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26.ローゼンタールの快進撃
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天然ゴムと硫黄の化学結合による弾性の増大や電気絶縁性や耐久性などの特性が発見されたと知ったケインは、新会社の投資第一弾として天然ゴムのプランテーションに投資を決めた。
『石油から灯油を採った後に残るガソリンは産業廃棄物として廃棄されているが、いずれ内燃機関が開発されるはず。その時はゴム製品が益々注目されるはずだし、石油産業も買いだな』
それと同時にリリベルは⋯⋯安価なガラス製品の登場で衰退していた国のガラス産業に投資を決めた。
『名工達が古代作品の復刻作りに活路を見い出して動きはじめてますの。他国のガラス産業には真似のできない色ガラスを基本としたガラス・モザイク技術による新商品やインテリア製品など⋯⋯間違いなく伸びると思いますわ』
現地から帰ってきたリリベルは得意満面で買ってきたばかりのワイングラスを掲げた。
キャサリンとデイビッドが逮捕された事は瞬く間に社交界に広がり休暇中の学園にも周知された。
アーシェを犯罪者に仕立てようとした男爵令嬢のマーシャ・レングストンは『キャサリンに頼まれた』と罪を認め5年間の修道院送りとなった。
その他にもメアリー・トルダーンを筆頭にキャサリン親衛隊だった者達はアーシェへの暴言や私物の破棄・破損を認め、ローゼンタール伯爵家への謝罪と弁償や慰謝料を支払う事になった。
キャサリンはアーシェに対する行為が名誉毀損だけでなく詐欺罪や煽動罪だと判断された。祖父や母親の起こした恐喝・会社乗っ取り事件の幇助なども加算されリリベルが口にした通りの判決が下された。顔の左半分を潰され最下層の娼館に送られたが残っている右半分の美しさとのギャップに加虐思考の客が群がっているという。
ケレイブ子爵は爵位を剥奪されアンジーと共に地下牢に収監されている。現時点でも終身刑は間違いないが余罪が多すぎて刑の確定には至っていない。一日一回のカビたパンと水が出るが窓のない暗闇なので置かれた位置が分からず床を這い回りコップを倒せばその日は何も飲めない。
牢の外からは肉が焼けた匂いや焼きたてのパンの香りが漂ってくる。お腹を空かして幽鬼のようになっていくケレイブ元子爵とアンジーが目の前に並べられたおやつに飛びつくと取調官が全て取り上げ、それをつまみながら質問を繰り返した。
『ある方からの依頼でなあ⋯⋯理不尽に取り上げられる辛さを知りなさい⋯⋯だと』
骸骨のように痩せ衰えた頃ケレイブ元子爵は鉱山行き、アンジーは鉱山労働者専用の娼館行きが確定した。
ケレイブ子爵が設立した『ソルダート貿易会社』の中でケレイブ子爵達の犯罪を知っていた者達は共犯として子爵と共に鉱山へ送られた。子爵達の個人資産や解体された会社の資金で従業員への未払いの給与や退職金、ローゼンタール伯爵家やアーシェへの慰謝料を支払う事になったが、不足分は役員に名を連ねていた子爵家の親戚筋が支払い全員平民落ちした。
少し涼しい風が吹きはじめた頃長期休暇が終わり学園がはじまった。
「アーシェ、おめでとう!」
顔を合わせた途端抱きついてきたのはアリシアで、その後ろではサマンサがソワソワしながら順番待ちしていた。
「アリシア~、次が控えてるんだよお。お早く願いま~す」
サマンサともハグをして3人で仲良く教室に向かった。
「後でレイクウォールのお土産渡すわね。次は絶対3人で行きましょう! すっごく景色のいいところを見つけたの」
「イケメンの青年も見つけたんだよね~」
「あ、あれは⋯⋯その⋯⋯別に、ねえ」
真っ赤になって慌てるアリシアとニマニマ笑うサマンサに囲まれて教室に入るアーシェは満面の笑みを浮かべていた。
キャサリン親衛隊のリーダーだった侯爵令嬢のメアリー・トルダートンは学園を自主退学し隣国の子爵家へ嫁入りしたという。マーシャ・レングストンとトルダートン以外にいなくなったのは調査もせずアーシェを犯罪者扱いしたとして学園をクビになった元担任のテリー・サリスト。
それ以外のキャサリン親衛隊の旧メンバーは神妙な顔をして大人しく席についていた。
「みんな謝ってきたの?」
「ご両親と一緒にご本人も来られて和解できたと思うから、少ししたら落ち着くんじゃないかな」
アーシェ達がコソコソと話していると今年度の担任が教室に入ってきた。
新会社は順調な滑り出しを見せローゼンタール伯爵家にとって恐らく初めての穏やかで平和な日が続いていた。
