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27.ロクサーナの過去
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翌日の朝、ロクサーナは聖王国に転移していつもの薬草の世話をはじめた。
「毎日ロクサーナが帰ってくるようになってから、薬草が元気に育つようになったんだぞ」
「そう言われると照れるなぁ。薬草に好かれる女ってやつ?」
「そりゃ間違いない、ロクサーナの魔力と薬草を見る目は天下一品だからな」
ガンツが土だらけの手でロクサーナの背中を叩いた。
「⋯⋯ガンツ、変なもんを拾い食いしたの?」
「薬草についちゃ冗談なんか言わねえよ。聖女辞めて薬師になりゃいいのに」
「毎日薬草とお喋りして、すり鉢でゴリゴリ⋯⋯楽しそうだねぇ」
ガンツの家族は両親も兄弟も魔法適性がなく、ガンツひとりだけ土属性があったが、10歳の頃は魔力がかなり少なかったと言う。魔法士見習いとして修練をしていたが、魔力が増えず断念し教会の庭師になった。
辺境にある教会に派遣されたガンツはメキメキと頭角を表し⋯⋯。
30近くになって鑑定魔法を身につけたのは本人の努力の賜物だろう。こっそりと魔力量を計ってみると人並み⋯⋯魔法士として十分な量に育っていた。
『今更魔法士への修練をするより、薬草を育てたい。魔力が増えたのも鑑定ができるようになったのも、全部薬草のお陰だからな』
そのことを知っているのはロクサーナとジルベルト司祭だけ。
(俺は恵まれてたと思ってる。ロクサーナがこの教会に来た頃、俺がここにいりゃ少しはなんかしてやれたのかもな)
しゃがみ込んで背を丸め、薬草に話しかけるロクサーナを見つめるガンツの目が潤んでいた。
★★ ★★
ロクサーナ5歳。
「この天気なんとかなんないのかしら⋯⋯曇りばかりだし風は強いし⋯⋯世紀末でもないのに、ほんと嫌になるわ。ロクサーナ、さっさと来なさい、何やってるの!」
裾が汚れるのを気にしながら大通りを歩くブルーム男爵夫人は濃い紫の派手なドレスを身につけ、ブリムに流行りの派手な羽根をつけた帽子をかぶっていた。
「革の靴に汚れがついたじゃない! アンタがトロトロしてるからよ」
叱られたのは大きな荷物を抱えて、婦人の後ろをよろよろ歩く少女。
あちこち擦り切れたり繕った跡のあるチュニックを着て、少し大きめの木靴をカポカポ言わせながら必死で歩いていた。
ガラガラと車輪の音が近付いてくる。
「逃げろ! 馬がぁぁ⋯⋯」
「きゃあぁぁ!」
「馬車が倒れた、中に子供が⋯⋯誰か、誰か手伝ってくれ、引っ張り出すぞ!」
暴走した馬車が横倒しになり、無理やりこじ開けたドアから子供が連れ出されたが、意識はなく頭から血を流し、右足がおかしな方に折れ曲がっていた。
「おい、おい⋯⋯聞こえるか!?」
「おい、治癒魔法のできる奴か医者はいないか!?」
周りで遠巻きにしている人達の中にはブルーム男爵夫人もいて、救助の様子を楽しそうにみている。
「そんなのいるわけないじゃない、ああ、あの子は死んじゃうわね。あんな高そうな物を着て、きっと高位貴族だわ~。教会なんて間に合わないから、さっさとくたばりやがれ。ふふっ」
子供を運ぶための戸板を探しに走り出す男や、頭の傷を確認する男⋯⋯。
(しんじゃうなんて、かわいそう)
ブルーム夫人の荷物を落としフラフラと歩き出したロクサーナは、子供のそばで膝をついた。途中で木靴が抜けた事も、ブルーム夫人の怒鳴り声がした事にも気付いていない。
「はやくげんきになあれ」
特別な何かがあったわけではないが、ただその言葉を言った方がいい気がしただけ。
ロクサーナの身体が虹色に光りはじめ、怪我をした子供の身体を包み込むと、光の粒が空から舞い降りふわふわと漂う。
「な、なんだ!?」
「もうだいじょぶ⋯⋯だから」
ふらっと身体が揺れたロクサーナは、そのまま少年の横に倒れ込んだ。
「血が、血が止まってる。足も⋯⋯」
「奇跡だ、奇跡が起きた! 聖女様だ、聖女様の奇跡だぁぁ!」
ロクサーナはその日、教会に引き取られた。
