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29.アリエノールVSレトビア公爵&アメリア
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人波をかき分けてやってきたのはレトビア公爵。アメリアは夜会開始直後からずっとリチャード王子の側にいたが今は公爵と共に笑顔を浮かべている。
「セアラお姉様、楽しんでいらっしゃるかしら?」
「はい、皆様とても親切な方ばかりですわ」
「そのドレスとてもお似合いですわ。初めてセアラお姉様のドレスを選んだので少し不安でしたのよ」
セアラを貶める作戦に失敗したアメリアはセアラの手柄を取り上げることにしたらしい。
「流石アメリア様の見立てですね。セアラ様の美しさがこれ以上ない程引き立って」
「可憐なセアラ様にとてもよくお似合いです」
一部の単純な男達はアメリアの言葉を信じて首を大きく振っているが、女性達はアメリアの言葉に首を傾げたり不快そうに扇子で口元を隠し目を逸らせている。
アメリアが着ている豪奢なドレスとセアラのドレスを見比べれば同じ人が選んだと思う方がおかしいのだがレトビア公爵に追従する者や審美眼のないものにはわからないらしい。
「最初セアラお姉様が選んだドレスは品が⋯⋯いえ、この夜会には相応しくなかったのでそのドレスを選んで差し上げましたの。少し強引だったかしらと不安に思っておりました。喜んでいただけましたかしら?」
ここでセアラが『YES』と言えばアメリアの台詞は全て真実になるが『NO』と言えばアメリアに恥をかかせることになる。
「このドレスには一目惚れしましたの。似合っていると言って頂けたならとても嬉しいですわ」
アメリアが『ちっ!』と舌打ちをしたように見えたが周りの視線はセアラに集中しているのでマーシャル夫人以外誰も気付かなかった。
「セアラ、漸くお話にこれたわ。皆さん少し宜しいかしら?」
涼やかなアリエノールの声が聞こえてきて、振り向くとアリエノールとミリセント公爵令嬢が並んで立っていた。王女と次期王妃に一斉に頭を下げ最敬礼をする貴族達。
「どうか頭を上げて下さいな、折角の夜会ですものね。
セアラ、そのドレスとっても素敵ね! 上品で華麗⋯⋯正にセアラの為のドレスだわ。成績優秀なだけでなくドレス選びまで優秀だなんて! 生徒会の秘書役をセアラにお願いしたのは正解だったわ」
「過分のお言葉をありがとうございます」
「アリエノール王女殿下、その件につきましては陛下よりお話があったと伺っておりますが? 公爵家と致しましても養い子になったばかりのセアラに重責を任せるのは負担になるのではないかと心配しておりますし、アリエノール王女殿下のご迷惑になるのではないかとも」
「ええ、陛下は遠方から来たばかりで知り合いの少ないセアラには荷が重いなんて仰っておられたわ。
でもセアラなら大丈夫。これでも試験の結果や普段の生活態度などわたくしの手の者を使い詳しく調べてから決めましたのよ。
学園内での事とは言え生徒会秘書の重要性はよくわかっておりますもの。
⋯⋯陛下は心配性というか少しわたくしに甘すぎるのですわ」
アリエノールは王族らしい気品と否を言わせない強さでレトビア公爵に秘書の変更はないと言い切った。公の場でならばアリエノールに言い聞かせられるだろうと高を括っていたレトビア公爵の狙いは外れ、臍を噛む公爵とアリエノールを睨みつけるアメリアをレトビア公爵派の面々が心配気な顔で見ていた。
「セアラ様が首につけているリボンかしら? 初めて見たのだけれどとても可愛らしいですわ」
セアラの首元に注目していたミリセントが貴族達の思惑になどまるで気付いていないかのようにセアラに話しかけた。
「ホプキンス領での古くからの伝統の一つでございます。春に行われるお祭りでこのような飾りをつけるのですが、わたくし達は昔からチョーカーと呼んでおります」
「チョーカー⋯⋯名前も素敵。あちらで詳しく教えてくださるかしら。マーシャル夫人、レトビア公爵。セアラをお借りしても宜しくて?」
「⋯⋯ええ、勿論でございます。セアラ、わたくしはこの近くにいますから後でまた会いましょう」
「あっ、ではわたくしもご一緒に参ります。田舎暮らしの長いセアラお姉様のフォローはわたくしの仕事ですから」
「あら、アメリア様のドレスのお話を是非お聞きしたかったのですが⋯⋯残念ですわ。
お使いの絹ブロケードはもしかしてヴェネツィア産ではないかと思いましたの。もしかしてレースもヴェネツィア産なのかしら?」
ディアナがとても残念そうに言うと気を良くしたアメリアが滔々とドレスの説明をはじめた。
マーシャル夫人がセアラの背中に手を当て耳元で囁いた。
