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33.杜撰すぎる計画に呆れ返るセアラ
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「じゃあ、私達の友情に乾杯!!」
ジーニアとユリスがジュースを口にしながらセアラの動向を凝視している。
セアラはグラスに口を付けかけてグラスの中を覗き込んだ。
「あらまあ。メアリーアン、申し訳ないけれどこれを下げて新しいジュースを持ってきてくださる? 時間が経ったからかしら、虫が入っているの」
慌ててジュースを受け取りにやってきたメアリーアンの後ろからドアの外に待機していたらしいメイドも駆けつけた。
「申し訳ありません。すぐにお取り替え致します」
「人の具合が悪くなるような虫が入ってるのだといけないから十分に注意してね」
状況が掴めないジーニアとユリスはメアリーアンに手渡されていくジュースを呆然と見つめていた。
「念の為詳しくお調べ致します。王宮内でそのような危険な薬⋯⋯いえ、虫が発見された場合は直ちに衛兵と近衛に知らせなくてはなりませんから」
「「まっ、待って!!」」
「アルセント伯爵令嬢とデンロー伯爵令嬢、そんなに慌ててどうされましたの?」
「だっ、だってたかが虫でしょう!? 大騒ぎすることなんてないじゃない!!」
「そうよ。新しいのを入れ直すだけでいいにしなさいよ!」
「虫って怖いんですのよ。伝染病を運ぶ危険な虫もいると言いますしね」
「まさか! でっ、でも」
「安易な考えでいて王侯貴族の方々に何かあったら大変ですもの。メアリーアンの判断は正しいと思いますわ」
「私⋯⋯私は関係ないから!」
「私も関係ないもの! 両親が待ってるから失礼するわ」
慌てて部屋を逃げ出そうとする二人の前にメイドが立ち塞がった。
「恐れ入りますが身体検査をさせて頂いても宜しいでしょうか? 変な虫がついていないかどうか確認させて下さいませ。もしこの虫が大広間からきた物であればドレスに付着しているかもしれません」
「侍女のくせに身体検査ですって! 私は伯爵令嬢よ! 使用人風情が偉そうにしないで!!」
「誠に失礼ながら縁あって王女殿下専属の侍女に引き立てていただきましたが、爵位で申し上げるならばわたくしは侯爵家の次女でございます」
「「!!」」
「王女殿下の専用侍女であれば高位貴族の方であって当然ですわ。ポケットの中とか調べさせて頂いても宜しいかしら?」
ジーニアとユリスは真っ青な顔でへなへなと座り込んだ。
「私、ごめんなさい。頼まれたの。だから許して⋯⋯失敗したってバレたら」
「ホントにごめんなさい。断れなかったの。セアラならわかるでしょう? 言う事を聞かなかったら酷い目に遭うの。仲間はずれにされるし叩かれるし⋯⋯お願い」
「アメリア様の機嫌を損ねたなんてバレたらお父様にも叱られちゃうの。だから⋯⋯ちょっとお腹が痛くなるだけだって。夜会から帰らなきゃいけなくなるだけだからって言ってた」
「で? わたくしがそれを許容しなければならない理由が分かりませんわ」
「それは」
「学園でもお話ししたことはございませんし、ご挨拶にお返事をいただいたこともございませんでしょう? それほど親しくない方の窮状をお助けするとか、わたくしに対して悪意のある行為を見逃すとか⋯⋯逆の立場であれば如何ですかしら? お二人なら『許す』と仰いますの?」
「言う! 言うわ。何があっても許すから」
「ではこのジュースをお二人で半分ずつ召し上がってくださいませ。そうすればわたくしはお二人を許しますし何もなかった事にいたします。
そして、ジュースを飲ませたわたくしに『許す』と仰ってくださいませ」
「⋯⋯許してくれるなら飲むわ。たかがお腹が痛くなるくらいだもの」
「それで秘密にしてくれるならお腹を壊すくらい⋯⋯」
「あの方はとても苛烈な方ですからどのようなお薬だったのかわかりませんけども、王宮には侍医が常駐しているでしょうから問題はありませんわ」
「「⋯⋯」」
「どのようなお薬であるかわからないと言っても、少なくとも命は取られないと確約できますから遠慮なくお飲みになられて宜しいかと」
「「⋯⋯」」
「あの方のご気性を考えればそれなりのお薬の可能性はありますが、たかだか半分程度と言える物かもしれませんしね」
「ごめんなさい。飲めません」
「私も無理」
「では衛兵を呼びます。詳しくお話を聞かせて頂いて宜しいでしょうか?」
メアリーアンの言葉にジーニアとユリスは力なく頷いた。
「ご両親にも来ていただいた方が良いのではありませんか? 真実を話した後あの方からの報復を逃れるためには体調不良で領地に戻ったとか、ご両親に協力して頂くのが最善かもしれません」
