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57.ジルベルト司祭と長話⋯⋯な、なんて贅沢な
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シーサーペントの討伐の後、そのまま自分の島に帰ってきたロクサーナは、ジルベルト司祭に連絡を入れた。
「お疲れ様だったね~」
かなりクマが薄くなったジルベルト司祭が通信鏡の前で微笑んだ。
「結構楽しかったし、サザエと帆立は美味しかったしで結果オーライかな。あと、帆立の貝殻を大量にゲットできたしね」
貝殻の使い道についてはジルベルト司祭にも話してあり、教会でも試したいと言っている。
「しかし、女神の愛し子とはなぁ⋯⋯流石にそれは見逃せないから、枢機卿達も今回は動くだろう」
「ねえ、そんなにレベッカを⋯⋯と言うか誰かをあの国に出したかったの?」
「いや、『そんなに乗り気なら』ってくらいだな。レベッカは修練もせず魔法も伸びない。権力だけ欲しがって、都合が悪くなると親の権力でゴリ押ししてくる。今回の件に参加した時がそうだっただろ?
なら、王国に住むって言うならラッキーってやつ」
「確かに、短い間しか見てないけど⋯⋯レベッカはポンコツ王子とか取り巻きに囲まれて、幸せそうだった」
「サブリナとセシルは⋯⋯ロクサーナなら気付いてたと思うけど、魔力とか魔法とかが弱まってた。他にもそういう魔法士達はいるが、彼女達の劣化は顕著でね」
「うん、サブリナは上位魔法が使えなくなってたし、セシルは魔力の減少が⋯⋯」
鑑定しなくてもわかるほどの劣化に、2人が落ち込み焦っているのが手に取るようにわかっていた。
「2人を見ているとさ、魔法に頼り切って生きる恐ろしさをひしひしと感じるもん」
「それなら、力があるうちに場所を変えれば⋯⋯と考えたんだ。力が弱くなったと言っても、他国の人に比べれば⋯⋯って思えたら違うかなあってね。
まだ予測に過ぎないんだけど、力の劣化には本人の精神状態が大きく影響すると考えられていてね。場所が変わって気持ちが落ち着けば、彼女達の状況も良くなるかもとか、力のある者達の中にいて益々萎縮しているのではないかとか⋯⋯本人達も納得していたんだけど、あまりうまく行ってないようで、とても残念に思ってるんだ」
サブリナとセシルの担当司教は別の人物だが、2人を完全に見放していたと言う。
『力が弱まっていく魔法士やら、聖女見習いにかける時間は無駄にしかならんからな』
「レベッカだけじゃなく、サブリナやセシルも自分で決めてダンゼリアム王国に行ったんだし、その後の行動も自分の意思だから。ロクサーナは気にしなくていいよ」
「うん、私の契約は学園の終業式の日で終わりだよね」
「うん、王国から退学じゃなくてそうしてくれってゴネられたから。ずるずると伸ばす理由が全く分からないよ」
「じゃあ、終業式に出たらそのままジルベルト司祭の執務室に飛ぶね。んで、お茶会かお食事会がしたい⋯⋯もちろん、時間があればだけどね」
「ロクサーナからのお誘いか! それは最高のプレゼントだな。何か欲しいものとかない? 俺に見つけられるものならなんでもいいよ?」
「う~ん、考えとくね」
「そうだ! ニール・ガーラント司教とアリエス・ジェファーソン以下3名の破門が決まったんだけど、本人達への通達はロクサーナの終業式の前日になった」
討伐隊についてはグレーゾーンの部分がある為、減俸と降格で様子を見る事になり、今後は王国からの依頼を受ける事はない。
人為的スタンピードと海獣騒ぎはなくなったが、魔物の森とその奥にあるダンジョンは手付かずのままなので、国の存続は優秀な冒険者を呼べるかどうかにかかってくるだろう。
「今までの依頼料は過去に遡って王国とガーラント司教達に請求して、その内訳は彼らで話し合ってもらう事になったんだ。
ガーラント達が王国からいくらもらっているかで、王国への請求額が変わるからね」
捕縛した帝国兵とテイマーは現在も教会の牢に収監されているが、記録については王国と帝国にコピーを送りつける事になっており、請求額はかなりの金額になる。
「ロクサーナには追加報酬が出る事になったから楽しみにしておいて」
「やった~、今度変異種のアラクネの勧誘に行ってこようかなぁ」
「その時は一緒に行きたいから、教えてくれるかな?」
「マジ? ジルベルト司祭のしつこさがあれば勧誘確実じゃん」
「しつこ⋯⋯いや、確かにそうかも。ロクサーナについては頑張って粘ったと自分でも思うからね。終業式まで島にいるの?」
「うん、そのつもり。色々やりたい事が山積みだもん。ひとつ気になってるんだけど⋯⋯王国の収入源は報告しなくていいの?」
「それは様子見しようと思うんだ。支払えないとか金がないとか言い出したら、証拠を突きつけて五割り増しくらいにしてもぎ取ってやる」
「うん、それ面白そう。偉そうにしてた王侯貴族が青くなるのが目に浮かぶよ」
「じゃあ、何かあったらすぐに連絡するんだよ? それと⋯⋯時間が合えばなんだけど⋯⋯島に遊びに行ってもいいかな。えーっと、その、転移門を使ってみたくて」
「あ、うん! 一番最初のお客様がジルベルト司祭だったらすごく嬉しい! まだ何もない島だけど、見て欲しいとこはいっぱいあるんだ」
「じゃあ、張り切って書類を片付けて休みをもぎ取るよ」
「休みかぁ⋯⋯ジルベルト司祭に教えてもらった言葉のひとつだね」
「そうだな。その割に有効活用してくれないけどね」
「あ⋯⋯うぅ⋯⋯も、もうすぐ休み放題だし。気になるなら時々チェックしにきたらいいんです! ジルベルト司祭は仕事命だから、そんな暇なんてないですけどね!」
「じゃあ、仕事を減らそうかな~」
「ええっ!? なんか変なものでも拾い食いしちゃったんですか。だめですよ! お腹壊しますからね。大丈夫そうでもヤバい草とかありますからね。
鑑定して、食べれるのか腐ってないのか調べてからじゃないと、口に入れちゃいけま⋯⋯」
「食べ物は拾わないし、拾っても食べないから」
「そそ、そうでした。美味しいサザエと帆立を食べに来て下さい。上位精霊のクラーケンも」
「ぷぷっ! そうだね。一緒に食べれば怖くない」
「犯罪者の片棒担がせるみたいな言い方じゃん⋯⋯ツルッツルにしてトイレで悲鳴上げさせてやるんだから」
「⋯⋯チェンジで」
「なら、ウルサさんが一番嫌がる『勃起不⋯⋯」
「やーめーれー! それはダメだし口にするのも禁止」
「医学用語です! 清廉潔白な司祭様ともあろう方が、何をおっしゃいますやら」
「次に会ったら頭ぐりぐりの刑だな」
「それ、懐かしいです」
「じゃあ、楽しみにしておいて」
★★ ★★
ふと目を離すと、今にも消えてしまうんじゃないかと思う時があるんですよ。
なんて言うか⋯⋯初めて会った10歳の時から変わらない不安定さを、固い鎧に閉じ込めてる感じで⋯⋯。
向かい風をわざわざ探し求めて立ち向かいたがるから、危なっかしくてハラハラし続けです。
不器用すぎて見てられない時がありまくりかと思うと、とんでもない無茶をしますしね。次に何が起きるのか、何をしでかすのか⋯⋯目が離せなくても仕方ないかなと。
『お金は正義、人は嫌い』
『神様なんて信じない』
何度もそう口にする少女が神と精霊に護られているんですから、あの方々には彼女の本心が見えているんでしょう。
ずっとそばにいて『大丈夫だよ』と声をかけ続けたいし、甘やかしたいし。けど、彼女は嫌がりそうで何も言えないまま。ただ見てるだけです。
え? いえ、年の差11才ですよ。兄妹よりも離れてますから、そう言う不埒な考えは駄目だと弁えてます。
上司と部下ですし、私のような過去を持つ者は⋯⋯。
えっ? まあ、確かにレオンと野宿したとか聞いた時は⋯⋯いや、ただ単に兄のような気持ちで心配をしていただけですから。