ケインやリリベルの知識・人脈・情報収集能力・決断力⋯⋯全てはエマーソンとランドルフのおかげかもしれない。彼らの引き起こす突然の嵐に長年対処してきたふたりならではの実力と結束力で着々と成功を積み上げていった。
新会社の成功が広まるにつれ投資会社として相談に乗って欲しいといった誘いが増えていったが、我関せずのケイン達に業を煮やした貴族達がまたアーシェをターゲットにしはじめた。
「まさに、ローゼンタール伯爵家の快進撃ですなぁ。ご令嬢が卒業された後のご予定とかはもうお決まりですか?」
「後はアーシェ様のお相手探しですかな? もし良ければうちの三男が⋯⋯」
「我が家は政略結婚は懲り懲りでして⋯⋯そう言ったお話をされる家とのお付き合いは控えさせていただくと決めたのですよ」
「ケインとリリベルは頑張っておるのう」
銀行に提出する経営方針説明書を作り直していたエマーソンが呟いた。
「わしらの後始末がなくなって生き生きしとるそうじゃ」
資金使途資料を作成していたランドルフが顔を上げた。
「⋯⋯それ、誰情報じゃ?」
「ハウス・スチュワードのトーマスじゃ」
「あ~、ワシらへの嫌味じゃな」
「いや、威嚇じゃ。次にやったら尻の毛まで抜いちゃると顔に書いてあったわい」
「ワシら、素寒貧なのに? 最後に隠しとったのまでザッカリーが回収してったもんなあ」
「ありゃ、ケインの仕業じゃって。奴に隠し事はできんでな」
「確かに⋯⋯誰に似たんかのう。エマーソンには絶対に似とらんが」
「間違いなくレティじゃ⋯⋯わし、レティに同じ事を何回もやられたもん」
「レティかあ⋯⋯そう言やぁ、ワシがミランダにやられた時もレティに教えてもろうたって言いよったわ」
「今、経営方針説明書を書きよるが⋯⋯わしらの悪行が骨身に染みてきた」
経営方針説明書は中長期的に会社をどのように経営していくのかを計画的に示す為の書類。
「ワシもじゃ、銀行から融資を受けるのに資金使途を明確にせにゃならんとは思わんかった」
資金使途資料とは融資を受けた資金の使用用途について書かれた資料。
「わしらの場当たり的な契約に融資された金は使えんかった言うことじゃのう」
「ローゼンタール伯爵家が昔からケチじゃ貧乏じゃ言われとったのはそのせいじゃな。ザッカリーが言うとったが会社はローゼンタールから何回も金を借りとるって」
「わしらのとこに金を吐き出させにきとったんはそれでも足りん時ってやつじゃな」
ザッカリー達に自分達と同じ思いをさせない為に考えたケインとリリベルからのお仕置きだと気付いていない老人ふたりの後悔はまだまだ続きそうな予感。
『石油から灯油を採った後に残るガソリンは産業廃棄物として廃棄されているが、いずれ内燃機関が開発されるはず。その時はゴム製品が益々注目されるはずだし、石油産業も買いだな』
それと同時にリリベルは⋯⋯安価なガラス製品の登場で衰退していた国のガラス産業に投資を決めた。
『名工達が古代作品の復刻作りに活路を見い出して動きはじめてますの。他国のガラス産業には真似のできない色ガラスを基本としたガラス・モザイク技術による新商品やインテリア製品など⋯⋯間違いなく伸びると思いますわ』
現地から帰ってきたリリベルは得意満面で買ってきたばかりのワイングラスを掲げた。
キャサリンとデイビッドが逮捕された事は瞬く間に社交界に広がり休暇中の学園にも周知された。
アーシェを犯罪者に仕立てようとした男爵令嬢のマーシャ・レングストンは『キャサリンに頼まれた』と罪を認め5年間の修道院送りとなった。
その他にもメアリー・トルダーンを筆頭にキャサリン親衛隊だった者達はアーシェへの暴言や私物の破棄・破損を認め、ローゼンタール伯爵家への謝罪と弁償や慰謝料を支払う事になった。
キャサリンはアーシェに対する行為が名誉毀損だけでなく詐欺罪や煽動罪だと判断された。祖父や母親の起こした恐喝・会社乗っ取り事件の幇助なども加算されリリベルが口にした通りの判決が下された。顔の左半分を潰され最下層の娼館に送られたが残っている右半分の美しさとのギャップに加虐思考の客が群がっているという。
ケレイブ子爵は爵位を剥奪されアンジーと共に地下牢に収監されている。現時点でも終身刑は間違いないが余罪が多すぎて刑の確定には至っていない。一日一回のカビたパンと水が出るが窓のない暗闇なので置かれた位置が分からず床を這い回りコップを倒せばその日は何も飲めない。
