【完結】売られた喧嘩は買わせていただきます。修道院長VS平民の戦い。騎士と王子に助けられました

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21.何でここでティーパーティー?

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 その後、日々の世話は近所の婦人達が交代で手伝ってくれる事になったので、アイヴィは朝と夕方様子を見に行く事にした。


「何でついてくるかなぁ。二人が来るからマチルダさんちが困った事になってるんだけど」


 今日アイヴィのお供をしているのはライオネル王子。
 朝はカリタス修道士が、夕方はライオネル王子が付き添うためマチルダの家には二人を見たがっている女性達が待ち構えている。

「何か手伝えることがあるかもしれないし、二人の時間もできるしね」

「はぁ、そろそろ帰った方がいいと思うんだけど?」


 王子だということが周りにバレないようにと、アイヴィ達は敬語をやめてごく普通に話すようにしているが、王子はそれも嬉しいようでふるふると振っている大きな尻尾が見えるようだ。


「マチルダも私達が行くのを喜んでくれてるから大丈夫だよ」

「聞いたの?」

「一応ね。怪我人に負担をかけるようなら近くで待ってた方が良いかなって思ったから」

「その優しさを私にも分けて『アイヴィの事は放っておこう!』っていうのはどう?」

「それはないなぁ、気持ちを変えてもらいたいしね」

「そんなに呑気にしてて、この国大丈夫なのかしら」

「今頃陛・・父上が二人分必死で頑張ってるよ」

 アイヴィはライオネル王子をここに送り込んだ陛下に、ちょっぴり『ざまぁ』と思ってしまった。



 アイヴィを店まで送り届けたライオネル王子は、カリタス修道士と仲良く宿に帰って行った。
 アイヴィは店にいたジョセフを見つけ、カウンターのスツールに座り込んだ。

「ただいま~」

「おう、マチルダどうだった?」
「そっちは順調」

「順調じゃないのはどっちだ?」

「わかってるくせに。朝夕、マチルダさんちでティーパーティーが開催されてる。
持ち寄りのお菓子とかどんどん豪華になってくし。
父さんからあの二人に何とか言ってくれない?」

「マチルダはなんて言ってる?」
「一緒になって喜んでます! だからあの二人が図に乗っちゃうのよね」

「ならほっとけよ。マチルダは遠くに住んでる息子を思い出して喜んでんのかもしんねえしな」

「私は? 揶揄われる私の身になってよ」

「二人とも本気なのかねえ」

「な訳ないでしょ、一人は医者を抱え込みたい家族に頼まれて来てるんだし。
もう一人なんて修道士よ、本気なわけないじゃん」


「お前知ってるか? 修道士って辞められるんだぜ?」

「知らない、興味もないし。あの人のやりたい事は別だから」


「そのやりたい事って何なんだ? いつまでも秘密にしてるって事は俺に聞かせたくない話なんだろ?」


「・・カリタス修道士はね、修道院長の指示で私を毒殺するためについてきてるの」

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