236 / 812
9月24日 薬の効果
しおりを挟む
「…というわけで放課後がやってきましたが」
「どういうわけだよ」
「いつになったら戻るんだ?これ」
「青海川先生は午後から夕方には戻るはずって言ってましたよね」
由芽のナレーションに小野くんがツッコみをいれる。それを聞いて竜夜くんと眞里阿が朝の青海川先生の発言について話している。口調はそのままなので、バッサリとした言い方の女子と丁寧な女性口調の男子とがごちゃごちゃになっているのが、変な感じだ。
「これ戻るまで学校出れなくね?」
「あー…だな。外でいきなり戻っても怪しいしなぁ…」
「おーい!」
教室の外から声が聞こえ、走って入ってきたのはいつも通りシュシュで下の方をツインテールにした霙だった。
「えっ!?」
驚く私たちの様子に気付いていないかのように、そのまま楽しそうに話し続ける霙。雪くんを引っ張ってきてそのまま後ろから抱きつく。
「見て見て!この状態で雪にくっついても何も変じゃないよ!」
「やめ…」
「ちょ、待て、お前戻っ…?」
「え?うん。何人か戻ってるよ?廊下とか見れば分かる」
「ちなみに私も戻ったよー」
霙の後ろから出てきた紗奈が、意地悪そうに微笑む。
「げっ…紗奈…」
「身長高くて胸も大きくてスタイル抜群なんて…竜夜はそのままの方が良いんじゃない?」
「はぁ!?ふざけんな!俺だって戻りたいわ!」
「あ」
小野くんの声に振り向くと、小野くんもいつも通り男子の姿に戻っていた。
「海斗、その姿だともしかして空原の方が…」
「うるせぇ!」
両方男子の姿だと由芽の方が身長が微妙に高いらしい。小野くんが顔を真っ赤にして怒っていた。
「ちょっと2人とも早い…あら、まだ戻ってないのね」
「薬の効果はまちまちみたいだな…」
「薬が四散した時に近くにいた人ほど長いのかな」
利羽、浅野くん、蒼くんがいつもの姿で教室に入ってきた。
「紗奈も霙も戻ったなら帰れるんじゃない?」
「そうだね。帰る?」
「雪が戻ったら帰ろうかな。こんな可愛い雪見れることないし!」
「ほんっと…霙お前なぁ…」
雪くんが顔を真っ赤にして嫌そうな表情をしている。皆を見回して苦笑いをした後、私はさっきの蒼くんの発言を思い出した。
「…近くにいた人ほど戻るのが遅いなら、私と由芽は遅いってことかな」
「そうだね…4組側の廊下だったとはいえ、私達もそこそこ近かったし」
「そうみたいだよ~」
そんな声が聞こえてそちらを向くと、もう既に戻った亜美と、その後ろからまだ男子の姿のままでいる爽が顔を覗かせた。
「4組から遠い教室はほとんど戻ってるみたいなんだけど」
「…4組はまだ全然戻ってない…」
「青海川先生も、実栗も戻ってねぇぞ」
爽の言葉を継いで、藤上くんがドアから話し出した。さっきまで、妹さんと一緒に青海川先生に呼び出されていたらしい。
「…ったく…実栗のせいで散々だよ…」
「お疲れ様」
まだ半分くらいは戻っていない3組。4組はこれより戻っていないのか、と思うと、まだ羅樹とは帰れなさそうだ。
「どういうわけだよ」
「いつになったら戻るんだ?これ」
「青海川先生は午後から夕方には戻るはずって言ってましたよね」
由芽のナレーションに小野くんがツッコみをいれる。それを聞いて竜夜くんと眞里阿が朝の青海川先生の発言について話している。口調はそのままなので、バッサリとした言い方の女子と丁寧な女性口調の男子とがごちゃごちゃになっているのが、変な感じだ。
「これ戻るまで学校出れなくね?」
「あー…だな。外でいきなり戻っても怪しいしなぁ…」
「おーい!」
教室の外から声が聞こえ、走って入ってきたのはいつも通りシュシュで下の方をツインテールにした霙だった。
「えっ!?」
驚く私たちの様子に気付いていないかのように、そのまま楽しそうに話し続ける霙。雪くんを引っ張ってきてそのまま後ろから抱きつく。
「見て見て!この状態で雪にくっついても何も変じゃないよ!」
「やめ…」
「ちょ、待て、お前戻っ…?」
「え?うん。何人か戻ってるよ?廊下とか見れば分かる」
「ちなみに私も戻ったよー」
霙の後ろから出てきた紗奈が、意地悪そうに微笑む。
「げっ…紗奈…」
「身長高くて胸も大きくてスタイル抜群なんて…竜夜はそのままの方が良いんじゃない?」
「はぁ!?ふざけんな!俺だって戻りたいわ!」
「あ」
小野くんの声に振り向くと、小野くんもいつも通り男子の姿に戻っていた。
「海斗、その姿だともしかして空原の方が…」
「うるせぇ!」
両方男子の姿だと由芽の方が身長が微妙に高いらしい。小野くんが顔を真っ赤にして怒っていた。
「ちょっと2人とも早い…あら、まだ戻ってないのね」
「薬の効果はまちまちみたいだな…」
「薬が四散した時に近くにいた人ほど長いのかな」
利羽、浅野くん、蒼くんがいつもの姿で教室に入ってきた。
「紗奈も霙も戻ったなら帰れるんじゃない?」
「そうだね。帰る?」
「雪が戻ったら帰ろうかな。こんな可愛い雪見れることないし!」
「ほんっと…霙お前なぁ…」
雪くんが顔を真っ赤にして嫌そうな表情をしている。皆を見回して苦笑いをした後、私はさっきの蒼くんの発言を思い出した。
「…近くにいた人ほど戻るのが遅いなら、私と由芽は遅いってことかな」
「そうだね…4組側の廊下だったとはいえ、私達もそこそこ近かったし」
「そうみたいだよ~」
そんな声が聞こえてそちらを向くと、もう既に戻った亜美と、その後ろからまだ男子の姿のままでいる爽が顔を覗かせた。
「4組から遠い教室はほとんど戻ってるみたいなんだけど」
「…4組はまだ全然戻ってない…」
「青海川先生も、実栗も戻ってねぇぞ」
爽の言葉を継いで、藤上くんがドアから話し出した。さっきまで、妹さんと一緒に青海川先生に呼び出されていたらしい。
「…ったく…実栗のせいで散々だよ…」
「お疲れ様」
まだ半分くらいは戻っていない3組。4組はこれより戻っていないのか、と思うと、まだ羅樹とは帰れなさそうだ。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる