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ゴールデンウィーク お泊まり編
7日目 今も過去も愛せるように⑫
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メモの続き…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから…………
春樹には、1つだけお願いがあります。
あなたのその優しさで
色んな人を救ってあげてください。
私は人を救えるほど…強い人間にはなれなかった…。
それどころか、守られてばかりの落ちこぼれ…
自分を傷つけてばっかのダメ人間には、そんな余裕は…案の定ありません。
私が今回、死ぬことを決意の理由は他のメモに書いておいたけど…読んでくれた?
大切な人を守るため…って。
…意味わかんないよね笑
私が死ぬことが大切な人を守るのに繋がるって。
…実際、今回の件はそう。
最初にも書いといたけど
私なりに、色んなリスク考えて動いた結果が今ある現実。
…最悪の場合、春樹にもふーちゃんにも飛び火しちゃう可能性があったんだもん。
上から来る圧力に立ち向かう勇気のない私は、自己犠牲でどうにかするしかなかったの。
…たぶん今
そんなこと言わずに僕に相談しろよバカ
って思ってるでしょ?
…ふふ
…もしそうなら、春樹らしいよねぇ笑
優しくて
自分のことよりも、大切な人のために動ける。
…そういうところ、ほんと大好き。
でもさ、春樹
…春樹は、絶対無理をするよね。
多分私が相談したら、いじめの解決に動いてくれると思う。
でも、その時のリスクが大きすぎるのよ。
私のことを気にして友達もあんまり作ろうとしなかった貴方が、突然何かをしようとしても、いい方に動くことはほとんどない。
周りが思うことはどんなことだと思う?
「何こいつ、いきなりどうしたし。きっも」
…集団心理の恐ろしさってのが、現実にはあるの。
春樹なら、そんな事言われても耐えれるかもしれない。
でも、それは私が耐えられないわ…。
大切な人が酷く言われている姿は1番許せない。
それなら、私一人の犠牲で済むなら
それで構わないわ。
…もともと、2人がいなかったら
私はとっくにこの世に居ないしね。
だから後悔も躊躇もないわ。
これが、私からの最後の恩返し。
数少ない、大切な人を救うための…私の決意だったの。
それだけはほんとにわかって欲しいな…
…って…ごめん、ちょっと話が逸れちゃったね。
…まぁ、最後くらいいいか。
春樹の優しさは、これから色んな人の人生を変えていくと思う。
本来なら…それは、みんなに向けるべき優しさでもあったの。
いやまぁ…私にそれを向けてくれていたのは本当に嬉しいし…幸せだったけどね?
春樹の笑顔…可愛すぎなのよ笑
それを独り占めできてたのって…ホント贅沢すぎだと思う笑
でも、今度からは、それは色んな人に向けてあげて?
色んな人を愛してあげてください。
…その上で…春樹が一番幸せになれる道を、進んでください。
…私が言いたいのはこのくらいかな。
天国で…いや、地獄かもしれないけど
春樹のことはずっと見守ってるから。
私と同じ道を進むことだけは…
絶対に許さないから。
…じゃ!
今まで本当にありがとう。
これからも、頑張ってね!!
大好きだよ。
以上、櫻井愛美からのメッセージでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
愛美さえ幸せならいい。
僕もそれで幸せだった。
でも、愛している彼女はもう居ない。
だけど、メッセージを読んだ僕の心の中は何故か落ち着きを取り戻し始めている。
「僕が…一番幸せになれる道…か…」
そう考えてみるものの、思い浮かぶのはたった一つの答えだった。
それは、彼女願いを叶えること以外の何物でもない。
愛美がそう願うなら…僕はその願いを叶えるだけ。
ただそれだけだった。
その時に、僕の頭の中に思い浮かばれるひとつの名前。
「柊冬華」
彼女は愛美と最後まで仲良くしてくれた。
あの人と…まずは仲良くなりたい。
たぶん…愛美と仲がいいってことは、僕も仲良くなれる可能性は十分にある。
「頑張ってね!!」
頭の中に響く、元気で明るい元気な声。
「…分かってる。僕に任せて」
その言葉の期待に応える為にも、僕は新しい人生のスタートを切るために動き始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後
学校に行った結果、冬華さんの現状を知ることになり…お見舞いへ…
…その後は…えっとー…あれれ…
僕の記憶はそのお見舞いにいったところで止まっている。
思い出せたのは愛美との思い出と現実
冬華さんと出会う前の僕のこと…って感じか…
「…??」
もう少し思い出せたら良かったんだけど…
でも…欲張りなことは言えないよなぁ…
うーん…
「…ー??」
結局…冬華さんと僕の出会いはわかったけど、その後どんなことがあったのかとか…そういうことは分からなかったな…
「…春樹くんー??」
…まぁ…でも、僕の過去の記憶には代わりはないし…これでいいか…
「…はーるーきーくーん!!!!」
「………うぇっ!?なに!?」
「…大丈夫??」
耳元に響く冬華さんの声が
僕の意識をはっきりさせる。
隣を見ると、ベットの上で何故か正座をしている冬華さんがいる。
ソファーに座り込んだまま、僕はほぼ寝ていたようだ。
周りを見ると、窓の外は暗くなっている。
「…え、今何時…ですか??」
「6時です。」
「…6時!?!?」
壁掛けの時計を見ると
時刻は5時50分を指している。
…うっそ
思い出される記憶を整理してるだけで…こんなに時間が…
「…それに、これ」
冬華さんは僕の頬と目の下を親指で拭い始める。
「…寝ながら泣いてたけど…何かあったの?」
「…え」
冬華さんに言われるまで気づかなかった
僕…いつの間にか泣いてたんだ。
頬に触れる冬華さんの手が、いつもより暖かい。
「…私の事ベットに運んでくれたのは嬉しかった。でも、1人で携帯見なくても良かったんじゃないの…?素直に頼れる時は頼って欲しかったんだけど…」
「いやいや…さすがに起こす訳にはいかないし…できることは自分でやらなきゃ…」
「…はぁ」
その言葉を聞いた冬華さんは
大きなため息をつくと
ほっぺを軽く膨らませ、ムッとした顔をする。
その瞬間、僕の中で嫌な予感がした。
やばい。
怒らせてしまった。
「…あの時傍にいてって言ってくれたから、1人で見るの怖いのかなって思ってたけど…違うんですねぇ」
「…いや、そういう訳じゃ…」
「もう知りませーん!私は怒りました!」
プイッ
と首を横に向け、立ち上がり自分の部屋に戻っていってしまった。
ドタドタドタと歩く足音は、彼女の心境を表しているようで、僕は案の定彼女を怒らせてしまったようだ。
「ちょっと!まっ!」
バタンッ!
力強く閉められるドア。
それと同時に、伸ばしかけていたてはストンと力が抜け、床を撫でるように揺れる。
…や、やらかしたなぁ…
どうにかして仲直りしないと…お泊まりするってなると相当気まずい。
どうにかしなきゃ…
ギュルルルル…
その時、向こうの部屋から、大きなお腹の音が聞こえ始める。
…
「…冬華さん??」
「……」
「…お腹すいてます??」
「…空いてない。」
「………」
「………」
「………晩御飯…僕が作ろうかなって思うんだけど…」
ドアの向こう側にいる冬華さんにご飯について聞いてみる。
てか…もともと…何か作っておく予定だったし…
どうにか…これで挽回出来ないかな…
って…そんな、簡単な人じゃない…か
カチャッ…
「……作るの?」
いや、釣れるんかーい!
小さくドアを開け、少しだけ顔を出す冬華さん。
目を細め不機嫌そうな顔をしているが
顔が少しだけ赤くなっている。
それに…さっきより声のトーンが優しい。
僕はそんな彼女を見て少し安心する。
「うん。何食べたい??作れるものならなんでも作るよ?」
「…………………肉じゃが」
「ふぇ?」
「……春樹の…肉じゃが食べたい」
想像以上に家庭的な料理のオーダーだな…
料理の注文をすると、さっきよりもドアを開き顔を出してくれる。
とてつもなく難しい料理を作らされる気がしていのだが…肉じゃがなら簡単に作れる。
「わかった!肉じゃがね?それじゃ冷蔵庫かりるねー?」
「…材料ない。」
「え?」
「…冷蔵庫…空っぽ」
………
「…最近まで、自炊してなかったから…空っぽです。」
申し訳なさそうに謝る冬華さん。
それと同時に、顔を出す冬華さんと目が合っているのもあり、気まずい空気が部屋を漂い始める。
そりゃそうだ…
怒ったと思ったらお腹が鳴って恥を書いた上での会話だ。
…うん、仕方ない。
「…買い物…行きます???」
「…行く。」
そういうと、冬華さんは素直に部屋から出てきてくれた。
冬華さんは顔を赤くしており、目を合わせてくれなくなった。
…でも、ちょっとそんなところが可愛らしい。
「…もう出れます?」
「…うん」
「じゃ行きましょう」
「…待って…」
「あ、はい。なにか忘れ物…」
その時
そっと僕に近づく冬華さん。
そして
手に優しい温もりを感じる。
冬華さんが僕の手を掴んでいたのである。
「…手…繋いでいく…」
冬華さんの顔は下を向いて見えないが、
耳は今にも発火しそうなほど真っ赤になっている。
それはお腹が鳴ったからなのか…それとも…手を繋いだからなのか…
僕には分からない。
「…分かりました。」
それでも
こんなに可愛らしく頼まれたのでは断れるはずがない。
僕は彼女の手を握り返し、2人で買い物に向かうのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから…………
春樹には、1つだけお願いがあります。
あなたのその優しさで
色んな人を救ってあげてください。
私は人を救えるほど…強い人間にはなれなかった…。
それどころか、守られてばかりの落ちこぼれ…
自分を傷つけてばっかのダメ人間には、そんな余裕は…案の定ありません。
私が今回、死ぬことを決意の理由は他のメモに書いておいたけど…読んでくれた?
