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はじまり

初めて物語で出てくる魔法がファイヤーボールとか基本的な属性魔法じゃないのってどうなんですかね。②

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さて、ここに来てスケルトンと冷静にコミュニケーションを取ろうとしている僕ですが、そんな摩訶不思議現実に対してどう対処したらいいのでしょうか。

LETS Question!

カチカチカチカチ…

テテーン!

正解は……………

A.僕にも分かりません。

いや分からないよ
だって魔法なんてこの世界にないと思ってたし、スケルトンだって初めて見たよ。
なにかのイタズラなのかな…
タイトルを考えるなら…うーん

【『神回!?』新築を買った若者にドッキリ!?新築魔法でにスケルトン召喚してみた!】

かな。

………ジー

「……え、あの…なんでそんな見つめてきてます!?なんか僕の顔についてますか!?」

「…」

「無視!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スケルトンの声は虚しくも
ロベルト・シュトライヒの耳にも骨にも心にも響かなかった。

超人的なスピードで思考を回す
ロベルト・シュトライヒ
そんな彼の脳内を今回はじっくりと見ていこう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

…うーん、違うか。
どこからどう見ても骸骨…?スケルトンだしなぁ。
てか…うわぁー、すごーい白いなぁ…素直に骨って感じ。
人の骨ってこんな感じなんだ…はじめて見た。
てかまって、…人…?人なのか?
元人なのかな?骨の形は明らかに人だけど、色んな種族がいるこの世界においてそこすらも疑問点になる。

え、触ってみてもいいのかな…さすがに硬いのかな
てか、骨ってことは出汁とかも取れる?
でもさすが初対面で触ったら失礼か…
それに、「それで出汁とか取れるんですか!?」とかきいても、多分怒られそう。

えー気になる。
出汁にする場合ラーメンとかにしたらどんな名称になるのかな…
骸骨ラーメン?とんこつラーメンならぬ人骨ラーメン?



……ぐろっ
さすがに無理だわ。

てか、そもそもなんで喋ってるんだ?
何がどうやって動いてるのかも気になる。
後ろに声の主でもいるのかな?

なんだろ、新築のお家でこんなこと起きてたら流石にな…さっきまでふつふつと湧いてた怒りは姿を変えて好奇心に……
…いやいやいやいやいやいやいやいや
そんなこと考えてる場合じゃなくて
この状況をどうするかが先でしょ!?

…え、どうしよう。
ずっとスケルトンと見つめ合うこの状況どうしたらいいんだろう。
魔法陣でさえツッコミどころ満載なのに、なんでスケルトンが壁尻で現れてるの?
助けを呼ぶ?いやいや、流石にスケルトンなんて見たらほとんどの人間腰抜かして泡吹いちゃうだろって。
てかなんで壁尻なんだよ
どこの薄い本だ。
スケルトンの薄い本…?誰得だ?
僕はそんな趣味ないぞ。
てか、なんでか尻がこわい。
理由は深く思い出せない。否、思い出したくない。思い出せるのだろうけれど、きっとこれは思い出してはいけない。そんな、臭いものに蓋をした記憶。それがなぜが脳内に酷くこびりついている。



…えーー誰か助けよ。
神様助けてください。
もしくは優しいお友達がいれば包み込んで欲しいですね。はい。

…え、いる?いるかな!?
とりあえず手上げてもやってもいいですか!
はーーーい!

…シーン

…はい、皆さんが静かになるまで0秒かかりました。

知ってましたよ。えぇ…はい。
だってこれはただの僕の脳内で巡り巡っている独り言なんだもの。
さっきからブツブツ考えてるこれぜーーーんぶ僕の頭の中の思考だもの。

それを読まれているのしたら恥ずかしいったらありゃしない。
ただ、僕のことを助けてくれるなら読むのを許そう。
てか許すというか、その、助けて!?ほんとに助けて!?僕これどうしたらいいのかわかんない!さすがにこれは経験が無さすぎるって!知ってる人がいたら助けてよ!
いや…助けてくださいほんとに。

…ってことで、あの…シンプルに助けてー?
この不思議な現実から僕を引っ張り出して貰えません?
新築のお家でグータラ生活をする予定だった現実に僕を戻して?

