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7.直感のソフィーと守銭奴ハンナ
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「領地経営は順調だけど豪遊出来るほどの資産があるわけでもない。よくある良心的な田舎領主って感じで、無理な納税を強要することもない領主は領民に愛されてるって。
領地に篭りきりの子爵は王都で息子がやらかしまくってる事に気づいてなかったけど、領内に少しずつ噂が広まってるみたい」
「そっか。なら暫くしたらハーベイ・ベルメス子爵令息のやらかしは終息・・犯罪立証までいけるかな。息子可愛さで見逃すような人だったらタダじゃおかないんだけど」
「ソフィーはあいつらがやってるのがただの乱行パーティーだとは思ってなかったんだ」
「うん、最初現地を歩いた時気がついた」
平民街に程近いベルメス邸では月に数回夜を徹してパーティーが行われるが、その際酔っ払った参加者が平民街に繰り出し暴れ回る事が頻繁にある。騒音と喧嘩や破壊で被害続出だが参加者は皆貴族なので泣き寝入りするしかない状況が何年も続いている。
「資金集めでアイツらがやってるのは多分・・薬や誘拐だと思ってる。怪しい人の出入りがある。それにあの辺りの住人にも怪しい人が結構いたし」
「正解。この国は奴隷制を廃止してるから他国に売ってるって。アンタって普段ボケーっとしてるように見えるけど・・流石はその年で王都一の不動産会社経営してるだけあるわ。たまーに感心する」
「なら・・競売でおとして・・リノベーションは暫く様子を見てからはじめる事にする。ショーンに頼むから明日時間を作るよう言っといて」
ショーンは買付担当者の1人でこの手の微妙な物件を担当することが多い。
「了解。そろそろソフィーに専属の秘書つけようかしら」
「ハンナが2人に分裂したらね」
「げー、堪忍して」
ケラケラと笑った2人は屋敷の周りを一周してから玄関に鍵をかけ会社に戻るため歩き出した。
「そう言えば、犬を飼うって言ってたけど小型の室内犬じゃないの? 大型犬を飼うと世話が大変よ?」
「これから勉強してピピっときた子を飼いたいの。小型犬なら2匹とか3匹とか。大型犬なら1頭・・は可哀想かなあ」
「ピピっとねえ」
「最初に買ったボロ屋の時からこの直感でやってきたんだもん。きっと素敵な出会いが待ってるはず」
ハンナの『楽天家、ロマンチスト』と言う小声が聞こえて来たがソフィーは意にも介さず周りをキョロキョロと見回している。
「確かに今まではそれで上手くいってるけど、いい歳なんだからそろそろ直感で突き進むより熟慮とか賢明な判断に頼った方が良いよ」
「そこは任せるよ。私が発案してハンナが検討する! で、うまくいってるでしょ?」
「はあ~。ねえ、アタシに騙されるとか思わないわけ?」
「私、人を見る目だけは自信があるつもりなの。ハンナの事は誰よりも信用してるから、もし裏切られたら私の見る目がなかったって事」
「そうやってアタシを牽制してるんでしょ」
「確かに、それもあるかも」
ハンナが眉間に皺を寄せるのを見たソフィーは声を上げて笑った。
屋敷の修繕は戻ったより時間と費用がかかった。柵の修理と庭の草むしりや屋敷の中の掃除をいっぺんにはじめようとしたらハンナの拳骨が飛んできた。
「一体いくらかかると思ってんの! その前に働きなさい。じゃないとアンタの給料差し押さえるわよ!」
新しく家を購入して修繕して貸し出して・・。ソフィーの会社の一番の売りは、
【個性的な家!】
それぞれの家に特徴づけをして他より少し高めの賃料を貰う。低所得者向けの物件はシンプルで必要最小限の設備にして控え目の賃料に設定している。
職種に限らず社員もアイデアを出す。採用されたアイデアには特別ボーナスが出る為社員の意欲も高い。
そんな中、ソフィーはハンナに追い回されながら保育学校設立資金調達の為に今まで以上に仕事をこなしていった。
(うーん、社長業って切ない)
「ねえ、ナニーってどこで探せばいいと思う?」
ハンナが仕事部屋のドアを開けると机の上にかがみ込んでいたソフィーが顔を上げて聞いてきた。いつになくどんよりした目は今朝の郵便で届いた手紙が原因だろう。
「紹介所に行ったんでしょ。それで悩んでるの?」
「悩みはまあ別の事だから。
紹介所・・ダメだったんだよねー。うちって平民の子供を預かる予定じゃん? みんなそれを聞いた途端怒って席を立っちゃう」
ソフィーは手にしていた手紙を机の上に放り出して引き出しからチョコレートの箱を取り出した。部屋の隅の簡易キッチンで湯を沸かしはじめたソフィーは心ここに在らずといった様子でカップや茶葉を準備している。
「あー、それねえ。ナニーなんて雇うのは貴族か金持ちだもんね」
「そうなんだよね、共働きしてる家の子供って聞いただけで『野獣の相手は出来ません!』とか。今回は書類を投げつけられた。平民出身者ならいけると思う?」
「どうかなあ。そう言う輩の方がプライド高かったりするしねえ。ベビーシッターか子守りの経験ありならいけるんじゃないかな」
「そうか・・その線で募集かけてみるしかないか」
「で? マイラスの期間限定のチョコレートを出したとこみると・・お悩み相談?」
ハンナの目はチョコレートに釘付けでぱっと見はソフィーの心配をしているようには見えない。
「ううん、手紙を一つ書くだけだから今はまだ大丈夫。前回書いた手紙の下書きを残してるからそれを書き写すつもり」
今朝顧問弁護士から届いた手紙にはソフィーの婚約者から届いた手紙が添付されていた。と言ってもソフィーはその人物に会ったこともなく婚約した覚えもない。
「今回で2回目?」
領地に篭りきりの子爵は王都で息子がやらかしまくってる事に気づいてなかったけど、領内に少しずつ噂が広まってるみたい」
「そっか。なら暫くしたらハーベイ・ベルメス子爵令息のやらかしは終息・・犯罪立証までいけるかな。息子可愛さで見逃すような人だったらタダじゃおかないんだけど」
「ソフィーはあいつらがやってるのがただの乱行パーティーだとは思ってなかったんだ」
「うん、最初現地を歩いた時気がついた」
平民街に程近いベルメス邸では月に数回夜を徹してパーティーが行われるが、その際酔っ払った参加者が平民街に繰り出し暴れ回る事が頻繁にある。騒音と喧嘩や破壊で被害続出だが参加者は皆貴族なので泣き寝入りするしかない状況が何年も続いている。
「資金集めでアイツらがやってるのは多分・・薬や誘拐だと思ってる。怪しい人の出入りがある。それにあの辺りの住人にも怪しい人が結構いたし」
「正解。この国は奴隷制を廃止してるから他国に売ってるって。アンタって普段ボケーっとしてるように見えるけど・・流石はその年で王都一の不動産会社経営してるだけあるわ。たまーに感心する」
「なら・・競売でおとして・・リノベーションは暫く様子を見てからはじめる事にする。ショーンに頼むから明日時間を作るよう言っといて」
ショーンは買付担当者の1人でこの手の微妙な物件を担当することが多い。
「了解。そろそろソフィーに専属の秘書つけようかしら」
「ハンナが2人に分裂したらね」
「げー、堪忍して」
ケラケラと笑った2人は屋敷の周りを一周してから玄関に鍵をかけ会社に戻るため歩き出した。
「そう言えば、犬を飼うって言ってたけど小型の室内犬じゃないの? 大型犬を飼うと世話が大変よ?」
「これから勉強してピピっときた子を飼いたいの。小型犬なら2匹とか3匹とか。大型犬なら1頭・・は可哀想かなあ」
「ピピっとねえ」
「最初に買ったボロ屋の時からこの直感でやってきたんだもん。きっと素敵な出会いが待ってるはず」
ハンナの『楽天家、ロマンチスト』と言う小声が聞こえて来たがソフィーは意にも介さず周りをキョロキョロと見回している。
「確かに今まではそれで上手くいってるけど、いい歳なんだからそろそろ直感で突き進むより熟慮とか賢明な判断に頼った方が良いよ」
「そこは任せるよ。私が発案してハンナが検討する! で、うまくいってるでしょ?」
「はあ~。ねえ、アタシに騙されるとか思わないわけ?」
「私、人を見る目だけは自信があるつもりなの。ハンナの事は誰よりも信用してるから、もし裏切られたら私の見る目がなかったって事」
「そうやってアタシを牽制してるんでしょ」
「確かに、それもあるかも」
ハンナが眉間に皺を寄せるのを見たソフィーは声を上げて笑った。
屋敷の修繕は戻ったより時間と費用がかかった。柵の修理と庭の草むしりや屋敷の中の掃除をいっぺんにはじめようとしたらハンナの拳骨が飛んできた。
「一体いくらかかると思ってんの! その前に働きなさい。じゃないとアンタの給料差し押さえるわよ!」
新しく家を購入して修繕して貸し出して・・。ソフィーの会社の一番の売りは、
【個性的な家!】
それぞれの家に特徴づけをして他より少し高めの賃料を貰う。低所得者向けの物件はシンプルで必要最小限の設備にして控え目の賃料に設定している。
職種に限らず社員もアイデアを出す。採用されたアイデアには特別ボーナスが出る為社員の意欲も高い。
そんな中、ソフィーはハンナに追い回されながら保育学校設立資金調達の為に今まで以上に仕事をこなしていった。
(うーん、社長業って切ない)
「ねえ、ナニーってどこで探せばいいと思う?」
ハンナが仕事部屋のドアを開けると机の上にかがみ込んでいたソフィーが顔を上げて聞いてきた。いつになくどんよりした目は今朝の郵便で届いた手紙が原因だろう。
「紹介所に行ったんでしょ。それで悩んでるの?」
「悩みはまあ別の事だから。
紹介所・・ダメだったんだよねー。うちって平民の子供を預かる予定じゃん? みんなそれを聞いた途端怒って席を立っちゃう」
ソフィーは手にしていた手紙を机の上に放り出して引き出しからチョコレートの箱を取り出した。部屋の隅の簡易キッチンで湯を沸かしはじめたソフィーは心ここに在らずといった様子でカップや茶葉を準備している。
「あー、それねえ。ナニーなんて雇うのは貴族か金持ちだもんね」
「そうなんだよね、共働きしてる家の子供って聞いただけで『野獣の相手は出来ません!』とか。今回は書類を投げつけられた。平民出身者ならいけると思う?」
「どうかなあ。そう言う輩の方がプライド高かったりするしねえ。ベビーシッターか子守りの経験ありならいけるんじゃないかな」
「そうか・・その線で募集かけてみるしかないか」
「で? マイラスの期間限定のチョコレートを出したとこみると・・お悩み相談?」
ハンナの目はチョコレートに釘付けでぱっと見はソフィーの心配をしているようには見えない。
「ううん、手紙を一つ書くだけだから今はまだ大丈夫。前回書いた手紙の下書きを残してるからそれを書き写すつもり」
今朝顧問弁護士から届いた手紙にはソフィーの婚約者から届いた手紙が添付されていた。と言ってもソフィーはその人物に会ったこともなく婚約した覚えもない。
「今回で2回目?」
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