「ロクサーナ、何やってんだい! このグズ」
「ロクサーナ、いつまでかかってんだよ! 今日はご飯抜きだからね」
「ロクサーナ、それが終わるまで中に入ってくるんじゃないよ!」
「ロクサーナ⋯⋯」
「ロクサーナ⋯⋯」
「ロクサーナ⋯⋯」
「ロクサーナ⋯⋯」
来る日も来る日も仕事に追われる日々が続いているだけで、ロクサーナは何も分からない。知っているのはここが教会で、仕事をしないとパンがもらえない事だけ。
(きょうかいはこわい、おなかすいた)
外が明るくなる前に水汲みを終わらせないと、髪を掴んで引きずられ殴られて蹴られる。
朝食の時間が終わるまでに教会の前の落ち葉を全部掃き終わって、馬の世話を済ませないとパンを貰えない。
お昼の鐘が鳴るまでに洗濯と薬草採取と草むしりをして、ゴミを集めて埋める。それを済ませないと、ベルトや鞭で打たれるか火かき棒で殴られる。
窓を磨いて廊下の掃除を済ませて野菜の皮を剥いて、少なくなった水汲みをして薪を運んで鍋や皿を洗う。ちょっとでもヘマをしたらパンを貰えない。
(みんなこわい)
みんないなくなった調理場で、明日の朝の野菜の準備をする。葉物野菜を洗って並べて人参や芋の皮を剥いて、小麦粉を倉庫から運んでパンをこねる。
(ぜんぶおわったらねてもいいって。おなかすいた⋯⋯ねむい⋯⋯きょうかいもひともこわい)
全部終わったら半地下の倉庫の陰で寝られるのに⋯⋯。
「アンタは教会に借金があるんだ、それを払わないといけないんだから人より余分に働きな!」
(おやなんて、いたっけ?)
「信者の方と口利くとか、図々しいんだよ! 次に一言でも喋ったらこんな火傷くらいじゃ済まさない。背中全部を焼いてやるからね!」
(こんにちはって言われたから、こんにちはって言っただけなのに)
「借金があるのにパンが食べたいって言うからお仕置きしたんだけどさ、そしたらこの子、裏庭の雑草を食べてたんだよ~、意地汚いったらありゃしない。
雑草だって何だって、教会の敷地内のものはぜーんぶ神様のものなんだ! この泥棒が! 神様のバチがあたって死んじまえ!」
(すてる草なのにダメなの?⋯⋯ケチなかみさま⋯⋯きらい)
ロクサーナ10歳。
「司祭様が呼んでるってさ、とうとう神罰が下るんじゃね?」
「借金が山盛り残ってるのに、働きが悪いからさ。神様が怒ってらっしゃるんだよ」
「いつまで経ってもグズでノロマの役立たずだもん。借金は利息がついて増える一方だってさ~」
「鞭打ちなんて可愛いもんじゃ済まないって。浄化の炎で焼いて貰えば少しは真面になるんじゃない?」
(神様なんて⋯⋯いない)
初めて入った礼拝堂の奥にある大きな部屋。正面に等身大の女神像があり、その前の机の上には大きな水晶が置かれていた。
部屋にいたのは長く伸ばしたハニーブロンドをひとつに結び、青と翠のオッドアイの男だけ。
「ずいぶん汚れてるね。一体何をして⋯⋯まあいいか、後でちゃんと風呂で綺麗にしなさい」
(じょうかの火って、熱いのかな。死んじゃう?)
これからどんな仕置きをされるのか⋯⋯ドアの前で立ち止まり俯いたままのロクサーナは『しんばつ、こわい』と不安で震えていた。
「えーっと、ロクサーナは教会に住んでいるから知っていると思うが、この聖王国では10歳になると女神様の神判を受ける。天秤と剣を手にし、目隠しをした姿をしておられる女神ユースティティ様は『正義』を司り、この世界の人々を見守っておられる」
(目隠ししてるから、なにも見えてないの? それとも、私のことだけ見てないとか)
「緊張しなくてもいい、この水晶に手を当てなさい。女神様がロクサーナに最も相応しい適性を教えて下さるからね」
(神様なんていない、ぜったいに信じない)
ロクサーナが水晶に手を当てると、赤・青・緑・茶・黄・黒⋯⋯様々な色が渦を巻き、部屋に虹色の光が溢れた。眩しすぎて目を開けていられないほどの強い光は、ロクサーナが水晶から手を離すと、ゆっくりと消えていった。
「なんて事だ⋯⋯ロクサーナ・ブルーム。君は⋯⋯君は⋯⋯聖女だ!」
(終わったんなら、仕事にもどれる?)