というか、神様とか見てるでしょ?神様視点で見てたりするでしょ、ゲームだったり漫画だったりアニメだったり。なんかそのーストーリーを客観的に見てる存在的な!
ねぇ、神様!?おーい!聞こえてますかぁ!?神様ァー?

『う……いな…』

「っ!!…いっ……た…」

「え、大丈夫ですか!?」

そう強く願いを込めた瞬間、脳裏にとある声が響く。
頭痛が走るように頭を刺激するその声は、自然と言語として理解に到達する。
時が止まったかのように、思考が明瞭になり…そして、意識がとある世界へと引きずり込まれていく。
何故か心配の表情をうかべるスケルトンの声を置いて。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
思考の中に広がるとある空間
何の変哲もない真っ白な部屋には彼がいた。

『…うるさいなぁ。なんでこんな序盤で呼び出してるんですかー?』

「いや、流石にこれは助け呼ぶって!てか序盤じゃないよ!?結構僕頑張ったよ!?ヴァモナに土地買うまで至りましたけども!?」

『いやだってさ、こっちはロベルトさんの思考をゆっくり見ていこー!みたいなノリだったのにさ?のんびりするまでもなく急に呼び出してくるんだもん…言うならアポ取って、アポ。わかる?アポイントメント!常識だよー?』

「1番常識ないやつが常識語るのやめて?てか人の思考をそんな企画みたいに見るのやめて??」

『常識あるよ、というか僕自身が常識そのものだから。僕はこの世界の神様なんだからね』

「常識あるやつはすぐに呼び出したら返信くれるのよ…少なからず返信遅れてごめんなさいの連絡くらいはくれるのよ…そもそも思考勝手に見ません。神様じゃない人でも出来る事だよ!?報!連!相!OK?」

『…ふーん…そうなんだ………』

「さすがに興味無さすぎじゃない?」

緑色の髪と万年筆のピアスが特徴的な中肉中背の男性の口からは、ペラペラと薄っぺらい言の葉が紡がれていた。
椅子に腰をかけて本にペンを走らせるその姿は、人とは違う異質な存在そのもの
カリカリと描き進められていくその本は、どんどんと文字に埋め尽くされていき…そして

区切りがいいところまでいったのだろうか、彼はそっと本を閉じこちらに視線を向ける。

『…興味はあるよー、だから君の面倒見てるんじゃん。だからこそ僕は君にこう伝えよう。あれは普通に切り抜けられたくないー?あのスケルトン、コミュニケーションとれる感じだったじゃん』

「なんでスケルトンと会話しないといけないのさ!てかあれなに!スケルトンがなんでこの世界にいるの!?てか魔法だってこの世界にはないんじゃないの!?なんで僕の新築にスケルトンが住んでるの!?なんでなんでなんでなんで!?」

『ちょちょちょ!一気に聞かないでよ…流石に神様でも全部一気に答えられる口はありません。焦らない焦らない…時間はいくらでもあるんだ、ゆっくり答えさせてよ』

「ゆっくりしてらんないって…新築にスケルトン住んでるこの状況でなんでゆっくり出来ると思ってるのよ…」

『まぁまぁ…時止めてあるから…そのための神様パワーよ。とりあえずどこから説明するから…えっとーー……はぁ…めんど』

「いや流石に面と向かってめんどっていうのは常識なくない!?」

自然と会話は進む。
まるで、何年前からの付き合いのようなそんなやり取りがそこにはあった。
突然意識が別世界に遮断される。
そんな不思議な現状に対して、違和感はない。
むしろ、ようやく返事をくれたことに、喜びと苛立ちの感情が芽生えるどころか根を張って花を咲かせ始めたところだ。

僕はこいつが苦手だ。
でも、こいつのおかげでこの世界に存在できているのはよくわかっている。
分かることかもしれないが、この呼び掛けは初めてではいし、この空間に来るのも初めてでは無い。

神と名乗る謎の男

こいつとの出会いは、数十年前
これは、僕がまだこの世界に産まれる前の話に繋がる。
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