迎えました。
アザレアには女の連れ子がいました。連れ子のガーベラは聖痕こそありませんが治癒魔法の素質があり、治癒魔法を使えないフリージアは次第に肩身の狭い思いをすることになりました。
アザレアもガーベラも治癒魔法を使えないフリージアを見下して、まるで使用人のように扱います。
そしてガーベラが王国軍の衛生兵団入団試験に合格し王宮に勤め始めたのをきっかけに、父のマトリカリア伯爵すらフリージアを疎ましく思い始め、アザレアに言われるがままガーベラに家督を継がせたいと考えるようになります。
治癒魔法こそ使えませんが、正式には未だにマトリカリア家の家督はフリージアにあるため、身の危険を感じたフリージアは家を出ることを決意しました。
しかし、本人すら知らないだけでフリージアにはマトリカリアの当主に相応しい力が眠っているのです。
※最初は胸糞悪いと思いますが、ざまぁは早めに終わらせるのでお付き合いいただけると幸いです。
【完結】大切にするってお約束しましたよね。忘れた人には⋯⋯お仕置きしたい人が大集合しました
との
恋愛
「付き合っている恋人がいるんだ。二人とも愛してる⋯⋯」
はじまりは国王の決めた婚姻だったけれど、毎日のように会いに来て『愛してる』『結婚する日が待ち遠しい』と囁いていた婚約者。
ところが、結婚式の前日になってまさかの二股報告。
とても仲良くしていた日々はなんだったの⋯⋯。
せめてもう少し早く教えてくれたらと思いつつも、婚約者に対してあまり無理を言えない過去を持つリリスティーナは、
「では、⋯⋯⋯⋯」
この決断を死ぬほど後悔した主人公と仲間達の戦い。
前作【育成準備完了しました。お父様を立派な領主にして見せます】登場人物も出てきます。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済で、約九万文字程度。
R15は念の為・・
【完結】離縁したいのなら、もっと穏便な方法もありましたのに。では、徹底的にやらせて頂きますね
との
恋愛
離婚したいのですか? 喜んでお受けします。
でも、本当に大丈夫なんでしょうか?
伯爵様・・自滅の道を行ってません?
まあ、徹底的にやらせて頂くだけですが。
収納スキル持ちの主人公と、錬金術師と異名をとる父親が爆走します。
(父さんの今の顔を見たらフリーカンパニーの団長も怯えるわ。ちっちゃい頃の私だったら確実に泣いてる)
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
32話、完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
【完結】育成準備完了しました。お父様を立派な領主にしてみせます。
との
恋愛
「婚約破棄だ!!」
ありがとうございます。やっとその一言を聞けました。こちらの準備は終わってるので早く婚約破棄言い出してくれないかなぁって待ってました。
それにしても、愛人?浮気相手?を引き連れて下品な顔で宣言してますけど、それから先どうなるかわかってるんでしょうか。
王家の私欲ではじめた無謀な戦争が敗戦に終わり、その責を押し付けられ続けているウォルデン侯爵は私財を王家に搾り取られ、騙されて一人娘のルーナをグレイソン第一王子の婚約者にされても現実から目を逸らしていた。
悩みを抱え、言われるがままに国王達に資金提供し続けていたウォルデン侯爵が娘の為・侯爵家の為に立ち上がります。
「きっ、聞いてた話と違うんです。ルーナ様! 助けて、助けて下さい」
「貴様は何も勉強していないから教えられんのだろう! いつも偉そうな態度で王宮を闊歩しておきながらなんと情けない!」
哀れな法務官に同情を感じ声をかけようとしていたルーナは振り向き、王子達に向けて態とらしく微笑んだ。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結まで予約投稿済
R15は念の為・・
【完結】期間限定聖女ですから、婚約なんて致しません
との
恋愛
第17回恋愛大賞、12位ありがとうございました。そして、奨励賞まで⋯⋯応援してくださった方々皆様に心からの感謝を🤗
「貴様とは婚約破棄だ!」⋯⋯な〜んて、聞き飽きたぁぁ!
あちこちでよく見かける『使い古された感のある婚約破棄』騒動が、目の前ではじまったけど、勘違いも甚だしい王子に笑いが止まらない。
断罪劇? いや、珍喜劇だね。
魔力持ちが産まれなくて危機感を募らせた王国から、多くの魔法士が産まれ続ける聖王国にお願いレターが届いて⋯⋯。
留学生として王国にやって来た『婚約者候補』チームのリーダーをしているのは、私ロクサーナ・バーラム。
私はただの引率者で、本当の任務は別だからね。婚約者でも候補でもないのに、珍喜劇の中心人物になってるのは何で?
治癒魔法の使える女性を婚約者にしたい? 隣にいるレベッカはささくれを治せればラッキーな治癒魔法しか使えないけど良いのかな?
聖女に聖女見習い、魔法士に魔法士見習い。私達は国内だけでなく、魔法で外貨も稼いでいる⋯⋯国でも稼ぎ頭の集団です。
我が国で言う聖女って職種だからね、清廉潔白、献身⋯⋯いやいや、ないわ〜。だって魔物の討伐とか行くし? 殺るし?
面倒事はお断りして、さっさと帰るぞぉぉ。
訳あって、『期間限定銭ゲバ聖女⋯⋯ちょくちょく戦闘狂』やってます。いつもそばにいる子達をモフモフ出来るまで頑張りま〜す。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結まで予約投稿済み
R15は念の為・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる