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アースドラゴン

6.帰還

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 ケニーヒに村人達が戻ってきた。家や畑を見て、泣き崩れる者や怒り出す者。

 カイルは、全ての経緯を説明し謝罪した。

「頭下げられたって」
「どうしてくれるの? こんな」

 ギルド本部の職員が話を引き取り、説明する。

「直ぐに復興作業に入ります。資材は既に調達済みで、こちらへ輸送されているところです。暫くはご迷惑をおかけしますが、希望などお聞かせください」

「元通り暮らせるようになるまで、責任を取ってくれるって事?」
「勿論です」

 カイルの誠実な態度と職員の説明で、漸く村人達は落ち着いてきた。一部の冒険者達も、復旧作業に参加してくれるようだ。


 復旧作業の指揮は、ギルド本部の職員に一任した。カイルは帝国に報告に行き、ミリア達はギルドに戻ってきた。

「おつかれー、予想通りだったな」
「ああ、すぐに資材が届くって聞いて、村の人も随分と落ち着いてた」

「被害の程度が、ヴィルのお陰で想像できてたからな」
「確かに」
 苦笑いするノアとギルマス。

「討伐証明を寄越せ。それ持ってギルド本部に行ってくる。ここからは俺の仕事だ」
「俺達はどこかに隠れてる。登用試験が決定されたって発表があったら、戻ってくる」

「それなんだが、エラも連れてけ」
「?」
「エラが捕まったら、お前ら身動き取れなくなるだろ? 俺にはエラを護衛してる暇がねぇ」

「そんなにヤバくなってるのか?」
「ああ、王家と教会が動き出した」

 ミリアとノアは顔を見合わせた。

「王家だけじゃなく?」
「学生辺りから、ミリアの回復魔法の事がバレた。早い者勝ちだってあちこち突き回ってる。
王家は侯爵家存続を大義名分にしてるし、教会は聖女出現って騒ぎ立ててやがる。恐らく何処に行っても安全とは言い切れねえ。アメリアがミリアだってバレるのも時間の問題だ」

「何とかなるだろう、アメリアの【ワープ】があるしな」
「キュウ、キュイ」

『ドラゴンの里、ギーが連絡をしたようじゃ』
「キュウ?」
『迎えが来るそうな』
「げっ、ダメダメ。これ以上目立ってどうする」
「ギー、ドラゴンの里にワープしても良いか、聞いてみてくれる?」
「キュイィ」

『構わぬそうじゃ』

「アメリア、折角だから行かせてもらおう」
「はい」

 エラは仕事を早退し、3人で買い物を済ませて家に帰った。明日の朝出発する。


 夜遅い時間に、ノアの家の玄関にノックの音が響いた。

『学長と小僧じゃな』
「何で?」

 ミリアの質問に知らん顔のヴィル。

 ノアが刀を持ち、覗き窓から様子を伺う。
 マントを着た女性と少年が、辺りの様子を伺いながら立っていた。
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