「毎日ロクサーナが帰ってくるようになってから、薬草が元気に育つようになったんだぞ」
「そう言われると照れるなぁ。薬草に好かれる女ってやつ?」
「そりゃ間違いない、ロクサーナの魔力と薬草を見る目は天下一品だからな」
ガンツが土だらけの手でロクサーナの背中を叩いた。
「⋯⋯ガンツ、変なもんを拾い食いしたの?」
「薬草についちゃ冗談なんか言わねえよ。聖女辞めて薬師になりゃいいのに」
「毎日薬草とお喋りして、すり鉢でゴリゴリ⋯⋯楽しそうだねぇ」
ガンツの家族は両親も兄弟も魔法適性がなく、ガンツひとりだけ土属性があったが、10歳の頃は魔力がかなり少なかったと言う。魔法士見習いとして修練をしていたが、魔力が増えず断念し教会の庭師になった。
辺境にある教会に派遣されたガンツはメキメキと頭角を表し⋯⋯。
30近くになって鑑定魔法を身につけたのは本人の努力の賜物だろう。こっそりと魔力量を計ってみると人並み⋯⋯魔法士として十分な量に育っていた。
『今更魔法士への修練をするより、薬草を育てたい。魔力が増えたのも鑑定ができるようになったのも、全部薬草のお陰だからな』
そのことを知っているのはロクサーナとジルベルト司祭だけ。
(俺は恵まれてたと思ってる。ロクサーナがこの教会に来た頃、俺がここにいりゃ少しはなんかしてやれたのかもな)
しゃがみ込んで背を丸め、薬草に話しかけるロクサーナを見つめるガンツの目が潤んでいた。
★★ ★★
ロクサーナ5歳。
「この天気なんとかなんないのかしら⋯⋯曇りばかりだし風は強いし⋯⋯世紀末でもないのに、ほんと嫌になるわ。ロクサーナ、さっさと来なさい、何やってるの!」
裾が汚れるのを気にしながら大通りを歩くブルーム男爵夫人は濃い紫の派手なドレスを身につけ、ブリムに流行りの派手な羽根をつけた帽子をかぶっていた。
「革の靴に汚れがついたじゃない! アンタがトロトロしてるからよ」
叱られたのは大きな荷物を抱えて、婦人の後ろをよろよろ歩く少女。
あちこち擦り切れたり繕った跡のあるチュニックを着て、少し大きめの木靴をカポカポ言わせながら必死で歩いていた。
ガラガラと車輪の音が近付いてくる。
「逃げろ! 馬がぁぁ⋯⋯」
「きゃあぁぁ!」
「馬車が倒れた、中に子供が⋯⋯誰か、誰か手伝ってくれ、引っ張り出すぞ!」
暴走した馬車が横倒しになり、無理やりこじ開けたドアから子供が連れ出されたが、意識はなく頭から血を流し、右足がおかしな方に折れ曲がっていた。
「おい、おい⋯⋯聞こえるか!?」
「おい、治癒魔法のできる奴か医者はいないか!?」
周りで遠巻きにしている人達の中にはブルーム男爵夫人もいて、救助の様子を楽しそうにみている。
「そんなのいるわけないじゃない、ああ、あの子は死んじゃうわね。あんな高そうな物を着て、きっと高位貴族だわ~。教会なんて間に合わないから、さっさとくたばりやがれ。ふふっ」
子供を運ぶための戸板を探しに走り出す男や、頭の傷を確認する男⋯⋯。
(しんじゃうなんて、かわいそう)
ブルーム夫人の荷物を落としフラフラと歩き出したロクサーナは、子供のそばで膝をついた。途中で木靴が抜けた事も、ブルーム夫人の怒鳴り声がした事にも気付いていない。
「はやくげんきになあれ」
特別な何かがあったわけではないが、ただその言葉を言った方がいい気がしただけ。
ロクサーナの身体が虹色に光りはじめ、怪我をした子供の身体を包み込むと、光の粒が空から舞い降りふわふわと漂う。
「な、なんだ!?」
「もうだいじょぶ⋯⋯だから」
ふらっと身体が揺れたロクサーナは、そのまま少年の横に倒れ込んだ。
「血が、血が止まってる。足も⋯⋯」
「奇跡だ、奇跡が起きた! 聖女様だ、聖女様の奇跡だぁぁ!」
ロクサーナはその日、教会に引き取られた。
「ロクサーナ、何やってんだい! このグズ」
「ロクサーナ、いつまでかかってんだよ! 今日はご飯抜きだからね」
「ロクサーナ、それが終わるまで中に入ってくるんじゃないよ!」
「ロクサーナ⋯⋯」