大切な人を守るため…って。
…意味わかんないよね笑
私が死ぬことが大切な人を守るのに繋がるって。
…実際、今回の件はそう。
最初にも書いといたけど
私なりに、色んなリスク考えて動いた結果が今ある現実。
…最悪の場合、春樹にもふーちゃんにも飛び火しちゃう可能性があったんだもん。
上から来る圧力に立ち向かう勇気のない私は、自己犠牲でどうにかするしかなかったの。
…たぶん今
そんなこと言わずに僕に相談しろよバカ
って思ってるでしょ?
…ふふ
…もしそうなら、春樹らしいよねぇ笑
優しくて
自分のことよりも、大切な人のために動ける。
…そういうところ、ほんと大好き。
でもさ、春樹
…春樹は、絶対無理をするよね。
多分私が相談したら、いじめの解決に動いてくれると思う。
でも、その時のリスクが大きすぎるのよ。
私のことを気にして友達もあんまり作ろうとしなかった貴方が、突然何かをしようとしても、いい方に動くことはほとんどない。
周りが思うことはどんなことだと思う?
「何こいつ、いきなりどうしたし。きっも」
…集団心理の恐ろしさってのが、現実にはあるの。
春樹なら、そんな事言われても耐えれるかもしれない。
でも、それは私が耐えられないわ…。
大切な人が酷く言われている姿は1番許せない。
それなら、私一人の犠牲で済むなら
それで構わないわ。
…もともと、2人がいなかったら
私はとっくにこの世に居ないしね。
だから後悔も躊躇もないわ。
これが、私からの最後の恩返し。
数少ない、大切な人を救うための…私の決意だったの。
それだけはほんとにわかって欲しいな…
…って…ごめん、ちょっと話が逸れちゃったね。
…まぁ、最後くらいいいか。
春樹の優しさは、これから色んな人の人生を変えていくと思う。
本来なら…それは、みんなに向けるべき優しさでもあったの。
いやまぁ…私にそれを向けてくれていたのは本当に嬉しいし…幸せだったけどね?
春樹の笑顔…可愛すぎなのよ笑
それを独り占めできてたのって…ホント贅沢すぎだと思う笑
でも、今度からは、それは色んな人に向けてあげて?
色んな人を愛してあげてください。
…その上で…春樹が一番幸せになれる道を、進んでください。
…私が言いたいのはこのくらいかな。
天国で…いや、地獄かもしれないけど
春樹のことはずっと見守ってるから。
私と同じ道を進むことだけは…
絶対に許さないから。
…じゃ!
今まで本当にありがとう。
これからも、頑張ってね!!
大好きだよ。
以上、櫻井愛美からのメッセージでした。
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愛美さえ幸せならいい。
僕もそれで幸せだった。
でも、愛している彼女はもう居ない。
だけど、メッセージを読んだ僕の心の中は何故か落ち着きを取り戻し始めている。
「僕が…一番幸せになれる道…か…」
そう考えてみるものの、思い浮かぶのはたった一つの答えだった。
それは、彼女願いを叶えること以外の何物でもない。
愛美がそう願うなら…僕はその願いを叶えるだけ。
ただそれだけだった。
その時に、僕の頭の中に思い浮かばれるひとつの名前。
「柊冬華」
彼女は愛美と最後まで仲良くしてくれた。
あの人と…まずは仲良くなりたい。
たぶん…愛美と仲がいいってことは、僕も仲良くなれる可能性は十分にある。
「頑張ってね!!」
頭の中に響く、元気で明るい元気な声。
「…分かってる。僕に任せて」
その言葉の期待に応える為にも、僕は新しい人生のスタートを切るために動き始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後
学校に行った結果、冬華さんの現状を知ることになり…お見舞いへ…
…その後は…えっとー…あれれ…
僕の記憶はそのお見舞いにいったところで止まっている。
思い出せたのは愛美との思い出と現実
冬華さんと出会う前の僕のこと…って感じか…
「…??」
もう少し思い出せたら良かったんだけど…
でも…欲張りなことは言えないよなぁ…
うーん…
「…ー??」
結局…冬華さんと僕の出会いはわかったけど、その後どんなことがあったのかとか…そういうことは分からなかったな…
「…春樹くんー??」
…まぁ…でも、僕の過去の記憶には代わりはないし…これでいいか…
「…はーるーきーくーん!!!!」
「………うぇっ!?なに!?」
「…大丈夫??」
耳元に響く冬華さんの声が
