60 / 126
55.チビと熊はもしかして間抜け仲間?
しおりを挟む
「なに? もしかして、チビは聖女様の事、詳しいとかか?」
(空までピカ~で、女神の愛し子? ヤバいよ~、教会どころか聖王国がブチ切れる)
かなり昔にはなるが、歴史上『大聖女』は何度か存在したことがある。
しかし『女神の愛し子』は古い記録にあるだけの伝説の存在で⋯⋯大聖女以上の力を持ち精霊達を従え、神と対話する神の代理人。
(どこまでやらかす気かなぁ。ジルベルト司祭は知ってるのか⋯⋯今晩聞いてみよ)
【ロクサーナ、女神の愛し子について気付いた事を簡潔にまとめよ】
(⋯⋯う~ん⋯⋯ないな!)
【ロクサーナ~、女神の愛し子の説明したげるよ~】
(いえ! 結構でっす)
【ミュウ達が上位精霊で、カイちゃんとクロちゃんが神だと知っ⋯⋯】
(いーや、私はなんっにもしりまっせん!)
「なあ、聖女の事を知ってるなら教えてくれ。聖女の祈りとやらに、どんな効果があるのか」
「聖女の祈りの効果ねえ⋯⋯昔っから『信じるものは救われる』とか『鰯の頭も信心から』とか言うじゃん。信じる人にはなんかある⋯⋯あるかなあ?
祈りって漠然とし過ぎててよく分かんない。
聖王国で聖女って言うのはひとつの職業なんだよね。光属性特化型魔法士の別名が聖女なだけ」
魔法士も聖女も何かしらの魔法を使って結果を残すが⋯⋯光属性の魔法に『祈り』と言う漠然とした魔法はない。
一般的に考えられている、祈る聖女の力のイメージは、清らかな心で全ての人を包み込む? 全てを癒す? だろうか。
(そんなふわ~っとした効果、神級魔法にもないからね)
ピカ~っと光らせるにしても《ライト》では流石に空までは光らない。ヒールやエリアヒールで光りはするが、やっぱり空までは光らないはず。
「魔導具だな、うん」
魔導具には舞踏会用の広い会場や舞台を照らす、強力なライトが数多く発明されている。
雰囲気作りとセリフに加えて、魔導具のライトで演出は完璧。聖女としての地盤固めに利用したのだろう。
(そこまでしてポンコツ王子を手に入れたいとか? 誰も取らないと思うのに⋯⋯聖王国を敵に回してポンコツをゲットとか、結構レアな趣味してるよ。ゲテモノ好きを極めると、ああ言うのが良いとかかなぁ)
「まあ、どっちにしても⋯⋯アレは偽物だからなあ。信じるなら鰯の頭を勧めるね。身が食える。骨もせんべいにすればオッケー」
「王族を従えてやってきたんだぜ、本当に偽物?」
「そう、彼女はマックバーン侯爵家のレベッカで、水属性魔法がちょこちょこ使える聖王国の魔法士見習いなんだよね。
回復系ではヒールミストが使えるから、指にさかむけができた時とかなら痛みは取ってくれるし、回復が少し早くなる。
んで、頑張って成長しても聖女にはなれないし、修練嫌いだから見習いの中でもランクは低い。
えーっと、女神の愛し子は歴史上存在したことがない伝説だし、聖女にも大聖女にもなれないレベッカには可能性もないな。
レベッカはポンコツ王子をゲットしようとして色々しでかしてる最中だから」
呆然としたウルサ達がポカンと口を開けた間抜けな顔で⋯⋯。
「偽物⋯⋯あんだけ派手に騒いで?」
「魔法士見習い⋯⋯見習いってなんじゃそれ」
「ささ、さか、さかむけ?」
「ポンコツお⋯⋯うっそお、趣味悪ぅ。でも、なんで知ってるの?」
「私が聖王国の聖女だからだね~。期間限定聖女だし、もうすぐ契約終わってフリーになるし⋯⋯みんなの顎が外れそうですね~。わっはっは」
「はぁ、聖女のイメージがぶっ壊れた⋯⋯」
「失敬な! まあ、人嫌いでお金大好きだけどね~。何人も聖女って職業の人を知ってるけど、みんなどろっどろのネチョネチョだよ?」
人の足引っ張るのが大好きだったり、愛人に捨てられると叫びながらせっせと働いたり。人の薬草園に入り込んで薬草を盗んで転売したり、踏み潰したり⋯⋯。
「所詮は人間だからね~、汚いのが普通」
聖女だと偽証する程度なら今は見逃すと言うのが教会上層部の総意⋯⋯だってレベッカを引き取ってくれるならラッキーだって、みんなが思ってるからね~と言ったのはジルベルト司祭。
(女神の愛し子発言も見逃すのかどうなのか⋯⋯な~んて、どっちでも良いけどね~。私は後2ヶ月で契約終了だも~ん)
