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第十二章《エデンの東》~東の果てで魔王と出会った者~
15『エデンの東』
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「東へですか……」
黒き龍が東へ向かった。何の暗示か、当然私には解らない。
ザビエルはそう思いながらも、丸く刈り上げた頭頂部はヒリヒリと感じていた。
「はい東へです。……ところでザビエルさんにはお願いがあります」
「はっ、なんなりとお申し付け下さい」
「プロテスタントに対抗する為に、このヨーロッパ以外の地にも我がイエズス会が布教してもらおうと……」
「はい、それは前にも……」
「それと共に、黒き龍を探してほしいのです」
「えっ、黒き龍を……?」
「黒き龍は、災厄の標だと私は感じています。
当然、早期に手を打っておかないと――」
そこまで言うとロヨラは自らの足を見て、
「この戦場で傷付いた足で無ければ……
―――私自ら行きたいところですが……」
「もちろんロヨラ様の命であれば、なんなりと――」
そこで、ヒリヒリする丸刈りの頭頂部をさすりながら、
「しかし、私には見えますでしょうか?
……その黒き龍が……」
キリスト教の地をどんどん離れ、そう“エデンの東”の果てに向かっていく黒き龍を、私は認識することなどできますでしょうか?
「それは大丈夫です――」
次回、『サタン』。
黒き龍が東へ向かった。何の暗示か、当然私には解らない。
ザビエルはそう思いながらも、丸く刈り上げた頭頂部はヒリヒリと感じていた。
「はい東へです。……ところでザビエルさんにはお願いがあります」
「はっ、なんなりとお申し付け下さい」
「プロテスタントに対抗する為に、このヨーロッパ以外の地にも我がイエズス会が布教してもらおうと……」
「はい、それは前にも……」
「それと共に、黒き龍を探してほしいのです」
「えっ、黒き龍を……?」
「黒き龍は、災厄の標だと私は感じています。
当然、早期に手を打っておかないと――」
そこまで言うとロヨラは自らの足を見て、
「この戦場で傷付いた足で無ければ……
―――私自ら行きたいところですが……」
「もちろんロヨラ様の命であれば、なんなりと――」
そこで、ヒリヒリする丸刈りの頭頂部をさすりながら、
「しかし、私には見えますでしょうか?
……その黒き龍が……」
キリスト教の地をどんどん離れ、そう“エデンの東”の果てに向かっていく黒き龍を、私は認識することなどできますでしょうか?
「それは大丈夫です――」
次回、『サタン』。
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