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48.力技のタイラーと大きな熊
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「思った通りすごい人数が集まっているようですわね」
「ウルリカ様も仰っておられましたが、当面の間練習場の警備を増やした方がいいかもしれません」
「あら、ルークはウルリカと仲直りしたのね」
「別に喧嘩していたわけでは⋯⋯」
セアラが怪我をした事でウルリカはルークに片っ端から仕事を押し付けはじめた。些細なミスを指摘し無言で睨んでくるウルリカとの神経戦に疲れ果てたルークが苦情を言うと、
『自分でやると宣言したにも関わらず手を抜く秘書には細かい指示が必要だと判断しました』
セアラの怪我は自分のミスだと実感しているルークはぐうの音も出なかった。
予想以上にハードな授業と生徒会の仕事に加えてセアラに届けるノートを作り続け、ようやくウルリカに許されたらしいとルークが感じたのはセアラが登校した日だった。
「ウルリカは心配性だから」
自分のせいでルーク達の仲が悪くなっていたと知ったセアラはルークの顔を見上げて声をかけた。
「あの、ごめんなさい」
「セアラは関係ないんだ。ウルリカ様と俺はほら、最初からあんまり上手くいってなかったから」
誤魔化されたのに気付きはしたものの詮索してもはぐらかされるだけだと思ったセアラは迂闊な行動を控えようと心に誓った。
(軽はずみな行動でみんなに迷惑をかけてしまったわ。気をつけなくちゃ)
リチャード王子の姿が見えた観衆が黄色い声を上げた。
「剣を持ってらっしゃるわ」
「木剣だよ。でも様になっておられるね」
「ルーク様は木剣が小さく見えるわ」
グラウンドの中央には学年毎に参加者が並び、テープで仕切られた外周りを取り囲む生徒達は練習がはじまるのを今か今かと待っている。
一年生はルークを含め3名、二年生8名、三年生17名。アリエノールとセアラが後ろに下がりリチャードが挨拶をはじめた。
リチャードの護衛の一人がセアラの横に立ちルークの侍女はその後ろに立った。残った二人の護衛はリチャードの後ろ。
「今日から約2週間後の試験に向けて訓練を開始するんだが、試験当日はサプライズゲストも呼んであるから張り切って練習するように。君達が期待はずれの剣技を披露したら俺のケツに火がつくこと間違いなしなんで本気でやってくれ。
今日と金曜日は其々の能力を見定める為に2人一組で打ち合いをしてもらうが、俺の合図で組を入れ替えていく。では、はじめ!」
総勢28名が近くにいる生徒と組を作り間を広くとって打ち合いをはじめた。
寒空の下、真剣な顔で打ち合う生徒達の顔に汗が滲みカンカンと木剣の音が響く。生徒達に声をかけながら間を縫って歩くリチャードも真剣な顔をしていた。
重心の移動や剣の構え方の癖を指摘し相手との間合いの取り方や技を仕掛けるタイミングを注意していく。全員に声をかけ終わり暫く様子を見ていたリチャードは練習相手の変更を指示したり再度注意を与えたりと常に声を上げている。
巨体から繰り出される重い剣のルークが練習相手を吹き飛ばした。尻餅をついた生徒はすぐに立ち上がり木剣を構えたがリチャードが体格のよく似た相手と交代させた。
「ルークはデカすぎんだよ。そのくせ小回りが効くって反則だな」
「練習中は校医か医師を常駐させようかしら。ほら、あそこでも転んでしまったわ」
素人目に見てもルークと二年生のグレイ・ガーラントと三年生のタイラー・ヒックスの3人は圧倒的だった。
線の細いグレイは細かく手数を稼ぎながら相手の隙をつく作戦が得意らしく、相手の視線を翻弄しながらの突きを決めた。
ルークほどではないが筋肉質で力強いタイラーは剣を上手く使い相手の体力と集中力を削ぎ落としながら戦っていた。
「やっぱりあの3人が最強かしら」
身近で初めて見る剣の戦いにセアラは呆然と見惚れていた。
(子供の頃のお兄様がお祖父様に剣を教えて頂いてたのを見たことがあったけど、こんなのって)
休憩の声がかかり生徒達がその場に座り込んだ。初日の練習とは思えない厳しさに観衆が大騒ぎしている。
「リチャード王子殿下、お手合わせ願えないでしょうか?」
声をかけたのはタイラー・ヒックス。リチャードより少し背は低いが筋肉量は圧倒的に勝っている。
「休憩は必要ないのか?」
「はい、まだ大丈夫です。お願いできませんか?」
座り込んでいた生徒達が慌てて端によけリチャードとタイラーが向き合った。