「偽の聖女に振り回されてるだけなら、シーサーペントを殺ってもいんじゃね?」
「だな」
「殺りましょう」
「よよ、よっしゃ」
「まず初めに、ギルド長と領主を誘き出したいから、一発港で騒ぎを起こす。で、2人の前で熊は堂々と船を出して」
「熊じゃねえし」
「チビじゃねえし⋯⋯ゴホン⋯⋯熊なら奴等を派手に挑発できるっしょ? その後はシーサーペントを呼び出して、奴らの目の前で殺る」
「ロクサーナが言うと簡単そうに聞こえるわ~」
「俺の扱いだけ酷くないか?」
「いいじゃん、熊だもん」
「チビ」「熊」「チビ」「熊」
「はあ~」
「ふ~んだ」
領主とギルド長のスケジュールを調べ、決行は3日後の土曜日と決まった。
今回はスタンピードの時のように、待たなくてもいいと言われている。
『スタンピードは敵を捕まえたかったから、奴等が出てくるまで待ってもらったけどさ、シーサーペントは待たなくていいよ~』
決行の日までに帆立の貝殻を買い取り、今後の契約も済ませたロクサーナはホクホク顔。
「シーサーペントが終わったらさ、とうとうセイレーンからのキルケーかぁ。ここまで長かったな~」
【フェイとは連絡取れてる。でもさ、無茶はダメだからね】
船首から顔を覗かせているロクサーナは、セイレーン達がいる島を見つめていた。
一番初めに狙いたかったのはセイレーンだったが、領主達をボコすためにシーサーペントを狙う。
シーサーペントは、たてがみのような毛が生え、上下に身をくねらせて泳ぐ。幅の広い鰭と鱗に覆われた体躯、攻撃は大量の潮を吹くなどの水属性のものばかり。
(目の前で、イベントのネタが消え失せるのを見せつけてやるんだ)
その後に、セイレーン&カリュブディス&スキュラ&キルケーを狙っているロクサーナは、間違いない戦闘狂と思われているはず。
「戦闘狂じゃないも~ん。殺るか殺らないかは相手によって決めるつもりだからね」
ロクサーナが見つめている島には高い山があり、その向こう側にセイレーン達がいる岩礁がある。
セイレーンは上半身が人間の女性で下半身は鳥の姿。岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる。歌声に魅惑された挙句、セイレーンに喰い殺された船人たちの骨が島に山をなしている。
両親は神様なのに大喰らいすぎて怪物になったカリュブディス。一日に三回の食事のせいで渦潮が出来ていて、あの辺りは船が通れないと言う迷惑千万な魔物。
精霊だったスキュラはお気に入りの小さな淵で、上半身が女で下半身が魚の魔物に変えられた可哀想な子。原因はキルケーの逆恨みで毒を使ったって⋯⋯キルケー、ヤバすぎる。
船を全滅させるカリュブディスと、6人だけ食い殺すスキュラがなぜ同じ海域に住んでいるのかは、誰も知らない。
(7よりひとつ足りない6は不完全な数字で、666は獣の数字と言われてる。その反面、6は完全数でもあるなんて。
まるで、物事には両面あって良いも悪いも兼ね備えてるって言われてるみたいな気がする⋯⋯光と影が必要なのと同じみたい)
繋がった次元の先にいるのがキルケー。彼女には聞きたいことが多過ぎて数えきれない。
永遠の若さと美貌を保ち、魔術と薬草に詳しい精霊フェイは、水辺から異次元へ続く先に住んでいる。キルケーに会うためにはフェイの協力が必須。
(ふっふっふ、大量の獲物に大量の白金貨がジャラジャラ言ってる音が聞こえるぞ、おおぉぉ!)
(空までピカ~で、女神の愛し子? ヤバいよ~、教会どころか聖王国がブチ切れる)
かなり昔にはなるが、歴史上『大聖女』は何度か存在したことがある。
しかし『女神の愛し子』は古い記録にあるだけの伝説の存在で⋯⋯大聖女以上の力を持ち精霊達を従え、神と対話する神の代理人。
(どこまでやらかす気かなぁ。ジルベルト司祭は知ってるのか⋯⋯今晩聞いてみよ)
【ロクサーナ、女神の愛し子について気付いた事を簡潔にまとめよ】
(⋯⋯う~ん⋯⋯ないな!)
【ロクサーナ~、女神の愛し子の説明したげるよ~】
(いえ! 結構でっす)
【ミュウ達が上位精霊で、カイちゃんとクロちゃんが神だと知っ⋯⋯】
(いーや、私はなんっにもしりまっせん!)
