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47.サービスしちゃうよん
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(あ、結界が⋯⋯ひとつ目の魔導具を壊せたんだ。レオン、頑張ってるじゃん)
誰かが気付いて騒ぎはじめるまでに地下牢辺りの兵を無効化したいロクサーナは、階段を飛び降りながら手当たり次第兵士を眠らせていった。
見張りの兵士は階段下に2人、途中にある鉄の扉の横の詰め所に5人が2ヶ所、地下牢の前に4人。
【臭いおじさんが、いっぱ~い】
【ドワーフのお陰で帝国の攻撃力が爆上がりだから、ガチガチに守ってるねぇ】
(罠かぁ⋯⋯あるとしたら2個目の鉄格子の出入り口辺りかな?)
地下牢の前の兵士を眠らせ、ひとつ目の鉄格子の鍵を開けて床や壁を調べながら、ドワーフに声をかけた。
「村長のブランドンさんに頼まれて助けに来た。誰かその証拠を確認に来てくれませんか?」
不穏な気配を感じ牢の奥で一塊になっているドワーフは、ロクサーナの声が聞こえても表情も変えず黙り込んだまま。
ついさっきまで使っていた炉には赤々とした火が燃え、打ちかけの剣を持ったままのドワーフもいる。
「ねえ、いつまでそうしてるつもり? 初めて会った僕のことを信用できないのも分かるし、長い間閉じ込められて大変だったとも思う。でもね、ブランドンさん達は村のドワーフみんなの運命をかけて⋯⋯そのリスク覚悟で僕に依頼をしてきたんだ。
その話が本当かどうかくらい確認してくれないかな?」
時間が足りなくなりそうでイライラする。
(2個目の魔導具は見つからないのかな)
【まだみたいだね、ウルウルが教えたいのに声が伝わらないからって困ってる】
顔を見合わせてヒソヒソと話していた中から、ひとりのドワーフがようやく鉄格子の近くまでやってきた。
「そこまで言うなら聞いちゃるけん、証拠ゆうのを見せてみんさい」
異空間からロクサーナが取り出したのは見事な装飾のダガー。『小さな白い柄』と言う意味の名を持つそれは、傷ひとつなく光り輝いている。
「こりゃあ⋯⋯代々の村長が受け継いできた、アーサー王のカルンウェナン⋯⋯あんたはほんまにブランドン村長の依頼で来たんか」
カルンウェナンは、アーサーの槍ロンゴミニアドや剣エクスカリバーと共に、神から与えられた神聖な武器で、黒魔女を討伐したと伝えられている。
「これを見せられたら、あんたを信じんわけにはいかんのう」
「床に落とし穴が仕掛けてあるから、鉄格子の出入り口は使えないんだ。僕が今から鉄格子を壊すから離れてて」
鉄格子を一気に凍らせて、強化した足で蹴り破った。
「重いものを運ぶのは平気だよね。隷属の首輪を外したら少し手伝って欲しいんだ」
首に嵌った首輪に強い魔力を流し破壊。廊下で寝ている兵士達をドワーフに頼んで牢に入れてもらい鉄格子を復元した。
【2個目が壊れた! 時間延長だよ】
(よっしゃぁぁ)
「あんた、復元魔法が使えるんか」
「うん。で、廊下の先に兵士の詰め所があるからそこへ行こう」
ドワーフと一緒に詰め所に入り、ドアが開かないように固定と隠蔽。
「今から僕と一緒にドワーフの村に転移するんだけど、僕以外ともうひとりでしかやったことがないんだ。順番は誰からやる?」
「ほんならお前から行きんさい」
「いや、わしは後でもええけん」
年齢も性別もほぼ同じ(多分)なので、全員が顔を見合わせたまま決まらない。
「時間がないからすぐに決めてくれる? 悩んでる間にどんどん危険になるんだ」
「ほんならわしが決めちゃる。一番はお前じゃ」
「ええっ! わしがかあぁぁ⋯⋯ほんでも転移じゃろ?⋯⋯ゴニョゴニョ⋯⋯えー! 分かった! 行ってくるけんの。お前らも後から来んさいよ、待っとるけん」
一番に選ばれたドワーフはこれから処刑されるような顔で一歩前に出た。
「ドアは絶対に開かないから、音がしても何があってもここから出ないで。
それから、転移の最中に暴れたら次元の狭間に取り残されるからね、絶対に手を離さないで大人しくしてて」
話を聞きに鉄格子まで出てきたドワーフが指差して強制的に一番に選ばれた男の腕を、むんずと掴んで転移した。
「お、おえぇぇ! ぎ、ぎぼぢがぁぁ⋯⋯」
「お、おまえ⋯⋯ムスカァァ! おっちゃん、ムスカが帰って来たぞぉぉ」
「他の⋯⋯他の奴らは⋯⋯どこにおるんじゃ!?」
「ひとりずつ連れてくる。そのおじちゃんは転移酔いだから、しばらくしたら落ち着くはず⋯⋯んじゃ、次を連れてくるから」
言葉が終わると同時に、ロクサーナの姿が消えた。
「お、おえぇぇ! おろろ⋯⋯げろぉぉ⋯⋯」
「お、おえぇぇ!⋯⋯」
「げほっ⋯⋯バタン⋯⋯」
「うっ、うっ⋯⋯ おえぇぇ!⋯⋯」
「ガハッ! お、お前ら⋯⋯何しよるんね」
最後のドワーフだけは優秀な三半規管を持っていたらしい。
「村長さん、短剣を返しておくよ。後で一度顔を出すけど、報酬を貰いに来るのは少し先になるかも。んじゃ、またね~」
呆然として仲間を見つめていた村長がハッと振り向いた時には、ロクサーナの姿はどこにもなかった。
「ほんまに⋯⋯助けてくれよったんじゃのう。ありがとうで⋯⋯わしらも最高の剣を打つけん。待っとってくれんさいよ」
魔導具は結局5個壊れ、結界は崩壊。城の中は大騒ぎになった。
「レオ~ン! こっちは終わったよ~」
6個目の魔導具を探していたレオンの後ろからロクサーナが声をかけた。
「うわぁ! びび、ビックリしたぁ。もう終わったの? こっちはまだ3個残ってる」
「残りはほっといてさ、ちょっと遊んでく?」
レオンの手を掴んだロクサーナは武器庫に転移した。
「すっごい数⋯⋯なにこれ⋯⋯全部ドワーフ作じゃないよね。てか、なんで隠蔽かけてある俺の手を掴めたの?」
2人の隠蔽を解いてドヤ顔のロクサーナが仁王立ちした。
「僕がかけたのに、僕に見えないわけないじゃん」
「⋯⋯セコい」
「さ~て、ストレス解消⋯⋯盛大に魔法ぶっ放して⋯⋯やっちゃう?」
ニヤッと笑ったロクサーナが両手を上げて満面の笑みで⋯⋯手を振り下ろした。
「どおりゃあぁぁ」
ザバーン⋯⋯バリバリバリ⋯⋯
水浸しになった大量の剣に雷撃が落ちる。
「よっしゃあぁぁ、俺も最大級のぉぉ⋯⋯地獄の業火で燃やし尽くせ《インフェルノ》」
並んでいたマスケット銃が一気に燃え上がり、辺り一面を火の海に変えた。
「溜まってた?」
「山盛り溜まってた。ここだけ? 他にもある?」
「あるとも。あっちは火薬庫~、ここを綺麗さっぱり消し飛ばしたら行こう! その後は、第2倉庫だぁぁ」
ロクサーナの雷魔法とレオンの火魔法が炸裂し、豪快な爆発音を響き渡らせる。
「ついでに城もちょっとやっとこうかな~⋯⋯と、言うことでぇぇ。せぇのお!」
ドガーン!⋯⋯ドガーン!⋯⋯ドガーン!
