11 / 65
11.情熱を滾らせる末っ子 sideレオ
しおりを挟む
レオナルドが騎士修道会を出発して2週間経った。修道服以外を着るのは偵察の時の平民服くらいだったので、妙に着心地が悪い気がする。ちなみに今着ているのは5年前に騎士修道会に向かう時着ていた服。
(多分サイズの問題だな。肩と腕がパツパツだ)
のんびりと馬を走らせ気が向いた宿に泊まり好きなものを食べる生活はレオナルドの眉間の皺を薄くしてくれたが、どこに行っても怖がられるのは変わらなかった。
「ぼっ、冒険者の方です・・よね?」
「ひっ! ごめんなさいぃ」
騎士修道会にやって来たアントリム侯爵家の末っ子は四男のジョシュア。
今ジョシュアが住んでいるのは王都の貴族街にある修繕してそれほど経っていない屋敷。3階建てのバロック様式の建物は楕円をモチーフとする過剰な装飾の豪奢な建物だった。
(こんなとこで幼児学校をやるのか?)
レオが玄関脇の警備室に声をかけるとうたた寝していた門番が『ひいっ』と聞き慣れた悲鳴を上げた。引き攣っている門番にレオナルドが名前を告げると玄関に向けて脱兎の如く走って行った。
(あんなんで門番の役に立つのか? 王都は平和なんだな)
「レオ兄様、遅ーい。ずっと待ってたのよ」
門番を放置したままジョシュアがドレスの裾をからげて豪快に走ってきた。
「ああ、久しぶりの休暇なんでちょっとのんびりしてた」
「しょうがないわね。で、沢山怖がらせてきた?」
「そこは、楽しんできたのかを聞くとこだろ?」
ニマニマ笑うジョシュアはレオの腕を引き屋敷に向けて歩き出した。
「レオ兄様が楽しんだのは顔を見たら分かるもの。それと同じくらい周りを恐怖に陥れてきたのもね」
レオナルドが来たのが嬉しいようでジョシュアは腕にぶら下がったまま離れようとしない。昔からジョシュアは3人の兄の中でもレオナルドに一番懐いていたので、レオナルドが騎士修道会に向けて出発する日は前日から泣き続けて目が開かないくらい泣き腫らしていた。
「レオ兄様が出て行くのはお父様のせいね。絶対に絶対に許さないんだからね!」
父親は小さい頃から末っ子のジョシュアを溺愛していたが、マーカスの手紙には『あの日以来ジョシュアに塩対応され続けて拗ねている』と書かれていた。
「なあ、こんな奴に幼児学校の手伝いができると思うのか?」
「大丈夫。詳しい事は中で話すけど、レオ兄様にピッタリのお仕事なの」
装飾過多のドアを通り抜ける時、待機していた従僕が顔を引き攣らせているのが目に入った。ジョシュアはメイドにお茶の準備を頼みながら応接室らしき部屋にレオを連れ込んだ。
「どう、素敵でしょう? 直すのに2年もかかったのよ。元々は別の目的だったんだけど・・それぞれの部屋の家具は別々の様式になってるから後で一緒に見て回りましょうね」
「一体どれだけ金をかけたんだ?」
「貴族の子女を預かるのよ。それなりじゃなきゃ格好がつかないと思うわ」
レオの方を見ないようにしながらメイドがお茶を準備し終えるとそそくさと部屋を出て行った。レオがカップを手にして香りを楽しんでいるとジョシュアがじっと凝視してきた。
「ん?」
「何でみんな怖がるのかなあって思って見てたの。見慣れたらレオ兄様が一番優しくてカッコいいって分かると思うんだけどなぁ」
「見慣れたらな。見慣れるまで凝視するのはハードだぞ? で、何が問題なんだ?」
「んー、それより先に部屋を見てもらおうかなー。自慢の設備なの」
よしっと立ち上がったジョシュアに腕を引っ張られたレオナルドは大急ぎでお茶を飲み干して順番に部屋を見て回った。
「さっきいたのは一番大きな部屋で応接室だから一番豪華な様式にしたの。それがウィリアム&メアリー様式」
この様式は左右非対称で渦巻きの模様や翼を広げた鷲などのモチーフが多く芸術的な要素がとても強い。パーケットリーやマーケットリーなどのデザインが影響している。
「この動物の脚のカタチをデザインした『カブリオールレッグ』が特徴なの」
次の部屋はチューダー様式。ローレリーフと呼ばれる彫りで家具の前面などにチューダーローズやメダリオンヘッドが彫られている。
エリザベス様式の部屋は、背もたれのついたダイニングチェアやバルボスレッグと呼ばれる細工が珍しい。部屋の傍らにはドローリーフテーブルが置かれていた。