牢の外からは肉が焼けた匂いや焼きたてのパンの香りが漂ってくる。お腹を空かして幽鬼のようになっていくケレイブ元子爵とアンジーが目の前に並べられたおやつに飛びつくと取調官が全て取り上げ、それをつまみながら質問を繰り返した。
『ある方からの依頼でなあ⋯⋯理不尽に取り上げられる辛さを知りなさい⋯⋯だと』
骸骨のように痩せ衰えた頃ケレイブ元子爵は鉱山行き、アンジーは鉱山労働者専用の娼館行きが確定した。
ケレイブ子爵が設立した『ソルダート貿易会社』の中でケレイブ子爵達の犯罪を知っていた者達は共犯として子爵と共に鉱山へ送られた。子爵達の個人資産や解体された会社の資金で従業員への未払いの給与や退職金、ローゼンタール伯爵家やアーシェへの慰謝料を支払う事になったが、不足分は役員に名を連ねていた子爵家の親戚筋が支払い全員平民落ちした。
少し涼しい風が吹きはじめた頃長期休暇が終わり学園がはじまった。
「アーシェ、おめでとう!」
顔を合わせた途端抱きついてきたのはアリシアで、その後ろではサマンサがソワソワしながら順番待ちしていた。
「アリシア~、次が控えてるんだよお。お早く願いま~す」
サマンサともハグをして3人で仲良く教室に向かった。
「後でレイクウォールのお土産渡すわね。次は絶対3人で行きましょう! すっごく景色のいいところを見つけたの」
「イケメンの青年も見つけたんだよね~」
「あ、あれは⋯⋯その⋯⋯別に、ねえ」
真っ赤になって慌てるアリシアとニマニマ笑うサマンサに囲まれて教室に入るアーシェは満面の笑みを浮かべていた。
キャサリン親衛隊のリーダーだった侯爵令嬢のメアリー・トルダートンは学園を自主退学し隣国の子爵家へ嫁入りしたという。マーシャ・レングストンとトルダートン以外にいなくなったのは調査もせずアーシェを犯罪者扱いしたとして学園をクビになった元担任のテリー・サリスト。
それ以外のキャサリン親衛隊の旧メンバーは神妙な顔をして大人しく席についていた。
「みんな謝ってきたの?」
「ご両親と一緒にご本人も来られて和解できたと思うから、少ししたら落ち着くんじゃないかな」
アーシェ達がコソコソと話していると今年度の担任が教室に入ってきた。
新会社は順調な滑り出しを見せローゼンタール伯爵家にとって恐らく初めての穏やかで平和な日が続いていた。
ケインやリリベルの知識・人脈・情報収集能力・決断力⋯⋯全てはエマーソンとランドルフのおかげかもしれない。彼らの引き起こす突然の嵐に長年対処してきたふたりならではの実力と結束力で着々と成功を積み上げていった。
新会社の成功が広まるにつれ投資会社として相談に乗って欲しいといった誘いが増えていったが、我関せずのケイン達に業を煮やした貴族達がまたアーシェをターゲットにしはじめた。
「まさに、ローゼンタール伯爵家の快進撃ですなぁ。ご令嬢が卒業された後のご予定とかはもうお決まりですか?」
「後はアーシェ様のお相手探しですかな? もし良ければうちの三男が⋯⋯」
「我が家は政略結婚は懲り懲りでして⋯⋯そう言ったお話をされる家とのお付き合いは控えさせていただくと決めたのですよ」
「ケインとリリベルは頑張っておるのう」
銀行に提出する経営方針説明書を作り直していたエマーソンが呟いた。
「わしらの後始末がなくなって生き生きしとるそうじゃ」
資金使途資料を作成していたランドルフが顔を上げた。
「⋯⋯それ、誰情報じゃ?」
「ハウス・スチュワードのトーマスじゃ」
「あ~、ワシらへの嫌味じゃな」
「いや、威嚇じゃ。次にやったら尻の毛まで抜いちゃると顔に書いてあったわい」
「ワシら、素寒貧なのに? 最後に隠しとったのまでザッカリーが回収してったもんなあ」
「ありゃ、ケインの仕業じゃって。奴に隠し事はできんでな」
「確かに⋯⋯誰に似たんかのう。エマーソンには絶対に似とらんが」
「間違いなくレティじゃ⋯⋯わし、レティに同じ事を何回もやられたもん」
「レティかあ⋯⋯そう言やぁ、ワシがミランダにやられた時もレティに教えてもろうたって言いよったわ」
「今、経営方針説明書を書きよるが⋯⋯わしらの悪行が骨身に染みてきた」
経営方針説明書は中長期的に会社をどのように経営していくのかを計画的に示す為の書類。
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「ローゼンタール伯爵家が昔からケチじゃ貧乏じゃ言われとったのはそのせいじゃな。ザッカリーが言うとったが会社はローゼンタールから何回も金を借りとるって」
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