誰よりも大切にしたいと思うし、甘やかしたい。今でもあまり眠れないみたいですから、昔のように⋯⋯毎晩ホットミルクを作ってあげたいとかですね。
あの『期間限定銭ゲバ聖女』が、可愛くて可愛くて仕方ないんです。
「お疲れ様だったね~」
かなりクマが薄くなったジルベルト司祭が通信鏡の前で微笑んだ。
「結構楽しかったし、サザエと帆立は美味しかったしで結果オーライかな。あと、帆立の貝殻を大量にゲットできたしね」
貝殻の使い道についてはジルベルト司祭にも話してあり、教会でも試したいと言っている。
「しかし、女神の愛し子とはなぁ⋯⋯流石にそれは見逃せないから、枢機卿達も今回は動くだろう」
「ねえ、そんなにレベッカを⋯⋯と言うか誰かをあの国に出したかったの?」
「いや、『そんなに乗り気なら』ってくらいだな。レベッカは修練もせず魔法も伸びない。権力だけ欲しがって、都合が悪くなると親の権力でゴリ押ししてくる。今回の件に参加した時がそうだっただろ?
なら、王国に住むって言うならラッキーってやつ」
「確かに、短い間しか見てないけど⋯⋯レベッカはポンコツ王子とか取り巻きに囲まれて、幸せそうだった」
「サブリナとセシルは⋯⋯ロクサーナなら気付いてたと思うけど、魔力とか魔法とかが弱まってた。他にもそういう魔法士達はいるが、彼女達の劣化は顕著でね」
「うん、サブリナは上位魔法が使えなくなってたし、セシルは魔力の減少が⋯⋯」
鑑定しなくてもわかるほどの劣化に、2人が落ち込み焦っているのが手に取るようにわかっていた。
「2人を見ているとさ、魔法に頼り切って生きる恐ろしさをひしひしと感じるもん」
「それなら、力があるうちに場所を変えれば⋯⋯と考えたんだ。力が弱くなったと言っても、他国の人に比べれば⋯⋯って思えたら違うかなあってね。
まだ予測に過ぎないんだけど、力の劣化には本人の精神状態が大きく影響すると考えられていてね。場所が変わって気持ちが落ち着けば、彼女達の状況も良くなるかもとか、力のある者達の中にいて益々萎縮しているのではないかとか⋯⋯本人達も納得していたんだけど、あまりうまく行ってないようで、とても残念に思ってるんだ」
サブリナとセシルの担当司教は別の人物だが、2人を完全に見放していたと言う。
『力が弱まっていく魔法士やら、聖女見習いにかける時間は無駄にしかならんからな』
「レベッカだけじゃなく、サブリナやセシルも自分で決めてダンゼリアム王国に行ったんだし、その後の行動も自分の意思だから。ロクサーナは気にしなくていいよ」
「うん、私の契約は学園の終業式の日で終わりだよね」
「うん、王国から退学じゃなくてそうしてくれってゴネられたから。ずるずると伸ばす理由が全く分からないよ」
「じゃあ、終業式に出たらそのままジルベルト司祭の執務室に飛ぶね。んで、お茶会かお食事会がしたい⋯⋯もちろん、時間があればだけどね」
「ロクサーナからのお誘いか! それは最高のプレゼントだな。何か欲しいものとかない? 俺に見つけられるものならなんでもいいよ?」
「う~ん、考えとくね」
「そうだ! ニール・ガーラント司教とアリエス・ジェファーソン以下3名の破門が決まったんだけど、本人達への通達はロクサーナの終業式の前日になった」
討伐隊についてはグレーゾーンの部分がある為、減俸と降格で様子を見る事になり、今後は王国からの依頼を受ける事はない。
人為的スタンピードと海獣騒ぎはなくなったが、魔物の森とその奥にあるダンジョンは手付かずのままなので、国の存続は優秀な冒険者を呼べるかどうかにかかってくるだろう。
「今までの依頼料は過去に遡って王国とガーラント司教達に請求して、その内訳は彼らで話し合ってもらう事になったんだ。
ガーラント達が王国からいくらもらっているかで、王国への請求額が変わるからね」
捕縛した帝国兵とテイマーは現在も教会の牢に収監されているが、記録については王国と帝国にコピーを送りつける事になっており、請求額はかなりの金額になる。
