青いアネモネ

櫟 真威

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番外編

とおる、養子になる2(R18)

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浴衣を一枚羽織っただけで布団に寝かされていた。

「ん……」

私、まさか逆上せた?
身体を起こすと、津田山は座椅子で寛ぎながら酒を呑んでいた。
行灯のあかりが灯り、淡い光に包まれている。
私は先程の痴態を思い出し、赤面する。
内なる欲望を津田山に引き出されたようだった。
自分をいやらしい女だと思いたくないが身体は正直だ。
津田山はグラスを置き、こちらへ来た。
はだけた浴衣の裾から、大きく屹立したものが見えた。

「わ、私」

「任せておけばいい」

怯える私に優しく声をかけ、津田山は静かに私にのし掛かる。
津田山はゆっくり挿入した。
私の身体は準備ができていたようで、難なく受け入れる。
恥ずかしい。
私の身体がそんなに欲していたかのようで。

「……っ、はぁ……っ」

行為自体は一年ぶりだ。
浴室で少し弄られたくらいで、こんな大きなものが易々と入るとは思わなかった。
津田山から汗が落ちてくる。
津田山が私を求めている。

夫に否定された私を求める存在があることに、私は歓喜していた。
出会ったとき、住み込みを持ちかけられたとき、嬉しかったのだ。
私が誰かの役に立つ、誰かに求められている。
津田山は私の首に胸に舌を這わせた。
津田山の律動が激しくなる。
突かれることで私の呼吸が乱れた。

「気持ちいいときはちゃんと云いなさい」

津田山は耳から私をとろかす材料を注ぐ。
けれど私は言葉にできない。
ピストンをゆっくりにし陰核を爪で擦る。
私の身体が弓なりに反る。

「云いなさい」

「……きっ……いい……っ……ひぁう」

やはり言葉にならない。
夫との行為はなんだったのだろうと不思議になるくらい、津田山のそれは濃厚だった。
愛情を行為で表現できるなら、津田山は夫より私を愛してくれている、ことになる。

「とおる、あまり締めるな。
千切れちまう」

「やぁ……っ……ひぁ……んんっ……」

津田山は焦らしている。
波が来そうなのにその直前ですっと引くのだ。
私の腰はいやらしくねだっているに違いない。
私にこんな恥ずかしいことをさせる津田山を恨んだ。

「とおる、ここ、ひくひくしているぞ。
何がほしいか云えたらやろう」

意地悪。
本当に意地悪だ。
私は涙目で津田山を見上げる。 
なんなら唇も尖っている。
津田山は虚をつかれたような顔をした。
そして、私が壊れるのではと思うほど激しく突き上げられた。
ほどなく私は開放された。

「小娘に煽られた……私も青い……」

津田山は私の上で脱力している。
重い。
でも心地よい重みだった。
呼吸を整えるようにぜえぜえと深呼吸する二人。
汗で冷えてきた巨体を案ずる私。

「お父さん……お風呂、入る?」

津田山の股間が再び大きくなった。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

すみませんごめんなさい。
男の生理は理解している、とか胸を張っていた自分。
出したら終わり、じゃなかったのですね。

現に、今、浴室の洗い場で鏡のそばに手をつき、後ろから貫かれている私がいます。

「つっ、津田山……さんっ……もう……っ……うぁ」

逃げる私を両手でしっかり捕まえ、腰を激しく打ち付けてくる。

「お父さん、でしょ」

身体を清めるのもそこそこに、津田山は私の肌を味わう。
先程よりも深く抉られ、私の口からはあり得ない嬌声があがる。

「そうか、ここか」

「ひぁっ……違っ……うぁ……っ……」

津田山曰く、私のすべてを味わい尽くした。

タイルでできた浴槽は、大人が二人入っても狭くない。
津田山は私の背に胸をつけ、凭れさせるようにして湯に入る。

「私は人を見る目があってね。
それがこの地位を築いたわけだが。
……とおるは想像以上だった」

私は頭を津田山の肩に乗せ、その言葉を夢うつつに聞いていた。
わかったことは夫がとても淡白だったこと、津田山が私を気に入っていたこと。
「愛人にしたかった」が本音だったこと。

「もう親子なんだから川の字で寝ような」

「えっ」

「な」

津田山の指が蠢く。
私はもうこの指に抗えない。
私はこんなにいやらしかったのだ。

「……はい……」

でも親子はこういうことしないはずなんだけど。
私はこのあと、絶倫という言葉の意味を知ることになる。
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