セアラの提案にジーニアとユリスが声を上げて泣き出した。
ジーニアとユリスの両親が呼ばれるとセアラを心配していたアリエノールとマーシャル夫人も一緒にやって来た。
「話は聞いたわ。大丈夫?」
「はい、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。アメリア様の計画が杜撰すぎたおかげで事なきを得ました」
娘二人から事の次第を聞いた親達は怒り狂い手を上げようとした。
「おやめなさい。手を出すことは許しません!」
「しかし! このような事をしでかすなど許される事ではありません」
「王家が派閥内の問題に関わることはできませんが、二人だけの問題ではないのではないかしら? それよりも二人を今夜の内に病気療養と称して領地へ戻すべきだと思いますわ」
悲壮な面持ちで肩を落とした伯爵達は娘から目を背け溜息をつき、夫人達はその後ろで泣き崩れた。
「わたくしはこのままお暇させていただきたいと思います。お二人がアメリア様から聞いていたお薬の効果からするとこのまま暫くの間自室に籠るのが一番良いのではないかと」
「そうね、薬を飲んで具合が悪い事にすればアメリアはこの二人への報復を考えないわね。
今夜中に薬の成分を知らせるわ」
「それは⋯⋯」
「セアラの状況は知っています。自室に軟禁状態だと言っても王家の影なら忍び込めますから」
「宜しいのですか? わたくしなどの為にそのような」
「大切な友を守る為ですもの。なんの問題もありません。この件にわたくしの影を使うことは内密に。両伯爵家の娘と家名を守る為ですからね」
言葉の最後は二人の伯爵に向けられた物だった。
「「ありがとうございます」」
デンロー伯爵とアルセント伯爵はアリエノールに向けて頭を下げた。
「⋯⋯ユリス嬢とジーニア嬢のしでかした事も二人のセアラに対する態度も問題ですが、両伯爵は自身の娘が毒を盛ろうとしたセアラに対し謝罪の言葉がないのですね。
ましてこの事件を公にしない為に行動しようとしているセアラに感謝の言葉もなくわたくしだけに頭を下げました。
我が国の由緒ある貴族としてあるまじき事だとお気づきではないのかしら? 陛下がお知りになれば大変悲しまれると思いますわ」
「もっ、申し訳ありません。セアラ様、謝罪が遅れました。心よりお詫び申し上げます。今回の件を内密に済ませようと心を砕いてくださったこと、感謝いたします」
セアラの事をたかが養女と侮って馬鹿にしていた伯爵達はアリエノールの言葉に益々血の気を失った。
ジーニアとユリスがジュースを口にしながらセアラの動向を凝視している。
セアラはグラスに口を付けかけてグラスの中を覗き込んだ。
「あらまあ。メアリーアン、申し訳ないけれどこれを下げて新しいジュースを持ってきてくださる? 時間が経ったからかしら、虫が入っているの」
慌ててジュースを受け取りにやってきたメアリーアンの後ろからドアの外に待機していたらしいメイドも駆けつけた。
「申し訳ありません。すぐにお取り替え致します」
「人の具合が悪くなるような虫が入ってるのだといけないから十分に注意してね」
状況が掴めないジーニアとユリスはメアリーアンに手渡されていくジュースを呆然と見つめていた。
「念の為詳しくお調べ致します。王宮内でそのような危険な薬⋯⋯いえ、虫が発見された場合は直ちに衛兵と近衛に知らせなくてはなりませんから」
「「まっ、待って!!」」
「アルセント伯爵令嬢とデンロー伯爵令嬢、そんなに慌ててどうされましたの?」
「だっ、だってたかが虫でしょう!? 大騒ぎすることなんてないじゃない!!」
「そうよ。新しいのを入れ直すだけでいいにしなさいよ!」
「虫って怖いんですのよ。伝染病を運ぶ危険な虫もいると言いますしね」
「まさか! でっ、でも」
「安易な考えでいて王侯貴族の方々に何かあったら大変ですもの。メアリーアンの判断は正しいと思いますわ」
「私⋯⋯私は関係ないから!」
「私も関係ないもの! 両親が待ってるから失礼するわ」
慌てて部屋を逃げ出そうとする二人の前にメイドが立ち塞がった。
「恐れ入りますが身体検査をさせて頂いても宜しいでしょうか? 変な虫がついていないかどうか確認させて下さいませ。もしこの虫が大広間からきた物であればドレスに付着しているかもしれません」
「侍女のくせに身体検査ですって! 私は伯爵令嬢よ! 使用人風情が偉そうにしないで!!」
「誠に失礼ながら縁あって王女殿下専属の侍女に引き立てていただきましたが、爵位で申し上げるならばわたくしは侯爵家の次女でございます」
「「!!」」
「王女殿下の専用侍女であれば高位貴族の方であって当然ですわ。ポケットの中とか調べさせて頂いても宜しいかしら?」
ジーニアとユリスは真っ青な顔でへなへなと座り込んだ。
「私、ごめんなさい。頼まれたの。だから許して⋯⋯失敗したってバレたら」