「手当てをしてゆっくり足を休めていらっしゃい。まだ先は長いですからね。
⋯⋯先程の対応は見事でしたよ」
笑顔を保っていたつもりだったがマーシャル夫人にはバレていたらしい。初めてマーシャル夫人からお褒めの言葉をもらったセアラは思わず笑みを浮かべた。
それを見た周りの者達が息を呑み呆然と立ち尽くした。
大広間から出たセアラ達3人は王家専用の控室に向かった。控室とは思えないほど広い部屋にはソファとテーブル以外に書き物机やドレッサーもあり客室という方があっている。隣の部屋にはベッドもあると聞き、つい最近まで庭の草むしりまでやっていたセアラには想像もつかない世界だと及び腰になってしまった。
(公爵邸の客間でさえ豪華すぎて慣れるのに時間がかかったのに⋯⋯上には上があるのね)
アリエノールとミリセントが並んで座り正面にセアラが座ると侍女が紅茶を運んできた。
「夜会では甘い果実水ばかりだから紅茶にしたのだけど、良かったかしら?」
「はい、ありがとうございます」
「少し休んだら足の手当てもしましょうね」
「えっ、あの⋯⋯お気付きだったのですか?」
おかしな歩き方をしていたのかと青褪めたが、アリエノールはコロコロと可愛らしく笑って首を振った。
「ただの勘だから心配しないでね。初めて履いた靴だと絶対靴擦れに悩んでると思ったの」
「普通は夜会前に何度か履いて靴を慣らしておくものだけど、今回は準備の時間があまりなかったでしょう? だから固くて大変だろうとアリエノールと話していたの」
「マーシャル夫人の侍女が石鹸を塗ってくれたので初めは良かったのですが段々と。
他の方々は全然平気そうにしておられたので恥ずかしくて」
「あら、アリエノールなんて以前靴が痛いって裸足で逃げ出したのよ」
「もう! それ、4歳の時の話ですわ。ミリセントだって座っている時にこっそり靴を脱いで立ち上がった時は片足だけ裸足だったわ」
「ふふ、あの時は大変だったわ。王妃様のお叱りの後礼儀作法の時間を増やされてしまったもの。それでなくても大変な王太子妃教育なのに」
「そのくせ王妃様ったら後になって『わたくしにも覚えがあります』ってにっこり笑って仰るんだもの」
アリエノールとミリセントの昔話を聞きながら足の手当てをしてもらったセアラはホッと幸せを感じていた。
「そうだわ、今夜お兄様とセアラを引き合わせようと思ってたのだけどやめにしたの。お兄様は当分セアラの側には近づけないつもりだから!」
突然豹変したアリエノールの様子にミリセントが顔を赤くしながらお腹を抑えて笑いはじめた。
「セアラお姉様、楽しんでいらっしゃるかしら?」
「はい、皆様とても親切な方ばかりですわ」
「そのドレスとてもお似合いですわ。初めてセアラお姉様のドレスを選んだので少し不安でしたのよ」
セアラを貶める作戦に失敗したアメリアはセアラの手柄を取り上げることにしたらしい。
「流石アメリア様の見立てですね。セアラ様の美しさがこれ以上ない程引き立って」
「可憐なセアラ様にとてもよくお似合いです」
一部の単純な男達はアメリアの言葉を信じて首を大きく振っているが、女性達はアメリアの言葉に首を傾げたり不快そうに扇子で口元を隠し目を逸らせている。
アメリアが着ている豪奢なドレスとセアラのドレスを見比べれば同じ人が選んだと思う方がおかしいのだがレトビア公爵に追従する者や審美眼のないものにはわからないらしい。
「最初セアラお姉様が選んだドレスは品が⋯⋯いえ、この夜会には相応しくなかったのでそのドレスを選んで差し上げましたの。少し強引だったかしらと不安に思っておりました。喜んでいただけましたかしら?」
ここでセアラが『YES』と言えばアメリアの台詞は全て真実になるが『NO』と言えばアメリアに恥をかかせることになる。
「このドレスには一目惚れしましたの。似合っていると言って頂けたならとても嬉しいですわ」
アメリアが『ちっ!』と舌打ちをしたように見えたが周りの視線はセアラに集中しているのでマーシャル夫人以外誰も気付かなかった。
「セアラ、漸くお話にこれたわ。皆さん少し宜しいかしら?」
涼やかなアリエノールの声が聞こえてきて、振り向くとアリエノールとミリセント公爵令嬢が並んで立っていた。王女と次期王妃に一斉に頭を下げ最敬礼をする貴族達。
「どうか頭を上げて下さいな、折角の夜会ですものね。
セアラ、そのドレスとっても素敵ね! 上品で華麗⋯⋯正にセアラの為のドレスだわ。成績優秀なだけでなくドレス選びまで優秀だなんて! 生徒会の秘書役をセアラにお願いしたのは正解だったわ」
「過分のお言葉をありがとうございます」
