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来's friends(短編)
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「ど、どうしてここに?」
「竜夜がきなこ食べたいって騒ぐから、どっか甘味処行こうぜって話になって」
「それを聞いた光が、じゃあ潮賀の家はどうだって言うから、来てみたんすよ」
「来の家のお茶は美味しいからな」
光くんが自慢げに言ってくれたのが嬉しくて、ふふっと笑ってしまう。
「えぇ、どれも自慢の一品です。ごゆっくりどうぞ」
「おー、頑張ってなー!」
「頑張れ!俺たちは見守ってる」
「竜夜に見守られたら逆に失敗の加護が付きそうだ」
「何だと!?」
騒がしい友人達に応援されて、仕事に戻る。時間経過と共に店内には人が減っていき、店内には光くん達のみとなった。
「来くん、休憩してきていいわよ」
「え?でも姉さんがまだ…」
「私も休憩するわ。あの子達、来くんを待ってるみたいよ」
視線を動かすと、厨房の方を見てそわそわしている4人が見えた。何だか嬉しくて、心が温かくなる。
「…じゃあお先、休憩入ります」
そう告げて、着替えもせずに友人達のもとへ駆け寄った。
「休憩貰ったので、仲間に入れて貰えますか?」
「おぉ、お疲れ様!」
「大歓迎だよ。ほら、座って座って」
「働く潮賀は格好良いっすね」
「これはモテるわ。女子が知ったら皆来るよ。入り浸るよ」
「皆にうちの味を知って貰えるなら、大歓迎ですよ」
「「「「良い子だわ~」」」」
光くんや鹿宮くんまでが口調を合わせて言うものだからおかしくて。僕はまた笑顔になった。
「きな粉が美味しかった…俺常連になる…」
「好きだねぇ…美味しかったっていうのはわかる」
「ね、また来たいっすね!」
「食事系もあるんでしょ?クラスの打ち上げとかで来たいわー…」
「あぁ、良いなぁ…それ…」
「平日ならバイトさんも来るし、皆さんが注文するならいつもより儲かるし、予約さえしてくれれば大歓迎ですよ」
「わっ!?ね、姉さん?」
いつの間にか背後に立っていた姉さんが、うふふっと笑う。おっとりと育ったとよく言われる姉さんは、商売のことに関すると両親譲りのしっかり者を発揮する。
「是非、店をご利用してくださいね」
にこにこと笑いながらそう告げると、そのまま厨房の方へ戻ってしまった。
「…文化祭の打ち上げ、ここにしない?」
「今店の検討中だよな?提案してみるか」
「俺だけクラスが違うんで、寂しいっすね…」
鹿宮くんがいじけるが、隣に座っている光くんが「いっそ参加すれば?」なんて言うので、ちょっと嬉しそうにする。
「予約するとしたら、いつが良いんだ?店の状況にもよるだろ」
「そうですね…えっと…」
「来週の水曜日から金曜日のどれかなら構わないわー!」
「…だそうです」
母さんの声に、僕はもう諦め混じりで続ける。クラスでの話し合いの方にその旨を伝えると、来週の金曜日に僕の店で開催することになった。
「いっぱい食べて、いっぱい還元しよう」
「だな。あ、来はこれから時間ある?」
「店の手伝いが忙しいならいいんだけど、このまま遊ばない?」
「えっ…」
チラッと厨房の方に視線を動かすと、両親がヒラヒラと手を振っていた。僕たちの声が大きいので話が聞こえているのは仕方ないと割り切って、両親の厚意に甘えることにした。
「大丈夫です。行きます」
「お、よっしゃ。じゃあ男5人旅、行きますかー」
「旅…?」
「最初どこ行くー?」
「その前に会計をしろ、会計を」
「「「はーい」」」
会計を済ませた後、僕は家族に手を振って皆の後を追った。
「竜夜がきなこ食べたいって騒ぐから、どっか甘味処行こうぜって話になって」
「それを聞いた光が、じゃあ潮賀の家はどうだって言うから、来てみたんすよ」
「来の家のお茶は美味しいからな」
光くんが自慢げに言ってくれたのが嬉しくて、ふふっと笑ってしまう。
「えぇ、どれも自慢の一品です。ごゆっくりどうぞ」
「おー、頑張ってなー!」
「頑張れ!俺たちは見守ってる」
「竜夜に見守られたら逆に失敗の加護が付きそうだ」
「何だと!?」
騒がしい友人達に応援されて、仕事に戻る。時間経過と共に店内には人が減っていき、店内には光くん達のみとなった。
「来くん、休憩してきていいわよ」
「え?でも姉さんがまだ…」
「私も休憩するわ。あの子達、来くんを待ってるみたいよ」
視線を動かすと、厨房の方を見てそわそわしている4人が見えた。何だか嬉しくて、心が温かくなる。
「…じゃあお先、休憩入ります」
そう告げて、着替えもせずに友人達のもとへ駆け寄った。
「休憩貰ったので、仲間に入れて貰えますか?」
「おぉ、お疲れ様!」
「大歓迎だよ。ほら、座って座って」
「働く潮賀は格好良いっすね」
「これはモテるわ。女子が知ったら皆来るよ。入り浸るよ」
「皆にうちの味を知って貰えるなら、大歓迎ですよ」
「「「「良い子だわ~」」」」
光くんや鹿宮くんまでが口調を合わせて言うものだからおかしくて。僕はまた笑顔になった。
「きな粉が美味しかった…俺常連になる…」
「好きだねぇ…美味しかったっていうのはわかる」
「ね、また来たいっすね!」
「食事系もあるんでしょ?クラスの打ち上げとかで来たいわー…」
「あぁ、良いなぁ…それ…」
「平日ならバイトさんも来るし、皆さんが注文するならいつもより儲かるし、予約さえしてくれれば大歓迎ですよ」
「わっ!?ね、姉さん?」
いつの間にか背後に立っていた姉さんが、うふふっと笑う。おっとりと育ったとよく言われる姉さんは、商売のことに関すると両親譲りのしっかり者を発揮する。
「是非、店をご利用してくださいね」
にこにこと笑いながらそう告げると、そのまま厨房の方へ戻ってしまった。
「…文化祭の打ち上げ、ここにしない?」
「今店の検討中だよな?提案してみるか」
「俺だけクラスが違うんで、寂しいっすね…」
鹿宮くんがいじけるが、隣に座っている光くんが「いっそ参加すれば?」なんて言うので、ちょっと嬉しそうにする。
「予約するとしたら、いつが良いんだ?店の状況にもよるだろ」
「そうですね…えっと…」
「来週の水曜日から金曜日のどれかなら構わないわー!」
「…だそうです」
母さんの声に、僕はもう諦め混じりで続ける。クラスでの話し合いの方にその旨を伝えると、来週の金曜日に僕の店で開催することになった。
「いっぱい食べて、いっぱい還元しよう」
「だな。あ、来はこれから時間ある?」
「店の手伝いが忙しいならいいんだけど、このまま遊ばない?」
「えっ…」
チラッと厨房の方に視線を動かすと、両親がヒラヒラと手を振っていた。僕たちの声が大きいので話が聞こえているのは仕方ないと割り切って、両親の厚意に甘えることにした。
「大丈夫です。行きます」
「お、よっしゃ。じゃあ男5人旅、行きますかー」
「旅…?」
「最初どこ行くー?」
「その前に会計をしろ、会計を」
「「「はーい」」」
会計を済ませた後、僕は家族に手を振って皆の後を追った。
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