「ホントにごめんなさい。断れなかったの。セアラならわかるでしょう? 言う事を聞かなかったら酷い目に遭うの。仲間はずれにされるし叩かれるし⋯⋯お願い」
「アメリア様の機嫌を損ねたなんてバレたらお父様にも叱られちゃうの。だから⋯⋯ちょっとお腹が痛くなるだけだって。夜会から帰らなきゃいけなくなるだけだからって言ってた」
「で? わたくしがそれを許容しなければならない理由が分かりませんわ」
「それは」
「学園でもお話ししたことはございませんし、ご挨拶にお返事をいただいたこともございませんでしょう? それほど親しくない方の窮状をお助けするとか、わたくしに対して悪意のある行為を見逃すとか⋯⋯逆の立場であれば如何ですかしら? お二人なら『許す』と仰いますの?」
「言う! 言うわ。何があっても許すから」
「ではこのジュースをお二人で半分ずつ召し上がってくださいませ。そうすればわたくしはお二人を許しますし何もなかった事にいたします。
そして、ジュースを飲ませたわたくしに『許す』と仰ってくださいませ」
「⋯⋯許してくれるなら飲むわ。たかがお腹が痛くなるくらいだもの」
「それで秘密にしてくれるならお腹を壊すくらい⋯⋯」
「あの方はとても苛烈な方ですからどのようなお薬だったのかわかりませんけども、王宮には侍医が常駐しているでしょうから問題はありませんわ」
「「⋯⋯」」
「どのようなお薬であるかわからないと言っても、少なくとも命は取られないと確約できますから遠慮なくお飲みになられて宜しいかと」
「「⋯⋯」」
「あの方のご気性を考えればそれなりのお薬の可能性はありますが、たかだか半分程度と言える物かもしれませんしね」
「ごめんなさい。飲めません」
「私も無理」
「では衛兵を呼びます。詳しくお話を聞かせて頂いて宜しいでしょうか?」
メアリーアンの言葉にジーニアとユリスは力なく頷いた。
「ご両親にも来ていただいた方が良いのではありませんか? 真実を話した後あの方からの報復を逃れるためには体調不良で領地に戻ったとか、ご両親に協力して頂くのが最善かもしれません」
セアラの提案にジーニアとユリスが声を上げて泣き出した。
ジーニアとユリスの両親が呼ばれるとセアラを心配していたアリエノールとマーシャル夫人も一緒にやって来た。
「話は聞いたわ。大丈夫?」
「はい、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。アメリア様の計画が杜撰すぎたおかげで事なきを得ました」
娘二人から事の次第を聞いた親達は怒り狂い手を上げようとした。
「おやめなさい。手を出すことは許しません!」
「しかし! このような事をしでかすなど許される事ではありません」
「王家が派閥内の問題に関わることはできませんが、二人だけの問題ではないのではないかしら? それよりも二人を今夜の内に病気療養と称して領地へ戻すべきだと思いますわ」
悲壮な面持ちで肩を落とした伯爵達は娘から目を背け溜息をつき、夫人達はその後ろで泣き崩れた。
「わたくしはこのままお暇させていただきたいと思います。お二人がアメリア様から聞いていたお薬の効果からするとこのまま暫くの間自室に籠るのが一番良いのではないかと」
「そうね、薬を飲んで具合が悪い事にすればアメリアはこの二人への報復を考えないわね。
今夜中に薬の成分を知らせるわ」
「それは⋯⋯」
「セアラの状況は知っています。自室に軟禁状態だと言っても王家の影なら忍び込めますから」
「宜しいのですか? わたくしなどの為にそのような」
「大切な友を守る為ですもの。なんの問題もありません。この件にわたくしの影を使うことは内密に。両伯爵家の娘と家名を守る為ですからね」
言葉の最後は二人の伯爵に向けられた物だった。
「「ありがとうございます」」
デンロー伯爵とアルセント伯爵はアリエノールに向けて頭を下げた。
「⋯⋯ユリス嬢とジーニア嬢のしでかした事も二人のセアラに対する態度も問題ですが、両伯爵は自身の娘が毒を盛ろうとしたセアラに対し謝罪の言葉がないのですね。
ましてこの事件を公にしない為に行動しようとしているセアラに感謝の言葉もなくわたくしだけに頭を下げました。
我が国の由緒ある貴族としてあるまじき事だとお気づきではないのかしら? 陛下がお知りになれば大変悲しまれると思いますわ」
「もっ、申し訳ありません。セアラ様、謝罪が遅れました。心よりお詫び申し上げます。今回の件を内密に済ませようと心を砕いてくださったこと、感謝いたします」
セアラの事をたかが養女と侮って馬鹿にしていた伯爵達はアリエノールの言葉に益々血の気を失った。
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