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第七章『愛宕百韻』と光秀謀反の句の謎

63 『この日、嫡男信忠と光秀が愛宕山にいるという意味』

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今まで織田信長の詠んだ一句として――

〈三折裏〉の幻の十四句目『引きすてられし横雲の空』を論じてきましたが、

当然、この仮説には最大の問題があります。


……それは、

――そもそも信長は、愛宕山にいない。

その日、安土山にいる信長は、『愛宕百韻』に参加してない、できない、ということである。


「……つまり信長の句ではあり得ない」と思いますよね?


しかし、信長が百韻連歌に参加しに愛宕山に来なくとも……

実は『愛宕百韻』には参加できるのです。


何故なら……


そう何故なら、この愛宕山には……

そうこの五月二十八の愛宕山には――


織田信長が嫡男、そう、織田信忠がいるからです!


「なるほど、そうきたか!」と感じてくれた読者様、有難うございます!


そうです、本作品で発表した【衝撃の事実】――

明智光秀の謀反の決意表明で名高い百韻連歌を催した二十八日の愛宕神社に、織田信忠がいた!

この『イエズス会日本年報』のフロイスの記述より判明した事実――


つまり、三日後に光秀に討たれる信忠が、その光秀と同じ場所にいたという事実――


……この事実を偶然と呼ぶべきなのか?


いや、信長政権の次期当主となる信忠と、信長政権のNo.2である光秀がたまたま同じ場所に偶然いる訳がない!

と前述しましたが――

では何故、『本能寺の変』の通説では加害者と言われる光秀と被害者と言われる信忠が、事件の三日前に愛宕山に集ったのであろうか?


……そう、これが偶然ではなかったとしたら?


その答えは、一つはしかないではないか!


そう、そうなのだ――

この愛宕山で行われる光秀主賓の百韻連歌興行に、信忠も参加するために愛宕山にやって来たのである。


そして何故連歌興行に信忠が参加したかといえば――

当然、信長公認の連歌興行なので、

信長の指示で参加したというのが最も自然な答えである。


こうしてみていくと―― 


全ての事柄が自然と繋がっていくのを感じますし、

読者様にも感じて頂けたと思います。

そう、この『愛宕百韻』が、明智光秀の謀反の発露などではなく、

信長公認であるということが本作品で断定された。


そして、そうなると何故、光秀は後世『謀反の決意表明』と思われるような句をあえて公開の場で詠んだのか?

という疑問がから――

信長公認の連歌興行で詠われる歌々は、光秀が信長による『福音書計画』の為に、信長を討つことを意味することが明らかになる。


そして何故か、『愛宕百韻』の写しには、詠み人知らずの幻の一句があることが解り――

そして、その場所に嫡男信忠が事実いたということ。

そして、その事実より、詠み人知らずの句が、信長の詠んだ句と推定できること。

本当にこの事実の連鎖は、あることを意味することが解りますね!


そう、このことから解ることは――


《本能寺の変》は、織田信長による計画であり、明智光秀はその計画を忠実に果たした忠臣であり、

織田信忠もその父親信長の計画に参加して、本能寺の変で命を落としたということである。


……当然、読者様には、今まで本作品が論じてきたことを読んでも、にわかには信じられない話ではある。


しかし、安心してください!

本作品で、この信長による『福音書計画』実行の当日――

つまり六月二日の話はまだしていませんから!



次回予告、

信長、光秀、そして信忠が集った時――

本能寺の変の《真相》が明らかになる!


新章『最後の晩餐と安土饗応』


この日から、総てが始まった――


乞う、ご期待!





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