「なあ、聖女の事を知ってるなら教えてくれ。聖女の祈りとやらに、どんな効果があるのか」
「聖女の祈りの効果ねえ⋯⋯昔っから『信じるものは救われる』とか『鰯の頭も信心から』とか言うじゃん。信じる人にはなんかある⋯⋯あるかなあ?
祈りって漠然とし過ぎててよく分かんない。
聖王国で聖女って言うのはひとつの職業なんだよね。光属性特化型魔法士の別名が聖女なだけ」
魔法士も聖女も何かしらの魔法を使って結果を残すが⋯⋯光属性の魔法に『祈り』と言う漠然とした魔法はない。
一般的に考えられている、祈る聖女の力のイメージは、清らかな心で全ての人を包み込む? 全てを癒す? だろうか。
(そんなふわ~っとした効果、神級魔法にもないからね)
ピカ~っと光らせるにしても《ライト》では流石に空までは光らない。ヒールやエリアヒールで光りはするが、やっぱり空までは光らないはず。
「魔導具だな、うん」
魔導具には舞踏会用の広い会場や舞台を照らす、強力なライトが数多く発明されている。
雰囲気作りとセリフに加えて、魔導具のライトで演出は完璧。聖女としての地盤固めに利用したのだろう。
(そこまでしてポンコツ王子を手に入れたいとか? 誰も取らないと思うのに⋯⋯聖王国を敵に回してポンコツをゲットとか、結構レアな趣味してるよ。ゲテモノ好きを極めると、ああ言うのが良いとかかなぁ)
「まあ、どっちにしても⋯⋯アレは偽物だからなあ。信じるなら鰯の頭を勧めるね。身が食える。骨もせんべいにすればオッケー」
「王族を従えてやってきたんだぜ、本当に偽物?」
「そう、彼女はマックバーン侯爵家のレベッカで、水属性魔法がちょこちょこ使える聖王国の魔法士見習いなんだよね。
回復系ではヒールミストが使えるから、指にさかむけができた時とかなら痛みは取ってくれるし、回復が少し早くなる。
んで、頑張って成長しても聖女にはなれないし、修練嫌いだから見習いの中でもランクは低い。
えーっと、女神の愛し子は歴史上存在したことがない伝説だし、聖女にも大聖女にもなれないレベッカには可能性もないな。
レベッカはポンコツ王子をゲットしようとして色々しでかしてる最中だから」
呆然としたウルサ達がポカンと口を開けた間抜けな顔で⋯⋯。
「偽物⋯⋯あんだけ派手に騒いで?」
「魔法士見習い⋯⋯見習いってなんじゃそれ」
「ささ、さか、さかむけ?」
「ポンコツお⋯⋯うっそお、趣味悪ぅ。でも、なんで知ってるの?」
「私が聖王国の聖女だからだね~。期間限定聖女だし、もうすぐ契約終わってフリーになるし⋯⋯みんなの顎が外れそうですね~。わっはっは」
「はぁ、聖女のイメージがぶっ壊れた⋯⋯」
「失敬な! まあ、人嫌いでお金大好きだけどね~。何人も聖女って職業の人を知ってるけど、みんなどろっどろのネチョネチョだよ?」
人の足引っ張るのが大好きだったり、愛人に捨てられると叫びながらせっせと働いたり。人の薬草園に入り込んで薬草を盗んで転売したり、踏み潰したり⋯⋯。
「所詮は人間だからね~、汚いのが普通」
聖女だと偽証する程度なら今は見逃すと言うのが教会上層部の総意⋯⋯だってレベッカを引き取ってくれるならラッキーだって、みんなが思ってるからね~と言ったのはジルベルト司祭。
(女神の愛し子発言も見逃すのかどうなのか⋯⋯な~んて、どっちでも良いけどね~。私は後2ヶ月で契約終了だも~ん)
「偽の聖女に振り回されてるだけなら、シーサーペントを殺ってもいんじゃね?」
「だな」
「殺りましょう」
「よよ、よっしゃ」
「まず初めに、ギルド長と領主を誘き出したいから、一発港で騒ぎを起こす。で、2人の前で熊は堂々と船を出して」
「熊じゃねえし」
「チビじゃねえし⋯⋯ゴホン⋯⋯熊なら奴等を派手に挑発できるっしょ? その後はシーサーペントを呼び出して、奴らの目の前で殺る」
「ロクサーナが言うと簡単そうに聞こえるわ~」
「俺の扱いだけ酷くないか?」
「いいじゃん、熊だもん」
「チビ」「熊」「チビ」「熊」
「はあ~」
「ふ~んだ」
領主とギルド長のスケジュールを調べ、決行は3日後の土曜日と決まった。
今回はスタンピードの時のように、待たなくてもいいと言われている。
『スタンピードは敵を捕まえたかったから、奴等が出てくるまで待ってもらったけどさ、シーサーペントは待たなくていいよ~』
決行の日までに帆立の貝殻を買い取り、今後の契約も済ませたロクサーナはホクホク顔。
「シーサーペントが終わったらさ、とうとうセイレーンからのキルケーかぁ。ここまで長かったな~」
【フェイとは連絡取れてる。でもさ、無茶はダメだからね】
船首から顔を覗かせているロクサーナは、セイレーン達がいる島を見つめていた。
一番初めに狙いたかったのはセイレーンだったが、領主達をボコすためにシーサーペントを狙う。
シーサーペントは、たてがみのような毛が生え、上下に身をくねらせて泳ぐ。幅の広い鰭と鱗に覆われた体躯、攻撃は大量の潮を吹くなどの水属性のものばかり。