「アリエノール王女殿下、その件につきましては陛下よりお話があったと伺っておりますが? 公爵家と致しましても養い子になったばかりのセアラに重責を任せるのは負担になるのではないかと心配しておりますし、アリエノール王女殿下のご迷惑になるのではないかとも」
「ええ、陛下は遠方から来たばかりで知り合いの少ないセアラには荷が重いなんて仰っておられたわ。
でもセアラなら大丈夫。これでも試験の結果や普段の生活態度などわたくしの手の者を使い詳しく調べてから決めましたのよ。
学園内での事とは言え生徒会秘書の重要性はよくわかっておりますもの。
⋯⋯陛下は心配性というか少しわたくしに甘すぎるのですわ」
アリエノールは王族らしい気品と否を言わせない強さでレトビア公爵に秘書の変更はないと言い切った。公の場でならばアリエノールに言い聞かせられるだろうと高を括っていたレトビア公爵の狙いは外れ、臍を噛む公爵とアリエノールを睨みつけるアメリアをレトビア公爵派の面々が心配気な顔で見ていた。
「セアラ様が首につけているリボンかしら? 初めて見たのだけれどとても可愛らしいですわ」
セアラの首元に注目していたミリセントが貴族達の思惑になどまるで気付いていないかのようにセアラに話しかけた。
「ホプキンス領での古くからの伝統の一つでございます。春に行われるお祭りでこのような飾りをつけるのですが、わたくし達は昔からチョーカーと呼んでおります」
「チョーカー⋯⋯名前も素敵。あちらで詳しく教えてくださるかしら。マーシャル夫人、レトビア公爵。セアラをお借りしても宜しくて?」
「⋯⋯ええ、勿論でございます。セアラ、わたくしはこの近くにいますから後でまた会いましょう」
「あっ、ではわたくしもご一緒に参ります。田舎暮らしの長いセアラお姉様のフォローはわたくしの仕事ですから」
「あら、アメリア様のドレスのお話を是非お聞きしたかったのですが⋯⋯残念ですわ。
お使いの絹ブロケードはもしかしてヴェネツィア産ではないかと思いましたの。もしかしてレースもヴェネツィア産なのかしら?」
ディアナがとても残念そうに言うと気を良くしたアメリアが滔々とドレスの説明をはじめた。
マーシャル夫人がセアラの背中に手を当て耳元で囁いた。
「手当てをしてゆっくり足を休めていらっしゃい。まだ先は長いですからね。
⋯⋯先程の対応は見事でしたよ」
笑顔を保っていたつもりだったがマーシャル夫人にはバレていたらしい。初めてマーシャル夫人からお褒めの言葉をもらったセアラは思わず笑みを浮かべた。
それを見た周りの者達が息を呑み呆然と立ち尽くした。
大広間から出たセアラ達3人は王家専用の控室に向かった。控室とは思えないほど広い部屋にはソファとテーブル以外に書き物机やドレッサーもあり客室という方があっている。隣の部屋にはベッドもあると聞き、つい最近まで庭の草むしりまでやっていたセアラには想像もつかない世界だと及び腰になってしまった。
(公爵邸の客間でさえ豪華すぎて慣れるのに時間がかかったのに⋯⋯上には上があるのね)
アリエノールとミリセントが並んで座り正面にセアラが座ると侍女が紅茶を運んできた。
「夜会では甘い果実水ばかりだから紅茶にしたのだけど、良かったかしら?」
「はい、ありがとうございます」
「少し休んだら足の手当てもしましょうね」
「えっ、あの⋯⋯お気付きだったのですか?」
おかしな歩き方をしていたのかと青褪めたが、アリエノールはコロコロと可愛らしく笑って首を振った。
「ただの勘だから心配しないでね。初めて履いた靴だと絶対靴擦れに悩んでると思ったの」
「普通は夜会前に何度か履いて靴を慣らしておくものだけど、今回は準備の時間があまりなかったでしょう? だから固くて大変だろうとアリエノールと話していたの」
「マーシャル夫人の侍女が石鹸を塗ってくれたので初めは良かったのですが段々と。
他の方々は全然平気そうにしておられたので恥ずかしくて」
「あら、アリエノールなんて以前靴が痛いって裸足で逃げ出したのよ」
「もう! それ、4歳の時の話ですわ。ミリセントだって座っている時にこっそり靴を脱いで立ち上がった時は片足だけ裸足だったわ」
「ふふ、あの時は大変だったわ。王妃様のお叱りの後礼儀作法の時間を増やされてしまったもの。それでなくても大変な王太子妃教育なのに」
「そのくせ王妃様ったら後になって『わたくしにも覚えがあります』ってにっこり笑って仰るんだもの」
アリエノールとミリセントの昔話を聞きながら足の手当てをしてもらったセアラはホッと幸せを感じていた。
「そうだわ、今夜お兄様とセアラを引き合わせようと思ってたのだけどやめにしたの。お兄様は当分セアラの側には近づけないつもりだから!」
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