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決意

1.決心

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「ノアさん! あんなの酷すぎます。私、やっぱり領主の所に行ってきます!」

 側で聞いていたエラが話しかけた。

「アメリア。そんなこと言ってたら、キリがないって。クラフク村はね、世界中にあるの。それを一個ずつ文句言いに言ってたら、一生かけても間に合わないよ」

「でも、本当に酷かったんです」
 目を潤ませて、拳を握っているミリア。

「だったら、アメリアにしかできない方法でやったらいいじゃん」
「?」
「SSランクはね、王様より偉いの。
SSランクに嫌われたくなかったら、ちゃんと領地管理しろ、でないとスタンピードが起こっても知らないからねって言えば、みんなビビる。
世界中どこの国も魔物に怯えてる。自国の軍隊で間に合わない奴が来たらどうしようって。SSランクはみんなの守り神なの。困った時には助けて貰えるようにって、みんなが思ってるの」

「・・ノアさん、やる。私SSランクになる」

「エラ、褒めた方が良いのか? 俺の首を絞めたって怒った方が良いのか? どっちだ?」

「勿論褒めて、父さんの首よりアメリアの首の方が大事だもん」

「ヴィル、どう思う?」
『止めはせぬ。大男に覚悟があれば』

「何とかなるか。で、何を狙う?」
『ギルドで話そうではないか』


「んで、みんなで来たんだ。ちび助気合入ってるねぇ」
「はい。私にも出来ることがあるって、エラさんが教えてくれました」

「エレオノーラ君、随分と大変な事をしてくれたね。君、今回は減給ものだよ?」

「ギルマス? なんか言いました?」
「まさか。さて、今後の事を相談するか? ヴィル、なにを狙う?」

『ケニーヒ山のアースドラゴン』

「「駄目だ、あいつは無理だ」」
「父さんとギルマス、めっちゃ気が合ってるね」
「本当ですね。仲良しです」

「またお前ら呑気にしやがって」
「ケニーヒは無理だ。アメリアでも、生きて帰っては来れんぞ」

「それに奴は、長い間大人しくしてるしな。もし討伐に失敗したら、大問題になる」

『奴は気が短い。ほんのちょっとつついてやれば、直ぐに暴れ出す』

「ヴィル? アースドラゴンと仲良しなんですか?」
「ちび助、この流れで何でそう思う?」
「? 詳しそうだから?」

「はぁ、何でこいつが全属性持ちなの? 女神って何考えてるの?」

『あやつは何も考えておらんな。気まぐれで、自分勝手で』

「えっ? ヴィル、自分の事言ってる?」
「ギルマス、凄い勇気。フェンリルに喧嘩売ってる」

「アメリアも俺も風属性が使える。アースドラゴンは何とかなるだろうが、毒の山だぞ」
「あそこの毒は1Km以上になってるんだろ?」

『2Kmはあろうて』

「もっとヤバいじゃん。別を探そうぜ」
「・・」
「ノア、何考え込んでんだよ」
「いや、ヴィルが言うなら何か方法があるのかもって」
「すげえ信頼だがな、死んだら終わりだぞ」

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