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王都

1.ミリアーナの考え

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 王位継承権第4位を持ち、国内でも有数の資産家として有名なマッケンジー公爵。

 琥珀のネックレスは、今年45歳になる母親の誕生日のお祝いにとマッケンジー公爵が注文した品。
 王都で開かれる母親の誕生日パーティーでプレゼントしたいと言っていた。

 マッケンジー公爵のタウンハウスへ先触れを出し、一旦ポーレット伯爵家に戻った。


 父親は議会に行っており不在で、義母と下の双子の義妹達ステラとメアリー・アンがいた。

「「リディア姉様おかえりなさいませ」」

 見事にハモっている双子が、リディアに飛びついてきた。

「「リディア姉様、お土産は?」」
「勿論あるわよ。居間に行きましょう」

 4人揃って居間に移動したが、義母は顔色が悪く暗い顔をしている。


 義母と双子にお土産を渡しながら、
「お義母様もみんなも、お久しぶりです。お義母様お加減でも?」

「リディア、ミリアーナがごめんなさいね。
あの子がリディアの婚約者と結婚してしまうだなんて」

「そんな、気になさらないで。
私はまだどなたとも結婚したくなくて、だから今回の事はミリアーナに感謝していますの」

「でもね、持参金の事もあるでしょう? ミリアーナには資格がないのに」

「ミリアーナが結婚する時、お父様はあれと同等の持参金を準備されてたと思いますの。
その位の資産は余裕でお持ちの筈ですし、伯爵領や商会は持参金に含まれていないので問題ないと思いますわ」

「姉様、私達にも持参金下さるの?」

「ええ、但しそれをくださるのはお父様よ」

「ミリアーナ姉様が仰ってたの。リディア姉様が私達の持参金を稼いでくれてるから、私達は誰とだって結婚できるし何だって買えるって」

「リディア姉様、私達王子様と結婚できる?」
「いっぱい宝石のついたティアラが欲しいの」

「ミリアーナったらなんて事を」

 義母がますます青くなり頭を抱えている。


「二人ともよく聞いてね。
あなた達が誰と結婚するのかはお父様にお聞きする事だし、あなた達の持参金を準備するのもお父様なのよ」

「えー、お父様はケチだけどリディア姉様はお金を一杯隠してるって」
「私達の分もリディア姉様が持ってるってミリアーナ姉様が言ってたわ」
「うん、言ってた」

「私はあなた達のお金なんて持ってないし、ミリアーナは勘違いしてるの」

「リディア姉様は私達3人のものを独り占めしてるって」
「だからロバート様も貰うんだってミリアーナ姉様が言ってた」
「「ねー」」

 双子の話に絶句するリディアと義母だった。


「リディア姉様は内緒でいっぱい宝石とかドレス持ってるって」
「お父様は私達には買ってくれないのに、リディア姉様にだけズルしてるって。
えこ・・えこ何とかしてるって」

(えこ贔屓?)

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