「ロクサーナには追加報酬が出る事になったから楽しみにしておいて」
「やった~、今度変異種のアラクネの勧誘に行ってこようかなぁ」
「その時は一緒に行きたいから、教えてくれるかな?」
「マジ? ジルベルト司祭のしつこさがあれば勧誘確実じゃん」
「しつこ⋯⋯いや、確かにそうかも。ロクサーナについては頑張って粘ったと自分でも思うからね。終業式まで島にいるの?」
「うん、そのつもり。色々やりたい事が山積みだもん。ひとつ気になってるんだけど⋯⋯王国の収入源は報告しなくていいの?」
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「うん、それ面白そう。偉そうにしてた王侯貴族が青くなるのが目に浮かぶよ」
「じゃあ、何かあったらすぐに連絡するんだよ? それと⋯⋯時間が合えばなんだけど⋯⋯島に遊びに行ってもいいかな。えーっと、その、転移門を使ってみたくて」
「あ、うん! 一番最初のお客様がジルベルト司祭だったらすごく嬉しい! まだ何もない島だけど、見て欲しいとこはいっぱいあるんだ」
「じゃあ、張り切って書類を片付けて休みをもぎ取るよ」
「休みかぁ⋯⋯ジルベルト司祭に教えてもらった言葉のひとつだね」
「そうだな。その割に有効活用してくれないけどね」
「あ⋯⋯うぅ⋯⋯も、もうすぐ休み放題だし。気になるなら時々チェックしにきたらいいんです! ジルベルト司祭は仕事命だから、そんな暇なんてないですけどね!」
「じゃあ、仕事を減らそうかな~」
「ええっ!? なんか変なものでも拾い食いしちゃったんですか。だめですよ! お腹壊しますからね。大丈夫そうでもヤバい草とかありますからね。
鑑定して、食べれるのか腐ってないのか調べてからじゃないと、口に入れちゃいけま⋯⋯」
「食べ物は拾わないし、拾っても食べないから」
「そそ、そうでした。美味しいサザエと帆立を食べに来て下さい。上位精霊のクラーケンも」
「ぷぷっ! そうだね。一緒に食べれば怖くない」
「犯罪者の片棒担がせるみたいな言い方じゃん⋯⋯ツルッツルにしてトイレで悲鳴上げさせてやるんだから」
「⋯⋯チェンジで」
「なら、ウルサさんが一番嫌がる『勃起不⋯⋯」
「やーめーれー! それはダメだし口にするのも禁止」
「医学用語です! 清廉潔白な司祭様ともあろう方が、何をおっしゃいますやら」
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「それ、懐かしいです」
「じゃあ、楽しみにしておいて」
★★ ★★
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なんて言うか⋯⋯初めて会った10歳の時から変わらない不安定さを、固い鎧に閉じ込めてる感じで⋯⋯。
向かい風をわざわざ探し求めて立ち向かいたがるから、危なっかしくてハラハラし続けです。
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何度もそう口にする少女が神と精霊に護られているんですから、あの方々には彼女の本心が見えているんでしょう。
ずっとそばにいて『大丈夫だよ』と声をかけ続けたいし、甘やかしたいし。けど、彼女は嫌がりそうで何も言えないまま。ただ見てるだけです。
え? いえ、年の差11才ですよ。兄妹よりも離れてますから、そう言う不埒な考えは駄目だと弁えてます。
上司と部下ですし、私のような過去を持つ者は⋯⋯。
えっ? まあ、確かにレオンと野宿したとか聞いた時は⋯⋯いや、ただ単に兄のような気持ちで心配をしていただけですから。
誰よりも大切にしたいと思うし、甘やかしたい。今でもあまり眠れないみたいですから、昔のように⋯⋯毎晩ホットミルクを作ってあげたいとかですね。
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