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12月27日 助っ人
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羅樹とのデートを思い出して、悶えて暴れて落ち着いてを何度も繰り返していた。流石に1日歩き回っていたので疲れが溜まっていたらしい。次の日は泥のように眠った。そしてその翌日、深沙ちゃんからメッセージが届いており、私は学校へと向かうことになった。
そこには、校庭整備をしている生徒たちが集まっていた。ウィンドブレーカーに身を包んでいる。
「夕音ちゃん…!」
目当ての少女は、目を輝かせてこちらに駆け寄ってきた。私も手伝いの関連でジャージ姿であるが、他の人と服装が違うので浮いている気がする。
「助っ人って稲森のことだったんすねー」
「そうだよ!本当に助かるよ…ありがとう!」
深沙ちゃんは私の手をぶんぶんと振って握手を交わした。私が今日学校に来た理由は、陸上部のマネージャーの手伝いをするためだ。3年生はとっくに引退しているので、深沙ちゃんと他2年生が2人、1年生も3人いるはずだったのだが、2年生が2人と1年生が1人インフルエンザにかかってしまったらしい。半年近く所属して慣れてきたとはいえ、陸上部は大所帯だ。大会も近いらしく、3人で回すには人数が足りない。というわけで私が呼ばれたのだとか。
「後で八千奈ちゃんと明ちゃんも来るよ。いっぱい動いてもらうことになるから…申し訳ないけど覚悟しててね」
「いいよ、引き受けたのは私だし。頑張るね」
「そう言ってもらえると助かるよ。基本的なことは私や後輩ちゃん達に聞いてね。あとは先生の指示に従う感じかな」
そんなことを話していると、「おーい」と呼びかけるような声が聞こえた。振り返ると、八千奈と明がこちらに向かって歩いていた。
「あぁ…救世主!」
深沙ちゃんが神に祈りを捧ぐように2人を見つめている。どうやら相当切羽詰まっていたらしい。マネージャーの手伝いをしている鹿宮くんが苦笑いを浮かべた。
「悪いな、休日なのに」
「なら仕事を教えてもらえると嬉しいな」
そう返すと、鹿宮くんは笑って私達3人に仕事のやり方を教えてくれる。給水の準備、簡単な整備、記録の取り方など様々だ。仕事量を考えると、確かに3人では難しいと思う。
「何や、中学とあんま変わらへんのやなー」
八千奈がボソッと呟く。その言葉に反応したのは深沙ちゃんだった。キラキラと目を輝かせて、八千奈をじっと見つめる。その視線に気付いたのか、八千奈はニッと笑った。
「うち中学の時陸上部やったから、ある程度は知ってるんよ。マネージャーなんておらんし、自分達でやらなあかんからね」
「神様…!」
強力な助っ人を呼んだことに気付いたらしい。経験者は1人いるだけで相当に違う。私と明は初めてなので、さっさと覚えて動かなくてはならない。一応、先程の鹿宮くんの説明である程度は理解した。
「せやけど、癖ついてもうてるから間違うても堪忍な。なるべく早くこっちのやり方に慣れるよう、頑張るわー」
「私達も働くよ。頑張ろうね、明」
「うん」
こうして、私達の陸上部マネージャー体験が始まったのだった。
そこには、校庭整備をしている生徒たちが集まっていた。ウィンドブレーカーに身を包んでいる。
「夕音ちゃん…!」
目当ての少女は、目を輝かせてこちらに駆け寄ってきた。私も手伝いの関連でジャージ姿であるが、他の人と服装が違うので浮いている気がする。
「助っ人って稲森のことだったんすねー」
「そうだよ!本当に助かるよ…ありがとう!」
深沙ちゃんは私の手をぶんぶんと振って握手を交わした。私が今日学校に来た理由は、陸上部のマネージャーの手伝いをするためだ。3年生はとっくに引退しているので、深沙ちゃんと他2年生が2人、1年生も3人いるはずだったのだが、2年生が2人と1年生が1人インフルエンザにかかってしまったらしい。半年近く所属して慣れてきたとはいえ、陸上部は大所帯だ。大会も近いらしく、3人で回すには人数が足りない。というわけで私が呼ばれたのだとか。
「後で八千奈ちゃんと明ちゃんも来るよ。いっぱい動いてもらうことになるから…申し訳ないけど覚悟しててね」
「いいよ、引き受けたのは私だし。頑張るね」
「そう言ってもらえると助かるよ。基本的なことは私や後輩ちゃん達に聞いてね。あとは先生の指示に従う感じかな」
そんなことを話していると、「おーい」と呼びかけるような声が聞こえた。振り返ると、八千奈と明がこちらに向かって歩いていた。
「あぁ…救世主!」
深沙ちゃんが神に祈りを捧ぐように2人を見つめている。どうやら相当切羽詰まっていたらしい。マネージャーの手伝いをしている鹿宮くんが苦笑いを浮かべた。
「悪いな、休日なのに」
「なら仕事を教えてもらえると嬉しいな」
そう返すと、鹿宮くんは笑って私達3人に仕事のやり方を教えてくれる。給水の準備、簡単な整備、記録の取り方など様々だ。仕事量を考えると、確かに3人では難しいと思う。
「何や、中学とあんま変わらへんのやなー」
八千奈がボソッと呟く。その言葉に反応したのは深沙ちゃんだった。キラキラと目を輝かせて、八千奈をじっと見つめる。その視線に気付いたのか、八千奈はニッと笑った。
「うち中学の時陸上部やったから、ある程度は知ってるんよ。マネージャーなんておらんし、自分達でやらなあかんからね」
「神様…!」
強力な助っ人を呼んだことに気付いたらしい。経験者は1人いるだけで相当に違う。私と明は初めてなので、さっさと覚えて動かなくてはならない。一応、先程の鹿宮くんの説明である程度は理解した。
「せやけど、癖ついてもうてるから間違うても堪忍な。なるべく早くこっちのやり方に慣れるよう、頑張るわー」
「私達も働くよ。頑張ろうね、明」
「うん」
こうして、私達の陸上部マネージャー体験が始まったのだった。
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