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54.熊に地味な嫌がらせを続けよう
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「あら、帆立の貝殻にそんな効果があったなんて知らなかったわぁ⋯⋯でも、そんなに大量に仕入れて使い切れるの?」
船の上でサザエの壺焼きと帆立の串をモリモリと食べながら、酒盛り真っ最中の5人。ロクサーナはもちろん果実水。
「ゲホッゲホッ⋯⋯な、なんだこりゃ⋯喉が焼け⋯⋯ゲホッゲホッ」
「あっれぇ~、ごめ~ん。忘れてた~。アブサンって言う死にそうなくらい強いお酒だからさ~、水で薄めてね~。ププッ」
ウルサの前だけにほんのちょっぴり入れて置いておいたアブサンは、ロクサーナの意趣返し。
「大丈夫って言うか、山に捨てた分も取りに行こうかって思うくらいなんだ~。島を買ったんだけどね、土壌改良しないと畑が作れなくって」
「「⋯⋯はあ!? 島ぁぁ」」
トランザニア王国がすっかり気に入ったロクサーナは本土の近くにある手付かずの島を即金で購入。
切り立った崖に囲まれて、港に使えそうな場所もない。生い茂った山と荒れ果てた大地しかない島だが、とにかく広い。
山頂にはドラゴンが住みつき森には魔物が群れをなしている。生い茂った木には果実がなり、薬草が生え⋯⋯まくっていた。
(森は魔力が半端なかったもん。魔物が元気なはずだよね)
「使い物にならないからって放置されてたと言うか、もしかしたら前人未到ってやつかも。上陸できないとかドラゴンが危険だとかって言って放置されてたんだよね~」
「なんでそんなとこ買っちゃったのよ! ロクサーナは飛べるって言っても、使い物にならない島なんて⋯⋯それにドラゴンなんてパクって、オヤツにされちゃうかもよ」
「島に魔物がいるって事は水場がある。んで、調べてみたら結構大きな川があってさ、崖から滝みたいに流れ落ちてたの。水が確保できるとなると、次は移動手段の問題があるから⋯⋯崖を削って、昇降機を付けたの~」
ロクサーナは飛び出した岩場を加工して、桟橋を作り⋯⋯船を買った。
「ドラゴンって理由もなく襲ってくる魔物達とは違うから⋯⋯ 放っておけば共存できるし」
ミュウ達と一緒に挨拶に行くとドラゴンが怯えて羽根で顔を隠し、ほぼ土下座状態になったのは秘密の話。
(ドラゴンの威厳とかプライド、大事だからね。プルプル震えてキュウンキュウンって泣くのは超可愛かったけど、イメージを損ねない配慮はしてあげなくちゃ)
荒地の開拓はほぼ完了し、家や畑を作るスペースを確保してスローライフに向けて少しずつ準備をはじめている。
「帆立の貝殻を大量に手に入れたら、家を建てながら土壌改良をはじめる予定」
ミュウ達が走り回れる広い空き地と、人間の目を気にせず自由に飛び回れる青い空。
地上2階、地下1階建ての広い家と大きな暖炉。大きな畑と飼育小屋⋯⋯できれば、みんなで泳げる大きな池を作りたい。
暑い季節は池で泳ぎ、肌寒い時は暖炉に薪をくべる。
野菜畑と薬草園⋯⋯暑さに弱いコントライェルバは結界を張って温度調節を。
「ぼっち生活⋯⋯」
「仲間はいるもん(人間じゃないけど)」
「俺ら、遠すぎて遊びに行けねえじゃん」
かなり酔っ払ったウルサはライトの下でも顔の赤さが目立っている。
「ええっ! 熊の襲撃!? 熊用の寝床ってどうやって作⋯⋯」
「熊じゃねえ!」
「一応、転移門はつけるって約束したんだよね~」
少し恥ずかしそうに笑ったロクサーナの様子にシーミアが食いついた。
「へえ、ロクサーナちゃんったら隅におけないじゃん。なになに? ドキドキの胸キュンのワクワクなお話があるってわけね~」
胸の前で手を組んでキラッキラに目を輝かせたシーミア⋯⋯に胸キュンしたロクサーナ。
「胸キュンならシーミアさんの美貌を見るたびにしてるよ? ドキドキは⋯⋯あっ、大型の魔物の風下に移動する時? ワクワクは珍しい素材を換金す⋯⋯」
「ごめん、聞いたアタシがバカだったわ。間抜け具合はウルサとおんなじって知ってたのに⋯⋯少女のトキメキとかラブラブ過ぎて桜色に染まる頬とか、はにかむ笑顔でモジモジとか⋯⋯その辺のロマンスは他をあたるわ」
よく分からないうちにシーミアに落胆されたらしい。
船縁に立つウルサの後ろ姿を見ると、魔法をぶち当てて海に落としたくなる⋯⋯それを想像した時にドキドキワクワクするとは言えなかった。
(空気を読めた!)