「サービスの3連発ぅぅ! わっはっはぁ」
祭りの会場では『花火か!?』と、呑気な騒ぎになっていた。
派手な爆発で兵士たちは近寄ることもできず、遠巻きにしてただオロオロするばかり。普段偉そうにしている将校達も、なすすべもなく呆然と佇んでいた。
(これだけ派手な騒ぎが人災だと思う人はいないよね~)
帝王は護衛騎士に守られて城の奥に逃げ込み、事態の収束と状況連絡が来るのをただ待つしか手がない。
城の半分は崩壊し、静まりかえった城の謁見室。玉座に置かれていたのは⋯⋯。
「魔法使いを舐めんなよ! 姑息な貴様らに天罰じゃあ」
見事に喧嘩を売る手紙が一枚。
「あれが⋯⋯人災⋯⋯嘘だろ!?」
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【臭いおじさんが、いっぱ~い】
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「ねえ、いつまでそうしてるつもり? 初めて会った僕のことを信用できないのも分かるし、長い間閉じ込められて大変だったとも思う。でもね、ブランドンさん達は村のドワーフみんなの運命をかけて⋯⋯そのリスク覚悟で僕に依頼をしてきたんだ。
その話が本当かどうかくらい確認してくれないかな?」
時間が足りなくなりそうでイライラする。
(2個目の魔導具は見つからないのかな)
【まだみたいだね、ウルウルが教えたいのに声が伝わらないからって困ってる】
顔を見合わせてヒソヒソと話していた中から、ひとりのドワーフがようやく鉄格子の近くまでやってきた。
「そこまで言うなら聞いちゃるけん、証拠ゆうのを見せてみんさい」
異空間からロクサーナが取り出したのは見事な装飾のダガー。『小さな白い柄』と言う意味の名を持つそれは、傷ひとつなく光り輝いている。
「こりゃあ⋯⋯代々の村長が受け継いできた、アーサー王のカルンウェナン⋯⋯あんたはほんまにブランドン村長の依頼で来たんか」
カルンウェナンは、アーサーの槍ロンゴミニアドや剣エクスカリバーと共に、神から与えられた神聖な武器で、黒魔女を討伐したと伝えられている。
「これを見せられたら、あんたを信じんわけにはいかんのう」
「床に落とし穴が仕掛けてあるから、鉄格子の出入り口は使えないんだ。僕が今から鉄格子を壊すから離れてて」
鉄格子を一気に凍らせて、強化した足で蹴り破った。
「重いものを運ぶのは平気だよね。隷属の首輪を外したら少し手伝って欲しいんだ」
首に嵌った首輪に強い魔力を流し破壊。廊下で寝ている兵士達をドワーフに頼んで牢に入れてもらい鉄格子を復元した。
【2個目が壊れた! 時間延長だよ】
(よっしゃぁぁ)
「あんた、復元魔法が使えるんか」
「うん。で、廊下の先に兵士の詰め所があるからそこへ行こう」
ドワーフと一緒に詰め所に入り、ドアが開かないように固定と隠蔽。
「今から僕と一緒にドワーフの村に転移するんだけど、僕以外ともうひとりでしかやったことがないんだ。順番は誰からやる?」
「ほんならお前から行きんさい」
「いや、わしは後でもええけん」
年齢も性別もほぼ同じ(多分)なので、全員が顔を見合わせたまま決まらない。
「時間がないからすぐに決めてくれる? 悩んでる間にどんどん危険になるんだ」
「ほんならわしが決めちゃる。一番はお前じゃ」
「ええっ! わしがかあぁぁ⋯⋯ほんでも転移じゃろ?⋯⋯ゴニョゴニョ⋯⋯えー! 分かった! 行ってくるけんの。お前らも後から来んさいよ、待っとるけん」
一番に選ばれたドワーフはこれから処刑されるような顔で一歩前に出た。
「ドアは絶対に開かないから、音がしても何があってもここから出ないで。
それから、転移の最中に暴れたら次元の狭間に取り残されるからね、絶対に手を離さないで大人しくしてて」
話を聞きに鉄格子まで出てきたドワーフが指差して強制的に一番に選ばれた男の腕を、むんずと掴んで転移した。
「お、おえぇぇ! ぎ、ぎぼぢがぁぁ⋯⋯」
「お、おまえ⋯⋯ムスカァァ! おっちゃん、ムスカが帰って来たぞぉぉ」
「他の⋯⋯他の奴らは⋯⋯どこにおるんじゃ!?」
「ひとりずつ連れてくる。そのおじちゃんは転移酔いだから、しばらくしたら落ち着くはず⋯⋯んじゃ、次を連れてくるから」
言葉が終わると同時に、ロクサーナの姿が消えた。
「お、おえぇぇ! おろろ⋯⋯げろぉぉ⋯⋯」
「お、おえぇぇ!⋯⋯」
「げほっ⋯⋯バタン⋯⋯」
「うっ、うっ⋯⋯ おえぇぇ!⋯⋯」
「ガハッ! お、お前ら⋯⋯何しよるんね」
最後のドワーフだけは優秀な三半規管を持っていたらしい。
「村長さん、短剣を返しておくよ。後で一度顔を出すけど、報酬を貰いに来るのは少し先になるかも。んじゃ、またね~」
呆然として仲間を見つめていた村長がハッと振り向いた時には、ロクサーナの姿はどこにもなかった。
「ほんまに⋯⋯助けてくれよったんじゃのう。ありがとうで⋯⋯わしらも最高の剣を打つけん。待っとってくれんさいよ」
魔導具は結局5個壊れ、結界は崩壊。城の中は大騒ぎになった。
「レオ~ン! こっちは終わったよ~」
6個目の魔導具を探していたレオンの後ろからロクサーナが声をかけた。
「うわぁ! びび、ビックリしたぁ。もう終わったの? こっちはまだ3個残ってる」
「残りはほっといてさ、ちょっと遊んでく?」
レオンの手を掴んだロクサーナは武器庫に転移した。
「すっごい数⋯⋯なにこれ⋯⋯全部ドワーフ作じゃないよね。てか、なんで隠蔽かけてある俺の手を掴めたの?」
2人の隠蔽を解いてドヤ顔のロクサーナが仁王立ちした。
「僕がかけたのに、僕に見えないわけないじゃん」
「⋯⋯セコい」
「さ~て、ストレス解消⋯⋯盛大に魔法ぶっ放して⋯⋯やっちゃう?」
ニヤッと笑ったロクサーナが両手を上げて満面の笑みで⋯⋯手を振り下ろした。
「どおりゃあぁぁ」
ザバーン⋯⋯バリバリバリ⋯⋯
水浸しになった大量の剣に雷撃が落ちる。
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「溜まってた?」
「山盛り溜まってた。ここだけ? 他にもある?」
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ロクサーナの雷魔法とレオンの火魔法が炸裂し、豪快な爆発音を響き渡らせる。
「ついでに城もちょっとやっとこうかな~⋯⋯と、言うことでぇぇ。せぇのお!」
ドガーン!⋯⋯ドガーン!⋯⋯ドガーン!
「サービスの3連発ぅぅ! わっはっはぁ」
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派手な爆発で兵士たちは近寄ることもできず、遠巻きにしてただオロオロするばかり。普段偉そうにしている将校達も、なすすべもなく呆然と佇んでいた。
(これだけ派手な騒ぎが人災だと思う人はいないよね~)
帝王は護衛騎士に守られて城の奥に逃げ込み、事態の収束と状況連絡が来るのをただ待つしか手がない。
城の半分は崩壊し、静まりかえった城の謁見室。玉座に置かれていたのは⋯⋯。
「魔法使いを舐めんなよ! 姑息な貴様らに天罰じゃあ」
見事に喧嘩を売る手紙が一枚。
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