「いつでもいいぞ。さっきまで暇にしてたから俺の方が体力が残ってるから先手は譲ってやるぞ」
タイラーが中段に剣を構えた。剣先をリチャードの目に向けたこの構えは攻撃にも防御にも有利だが、長時間構え続けると腕への負担が大きい。甲冑を着用しても構えやすいので騎士団でも多くが中段の構えを得意としている。
(一対一の戦いならコレが基本だよな。筋肉量の多いタイラーなら問題なさそうだし)
リチャードは敢えて刀を立てて頭の右手側に寄せ左足を前に出して構えた。
一対多数・乱戦・野外など障害物の多い場所での戦闘や長期戦に向いたこの構えは疲れにくく機敏に動ける。兜を着用している際にも有利な構えであり、心臓や喉元が腕の装甲で隠れるため防御面でも有利になる。
袈裟懸けを警戒しながらタイラーが素早い動きで間合いを詰めリチャードの腰を狙いリチャードの剣と打ち合いがはじまった。
力技で何度も剣を打ち込むタイラーとギリギリで躱すばかりのリチャード王子の打ち合いは、素人のセアラの目にはタイラー優勢に見えていた。タイラーが剣を振り切った瞬間にリチャードがほんの僅かタイラーの剣の方に身体を寄せ、不意をつかれたタイラーがバランスを崩し⋯⋯リチャードの木剣がタイラーの首に突きつけられた。
「参りました」
「お前ほんと体力バカだな。練習前だったらもっとキツかったかもな」
「次は手加減なしでお相手頂けるよう頑張ります」
「ああ、お前の力技に小手先の技が身に付いたら負けなしになるかもな」
二人の視線がルークに集中した。
「アイツはヤバいです」
当の本人はタオルで汗を拭きながらセアラのそばを彷徨いていた。
(凶暴な熊のくせに子犬のふりしやがって)
リチャードの顳顬がピキリと音を立てた。
練習の途中でアリエノールは生徒会室に戻ったがセアラはルークの侍女やリチャードの護衛と共に最後まで見学していた。
「寒くない?」
「退屈してないか?」
リチャードが休憩のたびに必ずセアラに声をかけに行くのを大勢の生徒が見ていた。
「どういうこと?」
「なんであの子に声をかけてるの?」
「アメリア様は?」
夕闇が近づく頃になっても多くの生徒達が残っていた。練習終わりをリチャードが告げ片付けがはじまった。セアラの周りにはリチャードの護衛やルークがやって来て質問を受け付けているリチャードを待っていた。
「リチャード、お疲れ様でした」
アメリアの甲高い声が聞こえてきた。
「ウルリカ様も仰っておられましたが、当面の間練習場の警備を増やした方がいいかもしれません」
「あら、ルークはウルリカと仲直りしたのね」
「別に喧嘩していたわけでは⋯⋯」
セアラが怪我をした事でウルリカはルークに片っ端から仕事を押し付けはじめた。些細なミスを指摘し無言で睨んでくるウルリカとの神経戦に疲れ果てたルークが苦情を言うと、
『自分でやると宣言したにも関わらず手を抜く秘書には細かい指示が必要だと判断しました』
セアラの怪我は自分のミスだと実感しているルークはぐうの音も出なかった。
予想以上にハードな授業と生徒会の仕事に加えてセアラに届けるノートを作り続け、ようやくウルリカに許されたらしいとルークが感じたのはセアラが登校した日だった。
「ウルリカは心配性だから」
自分のせいでルーク達の仲が悪くなっていたと知ったセアラはルークの顔を見上げて声をかけた。
「あの、ごめんなさい」
「セアラは関係ないんだ。ウルリカ様と俺はほら、最初からあんまり上手くいってなかったから」
誤魔化されたのに気付きはしたものの詮索してもはぐらかされるだけだと思ったセアラは迂闊な行動を控えようと心に誓った。
(軽はずみな行動でみんなに迷惑をかけてしまったわ。気をつけなくちゃ)
リチャード王子の姿が見えた観衆が黄色い声を上げた。
「剣を持ってらっしゃるわ」
「木剣だよ。でも様になっておられるね」
「ルーク様は木剣が小さく見えるわ」
グラウンドの中央には学年毎に参加者が並び、テープで仕切られた外周りを取り囲む生徒達は練習がはじまるのを今か今かと待っている。
一年生はルークを含め3名、二年生8名、三年生17名。アリエノールとセアラが後ろに下がりリチャードが挨拶をはじめた。
リチャードの護衛の一人がセアラの横に立ちルークの侍女はその後ろに立った。残った二人の護衛はリチャードの後ろ。
「今日から約2週間後の試験に向けて訓練を開始するんだが、試験当日はサプライズゲストも呼んであるから張り切って練習するように。君達が期待はずれの剣技を披露したら俺のケツに火がつくこと間違いなしなんで本気でやってくれ。