【心の機微はわかんないけどね。それもまだ成長期かなぁ】
「転移門の登録は今のところジルベルト司祭とドワーフ村の村長のブランドンさんの2人(人って言って良いのかな)なんだ~」
「「ドワーフ!!」」
その後はドワーフ作の剣で盛り上がり⋯⋯イカ焼きおじさん、グラントの事はすっかり忘れられてしまった。
翌朝、ウルサ達が船の点検整備をする横で、ロクサーナがアンセルから網の修理方法を習っていると、書類を手に持ったグラントがやって来た。
「ギルドに行ってきたぜ」
「あっ! 忘れてた~、上手く行った?」
「お前なぁ⋯⋯まあ、いいか。ちゃーんと登録してきたぜ」
この桟橋の所有者はグラントの義理の兄で、亡くなった父親は漁師だった。そのせいで、グラントが船を持つのも漁師をやりたがるのも違和感がなかったらしい。
「いやっほ~! これで全ては整った、人をチビ呼ばわりする熊に赤っ恥をかかせるのじゃあ。見よ! ロクサーナ・コレクションからの~、キャラベル船2号、今ここにドドーン」
桟橋に横付けするように異空間収納から出した新しいキャラベル船。
「熊の船はラテンセイルを使っているキャラベル・ラティーナ。こっちはスクウェアセイルを使っているキャラベル・レドンダ。ふっふっふ、羨ましいか!? 熊ぁ、ドヤァ」
「ロクサーナ⋯⋯グラントの前で出して良かったのか?」
「あっ!」
グラントにペコペコと頭を下げて『秘密にする』との言葉を引き出したロクサーナは、現在船の隅で三角座りして落ち込んでいる。
「んで、計画は? あんだろ、計画が」
「⋯⋯ある」
ヒョイっとロクサーナを小脇に抱えたウルサが、甲板を磨いていたカーニスの前にポイっと放り出した。
「い、痛いよお。カーニスゥ、熊がいじめる~」
「さてと、何をやらかすつもりだ?」
興味津々のシーミアとアンセルもいそいそとやってきて、目を輝かせている。
「権限を濫用したギルド長の鼻を明かして、領主をボコす。ちょっと気になってるのは⋯⋯シーサーペントって殺っちゃっていいの?」
シーサーペント襲来イベントは、この町の収入のかなりの比率を占めている。
「宿屋とか屋台とか、食堂とか商人とか⋯⋯収入が減って困るかなぁって」
「少し前までは⋯⋯大型帆船を持ってる国から文句が出てるから、シーサーペントをなんとかしろって奴の方が多かったんだよ」
「この町って他国との交易がメインでしょ? もし被害が出たらどうしてくれる! って、結構突き上げがあったらしいのよ」
その苦情を聞くのはギルドや国の役人だが、聖王国の魔法士達のせいにしていた。
『聖王国に頼んではいるのですが、シーサーペントを追い払うのが精一杯のようで』
「それが『この国には聖女様の加護があるから』とか言い出しやがって、他国の意見なんぞ聞く必要はねえって騒ぎ立ててる⋯⋯んで、町ん中は半々より現状維持派が増えてやがる」
「聖女ねえ⋯⋯邪魔」
「でもまあ、あの日の聖女様の祈りは凄かったわね。夕闇の中で聖女様の体が光りはじめたと思ったら、空までピカ~って。あれを見たら怖いもんなしとか思っても仕方ないかも。
あの聖女様は女神の愛し子だって言うし」
「⋯⋯はあぁぁ? そんなこと言ってんの、あのバカは」
初めて知った事実にロクサーナの本音がポロリ。
「なに? もしかして、チビは聖女様の事、詳しいとか?」
船の上でサザエの壺焼きと帆立の串をモリモリと食べながら、酒盛り真っ最中の5人。ロクサーナはもちろん果実水。
「ゲホッゲホッ⋯⋯な、なんだこりゃ⋯喉が焼け⋯⋯ゲホッゲホッ」
「あっれぇ~、ごめ~ん。忘れてた~。アブサンって言う死にそうなくらい強いお酒だからさ~、水で薄めてね~。ププッ」
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「「⋯⋯はあ!? 島ぁぁ」」
トランザニア王国がすっかり気に入ったロクサーナは本土の近くにある手付かずの島を即金で購入。
切り立った崖に囲まれて、港に使えそうな場所もない。生い茂った山と荒れ果てた大地しかない島だが、とにかく広い。
山頂にはドラゴンが住みつき森には魔物が群れをなしている。生い茂った木には果実がなり、薬草が生え⋯⋯まくっていた。
(森は魔力が半端なかったもん。魔物が元気なはずだよね)
「使い物にならないからって放置されてたと言うか、もしかしたら前人未到ってやつかも。上陸できないとかドラゴンが危険だとかって言って放置されてたんだよね~」
「なんでそんなとこ買っちゃったのよ! ロクサーナは飛べるって言っても、使い物にならない島なんて⋯⋯それにドラゴンなんてパクって、オヤツにされちゃうかもよ」
「島に魔物がいるって事は水場がある。んで、調べてみたら結構大きな川があってさ、崖から滝みたいに流れ落ちてたの。水が確保できるとなると、次は移動手段の問題があるから⋯⋯崖を削って、昇降機を付けたの~」
ロクサーナは飛び出した岩場を加工して、桟橋を作り⋯⋯船を買った。
「ドラゴンって理由もなく襲ってくる魔物達とは違うから⋯⋯ 放っておけば共存できるし」
ミュウ達と一緒に挨拶に行くとドラゴンが怯えて羽根で顔を隠し、ほぼ土下座状態になったのは秘密の話。
(ドラゴンの威厳とかプライド、大事だからね。プルプル震えてキュウンキュウンって泣くのは超可愛かったけど、イメージを損ねない配慮はしてあげなくちゃ)
荒地の開拓はほぼ完了し、家や畑を作るスペースを確保してスローライフに向けて少しずつ準備をはじめている。
「帆立の貝殻を大量に手に入れたら、家を建てながら土壌改良をはじめる予定」
ミュウ達が走り回れる広い空き地と、人間の目を気にせず自由に飛び回れる青い空。
地上2階、地下1階建ての広い家と大きな暖炉。大きな畑と飼育小屋⋯⋯できれば、みんなで泳げる大きな池を作りたい。
暑い季節は池で泳ぎ、肌寒い時は暖炉に薪をくべる。
野菜畑と薬草園⋯⋯暑さに弱いコントライェルバは結界を張って温度調節を。
「ぼっち生活⋯⋯」
「仲間はいるもん(人間じゃないけど)」
「俺ら、遠すぎて遊びに行けねえじゃん」
かなり酔っ払ったウルサはライトの下でも顔の赤さが目立っている。
「ええっ! 熊の襲撃!? 熊用の寝床ってどうやって作⋯⋯」
「熊じゃねえ!」
「一応、転移門はつけるって約束したんだよね~」
少し恥ずかしそうに笑ったロクサーナの様子にシーミアが食いついた。
「へえ、ロクサーナちゃんったら隅におけないじゃん。なになに? ドキドキの胸キュンのワクワクなお話があるってわけね~」
胸の前で手を組んでキラッキラに目を輝かせたシーミア⋯⋯に胸キュンしたロクサーナ。
「胸キュンならシーミアさんの美貌を見るたびにしてるよ? ドキドキは⋯⋯あっ、大型の魔物の風下に移動する時? ワクワクは珍しい素材を換金す⋯⋯」
「ごめん、聞いたアタシがバカだったわ。間抜け具合はウルサとおんなじって知ってたのに⋯⋯少女のトキメキとかラブラブ過ぎて桜色に染まる頬とか、はにかむ笑顔でモジモジとか⋯⋯その辺のロマンスは他をあたるわ」
よく分からないうちにシーミアに落胆されたらしい。
船縁に立つウルサの後ろ姿を見ると、魔法をぶち当てて海に落としたくなる⋯⋯それを想像した時にドキドキワクワクするとは言えなかった。
(空気を読めた!)
【心の機微はわかんないけどね。それもまだ成長期かなぁ】
「転移門の登録は今のところジルベルト司祭とドワーフ村の村長のブランドンさんの2人(人って言って良いのかな)なんだ~」
「「ドワーフ!!」」
その後はドワーフ作の剣で盛り上がり⋯⋯イカ焼きおじさん、グラントの事はすっかり忘れられてしまった。
翌朝、ウルサ達が船の点検整備をする横で、ロクサーナがアンセルから網の修理方法を習っていると、書類を手に持ったグラントがやって来た。
「ギルドに行ってきたぜ」
「あっ! 忘れてた~、上手く行った?」
「お前なぁ⋯⋯まあ、いいか。ちゃーんと登録してきたぜ」
この桟橋の所有者はグラントの義理の兄で、亡くなった父親は漁師だった。そのせいで、グラントが船を持つのも漁師をやりたがるのも違和感がなかったらしい。
「いやっほ~! これで全ては整った、人をチビ呼ばわりする熊に赤っ恥をかかせるのじゃあ。見よ! ロクサーナ・コレクションからの~、キャラベル船2号、今ここにドドーン」
桟橋に横付けするように異空間収納から出した新しいキャラベル船。
「熊の船はラテンセイルを使っているキャラベル・ラティーナ。こっちはスクウェアセイルを使っているキャラベル・レドンダ。ふっふっふ、羨ましいか!? 熊ぁ、ドヤァ」
「ロクサーナ⋯⋯グラントの前で出して良かったのか?」
「あっ!」
グラントにペコペコと頭を下げて『秘密にする』との言葉を引き出したロクサーナは、現在船の隅で三角座りして落ち込んでいる。
「んで、計画は? あんだろ、計画が」
「⋯⋯ある」
ヒョイっとロクサーナを小脇に抱えたウルサが、甲板を磨いていたカーニスの前にポイっと放り出した。
「い、痛いよお。カーニスゥ、熊がいじめる~」
「さてと、何をやらかすつもりだ?」
興味津々のシーミアとアンセルもいそいそとやってきて、目を輝かせている。
「権限を濫用したギルド長の鼻を明かして、領主をボコす。ちょっと気になってるのは⋯⋯シーサーペントって殺っちゃっていいの?」
シーサーペント襲来イベントは、この町の収入のかなりの比率を占めている。
「宿屋とか屋台とか、食堂とか商人とか⋯⋯収入が減って困るかなぁって」
「少し前までは⋯⋯大型帆船を持ってる国から文句が出てるから、シーサーペントをなんとかしろって奴の方が多かったんだよ」
「この町って他国との交易がメインでしょ? もし被害が出たらどうしてくれる! って、結構突き上げがあったらしいのよ」
その苦情を聞くのはギルドや国の役人だが、聖王国の魔法士達のせいにしていた。
『聖王国に頼んではいるのですが、シーサーペントを追い払うのが精一杯のようで』
「それが『この国には聖女様の加護があるから』とか言い出しやがって、他国の意見なんぞ聞く必要はねえって騒ぎ立ててる⋯⋯んで、町ん中は半々より現状維持派が増えてやがる」
「聖女ねえ⋯⋯邪魔」
「でもまあ、あの日の聖女様の祈りは凄かったわね。夕闇の中で聖女様の体が光りはじめたと思ったら、空までピカ~って。あれを見たら怖いもんなしとか思っても仕方ないかも。
あの聖女様は女神の愛し子だって言うし」
「⋯⋯はあぁぁ? そんなこと言ってんの、あのバカは」
初めて知った事実にロクサーナの本音がポロリ。
「なに? もしかして、チビは聖女様の事、詳しいとか?」
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