「ジャコビアン様式のこの部屋が一番のお気に入り。装飾が華やかで女の子らしいでしょ。何よりこの挽きもの細工を見て! これってろくろや旋盤を使って作ってるのよ。ここは女の子専用の部屋に決めてるの」
家具の前面や側面に『リネンフォールド』と呼ばれる布を折り返したようなデザインの彫りもあった。
「じゃじゃーん、引き出しの出し入れすっごくスムーズでしょ? サイドランナーって言うの」
うっとりと家具を眺めるジョシュアは閉めたばかりの引き出しを開けたり家具の彫り物を撫でたりしながら『ほうっ』っと溜息をついた。
「ここはウォルナット製の家具のカロリアン様式のお部屋。木目が細かくて木が硬くないからこんな大ぶりの彫刻が出来るようになったの。この螺旋『バーリーシュガーツイスト』って言うのよ」
レオはジョシュアについて食堂や厨房も見て回った。
「なあ、幼児学校より女性用のサロンとか博物館の方が合ってないか?」
「そんなことないわよー。小さい頃から本物に囲まれてこそ真の貴族になれるの。美しい部屋で正しい教育を受ければ学校に入った時落ちこぼれなんて絶対に出ないはず」
「ここで家庭教師をするって事か?」
「そう、学校に入る前に家庭教師から逃げ出して遊び呆けるガキども・・子供達を正しく育成するの」
ドヤ顔のジョシュアが元気良くサムズアップした。
「で、何が問題なんだ?」
(多分サイズの問題だな。肩と腕がパツパツだ)
のんびりと馬を走らせ気が向いた宿に泊まり好きなものを食べる生活はレオナルドの眉間の皺を薄くしてくれたが、どこに行っても怖がられるのは変わらなかった。
「ぼっ、冒険者の方です・・よね?」
「ひっ! ごめんなさいぃ」
騎士修道会にやって来たアントリム侯爵家の末っ子は四男のジョシュア。
今ジョシュアが住んでいるのは王都の貴族街にある修繕してそれほど経っていない屋敷。3階建てのバロック様式の建物は楕円をモチーフとする過剰な装飾の豪奢な建物だった。
(こんなとこで幼児学校をやるのか?)
レオが玄関脇の警備室に声をかけるとうたた寝していた門番が『ひいっ』と聞き慣れた悲鳴を上げた。引き攣っている門番にレオナルドが名前を告げると玄関に向けて脱兎の如く走って行った。
(あんなんで門番の役に立つのか? 王都は平和なんだな)
「レオ兄様、遅ーい。ずっと待ってたのよ」
門番を放置したままジョシュアがドレスの裾をからげて豪快に走ってきた。
「ああ、久しぶりの休暇なんでちょっとのんびりしてた」
「しょうがないわね。で、沢山怖がらせてきた?」
「そこは、楽しんできたのかを聞くとこだろ?」
ニマニマ笑うジョシュアはレオの腕を引き屋敷に向けて歩き出した。
「レオ兄様が楽しんだのは顔を見たら分かるもの。それと同じくらい周りを恐怖に陥れてきたのもね」
レオナルドが来たのが嬉しいようでジョシュアは腕にぶら下がったまま離れようとしない。昔からジョシュアは3人の兄の中でもレオナルドに一番懐いていたので、レオナルドが騎士修道会に向けて出発する日は前日から泣き続けて目が開かないくらい泣き腫らしていた。
「レオ兄様が出て行くのはお父様のせいね。絶対に絶対に許さないんだからね!」
父親は小さい頃から末っ子のジョシュアを溺愛していたが、マーカスの手紙には『あの日以来ジョシュアに塩対応され続けて拗ねている』と書かれていた。
「なあ、こんな奴に幼児学校の手伝いができると思うのか?」
「大丈夫。詳しい事は中で話すけど、レオ兄様にピッタリのお仕事なの」
装飾過多のドアを通り抜ける時、待機していた従僕が顔を引き攣らせているのが目に入った。ジョシュアはメイドにお茶の準備を頼みながら応接室らしき部屋にレオを連れ込んだ。
「どう、素敵でしょう? 直すのに2年もかかったのよ。元々は別の目的だったんだけど・・それぞれの部屋の家具は別々の様式になってるから後で一緒に見て回りましょうね」
「一体どれだけ金をかけたんだ?」
「貴族の子女を預かるのよ。それなりじゃなきゃ格好がつかないと思うわ」
レオの方を見ないようにしながらメイドがお茶を準備し終えるとそそくさと部屋を出て行った。レオがカップを手にして香りを楽しんでいるとジョシュアがじっと凝視してきた。
「ん?」
