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ワイバーンと白銀の狼

2.食材確保

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「書類は出来てるか?」

「ああ、後はでかい実績作って、その勢いで提出すれば済む。
但し余程でかいのじゃないと、審査に時間がかかってヤバくなる。ノア、お前腕治ってんだろ? 気付いてるやつ増えて来てるぞ」

「そうか」
「ノアでもどうにもならないって、思われる位のやつでないと、捻り潰される」

「で、捕まる」

 ミリアは話の意味がわからず、
「あの?」

「ちび助、お前はこれから益々目立ってくる。今は、ノアの影に隠れて何とかなってるが、バレるのは時間の問題だ」

「だから、アメリアを一気にSSランクに上げる。そうなれば、誰にも手出しできなくなるからな」

「えっ? 私なんて絶対無理です」

「ちび助、お前は自己評価低すぎんだよ。もっと自信を持て。フェンリルやドラゴン従えてる奴が、そんなんでどうする? フェンリルに叱られんぞ」

「従えてるんじゃなくて、仲間です。友達?」

「アメリア、お前が大したことない奴だったら、コイツらはお前と友達になったと思うか? 類は友を呼ぶって言うだろ?」

「父さん、間接的に自分も凄いって言ってる」
「エラ、お前いつの間に来たんだ?」

「書類とかの辺り?」
「殆ど初めからだな」

「てか、腕治ってんの? あたしには微妙だとか言ってたよね」

「そっそれはだな、その」
「ふーん、あたしは仲間はずれなんだ」

 ノアが慌てて立ち上がり、
「違う。腕が鈍ってるから、もうちょっと鍛え直してから」

『エラ、その大男は我に負けた。ボロ負けじゃ』

「「フェンリルの声が!」」

『念話を繋いだ』

「父さん、ヴィルに名前呼んで貰えてないんだ。情けない」
 エラは、はぁと大袈裟に溜息を吐いた。


『ミリアに合う魔物ならいる』
「マジか? どいつだ?」
『まだ鍛錬が必要じゃがの、特にその大男』

「俺が足を引っ張ってるのは解ってる」

『戦いは、技だけではあるまい』
「ヴィル? どう言う意味?」

『大男が、ミリアに負けておるのは技ではない、そうであろう?』
「ああ、ヴィルの言ってる意味は解ってる」

「父さん」

『暫くは修行じゃな』

「だったらワイバーン、やってきてくんねぇかな?」
「キュイ、キュイキュイ」
『ギーはワイバーンが好物じゃと言うておる』

「了解です。ノアさん、ギーのご飯ゲットしに行きましょう」

「エラ、なんかこの子ヤバすぎない? 普通はワイバーンって聞いたらビビるよね」
「だってアメリアだもん」

「だよねー、ちび助だもんなぁ。こいつがビビる魔物っていんの?」
「多分だけど、人間?」
「それ、俺も怖いわ」

 ノアが勢い良く立ち上がった。両手で頬を叩き、気合を入れた。

「よっしゃ、食材確保行ってくるか」
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