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ゴールデンウィーク 遊園地編
6日目 3等分+1 ④
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「…まだまだ時間かかりそうですね」
「…そうだな」
長蛇の列は少しづつ短くなっているものの、まだまだポップコーンを買うのには時間がかかりそうだ。
…暇だな
「なぁ、ノア?」
「なんですか?告白ならいつでもOKですよ??」
「いやいや、そうじゃなくてさ?」
「ちぇ…」
そこで僕は、ノアにゲームを仕掛けることにした。
「今僕達はポップコーン売っている列に並んでいるけど、隣にはなんの列があるかわかる?」
「えっと…〆鯖売ってます!」
「いや売ってないだろ!?なんで遊園地に〆鯖!?あるわけ!…いや…売ってるな、え?なんで売ってるの??こわ」
隣の列の先頭の人たちは〆鯖を片手に、どこかに行ってしまう。
「なんか、つい最近新しいニーズに応えるためにフードコートでお酒を提供できるようしたらしいので、その影響だと思います!」
確かに…並んでいるのはおじさんばかりである。そして、面白がって並ぶ若者が数名…
遊園地のメルヘンな見た目に対して
向こうのお店はまるでお祭りの屋台
いや…なんかもう…ミスマッチすぎて
逆に芸術的な何かを感じてしまう。
「…まぁ、とりあえずだ。暇だしあのお店で今から買うあのお客さんは何を買うのか当てるゲームやろうよ」
「いいですねー、何か賭けますー?」
「そうだなー、んじゃ勝った方は1つだけなんでも質問できるってことにしよう。その質問には必ず答えるって感じで。」
「ほう!!!これは勝つしかないですね!あんなことやこんなことを聞けるチャンスです…ぐへへへへ。」
ノア…いかがわしいこと考えてるおじさんみたいな顔してるよ…
初めてこの子の顔を見た人は、可愛いおっさんか何かと勘違いしてしまうのではないだろうか。
「…はい。んじゃ勝負は3回で、あの今買ってる人の後ろの3組が買ってくものを当てるってことで!」
「よっしゃ!任せてくださいよー!絶対に勝ちますから!」
こうして負けられない戦いが始まった。
そして…
「負けたァァァァァァァ!!」
「ま…だよね」
ノアは完全敗北したのであった。
「な…なぜだ!私の予想は!完璧だったはずなのに!!」
「いやいやいや…」
ここでノアの回答を見てみよう
1組目のおじさん2人組
ノアの予想は「〆鯖2つ」
しかし、僕の予想は「お茶2本」
結果は「お茶2本」だった。
そして次、家族3人で来てるお客さんたち
ノアの予想は「今度こそ!〆鯖3つ!」
僕の予想は「…お茶3本で」
結果は「お茶3本」だった。
そして最後のお客さん
見た目は完璧な老紳士のおひとり様
ノアの予想は…
もちろん「〆鯖ぁぁぁ!!!!」
僕の予想は…「水…かな」
結果は…「水」だった。
3対1で僕の勝利である。
「…なんで…〆鯖…珍しくてみんな買う…さっきの人…買ってた…」
「…ノア?」
「…な、なんですか」
「…よく見て??」
「??」
僕はあのお店に対して指を指した。
よく見ると、最後の方で列が分裂しているのである。
その分裂は3つに別れており
右から「〆鯖」
真ん中「お茶」
左「水」
の販売をしていた。
僕はその分裂に気づいていたものの、ノアはその分裂に一切気づいていなかったのである。
「…うそ…でしょ?」
「なんか…その…まぁ…〆鯖買う人少ないのは当たり前だよね」
「だってえぇぇ!〆鯖売りにしてるじゃん!あのお店!」
「ノアは遊園地で〆鯖買おうと思う?」
「思いません」
「ならなんで他の人は買うと思ったの?」
「それは、その…あのお店の…イチオシだから…その…」
「…はい」
「…はい」
無事戦いを終え、暇つぶしをすることが出来た我々2人組だった。
そして…
「んじゃ、何聞こうかなぁ」
「負けたからにはなんにでも答えますよ…?…えっちなのは…恥ずかしいですけど先輩なら…」
「いや…しないから」
「…むぅ!ちょっとくらい私の体に興味持ってくださいよ!私は多少はありますよ!多少は!」
「そういう問題じゃなくて!」
「あーもういいです!今から私はエッチな質問しか受け付けません!私の体に興味持ってもらいますから!」
「いやいやいやいや、なんでこんな遊園地でそんなセクハラしないといけない展開になってるの!?」
「いいえ!問答無用です!私だって先輩を誘惑できるってことを証明しないと気がすみません!」
そして
ノアは僕の手を掴み
あろうことか
自分の胸へと僕の手を押し当て始めた。
「ちょ!ノア!やめてって!」
「やめないです!で、感想は!?」
「えっと…想像以上に大き…じゃなくて!こういうの良くないって!」
「素直にいえばいいじゃないですかー!」
周りからどんな風に見られてしまっているのだろう…
隣の〆鯖の列からの視線がとても痛い。
後ろに並んでいる家族ずれの人達は子どもの目を塞ぎ「見ちゃダメよ!」と言わんばかりに目を逸らしている。
…やばい…これじゃ出禁になる
「ほら!ちゃんと感想ください!」
さらに強く押し付け始める
本当にまずい…
どうにかこの状況を打開する方法は…
「…なに…してるの???」
後ろの方から聞きなれたいつもの声が聞こえる
ゆっくり振り向くとそこには…
引きつった顔をした冬華さんと
後ろでやれやれと呆れている鳴海さん
何故か冬華さん以上に驚いた顔をしている一秋がいた。
…神さま仏さま、どうにか助けてください。
「冬華さん!これはちが」
その瞬間
僕の頬にビリッとイナズマのような衝撃が走った。
「…そうだな」
長蛇の列は少しづつ短くなっているものの、まだまだポップコーンを買うのには時間がかかりそうだ。
…暇だな
「なぁ、ノア?」
「なんですか?告白ならいつでもOKですよ??」
「いやいや、そうじゃなくてさ?」
「ちぇ…」
そこで僕は、ノアにゲームを仕掛けることにした。
「今僕達はポップコーン売っている列に並んでいるけど、隣にはなんの列があるかわかる?」
「えっと…〆鯖売ってます!」
「いや売ってないだろ!?なんで遊園地に〆鯖!?あるわけ!…いや…売ってるな、え?なんで売ってるの??こわ」
隣の列の先頭の人たちは〆鯖を片手に、どこかに行ってしまう。
「なんか、つい最近新しいニーズに応えるためにフードコートでお酒を提供できるようしたらしいので、その影響だと思います!」
確かに…並んでいるのはおじさんばかりである。そして、面白がって並ぶ若者が数名…
遊園地のメルヘンな見た目に対して
向こうのお店はまるでお祭りの屋台
いや…なんかもう…ミスマッチすぎて
逆に芸術的な何かを感じてしまう。
「…まぁ、とりあえずだ。暇だしあのお店で今から買うあのお客さんは何を買うのか当てるゲームやろうよ」
「いいですねー、何か賭けますー?」
「そうだなー、んじゃ勝った方は1つだけなんでも質問できるってことにしよう。その質問には必ず答えるって感じで。」
「ほう!!!これは勝つしかないですね!あんなことやこんなことを聞けるチャンスです…ぐへへへへ。」
ノア…いかがわしいこと考えてるおじさんみたいな顔してるよ…
初めてこの子の顔を見た人は、可愛いおっさんか何かと勘違いしてしまうのではないだろうか。
「…はい。んじゃ勝負は3回で、あの今買ってる人の後ろの3組が買ってくものを当てるってことで!」
「よっしゃ!任せてくださいよー!絶対に勝ちますから!」
こうして負けられない戦いが始まった。
そして…
「負けたァァァァァァァ!!」
「ま…だよね」
ノアは完全敗北したのであった。
「な…なぜだ!私の予想は!完璧だったはずなのに!!」
「いやいやいや…」
ここでノアの回答を見てみよう
1組目のおじさん2人組
ノアの予想は「〆鯖2つ」
しかし、僕の予想は「お茶2本」
結果は「お茶2本」だった。
そして次、家族3人で来てるお客さんたち
ノアの予想は「今度こそ!〆鯖3つ!」
僕の予想は「…お茶3本で」
結果は「お茶3本」だった。
そして最後のお客さん
見た目は完璧な老紳士のおひとり様
ノアの予想は…
もちろん「〆鯖ぁぁぁ!!!!」
僕の予想は…「水…かな」
結果は…「水」だった。
3対1で僕の勝利である。
「…なんで…〆鯖…珍しくてみんな買う…さっきの人…買ってた…」
「…ノア?」
「…な、なんですか」
「…よく見て??」
「??」
僕はあのお店に対して指を指した。
よく見ると、最後の方で列が分裂しているのである。
その分裂は3つに別れており
右から「〆鯖」
真ん中「お茶」
左「水」
の販売をしていた。
僕はその分裂に気づいていたものの、ノアはその分裂に一切気づいていなかったのである。
「…うそ…でしょ?」
「なんか…その…まぁ…〆鯖買う人少ないのは当たり前だよね」
「だってえぇぇ!〆鯖売りにしてるじゃん!あのお店!」
「ノアは遊園地で〆鯖買おうと思う?」
「思いません」
「ならなんで他の人は買うと思ったの?」
「それは、その…あのお店の…イチオシだから…その…」
「…はい」
「…はい」
無事戦いを終え、暇つぶしをすることが出来た我々2人組だった。
そして…
「んじゃ、何聞こうかなぁ」
「負けたからにはなんにでも答えますよ…?…えっちなのは…恥ずかしいですけど先輩なら…」
「いや…しないから」
「…むぅ!ちょっとくらい私の体に興味持ってくださいよ!私は多少はありますよ!多少は!」
「そういう問題じゃなくて!」
「あーもういいです!今から私はエッチな質問しか受け付けません!私の体に興味持ってもらいますから!」
「いやいやいやいや、なんでこんな遊園地でそんなセクハラしないといけない展開になってるの!?」
「いいえ!問答無用です!私だって先輩を誘惑できるってことを証明しないと気がすみません!」
そして
ノアは僕の手を掴み
あろうことか
自分の胸へと僕の手を押し当て始めた。
「ちょ!ノア!やめてって!」
「やめないです!で、感想は!?」
「えっと…想像以上に大き…じゃなくて!こういうの良くないって!」
「素直にいえばいいじゃないですかー!」
周りからどんな風に見られてしまっているのだろう…
隣の〆鯖の列からの視線がとても痛い。
後ろに並んでいる家族ずれの人達は子どもの目を塞ぎ「見ちゃダメよ!」と言わんばかりに目を逸らしている。
…やばい…これじゃ出禁になる
「ほら!ちゃんと感想ください!」
さらに強く押し付け始める
本当にまずい…
どうにかこの状況を打開する方法は…
「…なに…してるの???」
後ろの方から聞きなれたいつもの声が聞こえる
ゆっくり振り向くとそこには…
引きつった顔をした冬華さんと
後ろでやれやれと呆れている鳴海さん
何故か冬華さん以上に驚いた顔をしている一秋がいた。
…神さま仏さま、どうにか助けてください。
「冬華さん!これはちが」
その瞬間
僕の頬にビリッとイナズマのような衝撃が走った。
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