「何でみんな怖がるのかなあって思って見てたの。見慣れたらレオ兄様が一番優しくてカッコいいって分かると思うんだけどなぁ」
「見慣れたらな。見慣れるまで凝視するのはハードだぞ? で、何が問題なんだ?」
「んー、それより先に部屋を見てもらおうかなー。自慢の設備なの」
よしっと立ち上がったジョシュアに腕を引っ張られたレオナルドは大急ぎでお茶を飲み干して順番に部屋を見て回った。
「さっきいたのは一番大きな部屋で応接室だから一番豪華な様式にしたの。それがウィリアム&メアリー様式」
この様式は左右非対称で渦巻きの模様や翼を広げた鷲などのモチーフが多く芸術的な要素がとても強い。パーケットリーやマーケットリーなどのデザインが影響している。
「この動物の脚のカタチをデザインした『カブリオールレッグ』が特徴なの」
次の部屋はチューダー様式。ローレリーフと呼ばれる彫りで家具の前面などにチューダーローズやメダリオンヘッドが彫られている。
エリザベス様式の部屋は、背もたれのついたダイニングチェアやバルボスレッグと呼ばれる細工が珍しい。部屋の傍らにはドローリーフテーブルが置かれていた。
「ジャコビアン様式のこの部屋が一番のお気に入り。装飾が華やかで女の子らしいでしょ。何よりこの挽きもの細工を見て! これってろくろや旋盤を使って作ってるのよ。ここは女の子専用の部屋に決めてるの」
家具の前面や側面に『リネンフォールド』と呼ばれる布を折り返したようなデザインの彫りもあった。
「じゃじゃーん、引き出しの出し入れすっごくスムーズでしょ? サイドランナーって言うの」
うっとりと家具を眺めるジョシュアは閉めたばかりの引き出しを開けたり家具の彫り物を撫でたりしながら『ほうっ』っと溜息をついた。
「ここはウォルナット製の家具のカロリアン様式のお部屋。木目が細かくて木が硬くないからこんな大ぶりの彫刻が出来るようになったの。この螺旋『バーリーシュガーツイスト』って言うのよ」
レオはジョシュアについて食堂や厨房も見て回った。
「なあ、幼児学校より女性用のサロンとか博物館の方が合ってないか?」
「そんなことないわよー。小さい頃から本物に囲まれてこそ真の貴族になれるの。美しい部屋で正しい教育を受ければ学校に入った時落ちこぼれなんて絶対に出ないはず」
「ここで家庭教師をするって事か?」
「そう、学校に入る前に家庭教師から逃げ出して遊び呆けるガキども・・子供達を正しく育成するの」
ドヤ顔のジョシュアが元気良くサムズアップした。
「で、何が問題なんだ?」
1
お気に入りに追加
441
あなたにおすすめの小説
【完結】『母の命を奪った罪人である自分は、誰にも愛されない』だと? そんなワケあるかボケっ!!
月白ヤトヒコ
恋愛
うちで開催されているパーティーで、家族に冷遇されている子供を見た。
なんでも、その子が生まれるときに母親が亡くなったそうで。それから、父親と上の兄弟に目の仇にされているのだとか。俺は初めて見たが、噂になる程の家族の言動。
俺、こういうの大っ嫌いなんだけど? ちょっと前に、親友が突然神学校に入りやがった。それもこういう理由で、だ。
というワケで、大人げなく怒鳴っている見苦しいオッサンと、罵倒されて委縮している子供の間に割って入ることにした。
俺の前で、そんなクソみたいなことしてるそっちが悪い。
罵倒されてる子は親友じゃないし、このオッサンはアイツの父親じゃないのも判ってる。
けど、赦せん。目障りで耳障りだ。
だから――――俺の八つ当たり受けろ? お前らが、その子にやってることと同じだろ。
「あなた方がそうやって、その子を目の仇にする度、冷遇する度、理不尽に叱責する度、『キャー、わたしの仇に仕返ししてくれてありがとう! わたしの産んだ子だけど、そんなの関係ないわ! だって、わたしの命を奪った子だものね! もっと冷遇して、もっとつらい目に遭わせて、追い詰めて思い知らせてやって!』って、そういう、自分の子供を傷付けて喜ぶような性格の悪い女だって、死んだ後も家族に、旦那に喧伝されるって、マジ憐れだわー」
死んだ後も、家族に『自分が死んだことを生まれたばかりの子供のせいにして、仇を討ってほしいと思われてた』なんて、奥さんもマジ浮かばれないぜ。
『母の命を奪った罪人である自分は、誰にも愛されない』だと? そんなワケあるかボケっ!!
設定はふわっと。
【では、なぜ貴方も生きているのですか?】の、主人公の親友の話。そっちを読んでなくても大丈夫です。
【完結】そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします。
たろ
恋愛
わたしの愛する人の隣には、わたしではない人がいる。………彼の横で彼を見て微笑んでいた。
わたしはそれを遠くからそっと見て、視線を逸らした。
ううん、もう見るのも嫌だった。
結婚して1年を過ぎた。
政略結婚でも、結婚してしまえばお互い寄り添い大事にして暮らしていけるだろうと思っていた。
なのに彼は婚約してからも結婚してからもわたしを見ない。
見ようとしない。
わたしたち夫婦には子どもが出来なかった。
義両親からの期待というプレッシャーにわたしは心が折れそうになった。
わたしは彼の姿を見るのも嫌で彼との時間を拒否するようになってしまった。
そして彼は側室を迎えた。
拗れた殿下が妻のオリエを愛する話です。
ただそれがオリエに伝わることは……
とても設定はゆるいお話です。
短編から長編へ変更しました。
すみません
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
待鳥園子
恋愛
婚約者が病弱な妹を見掛けて一目惚れし、私と婚約者を交換できないかと両親に聞いたらしい。
妹は清楚で可愛くて、しかも性格も良くて素直で可愛い。私が男でも、私よりもあの子が良いと、きっと思ってしまうはず。
……これは、二人は悪くない。仕方ないこと。
けど、二人の邪魔者になるくらいなら、私が家出します!
自覚のない純粋培養貴族令嬢が腹黒策士な護衛騎士に囚われて何があっても抜け出せないほどに溺愛される話。
【完結】大切にするってお約束しましたよね。忘れた人には⋯⋯お仕置きしたい人が大集合しました
との
恋愛
「付き合っている恋人がいるんだ。二人とも愛してる⋯⋯」
はじまりは国王の決めた婚姻だったけれど、毎日のように会いに来て『愛してる』『結婚する日が待ち遠しい』と囁いていた婚約者。
ところが、結婚式の前日になってまさかの二股報告。
とても仲良くしていた日々はなんだったの⋯⋯。
せめてもう少し早く教えてくれたらと思いつつも、婚約者に対してあまり無理を言えない過去を持つリリスティーナは、
「では、⋯⋯⋯⋯」
この決断を死ぬほど後悔した主人公と仲間達の戦い。
前作【育成準備完了しました。お父様を立派な領主にして見せます】登場人物も出てきます。
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済で、約九万文字程度。
R15は念の為・・
【完結】私なりのヒロイン頑張ってみます。ヒロインが儚げって大きな勘違いですわね
との
恋愛
レトビア公爵家に養子に出されることになった貧乏伯爵家のセアラ。
「セアラを人身御供にするって事? おじ様、とうとう頭がおかしくなったの?」
「超現実主義者のお父様には関係ないのよ」
悲壮感いっぱいで辿り着いた公爵家の酷さに手も足も出なくて悩んでいたセアラに声をかけてきた人はもっと壮大な悩みを抱えていました。
(それって、一個人の問題どころか⋯⋯)
「これからは淑女らしく」ってお兄様と約束してたセアラは無事役割を全うできるの!?
「お兄様、わたくし計画変更しますわ。兎に角長生きできるよう経験を活かして闘いあるのみです!」
呪いなんて言いつつ全然怖くない貧乏セアラの健闘?成り上がり?
頑張ります。
「問題は⋯⋯お兄様は意外なところでポンコツになるからそこが一番の心配ですの」
ーーーーーー
タイトルちょっぴり変更しました(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
さらに⋯⋯長編に変更しました。ストックが溜まりすぎたので、少しスピードアップして公開する予定です。
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
体調不良で公開ストップしておりましたが、完結まで予約致しました。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
ご一読いただければ嬉しいです。
R15は念の為・・
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
【完結】妹にあげるわ。
たろ
恋愛
なんでも欲しがる妹。だったら要らないからあげるわ。
婚約者だったケリーと妹のキャサリンが我が家で逢瀬をしていた時、妹の紅茶の味がおかしかった。
それだけでわたしが殺そうとしたと両親に責められた。
いやいやわたし出かけていたから!知らないわ。
それに婚約は半年前に解消しているのよ!書類すら見ていないのね?お父様。
なんでも欲しがる妹。可愛い妹が大切な両親。
浮気症のケリーなんて喜んで妹にあげるわ。ついでにわたしのドレスも宝石もどうぞ。
家を追い出されて意気揚々と一人で暮らし始めたアリスティア。
もともと家を出る計画を立てていたので、ここから幸せに………と思ったらまた妹がやってきて、今度はアリスティアの今の生活を欲しがった。
だったら、この生活もあげるわ。
だけどね、キャサリン……わたしの本当に愛する人たちだけはあげられないの。
キャサリン達に痛い目に遭わせて……アリスティアは幸せになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる