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第十二章《エデンの東》~東の果てで魔王と出会った者~

9『イエス、愛、LOVE』

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西洋列強の侵略から日本を守るための時間稼ぎ、という信長の話を聞き――


(私の“第二”の故郷――この日本まで侵略されてしまったら……)



黒人家臣彌介はアフリカでヨーロッパ侵略軍と戦い、そして仲間を、彼女を虐殺され、そして同胞は奴隷としてアメリカ大陸に送られた――


「……」そのことを思い出しブルーになる――彌介。


……私は知っている。

ずっとヴァリニャーノ様と一緒だったから知っている。

キリスト教の教えは素晴らしい……


でも、明らかにヨーロッパの侵略のために教会は協力していた。(事実当時のイエズス会はスペインに庇護され、その侵略活動に協力していた。)


……それを信長様は理解しておられるし、警戒もなされている。


……なのに、

……どうして……


「信長様は何故、危険も多いキリスト教布教をお許しになっているのですか?」


「イエスが……」


「イエスが……?」彌介、信長がいきなりそのお方の名前をいうので驚く――

信長は続けて言う――





「イエスが好きなのである」

信長は、そう言うと少し顔を赤らめた感じで、

「まぁ、南蛮の言葉で言えば、“イエス愛”とでも――」



信長のその言葉に、彌介はすぐ「なるほど」と納得した。

『聖書』をすで読んでいる信長が、イエスの行いに感動するのは――自分もキリスト教徒の彌介にはよく解る。

(キリスト教徒ではない拙者てすら、イエスの行為に感動をおぼえるのだから。)


でも、それなら――

「イエス様が好きなら、何故ご自身が――」


「イエスを好きなのに、なぜ余が信者にならぬのか?――であろう」


「はい、イエス様の教えがキリスト教なのですから」


「はは、まぁ~疑問に思うのも無理ないであるか――」

信長は昔を懐かしがる様に、笑みを浮かべ――

そして衝撃の言葉を言った――



「実は、余は――……」



次回、

――天下人織田信長、衝撃のカミングアウト!!


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