僕の意識をはっきりさせる。
隣を見ると、ベットの上で何故か正座をしている冬華さんがいる。
ソファーに座り込んだまま、僕はほぼ寝ていたようだ。
周りを見ると、窓の外は暗くなっている。
「…え、今何時…ですか??」
「6時です。」
「…6時!?!?」
壁掛けの時計を見ると
時刻は5時50分を指している。
…うっそ
思い出される記憶を整理してるだけで…こんなに時間が…
「…それに、これ」
冬華さんは僕の頬と目の下を親指で拭い始める。
「…寝ながら泣いてたけど…何かあったの?」
「…え」
冬華さんに言われるまで気づかなかった
僕…いつの間にか泣いてたんだ。
頬に触れる冬華さんの手が、いつもより暖かい。
「…私の事ベットに運んでくれたのは嬉しかった。でも、1人で携帯見なくても良かったんじゃないの…?素直に頼れる時は頼って欲しかったんだけど…」
「いやいや…さすがに起こす訳にはいかないし…できることは自分でやらなきゃ…」
「…はぁ」
その言葉を聞いた冬華さんは
大きなため息をつくと
ほっぺを軽く膨らませ、ムッとした顔をする。
その瞬間、僕の中で嫌な予感がした。
やばい。
怒らせてしまった。
「…あの時傍にいてって言ってくれたから、1人で見るの怖いのかなって思ってたけど…違うんですねぇ」
「…いや、そういう訳じゃ…」
「もう知りませーん!私は怒りました!」
プイッ
と首を横に向け、立ち上がり自分の部屋に戻っていってしまった。
ドタドタドタと歩く足音は、彼女の心境を表しているようで、僕は案の定彼女を怒らせてしまったようだ。
「ちょっと!まっ!」
バタンッ!
力強く閉められるドア。
それと同時に、伸ばしかけていたてはストンと力が抜け、床を撫でるように揺れる。
…や、やらかしたなぁ…
どうにかして仲直りしないと…お泊まりするってなると相当気まずい。
どうにかしなきゃ…
ギュルルルル…
その時、向こうの部屋から、大きなお腹の音が聞こえ始める。
…
「…冬華さん??」
「……」
「…お腹すいてます??」
「…空いてない。」
「………」
「………」
「………晩御飯…僕が作ろうかなって思うんだけど…」
ドアの向こう側にいる冬華さんにご飯について聞いてみる。
てか…もともと…何か作っておく予定だったし…
どうにか…これで挽回出来ないかな…
って…そんな、簡単な人じゃない…か
カチャッ…
「……作るの?」
いや、釣れるんかーい!
小さくドアを開け、少しだけ顔を出す冬華さん。
目を細め不機嫌そうな顔をしているが
顔が少しだけ赤くなっている。
それに…さっきより声のトーンが優しい。
僕はそんな彼女を見て少し安心する。
「うん。何食べたい??作れるものならなんでも作るよ?」
「…………………肉じゃが」
「ふぇ?」
「……春樹の…肉じゃが食べたい」
想像以上に家庭的な料理のオーダーだな…
料理の注文をすると、さっきよりもドアを開き顔を出してくれる。
とてつもなく難しい料理を作らされる気がしていのだが…肉じゃがなら簡単に作れる。
「わかった!肉じゃがね?それじゃ冷蔵庫かりるねー?」
「…材料ない。」
「え?」
「…冷蔵庫…空っぽ」
………
「…最近まで、自炊してなかったから…空っぽです。」
申し訳なさそうに謝る冬華さん。
それと同時に、顔を出す冬華さんと目が合っているのもあり、気まずい空気が部屋を漂い始める。
そりゃそうだ…
怒ったと思ったらお腹が鳴って恥を書いた上での会話だ。
…うん、仕方ない。
「…買い物…行きます???」
「…行く。」
そういうと、冬華さんは素直に部屋から出てきてくれた。
冬華さんは顔を赤くしており、目を合わせてくれなくなった。
…でも、ちょっとそんなところが可愛らしい。
「…もう出れます?」
「…うん」
「じゃ行きましょう」
「…待って…」
「あ、はい。なにか忘れ物…」
その時
そっと僕に近づく冬華さん。
そして
手に優しい温もりを感じる。
冬華さんが僕の手を掴んでいたのである。
「…手…繋いでいく…」
冬華さんの顔は下を向いて見えないが、
耳は今にも発火しそうなほど真っ赤になっている。
それはお腹が鳴ったからなのか…それとも…手を繋いだからなのか…
僕には分からない。
「…分かりました。」
それでも
こんなに可愛らしく頼まれたのでは断れるはずがない。
僕は彼女の手を握り返し、2人で買い物に向かうのであった。
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