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ワイバーンと白銀の狼

6.ワイバーン祭り

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「ほんとです。全然いませんでした」
「ここにいるワイバーンはまだあったかいしな、討伐したてなのは本当だろう」

「キュイ」

『ギーが肉が痛むと騒いでおるぞ』

「あっ、ノアさん。ギーがお肉が傷むって」
「取り敢えず片付けるか」
「はい」

 ミリアは小ぶりな一頭を残して、残りをインベントリに片付けた。

「こいつを捌いて、みんなで朝飯にしませんか?」
「良いんですか? ワシらはあんた達に酷く失礼な事を」

「よくある事なんで、気にしてません。以前、タチの悪い冒険者が来たんだろうと話してました」


 ミリアが風魔法で、ワイバーンを村で一番大きな戸板にのせた。ノアが刀と剥ぎ取り用ナイフで解体して行く。

「ワイバーンの皮はいい値段で売れるので、なるべく傷を付けずに解体した方がいいです。他にも牙とか歯も売れるので」

「おじちゃん、それくれるの?」
「こら」
「勿論だよ、じゃなけりゃ説明しない」

「売ったら、いっぱいご飯食べれる?」
「いっぱいかどうかはわからんが、色々買えるぞ」
「やったぁ、良かったねお母さん」

「あの、一緒にやっても良いですか?」
「勿論、ナイフは持ってる?」
「これがあります」
「少し砥ごう、それまでこれを使ってくれ。やり方を説明するから」

 その後、皮を干す者や干し肉を作る者。料理担当と、村全体でお祭り騒ぎになった。

「アメリアちゃん、これ美味しいね」
「ワンちゃん達も食べてるね」

「野菜も食えよ、お腹痛くなるぞ」
「えー、野菜あきたー」

「アメリアちゃんって、ちっちゃいのに魔法凄いね」
「王都では、こんな小さな子も冒険者になるんですか?」
「アメリアは、13歳ですよ」
「「・・またまた、冗談キツいって」」
「わっ私はこれから成長するんで」
「これは失礼をしました。しかし13歳で魔法使いとは凄いですね」

「アメリアちゃん、お姉ちゃんなの?」
「そうだよー」
 胸を張って、ドヤ顔のミリア。

「・・やっぱり13歳には見えん」
「うん」

 ミリアがガックリと項垂れていると、ノアが頭を撫でてくれた。
「ドンマイ」

「領主様にも見捨てられて、もう諦めるしかないと思うとりました。ワシらはここを出たら行くところがありません。もう死ぬしかないと」

「領主様は、何もしてくれないんですか?」
「はい、何度も頼みに行きましたが、話になりませんでした」

「あんた達、後で水汲みだよ。川で水浴びもね」
「やったあ」

「ノアさん、駄目?」
 ミリア必殺の上目遣い。

「仕方ないな。あんまりデカいのは駄目だぞ、大雨で氾濫したらまずい」
「了解です」

『我が手伝ってやろう』
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