今日と金曜日は其々の能力を見定める為に2人一組で打ち合いをしてもらうが、俺の合図で組を入れ替えていく。では、はじめ!」
総勢28名が近くにいる生徒と組を作り間を広くとって打ち合いをはじめた。
寒空の下、真剣な顔で打ち合う生徒達の顔に汗が滲みカンカンと木剣の音が響く。生徒達に声をかけながら間を縫って歩くリチャードも真剣な顔をしていた。
重心の移動や剣の構え方の癖を指摘し相手との間合いの取り方や技を仕掛けるタイミングを注意していく。全員に声をかけ終わり暫く様子を見ていたリチャードは練習相手の変更を指示したり再度注意を与えたりと常に声を上げている。
巨体から繰り出される重い剣のルークが練習相手を吹き飛ばした。尻餅をついた生徒はすぐに立ち上がり木剣を構えたがリチャードが体格のよく似た相手と交代させた。
「ルークはデカすぎんだよ。そのくせ小回りが効くって反則だな」
「練習中は校医か医師を常駐させようかしら。ほら、あそこでも転んでしまったわ」
素人目に見てもルークと二年生のグレイ・ガーラントと三年生のタイラー・ヒックスの3人は圧倒的だった。
線の細いグレイは細かく手数を稼ぎながら相手の隙をつく作戦が得意らしく、相手の視線を翻弄しながらの突きを決めた。
ルークほどではないが筋肉質で力強いタイラーは剣を上手く使い相手の体力と集中力を削ぎ落としながら戦っていた。
「やっぱりあの3人が最強かしら」
身近で初めて見る剣の戦いにセアラは呆然と見惚れていた。
(子供の頃のお兄様がお祖父様に剣を教えて頂いてたのを見たことがあったけど、こんなのって)
休憩の声がかかり生徒達がその場に座り込んだ。初日の練習とは思えない厳しさに観衆が大騒ぎしている。
「リチャード王子殿下、お手合わせ願えないでしょうか?」
声をかけたのはタイラー・ヒックス。リチャードより少し背は低いが筋肉量は圧倒的に勝っている。
「休憩は必要ないのか?」
「はい、まだ大丈夫です。お願いできませんか?」
座り込んでいた生徒達が慌てて端によけリチャードとタイラーが向き合った。
「いつでもいいぞ。さっきまで暇にしてたから俺の方が体力が残ってるから先手は譲ってやるぞ」
タイラーが中段に剣を構えた。剣先をリチャードの目に向けたこの構えは攻撃にも防御にも有利だが、長時間構え続けると腕への負担が大きい。甲冑を着用しても構えやすいので騎士団でも多くが中段の構えを得意としている。
(一対一の戦いならコレが基本だよな。筋肉量の多いタイラーなら問題なさそうだし)
リチャードは敢えて刀を立てて頭の右手側に寄せ左足を前に出して構えた。
一対多数・乱戦・野外など障害物の多い場所での戦闘や長期戦に向いたこの構えは疲れにくく機敏に動ける。兜を着用している際にも有利な構えであり、心臓や喉元が腕の装甲で隠れるため防御面でも有利になる。
袈裟懸けを警戒しながらタイラーが素早い動きで間合いを詰めリチャードの腰を狙いリチャードの剣と打ち合いがはじまった。
力技で何度も剣を打ち込むタイラーとギリギリで躱すばかりのリチャード王子の打ち合いは、素人のセアラの目にはタイラー優勢に見えていた。タイラーが剣を振り切った瞬間にリチャードがほんの僅かタイラーの剣の方に身体を寄せ、不意をつかれたタイラーがバランスを崩し⋯⋯リチャードの木剣がタイラーの首に突きつけられた。
「参りました」
「お前ほんと体力バカだな。練習前だったらもっとキツかったかもな」
「次は手加減なしでお相手頂けるよう頑張ります」
「ああ、お前の力技に小手先の技が身に付いたら負けなしになるかもな」
二人の視線がルークに集中した。
「アイツはヤバいです」
当の本人はタオルで汗を拭きながらセアラのそばを彷徨いていた。
(凶暴な熊のくせに子犬のふりしやがって)
リチャードの顳顬がピキリと音を立てた。
練習の途中でアリエノールは生徒会室に戻ったがセアラはルークの侍女やリチャードの護衛と共に最後まで見学していた。
「寒くない?」
「退屈してないか?」
リチャードが休憩のたびに必ずセアラに声をかけに行くのを大勢の生徒が見ていた。
「どういうこと?」
「なんであの子に声をかけてるの?」
「アメリア様は?」
夕闇が近づく頃になっても多くの生徒達が残っていた。練習終わりをリチャードが告げ片付けがはじまった。セアラの周りにはリチャードの護衛やルークがやって来て質問を受け付けているリチャードを待っていた。
「リチャード、お疲れ様でした」
アメリアの甲高い声が聞こえてきた。
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