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第三章『信長とイエスーーその運命の類似』

24 『海を歩いた男』(信長)

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信長が“海の上を歩いた”という奇跡の場面はーー

信長が、室町幕府第十五代将軍に擁立した足利あしかが義昭よしあきがーー

信長に反旗を翻した時のことです。

『信長公記』によると、

信長は、義昭の挙兵の報告を受けるとーー


七月六日、ただちに信長公は例の大船に乗って、風の吹く日であったが、

坂本に向け、湖を風をおして渡られた。

その日は坂本でご宿泊。


七月七日、信長公は京に入られた。

二条の明覚寺に二陣を据え、猛勢で城を取り巻かれた。


将軍側の公家方はびっくりし、

いろいろと詫びごとを言い、人質を差し出して、誰もが同じ陣内に固まっていた。



……これのどこが、海の上を歩いた話になるの?

と、お思いの読者ばかりだと思いますがーー


信長は、将軍義昭か裏切ることを予見して、琵琶湖をはさんで対岸にある安土にーー

大勢の兵が乗れる巨大な船を用意しておいたのです。


そのため、変事が起きた時に陸路よりも早く迅速に軍勢を、京方面に送れるようになったのです。


それで敵方は、京で蜂起してたった一日でーー

信長が大軍を連れてやってきたので大いに驚いて、戦意喪失してしまったのでした。


ーー正に、“神速”の如しといった感じですね!


大船の存在を知らなかった敵方は、通常安土から大軍で来るには二日はかかる日程をーー

突然たった一日で、目の前に現れた信長軍を見てーー


「信長が対岸の安土から、大軍を引き連れて琵琶湖を歩いてきた……」


と思ったことでしょう。


……また、強引に聖書のイエスと結び付けたと感じる読者も多いと思います。
はたまた、
「よくもまぁいろんなたとえ話を見つけてくるな」と感心してくれる方も。




――が、喩えが話が多いと言えば……
実は『福音書』は喩え話のオンパレードなのです!


「なるほど、そういうことか!
だからこういう話の展開に持っていったのか――!」

と感じてくださった方ありがとうございます!



――さぁ、次回、あなたは……
イエスの奇跡の《真相》を知ることになります!



乞う、ご期待!

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