「ロクサーナ⋯⋯」
「ロクサーナ⋯⋯」
「ロクサーナ⋯⋯」
来る日も来る日も仕事に追われる日々が続いているだけで、ロクサーナは何も分からない。知っているのはここが教会で、仕事をしないとパンがもらえない事だけ。
(きょうかいはこわい、おなかすいた)
外が明るくなる前に水汲みを終わらせないと、髪を掴んで引きずられ殴られて蹴られる。
朝食の時間が終わるまでに教会の前の落ち葉を全部掃き終わって、馬の世話を済ませないとパンを貰えない。
お昼の鐘が鳴るまでに洗濯と薬草採取と草むしりをして、ゴミを集めて埋める。それを済ませないと、ベルトや鞭で打たれるか火かき棒で殴られる。
窓を磨いて廊下の掃除を済ませて野菜の皮を剥いて、少なくなった水汲みをして薪を運んで鍋や皿を洗う。ちょっとでもヘマをしたらパンを貰えない。
(みんなこわい)
みんないなくなった調理場で、明日の朝の野菜の準備をする。葉物野菜を洗って並べて人参や芋の皮を剥いて、小麦粉を倉庫から運んでパンをこねる。
(ぜんぶおわったらねてもいいって。おなかすいた⋯⋯ねむい⋯⋯きょうかいもひともこわい)
全部終わったら半地下の倉庫の陰で寝られるのに⋯⋯。
「アンタは教会に借金があるんだ、それを払わないといけないんだから人より余分に働きな!」
(おやなんて、いたっけ?)
「信者の方と口利くとか、図々しいんだよ! 次に一言でも喋ったらこんな火傷くらいじゃ済まさない。背中全部を焼いてやるからね!」
(こんにちはって言われたから、こんにちはって言っただけなのに)
「借金があるのにパンが食べたいって言うからお仕置きしたんだけどさ、そしたらこの子、裏庭の雑草を食べてたんだよ~、意地汚いったらありゃしない。
雑草だって何だって、教会の敷地内のものはぜーんぶ神様のものなんだ! この泥棒が! 神様のバチがあたって死んじまえ!」
(すてる草なのにダメなの?⋯⋯ケチなかみさま⋯⋯きらい)
ロクサーナ10歳。
「司祭様が呼んでるってさ、とうとう神罰が下るんじゃね?」
「借金が山盛り残ってるのに、働きが悪いからさ。神様が怒ってらっしゃるんだよ」
「いつまで経ってもグズでノロマの役立たずだもん。借金は利息がついて増える一方だってさ~」
「鞭打ちなんて可愛いもんじゃ済まないって。浄化の炎で焼いて貰えば少しは真面になるんじゃない?」
(神様なんて⋯⋯いない)
初めて入った礼拝堂の奥にある大きな部屋。正面に等身大の女神像があり、その前の机の上には大きな水晶が置かれていた。
部屋にいたのは長く伸ばしたハニーブロンドをひとつに結び、青と翠のオッドアイの男だけ。
「ずいぶん汚れてるね。一体何をして⋯⋯まあいいか、後でちゃんと風呂で綺麗にしなさい」
(じょうかの火って、熱いのかな。死んじゃう?)
これからどんな仕置きをされるのか⋯⋯ドアの前で立ち止まり俯いたままのロクサーナは『しんばつ、こわい』と不安で震えていた。
「えーっと、ロクサーナは教会に住んでいるから知っていると思うが、この聖王国では10歳になると女神様の神判を受ける。天秤と剣を手にし、目隠しをした姿をしておられる女神ユースティティ様は『正義』を司り、この世界の人々を見守っておられる」
(目隠ししてるから、なにも見えてないの? それとも、私のことだけ見てないとか)
「緊張しなくてもいい、この水晶に手を当てなさい。女神様がロクサーナに最も相応しい適性を教えて下さるからね」
(神様なんていない、ぜったいに信じない)
ロクサーナが水晶に手を当てると、赤・青・緑・茶・黄・黒⋯⋯様々な色が渦を巻き、部屋に虹色の光が溢れた。眩しすぎて目を開けていられないほどの強い光は、ロクサーナが水晶から手を離すと、ゆっくりと消えていった。
「なんて事だ⋯⋯ロクサーナ・ブルーム。君は⋯⋯君は⋯⋯聖女だ!」
(終わったんなら、仕事にもどれる?)
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