神様自学

天ノ谷 霙

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2月13日 お菓子作り再開

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デコレーションの準備がてら、携帯で参考画像をいろいろ探してみた。すると可愛らしいデザインが多く出てきて、アレもコレも試してみたいと2人で盛り上がり、いつの間にか1時間が過ぎていた。明のクッキー生地を寝かせる時間も、私のケーキが炊ける時間も過ぎている。慌てて取り出しに行くと、綺麗にふっくらと焼き上がったケーキ生地が出来ていた。
「凄い、本当に綺麗に焼けてる!」
「竹串か何かで、焼けてるか…確認」
「あっ、そうだね」
慌てて竹串を用意し、真ん中のあたりを刺す。しっかり中まで火が通っているようで、生地が竹串に付くことはなかった。安心して大きな丸皿に取り出す。
「明は型抜きと焼く作業が先だね」
「うん。夕音も、少し覚ましてからの方がデコレーションしやすい、かも」
「あ、確かに。焼き立ては美味しそうだけど、ちょっと我慢だね」
粗熱を取る間、生クリームの準備をする。明がパレットナイフを持って来てくれたので、綺麗に飾り付けることが出来そうだ。ただ、初めてやることなので凄く緊張する。
「…夕音、あの」
「うん?」
「…クッキーの型抜き、お願いしていい?私が、代わりにクリーム塗るから」
明はオーブン用の天板に半分ほどクッキーを並べたところで、問い掛けて来た。生クリームを泡立て終え、ケーキも切り分け終えた私はきょとんとした後に明の意図に気付く。
「ありがとう!じゃあ、お願いしようかな」
1人で全部作ったという事実も良いものだが、私は明と2人で使っているのだ。得意なことは互いに任せて、協力して作るのも楽しい。楽しく作れば作っただけ、気持ちもこもるだろう。無理に苦手なことをする必要はない。
私と明は場所を交代して、互いの作業を進める。明はプロのように生クリームを広げていき、滑らかに表面を整えていく。私は素早く型抜きを終えて、明から聞いた通りの時間に設定して焼く。勿論生地を冷蔵庫から取り出した時に予熱はしておいた。
「ありがとう!凄い綺麗…!」
「こちら、こそ。夕音は丁寧で、早いね」
作業の邪魔になるから、と私が型抜きしたクッキーはキッチンペーパーに並べ別の机に移動させておいた。その分が2つと半分。その残り半分のキッチンペーパーに、型抜きしたクッキーを乗せていく明。一つずつ丁寧に取っているため、少々時間が掛かるようだ。それでも明の想いがこもっていることがよく伝わって来るため、微笑ましい気分になる。
「それじゃあ、私も」
切り分けたケーキ1つ1つに、キューブ型のチョコやアラザン、チョコスプレーなどを乗せてデコレーションをしていく。中腰で行うのは少々大変であったが、楽しくて。明と共に集中して作業を進めていった。
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