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王都
2.双子の言い分
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義母が慌てている。
「2人とも馬鹿な事言わないで。
お父様は子供達みんなの事を同じくらい大切にしてくださっているわ。
それ以上お父様の事を悪く言うのは許しませんよ」
「あのね、ミリアーナが言ってるのは商会の事だと思うんだけど、あれは商会員みんなの物であってポーレット伯爵家の物じゃないの。
利益って分かるかしら?
儲けは働いた人たちにだけ貰う権利があって、働いてない人には貰う権利はないの」
双子は暫く首を傾げていたが、
「リディア姉様も貰えないの?」
「いいえ、私は商会で働いてるから」
「貴族の令嬢がお仕事してるの?」
「珍しい事だけど、働いてるわ」
「「私達もそこで働くわ」」
双子が顔を見合わせて頷く。
「そうすればティアラを買ってもらえるもの」
「私は王子様と結婚したいわ」
無茶を言い募る双子に義母が、
「あなた達はお部屋で反省なさい。良いと言うまで出てきちゃいけません」
双子はリディアからのお土産を持ち、しぶしぶ自室に戻って行った。
「お父様にお話して頂きましょう。あのまま勘違いをしていたら大変な事になるわ」
(ミリアーナの洗脳恐るべしだわ)
マッケンジー公爵から夕食をご一緒したいと連絡が来た。
リディアは新しいドレスに着替えて、伯爵家を後にした。
公爵のタウンハウスは、ポーレット伯爵家から馬車で30分程度の距離で王城の直ぐ近くにある。
公爵家に着くと、執事がリディア達を執務室に案内した。
「リディア久しぶりだね」
「お久しぶりですレノン様」
リディアは琥珀に傷が付いてしまった事、新しい琥珀でネックレスを作り直ししている為納期が遅れる事を報告した。
「前回見たものよりグレードの高い琥珀?」
「はい、サイズは前回とほぼ同じくらい。
以前ご覧頂いたものより濃い色合いで、珍しいマーブル模様のとても美しい琥珀が手に入りました。
私共の不手際でこのような事になり、大変申し訳ございません。
新しい琥珀をご確認頂く時間の猶予がないのですが、別の琥珀に変更になる事のご許可を頂けませんでしょうか」
レノンは腕を組み、暫くの間リディアを見つめていた。
「その琥珀を私が必ず気にいると?」
「はい、自信を持って」
「パーティー迄に必ず間に合う?」
「セオが細工師の元に直接行っております。彼ならパーティーに必ず間に合わせると信じております」
「凄く信頼してるんだね。ちょっと焼けてくるな」
「?」
「・・パーティーでプレゼントが無いとなると、母はひどく拗ねてしまうと思う。
リディアも知ってると思うが、あの人は子供みたいな人だからね」
リディアは頭を下げて何も言えずにいた。
「ではこうしよう。その琥珀を私が気に入らなかったり、間に合わなかった場合にはリディアに別のプレゼントを準備してもらおう」
「別のと申しますと?」
「パーティーで、リディアを私の婚約者として発表する」
「2人とも馬鹿な事言わないで。
お父様は子供達みんなの事を同じくらい大切にしてくださっているわ。
それ以上お父様の事を悪く言うのは許しませんよ」
「あのね、ミリアーナが言ってるのは商会の事だと思うんだけど、あれは商会員みんなの物であってポーレット伯爵家の物じゃないの。
利益って分かるかしら?
儲けは働いた人たちにだけ貰う権利があって、働いてない人には貰う権利はないの」
双子は暫く首を傾げていたが、
「リディア姉様も貰えないの?」
「いいえ、私は商会で働いてるから」
「貴族の令嬢がお仕事してるの?」
「珍しい事だけど、働いてるわ」
「「私達もそこで働くわ」」
双子が顔を見合わせて頷く。
「そうすればティアラを買ってもらえるもの」
「私は王子様と結婚したいわ」
無茶を言い募る双子に義母が、
「あなた達はお部屋で反省なさい。良いと言うまで出てきちゃいけません」
双子はリディアからのお土産を持ち、しぶしぶ自室に戻って行った。
「お父様にお話して頂きましょう。あのまま勘違いをしていたら大変な事になるわ」
(ミリアーナの洗脳恐るべしだわ)
マッケンジー公爵から夕食をご一緒したいと連絡が来た。
リディアは新しいドレスに着替えて、伯爵家を後にした。
公爵のタウンハウスは、ポーレット伯爵家から馬車で30分程度の距離で王城の直ぐ近くにある。
公爵家に着くと、執事がリディア達を執務室に案内した。
「リディア久しぶりだね」
「お久しぶりですレノン様」
リディアは琥珀に傷が付いてしまった事、新しい琥珀でネックレスを作り直ししている為納期が遅れる事を報告した。
「前回見たものよりグレードの高い琥珀?」
「はい、サイズは前回とほぼ同じくらい。
以前ご覧頂いたものより濃い色合いで、珍しいマーブル模様のとても美しい琥珀が手に入りました。
私共の不手際でこのような事になり、大変申し訳ございません。
新しい琥珀をご確認頂く時間の猶予がないのですが、別の琥珀に変更になる事のご許可を頂けませんでしょうか」
レノンは腕を組み、暫くの間リディアを見つめていた。
「その琥珀を私が必ず気にいると?」
「はい、自信を持って」
「パーティー迄に必ず間に合う?」
「セオが細工師の元に直接行っております。彼ならパーティーに必ず間に合わせると信じております」
「凄く信頼してるんだね。ちょっと焼けてくるな」
「?」
「・・パーティーでプレゼントが無いとなると、母はひどく拗ねてしまうと思う。
リディアも知ってると思うが、あの人は子供みたいな人だからね」
リディアは頭を下げて何も言えずにいた。
「ではこうしよう。その琥珀を私が気に入らなかったり、間に合わなかった場合にはリディアに別のプレゼントを準備してもらおう」
「別のと申しますと?」
「パーティーで、リディアを私の婚約者として発表する」
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