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アカデミー、後期

17.試験結果

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 ミリアはそのまま、地上まで上がってダンジョンから出た。真っ直ぐ受付のワドル先生の元に行き、

「Sクラス、ミリア・オルグレン。帰りました」
 記録石の付いたブレスレットを返却した。

「まだ8日目ですよ。もう終わりにするのですか?」
「はい」
「期末試験の結果次第では、Sクラスに残れなくなりますが、構わないのですね」
「構いません」
「随分自信がある様ですが、何か特別な方法でも?」
「別に、失礼します」


 ミリアは寮に戻った。クリーンをかけてベッドに潜り込み、朝までぐっすり眠った。


 10日間のダンジョン攻略試験は、無事終了した。みんなギリギリまで粘り、かなりの数の魔物を倒したらしい。1週間後、試験結果が発表され夏休みに入る。

 ミリアは退学届と、侯爵家からの除籍手続き書類を作成し、試験発表を待っている。

 攻略試験から途中離脱したミリアは、

「ざまぁないね」
「ずるばっかりするからよ」
「無様ね」
「少しは懲りたんじゃないかしら」

 成績が張り出された。掲示板の前では大勢の生徒が騒いでいる。

 1位 ミリア・オルグレン  998
  :
  :
 4位 ライリー・クレメンス 953
  :
 6位 ビクター・オズワルド 921
 7位 リチャード・ミューラー903
  :
 25位 ジャック・スタンレー 822
  :
  :
 63位 グレース・オルグレン 510
  :

「嘘でしょ」
「何で?」
「またなんかしたのね」

 ライリー殿下達は、順位も成績も落ちている。ライリーと側近候補達はミリアを睨んでいた。

「ミリア・オルグレン、後で教員室へ来なさい」
 担任のシーモア先生の声が響いた。


 ライリー殿下と、腕を組んだグレースがやって来た。

「ミリア、聞きましたわよ。とうとう呼び出しを受けたって。アカデミーに尻尾を掴まれましたのね」
「・・」
「オルグレンさん、早めに謝るといいよ。罪が軽くなるように、俺から口添えしてあげよう」
「ライリー様ったら、ミリアなんかにまで優しくされるなんて」
「流石ですね、ライリー様」

「失礼します」
 ミリアが席を立つと、ライリーがまた声をかけて来た。
「教員室かい? 一緒に行ってあげよう」
「ご親切ありがとうございます。一人で行けますので」

「なんて人かしら。ライリー様の親切を断るなんて」
「信じられないわ」

 チラリと、例の男子生徒ケビンを見た。椅子に座り下を向いている。ミリアは鞄を持ち、教員室に向かった。


「シーモア先生はいらっしゃいますか?」
「おう、きたか。全く厄介ばかり起こして」
「何の事だかわかりません」
「ちっ」
 シーモア先生は舌打ちをして、
「バレてないと思ってるんだろうがな、記録石にしっかり残ってる。会議室に行こうか」


 ミリアは、シーモア先生に鑑定を行った。

 【鑑定】 魅了 中程度
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