(目の前で、イベントのネタが消え失せるのを見せつけてやるんだ)
その後に、セイレーン&カリュブディス&スキュラ&キルケーを狙っているロクサーナは、間違いない戦闘狂と思われているはず。
「戦闘狂じゃないも~ん。殺るか殺らないかは相手によって決めるつもりだからね」
ロクサーナが見つめている島には高い山があり、その向こう側にセイレーン達がいる岩礁がある。
セイレーンは上半身が人間の女性で下半身は鳥の姿。岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる。歌声に魅惑された挙句、セイレーンに喰い殺された船人たちの骨が島に山をなしている。
両親は神様なのに大喰らいすぎて怪物になったカリュブディス。一日に三回の食事のせいで渦潮が出来ていて、あの辺りは船が通れないと言う迷惑千万な魔物。
精霊だったスキュラはお気に入りの小さな淵で、上半身が女で下半身が魚の魔物に変えられた可哀想な子。原因はキルケーの逆恨みで毒を使ったって⋯⋯キルケー、ヤバすぎる。
船を全滅させるカリュブディスと、6人だけ食い殺すスキュラがなぜ同じ海域に住んでいるのかは、誰も知らない。
(7よりひとつ足りない6は不完全な数字で、666は獣の数字と言われてる。その反面、6は完全数でもあるなんて。
まるで、物事には両面あって良いも悪いも兼ね備えてるって言われてるみたいな気がする⋯⋯光と影が必要なのと同じみたい)
繋がった次元の先にいるのがキルケー。彼女には聞きたいことが多過ぎて数えきれない。
永遠の若さと美貌を保ち、魔術と薬草に詳しい精霊フェイは、水辺から異次元へ続く先に住んでいる。キルケーに会うためにはフェイの協力が必須。
(ふっふっふ、大量の獲物に大量の白金貨がジャラジャラ言ってる音が聞こえるぞ、おおぉぉ!)
22
お気に入りに追加
2,490
あなたにおすすめの小説
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?
長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。
王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、
「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」
あることないこと言われて、我慢の限界!
絶対にあなたなんかに王子様は渡さない!
これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー!
*旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。
*小説家になろうでも掲載しています。
【完結】お前なんていらない。と言われましたので
高瀬船
恋愛
子爵令嬢であるアイーシャは、義母と義父、そして義妹によって子爵家で肩身の狭い毎日を送っていた。
辛い日々も、学園に入学するまで、婚約者のベルトルトと結婚するまで、と自分に言い聞かせていたある日。
義妹であるエリシャの部屋から楽しげに笑う自分の婚約者、ベルトルトの声が聞こえてきた。
【誤字報告を頂きありがとうございます!💦この場を借りてお礼申し上げます】
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
妹に婚約者を奪われ、屋敷から追放されました。でもそれが、私を虐げていた人たちの破滅の始まりでした
水上
恋愛
「ソフィア、悪いがお前との婚約は破棄させてもらう」
子爵令嬢である私、ソフィア・ベルモントは、婚約者である子爵令息のジェイソン・フロストに婚約破棄を言い渡された。
彼の隣には、私の妹であるシルビアがいる。
彼女はジェイソンの腕に体を寄せ、勝ち誇ったような表情でこちらを見ている。
こんなこと、許されることではない。
そう思ったけれど、すでに両親は了承していた。
完全に、シルビアの味方なのだ。
しかも……。
「お前はもう用済みだ。この屋敷から出て行け」
私はお父様から追放を宣言された。
必死に食い下がるも、お父様のビンタによって、私の言葉はかき消された。
「いつまで床に這いつくばっているのよ、見苦しい」
お母様は冷たい言葉を私にかけてきた。
その目は、娘を見る目ではなかった。
「惨めね、お姉さま……」
シルビアは歪んだ笑みを浮かべて、私の方を見ていた。
そうして私は、妹に婚約者を奪われ、屋敷から追放された。
途方もなく歩いていたが、そんな私に、ある人物が声を掛けてきた。
一方、私を虐げてきた人たちは、破滅へのカウントダウンがすでに始まっていることに、まだ気づいてはいなかった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる